「じゃあ、明日は休みだし、その洋館に行って、お化けを捕まえましょう!キョンとあんたは、お化けを捕獲できる装置を、掃除機でも改造して作ってきなさい」

 まーた、涼宮が俺とキョンを指さしながらおかしなことを言ったぞ。お化けはいないもんだから、掃除機を改造する必要は全くない。というか、そんなもん作れるか!

「明日のために、鋭気を養っておきなさい。解散!」

そういうと、涼宮は部室から飛び出し、帰ってくることはなかった。

 キョンと俺がため息をつき、古泉は相変わらずのスマイル、朝比奈さんはお化けが怖いのかおびえていて、長門は相変わらず本を読んでいた。頼むから、元の世界に戻るまで、平和な日々を送らせてほしいもんだ。
 

 日が変わって翌日。俺は集合場所となっている学校から一番近い駅に向かった。この日は夏らしく快晴で、朝からうっとおしくなるくらい暑い日だった。

 俺が到着すると、キョン以外そろっていたのだが、涼宮は俺を見るなり、目を尖らせて不機嫌顔になり

「捕獲装置はどうしたの?」

無茶を言う。

 こいつは昨日本気で言っていたのか?そんなことだと思って俺は用意していた、蓋付きの空き缶を涼宮に見せた。

「何よこれ?」

「この中にお化けを閉じこめるんだ。魔封場って呪文を唱えると、とある大魔王も閉じこめることもできるらしいぞ。ただし条件があって、一度使うと命をだな……」

「……キョン遅いわね」

 頑張って説明しているのに、いつの間にか涼宮は仁王立ちをして俺に背中を向けていた。どうやら、俺を無視することに決めたようだ。苦労して用意したのにそりゃないぜ。

 5分程度待ったところで、キョンがやってきた。涼宮がキョンにも捕獲装置がどうとか聞くもんだと思ったが、

「遅い、罰金!」

と叫んだだけで終わった。

 扱いに差がありすぎないかい、涼宮さん?涼宮にとって仮団員ってのは、瞬殺されるザコキャラ程度の価値しかないのだろう。
 

全員集まったところで、さっそく噂の幽霊洋館に向かっていた。涼宮の足取りだけ軽く、俺達は若干うつろな表情をして歩いている。なぜなら、どうせ行っても何もないってのはわかりきっているからだ。

 そのうち、噂の洋館に到着したのだが、なかなかいい雰囲気だ。でっかい鉄製の門扉、草が生い茂った敷地。建物自体はそれほどくたびれてなく、充分人は住めそうだった。

 俺達は鍵のかかっていない門扉を開けて敷地の中に入り、一直線に洋館の正面出入口を確認した。だが、当たり前のことだが鍵がかかっていて、中に入ることはできなかった。

 俺は安心して、このまま解散すると思ったのだが、涼宮は諦めが悪いようで、

「仕方ないわね、別の場所が開いていないか手分けして探しましょう」

みんなで探すようなことをいいつつ、なぜか俺とキョンだけに外周を回って確認するよう命令しやがった。

 

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