放課後。いつも通りに団活『で』精を出すべく文芸部室のドアを開けると、やや頬を赤らめた仁王立ちの団長様がビシッと人差し指を突きつけてきた。
「遅いっ!罰金っ!」
同じクラスで一緒に終礼したのに、なんでお前はそんなに早く着いてるんだよ。
なんにせよ、今日も体で罰金を払わされるらしい。やれやれ。
 
・・・・・・・・・・・・
 
さてさて、わが青春の団活が性春の団活へと変わってしまった原因は、俺が完勝を収めてしまった先日の『一日団長権争奪オセロ大会』にまで遡る。
言うまでもないが、いくら日ごろ古泉と不毛な特訓を重ねているとはいえ、
一般人代表たる俺が瞬時に∞通りの手を読み切るはずの宇宙人にも圧勝してしまったのは、ひとえに、どこぞの神様の無意識がなせる業であろう。
それはともかく、トーナメント戦、勝ち抜き戦、総当たり戦のすべてに勝利した俺は、
アヒル口でブーたれる団長様から、しぶしぶ翌日の放課後を団長として過ごす権利を授与された。
まったく、そんなに嫌そうにするなら、こんな企画思いつくなよ。
何はともあれ一日団長である。しかも『団長命令には絶対服従』がSOS団の規定事項である。
普段のいわれもない仕打ちに、ささやかな反撃をする絶好の機会である。
「団長命令は絶対だったよな、ハルヒ。てことは、当然エロい命令もありなんだよな?」
思わずこんな軽口をたたいてしまった俺を、いったい誰が責められようか。
「なっ!?このバカキョン!!上に立つ者には、相応の責務ってもんがあるんだからね!ノーブレスオブリージュってやつよ!わきまえなさい!」
「ふぇ!?きょきょキョン君!えっちなのは良くないと思います!」
団長席をふっ飛ばす勢いで立ち上がって喚くハルヒと、麗しの大きな瞳に涙を溜める朝比奈さん。
明らかに怒り以外の成分を含んで真っ赤になった団長は放っておくとしても、我が心のオアシス様の誤解だけは解いておかねばなるまい。
と、この場を和ませるべく、捻りの効いたオチの一つも考えていたところで、古泉のエセ優等生スマイルが凍りついていることに気付いた。
……おいおい、もしかして俺はパンドラの箱を開けちまったのか!?
慌てて長門に視線を走らせると、ジト目でこちらを睨んでいた黒曜石の瞳がフイッと逸らされた。
決定。明日は厄日だ。
 
 
 
「もうっ!今日は解散!!」
顔を真っ赤にさせたままの団長様がソニックブームを残しそうな勢いで走り去ったあと、部室に残された面々は善後策の協議を行った。
何とかしなけりゃ、俺はまた不思議空間で右往左往する破目に陥るからな。
「涼宮さんはあなたが人の上に立ったときに、どのような態度を見せるかに興味があったんですよ。
だから今日のオセロ大会はあなたの圧勝でした。しかし、とんでもないおまけが付いてしまったようですね」
「すまん。つい口が滑った」
「いえいえ、起きてしまったことは仕方ありません。それに、涼宮さんは意外なほどにウブで純情なところがありますからね。
あなたの意味深な発言に戸惑い半分、うれしさ半分といったところでしょうか」
「後ろの半分は余計だ」
「おやおや。とりあえずは、そういう事にしておきましょう。それはさておき長門さん、今後はいかなる事態が予測されますか?」
「彼が『エロい命令』を行い易いように、涼宮ハルヒが時空を改変するのは確実。
しかし、具体的にどのような世界になるかは、彼女の貞操観念に関するデータが不足しているため予測不能」
「ふむ、長門さんでも展開が読めないとなると、いささか厄介な事態ようですね。では、涼宮さんに彼の発言を忘れてもらうことは可能ですか?」
「物理的に不可能ではないが、非常に困難が予想される。先ほどの発言は、涼宮ハルヒの記憶野に深く組み込まれた。
もしこれに情報操作を行おうとすれば、彼女の身体にも危険がおよぶ可能性がある。統合情報思念体は、そのようなリスクを望まない」
こりゃ本格的にまずったな、打つ手なしか。凹む俺を尻目に、古泉は悟りきった微笑を浮かべながら、肩をすくめた。
「仕方ありませんね。僕も健康な男子高校生ですから、あなたの『エロい命令』が跳梁跋扈する世界には、ぜひともお邪魔したいところですが……。
涼宮さんの一途な性格を考えると、残念ながら、SOS団にあなた以外の男子の席は無さそうです。ここはひとつ、あなたの奮戦に期待しますよ」
待て、気持ち悪いウィンクを向けるな。お前と違って、俺は自他共に認める一般人にすぎないんだ。
自慢じゃないが、ご期待には添えない根拠が星の数よりたくさんあるぞ。
「なんにせよ、あなたは果報者です。明日からは、世界のために大いに頑張ってください」
 
・・・・・・・・・・・
 
翌朝。不安にさいなまれながらも寝不足な目を開けた途端、普段通りに妹のボディープレスが降ってきた。
ゴハッ!毎朝のことながら、少しくらいは手加減ってもんを覚えてくれ、妹よ。
「だってキョン君が全然おきないんだも~ん。もう朝ごはんできてるよ~。シャミもごっはん~ごっはん~」
ふむ。どうやら妹には何も影響がないようだ。この辺はハルヒの良識に感謝するとしよう。
もっとも、あいつの非常に限られた良識資源が、ここでネタ切れになっている気がしないでもないがな。
などと疑心暗鬼になりつつ朝食を平らげた俺は、物理法則が根底から崩れているであろう世界にビクビクしながら、朝の強制ハイキングをこなした。
しかしながら、意外なことに通学途中も特に変わった様子はなく、世の中はハルヒが忌み嫌う平穏無事な日常そのもの。
昨日の対策会議は杞憂に終わるかと思われた……のだが、あの迷惑大明神がそんな御慈悲を持ち合わせているはずも無く、
教室の扉を開けたとたん、PTSDとなっている軽やかなソプラノが降ってきた。
「おはよう、キョン君」
「ちーs……って朝倉!?」
な、なんだってお前がここに?いや冷静になれ俺!また、ぶっ刺されるのはごめんだぜ!
「あら、どうしたの?朝からそんなに怖い顔をして」
そっちこそ何を寝ぼけていやがる。あの体の芯が冷えていく痛みは生涯忘れんぞ!
「どういうことだ、説明しろ!」
「うん、それ無理。でも分かってるでしょ。今回は私も栄えあるメンバーに選ばれたってわけ。だ か らぁ、よろしくねっ」
そんな黄色いチューリップのような笑顔を投げかけたって、そうは問屋がおろすもんか!
「ちょっとキョン!なに涼子にそんな怖い顔向けてんのよ。いくら涼子が副団長だからって、一日団長権は放課後からだからね!
それまでのあんたは、ただの平団員よ!下っ端で、ぺーぺーで、最下層で、ハートマン軍曹風に言えば、マゴットよ、マゴット!」
朝倉が副団長だと?ってことは、こいつの役割は古泉の代理か。ウホッフラグが消えたのはいいが、代わりが死亡フラグじゃ割に合わんぞ。
 
・・・・・・・・・・・
 
とにもかくにも、冷や汗とともに午前の授業をやり過ごした俺は、4限終了のチャイムが鳴り終わると同時に超特急で文芸部室へと走った。
何はともあれ、困ったときの長え門だ。現状をきちんと把握しておかなければ、おちおち居眠りもできやしないからな。
「長門!また朝倉が出やがった!!」
「把握している。しかし、あの朝倉涼子は情報統合思念体急進派が送り込んだものではない」
「なに?じゃあ、あいつは朝倉じゃないってのか?」
「彼女がパーソナルネーム朝倉涼子であることは間違いない。しかし、彼女は今回の改変で涼宮ハルヒによって直接呼び出された。
そのため朝倉涼子の有機体と記憶情報を保持しているが、急進派とは独立した存在」
「じゃあ、朝倉がまた襲ってくることはないのか?」
「その危険性は非常に低いと推測される。それに現在の彼女はほとんど情報操作能力を持たない」
あいつはナイフ使いだから一抹の不安は残るが……とりあえず朝倉の件は分かった。
 
と、一応納得したところで、部室の扉がカチャリと開いた。
「や、どうも」
あれ?こいずm……じゃなくて朝倉!!脊髄反射で飛びずさり、ヤツとの距離をとる。
「なんだ?その挨拶は!」
「私、古泉君の代理なんでしょ?だから、なるべく彼の真似をしようと思って」
「やめとけ!まったく似合わん!」
「そうかな?笑顔の似合う武闘派優等生なんだから、私と彼ってけっこうキャラが被ってると思うんだけど?」
人差し指を顎に当てて、小首をかしげる朝倉。
その仕草から、死の概念が云々と言いながら迫ってきたときの苦い記憶がフラッシュバックし、思わず体が硬直する。
「そんなに怖がらないでよ。長門さんから聞いたでしょ?今の私は無害なんだからさ」
普通の有機生命体はランボーIIナイフで腎臓をえぐられた記憶をそう簡単には忘れられないんだよ!
「も~これから私にたくさん挿すんだから、いいじゃない!おあいこってことで。ね、お願い♪」
いつかのように手を合わせてニッコリと微笑む朝倉。確かにその笑顔に邪気は無いが……ってちょっと待て、私にたくさん刺すだと?
なに言ってるんだ、こいつは?意味が分からん。分かるやつはここに来て説明してくれ!
「いやだわ。エッチな改変世界で『さす』っていったら、『私の何かにキョン君の何かを』に決まってるじゃない」
真っ赤になった頬を両手で挟みつつ、羞恥心を笑顔の勢いで誤魔化す朝倉。
さす?何かに何かを、だと?……ナニかに?……ナニかを…………『挿す』!!
俺の低スペックな脳内IMEがようやく探り当てた答えは、通常ならば喜ぶべきであっても、今回ばかりは絶対にご遠慮願いたい代物だった。
宇宙人と未来人と超能力者からお墨付きを貰った只の人間であるこの俺に、こいつらのお相手が勤まるはずがないからな。
胃の中に氷塊を放り込まれたような悪寒と比例して、この世界のヤバさが急速に現実味を帯びてきた。
なんとかしないと本気でまずい。若い身空で腎虚の腹上死なんてごめんだぜ!
 
「長門!今回のハルヒは、他にどんな改変をやらかしやがったんだ?」
「現段階では情報が少ないため推測の域を出ない。しかし、古泉一樹に代わって朝倉涼子が現れただけでなく、
SOS団は一般生徒にとって、ある種のスポーツを行う集団として認識されている。
改変前と変わらず、学内で少し浮き上がった存在と考えられてはいるが、
そのスポーツに関する限り、どこで何を行おうと奇異の目を向けられることはない」
「……なんとなく想像はつくが、そのスポーツってなんだ?」
「性的交歓。通俗的な用語を使用すると、セッk 「わかった。皆まで言うな」
「そう」
さてさて、要するに今回のハルヒはSOS団を乱交部にしちまったわけか。てか、これなんてエロゲ?
「だが、いくらなんでも、学校でコトに及んでちゃ教師連中が黙っちゃいないだろ?」
「その点も問題ない。生徒だけでなく、教職員をはじめとした世間一般にとって、
SOS団員の性行動は極めて当たり前で、格別の注意を払う必要がないこととして認識されるように改変した。
ドラ○もんで言うところの石ころ帽子。いわゆるひとつのアウトオブ眼中」
アウトオブ眼中て。そんな死語をいったいどこのデータベースから引っ張り出してきたんだ?
……いやいや、ツッコミ所はそこじゃないな。いま、改変『した』っておっしゃいませんでしたか、長門さん?
「……」
コラコラ長門、目を逸らさずこっちを見なさい。おにーさんは、あんまり怒ってないから。
まったく、古泉曰くの純情ハルヒにしては、妙なとこで芸が細かいと思ったら、強力なブレーンがアシストしてやがったのか。
 
……まぁ現状はだいたい分かった。で、どうすれば、ハルヒは世界を元に戻すんだ?
「涼宮ハルヒは、あなたから『エロい命令』を下されるために、今回の世界改変を実行した。
つまり、ここは涼宮ハルヒがあなたの性的嗜好を測るために作った実験的な世界であると推測される。
当初の目的が達せられれば自動的に改変は終了し、昨日の深夜に時間が巻き戻される公算が大きい」
性的嗜好ねえ。そんなこと言われても、何をすりゃいいんだか。
「あなたは普段持て余している妄想を実践するだけでいい。
それに涼宮ハルヒの性的嗜好は、肉体的にも、精神的にも『ドM』に分類されると考えられる。あなたの性欲処理には最適な相手」
ドMて。とてもじゃないが、あのハルヒがMには見えん。むしろ普段の行動はドSじゃねーか。
「そのはっちゃけた分析の根拠を聞かせてくれ」
「彼女の思考パターンにわたしの性的嗜好をトレースし、シミュレートした結果、両者は極めて高い一致率を示した為」
あの長門さん?あなたは今、サラッとトンでもないことを仰いませんでしたか?
「……」
いや、まあいい。細かい突っ込みは、とりあえず横に置いといて、だ。
「いっそのこと、命令云々をスルーするって手は無しか?」
「あなたは昨日、涼宮ハルヒにエロい命令を与えると宣言した。
もしそれが実行されなければ、彼女の深層心理は、自分があなたにとっての性的な対象から除外されていると判断し、
フラストレーションが急激に上昇すると予測される。
古泉一樹がいない状況下では、閉鎖空間の発生は極力避けるべき。その案は推奨できない」
やれやれ、やっぱり無理か。
 
それだけ言うと、長門は思案にふける俺の真横に立った。
「手を」
頭に?マークを浮かべつつも差し出した俺の手に長門がカプリと噛み付いた。ナノマシン注入ってやつか。
相変わらず痛くはないが、前回よりも随分と長いな。それに朝倉の驚いた、というか、呆れたような視線がえらく気に掛かる。
「長門さん、やっぱりあなたって人は……涼しい顔して容赦ないわよね」
「おいおい、そんなにやばいプログラムなのか?」
「今回、あなたに3つのモードを付与した。
1つ目は不妊モード。精子外殻蛋白質の結合を強化することにより、卵子に到達しても内部の半数体DNA型有機情報子を放出できないように設定した。
今後、あなたはどんなに中田氏をしようとも、相手を孕ませることはない。しかし、あなたが本気で次世代を作出したいと望めば、このロックは解除される」
えーと、なんというか、それはそれで便利なような。
「2つ目は励起モード。今日の放課後以降、あなたの体は常にオナ禁4日目と同じ状態に保たれる。
ただしこれはSOS団の活動時に限定され、通常生活には影響を与えない」
オナ禁4日て。確かに禁断症状はその辺りで最大のピークを迎えるが……。
ってをい。その妙にリアリティのある数字は、いったいどこから学んできたんだ、長門?
「3つ目は絶倫モード。有機体によるリミットを解除するため、あなたの体力と精力は射精するごとにリフレッシュされるように設定した。
つまり、気力を保ち続ける限り、いつまでも連射可能。がんばって」
……それって一瞬だけ天国のような条件に聞こえなくもないが、実は限りなく拷問に近くないか?
賢者モード中の虚脱感を考えれば、無制限に連射なんて、聞いただけでも心が折れそうだ。
蒼ざめる俺を尻目に、淡々と説明を続ける長門。だが、その口調が妙に楽しげに聞こえるのは、俺の錯覚ではあるまい。
だいたい、そこまでやる必要があるのか?
「これらは今回の改変をなるべく早期に終了させる為にやむを得ない措置。我慢して」
「ちょい待て。俺をエロゲの中の人にすることと、このふざけた世界を終わらせることに、どんな関連があるんだよ!?」
「古泉一樹の分析通り、涼宮ハルヒは言動こそ奇をてらっているものの、深層心理では常識と理性を重んじる。
そのため、通常世界の彼女は有機生命体の根源たる生殖行動に敬意を払い、無意識下で一定の制限を設けている。
しかしながら、今回、涼宮ハルヒは就寝中に世界改変を行うことで『夢オチ』と言う究極の免罪符を手に入れた。
これにより、彼女はあなたの命令に従うと言う形式のもと、一切の制約を排して性的な快楽に耽溺する可能性が高い。
平日3回、休日7回の手淫を日課とするあなたは、とても優秀。
しかし、あなたが短期間で涼宮ハルヒを性奴隷に堕とし、彼女の被虐願望を充足させられなければ、
時間の経過とともに時の復元力は弱まり、この改変世界が固定化される恐れがある。
そのような事態を回避するためには、あなたの性的能力のブースト変換が必須であると判断した」
……あー、えーとだな、ものすごくツッコミたい点が混じったんだが、この際あえてそいつは無視しよう。
腹上死すら許されずに心が壊れるまで腰を振り続けるなんてのは、御免こうむりたいからな。
とは言うものの、エロバーサクモードのハルヒを満足させるってのは、ハードルが高すぎだ。なんか他に手は無いのか?
「彼女が許容できないレベルの『エロい命令』を与えれば、この改変世界に愛想を尽かす可能性はある」
「それだ!そっちのほうがまだ現実味がある。で、どんな命令なら、愛想をつかされると思う?」
「涼宮ハルヒは、中学の3年間に同世代の友人との情報交換を意図的に遮断していたため、
性に関する情報は、おませな小学生程度しか持ちえなかったと推測される。したがって、その許容範囲を大きく逸脱すればいい」
ふむ。なんだか分かるような分からんような基準だが、それなら何とかなるかもしれん。
「とにかく、やれるだけの事はやってみよう。ただ、ヒントだけでもいいから、何か具体的なアドバイスをくれないか?」
「涼宮ハルヒの性癖はドMであると推測されるが、その他の貞操観念については不確定要素が多すぎるため、正確な予測は難しい。
しかし、昨年の夏休み最終日に、彼女があなたの部屋から没収したマンガ本が、彼女の性的嗜好の形成に大きく寄与した可能性が高い」
!!!!!!! そ、それは、まさか!!無くすはずも、ましてや捨てるはずも絶対にないのに行方不明になり、
たぶんお袋に見つかって捨てられたんだろうけど聞くに聞けず、泣く泣く諦めていた俺の秘蔵本のことか!?
「そう」
「そ、それはつまり、ロリ顔なウェイトレスさんのパンパンに張った爆乳を徹底的に弄び、
イき潰された処女雌にだけ許されるロイヤルミルクを直噴で嗜む表題作を筆頭に、
毎朝、実妹に口粘膜のスキンシップで起こされるダメ兄を描いた『おはよう一本』、
大人びているとはいえ、小○生である妹の友人にルパンダイヴしてしまう『PG12』、
唯我独尊で元気溌剌なツンデレ娘に男根の不思議を探索させる『Spring day』、
お喋りに口を使わないんなら、おしゃぶりに使うべきだ!と無口な読書娘を精液で洗脳する『図書姦では精淑に!』、
口うるさい真面目委員長に逆襲するために風紀委員になり、主に真ん中の足で三つ穴の具合を調べる『モチモノ検査』、
ディープスロートで喉を鍛えるボーカル、手コキでコードポジションを練習するギター、玉転がしでピッキングテクを磨くベース、
そして、騎乗位の腰振りでリズム感を養うドラム、の4人から構成されるバンド娘たちの汁と涙の物語『神のみぞ知る』、
冷静口調の僕っ娘優等生が、実はポジティブかつアグレッシブなガチMだった世界を描く『変態佐○木シリーズ』、
努力がハムスターの水車並みに空回りするアホの娘を描いたハートフルエロコメディ『虚構譚』、
ダッチワイフがヒロインという異色作『天蓋――孤独?』、
ショートカットの魔女っ娘がバター犬とともに体を張って世直しをする『リリカルなのね』、
いつもは柔らかく微笑んでいるくせに、酔うと豹変する生徒会書記の日常を描いた『ワカメ酒』、
明朗快活で豪放磊落な先輩の性癖を見抜き、大富豪のお嬢様を従順で淫乱な専属奴隷娼婦に堕とす『鶴に恩返し』、
そして、凄絶で妖艶な微笑を浮かべるお嬢様の武術師範 兼 メイド長に逆レイプされてしまう『入り婿審査』を収録し、
卒業と同時にお嬢様先輩と結婚エンドというご都合主義の権化な終わり方をしたはずが、
カバーを外すと血まみれのナイフを持った委員長が嬉しそうに微笑んでいる裏表紙のシュールさも素敵だった
俺的右手の友ランキングAAランクプラスのオムニバスエロマンガ『喫茶どんぐりへ ようこそ!』のことだな!?!?」
「……」
ハルヒめ!よりにもよってあれを盗むとは!!許せんっ!!!文字通り目にモノを見せてくれるわっ!!!!
ということで、午後の授業を馬耳東風で聞き流した俺は、全精力を傾けてエグいくらいのエロ妄想をリストアップした。
ハルヒが下手にエロに目覚めたら、満足させる自信なんてサラサラないからな。となると消去法で、この改変世界に愛想を尽かさせるしかない。
要するに、ガツンと一発すんごいのをぶちかますべく、俺は脳漿をフル回転させて妄想の限界に挑戦したってわけだ。
 
・・・・・・・・・・・・
 
できあがった命令計画書は、通常の世界なら所持しているだけで黄色い救急車がお迎えに来るであろう自信作だった。
溜まりに溜まった青春の滾りを煩悩に変換し、持て余す情熱のすべてを練りこんだといっても過言じゃない。
長門によれば、ハルヒの想定しうるエロは小学生レベルだ。これなら勝てる!ハルヒめ、健全な高校男子の怖さを思い知れっ!!
 
そんなこんなで無理やりテンションを上げた俺は、副団長代理の朝倉だけでなく、
名誉顧問までもが勢揃いした部室に乗り込むと、用意された『一日団長』の赤い腕章を巻いた。
「仕方ないわね。まあ約束は約束だし、好きに命令すれば?あ、でも、べ、べつにあたしは、あんたになんかを期待してるわけじゃないんだからねっ!
リーダーには節度ってもんがあるんだから、それに則るべきっていうか、
でもその、まぁせっかく今日はキョンが団長なんだし、いつもと違うのも悪くないって言うか……」
腕章をはめた俺を一瞬だけ嬉しそうに見つめ、その後、真っ赤になった顔を誤魔化すようにアヒル口でぶつぶつと呟くハルヒ。
その珍しい光景をじっくりと観察してみたいのは山々だが、鉄は熱いうちに打てって言うからな。
ということで、さっそく俺はルーズリーフ25枚にもおよぶ箇条書きの命令書をハルヒに突きつけた。
ふっふっふっ、ハルヒよ、俺の鬼畜っぷりにひれ伏すがいい!!そして、蔑め!罵倒しろ!この改変世界に愛想を尽かせ!!
 
「……………………」
1ページずつ全員に回覧されたその文書を、下を向いたままの女子団員一同がすべて読み終わるまで、約30分の時間を要した。
そして、ようやく上げられた全員の顔に、これまで見た中でも最高級のハレ晴れユカイな笑顔を確認した瞬間、
俺は、またしても取り返しのつかない過ちを犯してしまったことに気づいた。
「やるじゃないのキョン!!あんた こんなに凄い才能を 今までいったいどこに隠してたの!?
あたしに内緒で研鑽を積むなんて、まったく許しがたいことだわ!!
団長として負けてられないじゃない!このキョンの提案、どう思う?みんな!」
待てハルヒ!お前、純情娘じゃなかったのか!?
よく読め!第一条から性奴隷宣誓な上に、すべての穴の所有権を俺に譲渡すべしって書いてあるだろうが!
分かってんのか!?今日からお前の三つ穴は俺専用の生オナホになって、
例え授業中であろうとも、俺がムラムラしたら、いきなりクラスメートの目の前で股を開かされるんだぞ!?
もちろん、ただの精液排泄だから無造作な膣内発射で一方的に犯り捨てる上に、
レイプ目で崩れ堕ちたお前のカチューシャを掴んで、お掃除フェラのオプション付きって無茶過ぎるだろ!?
それに、体育の時は、執拗なスパンキングで真っ赤に火照った桃尻の下半月と濃紺ブルマのコントラストを愛でながら、尻穴のキツい締まりを楽しむし、
音楽では、お前の奏でるリズミカルなフェラ音を堪能したあと、揉み潰し強制パイズリ責めの甘い悲鳴をBGMに、
涙と涎でグシャグシャになった顔に思いっ切りぶっカケるんだぞ!?
みんなが真面目に授業を受けている中で、お前の蕩けるような喘ぎ声だけが こだまする教室なんて、シュール過ぎるにも程があるだろうが!!
 
「まことにすばらしい提案だわ。こんなに凄いなんて嬉しい誤算ね」
副団長だからってイエスマンまで真似る必要はないぞ朝倉!
いいのか!?お前の役どころは、世話好きな性格が災いして、俺からの理不尽なお願いを断りきれない性処理委員長なんだぞ!?
それが小テストのモチベーションを上げるために、得点の回数分をフェラでご褒美してくれ、なんていうベタな要求ならまだしも、
授業中に寝てるとなぜか勃つことが多いから、中休みや昼休みはもとより、
5分休みにも口を精液トイレとして使わせろ だなんて、いくらなんでも酷すぎるだろ!?
それに、授業前後のざわめく教室で、濃厚なザーメンを無理やりゴックンさせられる優等生委員長の
マゾ気に潤んだ恨みがましい上目遣いほど、オスの獣欲を暴走させるものは無いからな!
猛り狂った俺なら、無理やり立ちバックで机に両手を付かせて、当然のごとくナマでぶち込むし、
せめて膣内発射だけは止めるように哀願する弱々しい嗚咽が絶望の甘い媚声に変わるまで、俺は何度となく中田氏を繰り返すに決まってるぞ!?
「とうとう鶴屋流床作法の奥義を披露する時が来たにょろっ!ふっふっふ。こいつはめがっさ濃厚な修行が期待できそうだっ」
床作法!?鶴屋家では古武術以外にも、そんなのまで伝承してるんですか!?
ってそこに突っ込んでる場合じゃなくて、鶴屋のお嬢様ともあろう御方が、俺の朝勃ち専用便姫に堕とされるなんて、あり得ないでしょ!?
よく読んでくださいよ!あなたは毎日、髪コキ+亀頭ねぶりフェラで噴き上がる朝一のこってりしたザーメンをゴックンさせられる上に、
俺の肉棒が静まるまで、テクニカルかつリズミカルな騎乗位で激しく腰を振って貰うんですよ!?
言うまでもないですが、古武術で鍛えあげた鶴屋さんのしなやかな腹筋で、トロトロに火照った雌穴をキュンキュンに締め上げられたりしたら、
朝勃ちがただの生理現象であっても、高○名人張りの抜かずの16連射コースまっしぐらですからね!
あなたの甘い悲鳴を聞くために、たおやかな美巨乳を荒々しく揉み潰す俺は、
下から子宮口をゴッツンゴッツンに突き上げながら、イき地獄に堕ちたお嬢様の連続的な膣痙攣を楽しむんですよ!?
深窓のご令嬢の聖らかな胎内が、俺みたいな一庶民の少し黄ばんだ子種汁で穢されてもいいって言うんですか!?
 
「ふぇ~これってまさか房中術理論の基礎中の基……あ、禁則事項でしたっ!てへっ♪」
房中術?それって古代中国の気功を応用したセックス術みたいなものだったような……。
って、まさか!!今回のバカ騒ぎはあなたの時間平面まで続く既定事項なんじゃないでしょうね!?
いいんですか!?今日からあなたは、いつでもノーブラにキチキチの服を着させられて、
たわわに実ったおっぱいが、ぱっつんぱっつんに引きつる結果、胸元が常に( 三 )←こうなってなきゃいけないんですよ!?
もちろん胸だけじゃなくて、全ての衣装のスカートは、朝比奈さんの安産型なほんわりヒップがムチッと際立つようなタイト化またはショート化が必須ですし、
半透けフェチの俺としては、浮きBズムと濡れ透けだけは、絶対に譲れない一線です!
無論、B地区や下乳、谷間を初めとして、腋やら、おヘソやら、鎖骨やらが隙あらばチラりズムするデザインが望ましいですし、
ちょっと動いただけでも、いっぱいいっぱいなボタンが弾け跳んで、まいっちんぐポーズがお約束ってベタ過ぎでしょ!?
それに、これらの偏った嗜好をコンプリートする衣装を身に付けさせられた上で、
ユッサユサに暴れるおっぱいの上から浮きBに付けられた洗濯バサミが外れようもんなら、
罰として北高男子垂涎のおっぱいがトロトロにほぐれるまで徹底的に揉み潰されるんですよ!?
挙句の果てに、俺専用のおっぱいスポンジとして、毎晩風呂で超高級ソープ並みの濃密な泡踊りが義務だなんて、狂気の沙汰でしょ!!
「全条項を無条件で承諾する」
おい!お前まで裏切る気か長門!!頼むから、その馬鹿げた命令書をもう一度よく読み直してくれ!
俺はお前に時々メガネを掛けさせて、向こうのお前ともどもスペルマ依存症の性処理ペットに堕とそうとしてるんだぞ!?
もちろん、寡黙で気弱な文学少女をひと気のない図書室に引っ張り込んで、レンズ越しにオドオドと泳ぐ上目遣いの一生懸命なフェラを楽しみつつ、
顔射フィニッシュのザーメンがベッタリとこびり付いた眼鏡を舌で舐め清めさせるってのは、まさに王道たる漢の浪漫だし、
紺のハイソックスと無骨な犬首輪だけを付けさせた深夜の全裸お散歩調教で、羞恥に火照る処女雪の肌にうっすらと浮かんだ麻縄の痕を愛でながら、
街灯に手をつかせて青姦立ちバックの膣内発射なんて、健全な男子高校生なら一度は妄想する夢のシチュエーションかもしれん!
だがな、お前が今までに読破してきた本の数を考えたら、いくらなんでも読書マラソンの到達スタンプ代わりに子宮口に白濁の烙印を押しつけるってのは無謀過ぎるだろ!?
コラ!不思議そうに首を傾げるな! いや、あの約600年分はカウントしなくていい!
その上、例の力で ありとあらゆる世界の美女、美少女の骨格筋を精密にスキャンして、
アソコの内部を自在に変化させるべしってことは、俺はお前の生膣で壷比べを楽しもうとしてるんだぞ!?
しかもそれが、タレントやグラドル位ならまだしも、街角で見かけた一般人にまで毒牙を伸ばした挙句、
二次元美少女にまで手を広げて、お手軽な千人斬りを企むなんて、外道以外の何者でもないじゃねーか!!
 
「じゃあ全会一致で承認ね!ってことで、よろしくっキョン!じゃなかった、ご主人様!今からあんたは、あたしたちの飼い主よ!!」
赤道直下の炎天下じみた笑顔で、ビシッと人差指を突きつけてくるハルヒ。
そういえば、SOS団の設立を思いついたときのこいつは、こんな目をしてたっけ。
あまりにも予想外な結果に打ちひしがれて、俺は燃え尽きたジョーのように団長席にへたり込んだ。
もしここに鏡があれば、俺は去年の春にハルヒの第一声を聞いた1年5組の面々と同じ表情をしていることだろう。
ここ、笑うとこ?
だが、結果はいうまでもなく、ギャグでも笑いどころでもなかった。ハルヒはマジでガチマゾなのだ。
何とか打開策を探るべく気力を奮い起こして顔を上げると、自称 性処理奴隷達は、まるで満点の星空のように瞳を煌めかせながら俺を見つめていた。
慌てて視線を左右に走らせてみたところで、ジリジリと包囲の輪を縮める5人娘を相手に逃げ出せる隙は皆無だし、
ましてや、今のは冗談でした、なんて言い訳が通用する望みは金箔一枚分の厚みもなさそうだ。
要するに、自らエベレストの山頂にまでハードルを引き上げちまった俺は、
この高すぎる関門を乗り越える以外に、今回の馬鹿げた改変世界から脱出する術はないってことだな。
縦にすればM78星雲まで届きそうな溜息をつきながら、俺が改めて この絶望的な状況を確認していると、
マリアナ海溝に突き落とされた鉄球のごとく沈んでいく本体のモチベーションとは裏腹に、
長門によってブーストされてしまった我が股間のマグナムは、極上の美少女達を串刺しにすべく、
エネルギー充填率120%でガッチンガッチンに いきり勃っていた。
 
故泉……すまんが、そっちに帰るのは、だいぶ時間が掛かりそうだ。
やれやれ。
 
・・・・・・・・・・・・・・・
 
終わり
 


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