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3年前の7月7日、わたしは彼と出会った。
それから、今年の7月7日まで彼をあずかっている。
それまで、2ヶ月と少し・・・

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無音なこの文芸部室。
彼が来るまで、後2週間。
たった2週間。けれども、2週間も後。
廊下から足音が聞こえる。
徐々にこちらに近づいてくる。
きっと、この文芸部室を通り過ぎる。
そう思う。

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足音が止まった。
ドアが開く。
わたしは、その方向にゆっくりと首を向けた。
そこにいたのは、進化の可能性、

涼宮ハルヒ

おかしい。涼宮ハルヒが来るのは2週間後なはず。
わたしは涼宮ハルヒを見た。
涼宮ハルヒも、わたしを見ている。
「仮入部したいんだけど」
涼宮ハルヒは言った。
仮入部?・・・検索開始。
該当項目を発見。
「そう」
わたしは答えた。その言葉だけで充分だと判断した。
顔を本に戻す。

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「あんた確か6組の子よね?体育の授業一緒だから」
「そう」
「あんた名前なんていうの?」
「長門有希」
「他の部員は?」
「部員はわたしだけ」
「へー、じゃああんたが入部しなかったらこの部活、廃部だったんだ」
「そう」
そして、涼宮ハルヒは本棚から本をとりだし、パイプ椅子に座って読み出した。
わたしも読書をつづける。

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「アメンボ アカイナ アイウエオ ウキモニ コエビモ オヨイデル」
隣の部室から声が聞こえる。
必要な情報ではない。削除。

やがて、涼宮ハルヒは落ち着きをなくしだした。
足を揺らす、椅子を揺らす。あくびをする。
なぜそのようなことをするのかは、わたしには分からない。

「あんたよくこんなのずっとしてられるわね。しんどくならない?」
どう答えるべきだろうか?
「大丈夫」
そう答えておく。

「ねえ、あんたのクラスに宇宙人とか未来人とかいたりしない?」
「いない」
ここは、嘘をついておくべき。
そう判断した。

「やっぱり、あたしやめるわ」
「そう」
涼宮ハルヒは鞄を持って、部室を出て行った。
ドアが開きっぱなし。
わたしは、念動力を使い、ドアを閉めようとする。

やめた。
わたしは歩き、ドアを手で閉めた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

涼宮ハルヒが文芸部に仮入部してから、2週間がすぎた。
現在、昼休み。
足音が聞こえる。文芸部室のドアの前で止まる。ドアが勢いよく開く。

「あっ!いたいた!ねえ、この部室貸して!新しい部活作るから!」
「かまわない」
「そう、ありがとう!」
そう言って、涼宮ハルヒは急いぐように部室を出て行った。

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今日、涼宮ハルヒはSOS団を設立する。
けれども、わたしの待機モードはまだつづいている。
彼が来るまで。
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