機械知性体たちの即興曲 メニュー
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□第六日目/朝
あちゃくら 「くー……」
ちみどり 「すー……すー……」
カチャカチャ……ジューッ……
キョン 「んが……む?」
にゃがと 「……うにゃ?」
ジューッ……カチャカチャ
キョン 「(寝ぼけてる)……いい匂いが……する……」
にゃがと 「(キョロキョロ)……朝比奈みくるがいない」
あちゃくら 「うーん……」(ゴロ)
ちみどり 「……ふぁ。おはようございますぅ」(目をごしごし)
キョン 「あ…………?(寝ぼけてる)」
にゃがと 「……完全に二度寝の体勢に移行。体内時計が少しズレているものと思われる」
あちゃくら 「そういえば、昨日は夕方までずっと寝てたんですよねー」
ちみどり 「でも、このままズレてしまうと……」
みくる 「あう……ご飯が冷めちゃいます」
にゃがと 「(チラリ)ひとつ、いい案がある。朝比奈みくる(手招き)」
みくる 「? はい。なんでしょう?」
にゃがと 「(ヒソヒソ)」
みくる 「…………えーっ!?」
みくる 「(うう……ほんとにするの……?)あ、あのぅ……キョン……くん?(ソロソロ)」
キョン 「……ぐー……」
みくる 「(耳元で)……キョンくん」
キョン 「……もが?」
にゃがと 「それではいけない。効果が薄い」
みくる 「(小声で)えええ」
にゃがと 「勇気を出して、ごー」
みくる 「うう……(耳元で)……起きて……あな……た」
キョン 「!」(ガバッ)
みくる 「……でも。ここを離れるのが……その、妙に心配で……」
キョン 「? なにか心当たりでも?」
みくる 「それが……」
みくる (いうべきなのかな。古泉くんのこと)
みくる (でも……対立しているわたしの口からだと、ただの誹謗にしかならない)
みくる (古泉くんはああいってくれたけど……)
みくる (そう。長門さんたちのことは、人間のわたしからでは、確かによくわからない、そういう相手だけど)
みくる (逆に、同じ人間だから、人間の怖さはとてもよく理解できる)
みくる (特に……こういった組織の冷酷さのようなものは……)
キョン 「……朝比奈さん?」
にゃがと 「……ここにいると、危険に晒される可能性が高い」
あちゃくら 「にゃがとさん……」
にゃがと 「この事態において、我々の周辺ではなにが起こるのか予想ができない。
学校、特に涼宮ハルヒのそばにいるのが一番安全ともいえる。
本来なら、彼もここに居続けるべきではないのだが」
キョン 「…………」
みくる 「……でも」
みくる 「(手を握り締めて)……いたいんです! 自分の意思で、初めて決めることが許されたから!
ここで、みんなと……みんなと……一緒に……」
あちゃくら 「みくるママ……」
ちみどり 「…………」
にゃがと 「……今の我々では、あなたの安全の保証はまったくできない」
みくる 「…………」
にゃがと 「……でも。それでも、そばにいてくれる?」
みくる 「……長門さん……!」
森 「……現在、確認されているだけでも、情報統合思念体と名乗る生命体には、
その内部に少なくとも七つ以上の派閥の存在が知られている。
今回、中河くんに接触をとってきたのは、その中でもかなり異色の派閥ね。
現状の安定化を望んでいない。わたしたちでいうところの、反主派といってもいいのかも」
古泉 「つまり――」
森 「……自らの意思を実行するのに、自分たちの母体である思念体に対して、
損害を与えることすら許容している、ということよ」
北高・教室――
ハルヒ 「……キョンは休み」
ハルヒ 「……朝倉もまた休んでる」
ハルヒ 「有希も相変わらずいない」
ハルヒ 「鶴屋さんも休み。みくるちゃんも休み」
ハルヒ 「……古泉くんまで来てない」
ハルヒ 「……なによ、これ。あたしの知らないところで、なにが起こってるのよ……?」
―第六日目/昼につづく―
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