第十四章




 ぎょっとした。
 そのとき俺にあった感情はわずかにそのくらいなもので、俺はただ心臓の鼓動が高まるのを感じながら歩みを止めた。暑さではなくて、嫌な感じの汗が全身から噴き出てきた。
 キョンくん。
 別に、そのまま逃げ出してもよかったのだ。真夜中の肝試しで誰もいるはずがないのに自分の名前を呼ばれたら、まともな人間なら間違いなく怖くなって逃げ出すだろう。俺だっていつもだったら逃げ出したに違いない。それでも今、立ち止まったのは、まともな人間じゃないからとかそういうわけじゃなくて、俺がその声に何かしらの希望を見いだしていたからかもしれない。
 とにかく俺は立ち止まったのだ。
 そしてすぐに、幽霊なんかじゃないと思った。初対面の幽霊にあだ名で、しかもくんづけで呼ばれてたまるか。キョンくん。澄んだ鈴の音みたいにきれいな女性の声だ。他に音源がない静まり返った夜で、その声はことさら神秘的に響いた。聞き覚えがあるような気もする。
 深く息を吸って、吐いた。少し落ち着いた。そして、俺は一息に振り返った。


 大人の姿をした朝比奈さんが、そこにいた。

 

 身長、ボディラインともに成長してますます美しさに磨きのかかった未来人。三年前の七夕のときと同じ、柔らかな微笑を俺に投げかけるこのお方こそが、俺を呼び止めたその声の主に違いなかった。
 俺は思わずため息をついてしまった。知らないうちに力の入っていた肩が思わず脱力する。
 そして、それだけではなかったのだ。
 俺の目は、茂みの中から現れたもう一人の人影――北高の制服を身にまとった小柄なショートカット――をとらえたのだった。
「長門――」
 発するべき言葉が見つからなかった。
 相変わらずの無表情で、短い髪を風になぜさせている、その長門に何と言えばいいのか思い浮かばなかったのである。
 俺は驚愕というよりはむしろ、衝撃でその場に固まっていた。 
 ただ一つ、直感的に解ったのは、俺の目の前にいるこの長門が、どうやら平行世界の長門ではなさそうだということである。この世界の長門なら今頃ハルヒたちと花火をやっているはずだ。その長門がいきなり墓場の奥に現れるわけがない。当たり前だ、あいつは普通の人間なんだから。
 あるとしたら、と俺は思った。
 この長門が宇宙人であるという以外は考えつかなかった。どこか別のところからこの世界にやってきた宇宙人。理屈も、どこの世界から来たのかも解らないが、朝比奈さん(大)と一緒にいるということが何よりの証拠だった。
 俺が何も言い出せないでいるうちに、朝比奈さんがかすかな笑い声をたてた。
「ふふふ。キョンくん、お久しぶりですね。驚かせてしまってすみません」
「いえ……とんでもないです」
 出した声はわずかにかすれていた。
「キョンくんが来るまで、しばらくここで待たせてもらいました。ちっちゃいあたしが歩いてるのも見たけど、ふふ、おっかなびっくりで可愛かったです。その衣装、キョンくんよく似合ってますよ。あたしも着てみたかったなあ」
 朝比奈さんは隣で突っ立っている長門に目を向けて、
「長門さんは、こっちの世界でも相変わらずみたいでしたけど」
「…………」
 長門は無言。俺も何も言えずにいると、朝比奈さんは胸の前で手のひらを合わせて苦笑した。「そんなことを言っている場合じゃありませんでしたね。つい懐かしくなっちゃって」
 それから俺の疑いの目線が長門に向けられていたことに気づいたのか、
「こちらの長門さんは、今よりも未来の長門さんです。どの世界の、どの程度未来の長門さんかは言うことはできません。禁則事項に該当しますから」
 朝比奈さんはちらっと長門を見やった。長門が正面を向いたままミリ単位でうなずくのが解った。
「キョンくんももう気づいてると思うけど、いよいよ世界が閉ざされ始めました。こちらの世界と、キョンくんが今までいた元の世界とが切り離されようとしているんです。それがどういうことを意味しているかは、たぶん解るよね。過去のあたしか長門さんが教えてくれたと思うけど」
 もちろん解っている。二人から同じような内容の説明を受けたのだ。俺は教えられたそのままを口にした。
 

 ハルヒが世界を封鎖し、二回目の情報爆発を起こしたということでしょう。ハルヒの持っていた力もその瞬間に失われた。そしておそらくは、元の世界は凍結されたまま、つまり俺は元の世界にはもう戻れない。そういうことでしょう――。 
 
 声を出す唇が震えた。 
 そして、その通りです、と朝比奈さんは答えた。
 
 世界の封鎖。二回目の情報爆発。ハルヒの能力の喪失。平行世界に取り残された俺。そして、これから続くであろうごく普通の未来。 
 そういうことがふわふわと俺の頭を漂っている。しかし俺には、これからこの世界で暮らすということがピンとこなかった。ちょうど、長門に宇宙人だと告白されたときの気分がこんな感じだった。日常から非日常へ。ところが今はその立場が逆転しちまってるらしい。非日常から日常へ。
 ハルヒが力を失って、フツーの女子高生になる。
 それがどういうことかは理解できてもいまいちイメージを持てないのは、俺の想像力が欠けているからなのだろうか。いつの間にか非日常の世界が俺にとっての日常になっていた。
「二日前」
 今度は長門の番だった。長門は静かに喋りだした。
「二日前――八月十七日の午後十一時十三分。涼宮ハルヒの発する情報フレアの波長が異常拡大した。規模は四年前の情報爆発とほぼ同様。情報フレアが瞬時にこの惑星を覆い、宇宙空間に拡散するのを観測して、我々はこれを涼宮ハルヒによる二度目の情報爆発と定義した。涼宮ハルヒは内包する情報のすべてを宇宙空間に放出し、以後、情報フレアは観測されていない。現在の彼女は普遍的な人間と同じ。情報改変能力も持っていないと推定される」
「…………」
 俺は話の規模に圧倒されてしまい何も言えず、せめてのリアクションとして息をついた。
 なんだか恒星みたいだ。
 話を聞きながらそんなことを思った。二度目の情報爆発は超新星爆発そのものである。巨大な恒星の死と、それにともなう大爆発。夜空に輝く星。
 恒星を失ったとき、それを取り巻く惑星たちはどうなるんだっけな、と考えて俺はげんなりした。爆発に巻き込まれて消し飛ぶ以外に道はない。 
「それで」
 俺は続ける。
「ハルヒは世界を閉ざしたのか? 情報爆発を終えて力を失って、それでハルヒはこっちの――誰もが普通の人間である世界を選んだってことか? もう一方の、俺が今までいた世界の時間を凍結させて」
「そう」
 長門の声が簡潔に肯定した。
「じゃあ」
 と俺は食い下がった。
 じゃあ、お前らはどうなんだ。ハルヒが世界を封鎖して出入りできないようにしちまったのに、どうしてお前らはこっちの世界にやってこれたんだよ。
 俺がそのことを指摘すると、朝比奈さんは急に真面目な顔になった。
「そうなんです。そのことが今回、あたしたちがここにやってきた理由でもあるんです」
「というと」
「実はまだ、二つの世界は完全につながりを絶たれたわけではないんです」
 朝比奈さんの言っている意味が理解できなかった。
 そしてしばらく経って俺は「えっ」と呟いた。



 
 この二人と遭遇してからどのくらいが経過したのだろうか。時間の感覚は薄れていた。
 俺はようやく、自分がこういう話をするにはあまりにも不似合いな格好をしていることに気づいた。死装束に三角頭巾。今まではそんなのを気にする余裕さえなかったのだが、今さらながら恥ずかしくなって、せめて三角頭巾を取った。
 その様子を見てか、朝比奈さんが「どこかに座りましょうか」と提案してくれたので、三人はそこらへんにあった作られてから一度も座られてないような汚いベンチに腰を下ろした。燭台を地面に置いて初めて、俺は右腕が疲れていたことに気づいた。
「涼宮さんは」
 一息入れたところで、なおも朝比奈さんは話し出す。生ぬるい夜風が三人の間を吹き抜けていった。
「涼宮さんは確かに、持っていた能力のすべてを失いました。結果的にはこちらの世界を選んで、世界を閉ざしもしました。キョンくんの力ではもう向こうの世界に行くことは出来ません。それはキョンくんも知っているとおりです」
 俺は無言で先を促す。
「でもね、それは実は、キョンくんの力では行けなくなった、というだけのことなんです」
「? どういうことです」
「さっきも言ったように、まだ二つの世界は完全につながりを絶たれたわけではありません。ですから二つの世界を行き来することができなくなった、というわけではないんです。事実、あたしは長門さんにお願いして連れてきてもらったわけですから」
 俺ははっとして長門に目をやった。俺は世界を行き来できなくなったが、長門なら行き来できる。有り得なくはない話だ。
「長門さんがすごく長い時間をかけて時空間データを解析してくれたんです。そのデータを元に長門さんのお仲間の力も借りて、時空間断層の隙間を通ってこちらの世界に来ることができました」
「そう」
 と長門が合いの手を入れる。
「時空間断層の、隙間?」 
「ええ。今回のような大規模の改変では、世界を切り離すといっても一朝一夕にはできないんです。時間をかけずに、無理やり切り離そうとすると世界に傷跡が残る可能性があるから。時空間断層の隙間っていうのはそういうわけで、まだ切り離されてない部分のことです」
「それじゃあ……」
 と言いかけて、俺は言葉を切った。
 それじゃあ、俺もその時空間断層の隙間を通って元の世界に戻れるってことですか?
 俺はそう言おうとしていたのだ。でも、それを言ってはダメだとすぐに思い直した。ハルヒがこちらの世界を望んでいる以上、俺はその意志に従わなければならない。俺の意志で元の世界に戻ったって、ハルヒがこちらの世界を望んでいる以上は何の解決にもならないのだ。
 そういう俺の逡巡を、朝比奈さんは見抜いていたようだった。柔らかそうな頬が弛む。
「もちろんキョンくんも、まだ元の世界に戻ることができます。今はあっちの世界の時間は凍結されているけど、でもたぶん、涼宮さんのやったことだから、キョンくんが行ったら動き出すんじゃないかな? その代わりに、こっちの世界の時間は凍結されると思うけどね」
「元の世界に戻るか戻らないか。どちらがいいか、選べということですか?」
「そうです」
 俺は長門を見やった。戻るという場合には長門やお前の親玉の力で戻してもらうことになりそうだが、それでもお前は構わないのか? いや、というか、お前の考えはどうなんだ。俺は元の世界に戻るべきなのか、戻らないべきなのか。 
「わたしはあなたの意志に従う」
 長門は静かに答えた。自然と厳粛な気持ちにさせられる声だ。 
「この件において絶対的に正確といえる事柄は存在しない。もちろん未来についても、規定事項は定まっていない。だから、未来のことは考えずに素直に答えて」
 未来のことは考えずに。
 俺は長門のセリフを頭の中で復唱する。長門の口からこんな言葉が飛び出すとはな。一年前には思いつきもしなかったセリフだろう。十二月の改変の後に、同期を拒否した長門の姿がふと頭をよぎった。
 そのまま何度か、背後の林から風が吹き込んだ。
 長門も朝比奈さんも沈黙し、俺の返答を待っているふうであった。その様子を感じて、この二人が俺に接触した目的はこれなのだろうと察しをつけた。
 元の世界がいいか、この世界がいいか。
 結局、俺が決めることになるのかと俺はげんなりした気分を味わいながら、でも不思議と緊張はしなかった。なぜかって? そりゃ、俺の意志がとっくに決まっていたからだろう。
 
 元の世界に戻りたい。なんとしてでも。
 

 今なら言えるね。自分の思いをごまかすことはできん。俺は宇宙人や何やらとワケの解らん連中と過ごす毎日が好きで、もちろん今だって好きだ。だから、こっちの世界の平凡な生活と元の世界の日々を比べれば、絶対元の世界の方がいい。そして、戻りたい。できるだけ長い間、あの連中と時間を過ごしたいと思う。まだ物足りないとも思う。
 しかし。
 
 しかし、その思いよりも強く、ハルヒのことが俺の頭にはあった。
 

 正直に言おう。一番最初、デパートで古泉に、ハルヒは一生一緒にいられる友達を望んでいるのだという話を聞いたとき、俺はかなりショックだった。そしてなんだか、幻滅するような思いさえ抱いた。今までは、ハルヒはハルヒであってハルヒ以外の何者でもないという意識が俺の頭の片隅にあったのだが、今回の件で逃げようのないほどはっきりと、ハルヒはまっとうな一人の女子高生なのだと痛感させられたのだ。
 一生、一緒にいられる友達が欲しい、だと? おいおいハルヒ、それ本当にお前のセリフかよ。台本間違えたんじゃねえのか?
 しかし、そう頭の中でツッコミを入れつつも、俺の返答は決まっていた。ハルヒの最後の望みをふいにすることはできない。
「やめておきます」
 どうにかそれだけ言った。三人の間に決定的な沈黙が流れた。
「ハルヒがこれがいいってなら、これでいいんでしょう。あいつは変人ですが、本当に大事なことに関してはしっかりしてますし、根っこの部分は真面目な奴です。そうやってあいつが出した答えを、そいつを俺の一存で変えちまうのは、なんというか……筋違いな気がしましてね」
「これが最後になります」
 朝比奈さんが間髪入れずに言った。俺の答えを予期していたような口振りでもあった。
「もう時間が残されていないんです。まもなく、二つの世界は完全に切り離されます。そうしたら、最後。誰のどんな力を持ってしてもキョンくんを元の世界に連れていくことはできなくなる。もう一度言います。これが最後のチャンスです。元の世界に戻るとしたら、今しかありません」
 これが最後。これを逃したら、俺はもう元の世界には戻れない。俺は朝比奈さんの言葉に少しばかり動揺したものの、しかしやはり「それでも構いません」と答えた。
 空気がぴんと張りつめる。俺の今の一言がそれだけ重大な意味を持っていたのだと、口にしてから気づいた。
 沈黙が流れる。
 長門も朝比奈さんも何か考え込んでいるふうであった。俺の返答についてなのかもしれないし、これからのことなのかもしれない。俺から何か言いだした方がいいのだろうかと思い始めた頃、声を出したのは長門だった。
 いつものあの、無表情で。
「約束をして欲しい」
 そして長門の言葉は短かった。
「約束?」
「そう。あなたがこちらの世界で生きていくという前提で」
「俺が、この世界で生きていくという前提で」
 俺は長門の言葉を繰り返した。まるで耳に馴染まない。長門は淡々と告げた。
「こちらの世界でコウカイしないように」
「コウカイ……?」
 それが後悔だと気づくのにしばらく時間を要した。そして、長門がそんな主観的な言葉を使うということに驚いた。時間が変えたのは何もハルヒだけじゃない。
「あなたがこの世界で生きていくうえで、いつか、この時の自分の選択を後悔するということがないように。――わたしが今、あなたに望むのはそれだけ」 
「…………」
 俺は返答せず、長門の言葉の持つ意味をじっくりと頭に染み込ませた。
 いつか、この時の自分の選択を後悔するということがないように。――これから先、俺がこの世界を選んだということに後悔しないように。
 俺は深呼吸をした。肺に空気が入ってくるとともに、急に物事が現実味を帯びた気がした。
 これから俺は、この世界で過ごす。そういう選択を、俺はたった今したのだ。
 そしてそれは、元の世界にいる連中を見捨てるというのと同じなのだ。俺がこっちにいる限り、元の世界の連中は凍結されたまま。長門にも朝比奈さんにも古泉にも、迷惑かけるだけかけて見放したという責任は、もちろん俺が背負わなければならない。 
 それを背負い続けていく覚悟はあるのか。
 長門は俺に、そう言いたかったのだ。
 強がる必要もないので本音を言おう。そんな大きな覚悟は俺にはなかった。ドラマか何かなら、ここで主人公が覚悟している約束するとカッコよく言い切るもんなのだろうが、俺はあいにく器が小さかったみたいだな。
 でも、だって、そうだろう。
 元の世界の長門たちを見捨てたなんて責任は、とても一人で背負いきれるもんじゃないのだ。もちろん俺には、背負いきれないものを背負う覚悟はない。と、いうのはやっぱり言い訳に聞こえるのかね。他人からすると。
「約束はできない」
 俺は素直にそう答えた。長門は直立不動。しかし、隣の朝比奈さんの方が身じろいだ気がした。
「長門、すまん。でも俺な、絶対に後悔すると思うんだ。後悔せずにはいられない。けど、だから、その代わりに、その時は死ぬほど後悔してやる。死ぬほど後悔して……長門、こんなんじゃ許してくれないか?」
 長門はしばらく俺の言ったことを飲み込むような間を空けてから、小さく口を動かした。
「……あなたの言うことは難しい。でも、わかる気がする」
 風にかき消されてしまいそうな静かな声。俺は何も言えず、足もとの地面を眺めていた。
 何を考えていたわけでもない。
 考えるのにはすっかり疲れて、ぼうっとしていた。ただ陰鬱な感情だけがあった。
「そろそろ、あたしたちはおいとましましょうか」
 その声で俺は顔を上げた。朝比奈さんがベンチから立ち上がっていた。微笑していたが、感情がそのまま表れた微笑ではないということぐらいは俺にも解る。
「こちらの世界にいつまでもいるわけにはいかないんです。早くしないと、外に出られなくなりますから」
「……すみません。なんか、せっかく来てもらったのに」
「いいえ。これがあたしたちの役割ですから。結果は関係ありません。……けど、」
 朝比奈さんは長門をちらりと見やって、
「あたしたちとしては、ちょっと残念かな。やっぱり。キョンくんには、こっちに戻ってきて欲しかった」
「朝比奈さん、『こっち』ってそれ、禁則事項なんじゃないんですか?」    
 朝比奈さんはそれには答えずに言った。
「キョンくん。最後にもう一度だけ訊いておきます。元の世界には戻らずに、この世界でこれから過ごす。それで、本当にいいのね?」
「はい」
 即答した。無理にでも、そうしなければ、俺の本心が騒ぎ立ててしまいそうだった。
「そう。解りました。……じゃあ、あたしたちはもう、行きますね。――長門さんも」
 呼ばれて、長門も朝比奈さんに続いて立ち上がった。そして俺に言った。
「わたし個人としては、あなたに別の選択を期待していた」
「…………」
「少し、残念」 
 それだけ言って、俺に背中を向けた。俺は何かを言うべきだと思いながら、しかし何も言えず、口をもぐもぐさせて、そして長門の姿は林の中へと見えなくなった。
 これで。
 これで最後か。
 俺はなんだか悪夢を見終わったような虚脱感に襲われて、ゆらゆらとベンチに舞い戻って腰掛けた。
 足もとに置いてあるろうそくが、かすかな光を放っていた。



第十五章   TOP


|