放課後、ハルヒはネットサーフィン、長門は読書、朝比奈さんは雑誌を読んで俺と古泉はゲーム。いつものSOS団の光景である。

 

「暇ねぇ。キョン、なにか面白いことない?」

 

ハルヒからの挨拶の定型文になりつつある問いかけに、普段ならなあなあ答えてしまう俺だが、今回はちょうどいいネタを持っていた。


「ちょうどいい。ハルヒ、ちょいとこれを見てみろ。」

 

さて、みなさまはアホの谷口が女性を勝手にランク付けしているのをご存知であろうか?昨年俺の聞いた範囲では「朝倉涼子=AA+、長門有希=A-」などランク付けをし、Aランクはついてはフルネームで記憶するという行為なのだが、昼休みに谷口は俺達にこう切り出してきた。

 

「キョン、国木田。ついにあれが完成したぜ」
「あれってなに?」「あれってなんだ?」
「ランク付け最新版だ。新入生も3年生もすべて網羅しているぞ。」
「「はぁ・・・」」

 

なあ、谷口。お前GW中何してたんだ?
「これ、GW前にまた彼女に振られてずっとナンパしてたらしいよ」
「キョン、お前は良いよな。SOS団とやらでAランク女子3人と毎日なかよくデートだったんだろ?」

 

泣くな、谷口。毎日不思議探索やってたわけじゃないぞ。それに一応古泉を忘れてやるな。
「それでも、お前にはAA-の涼宮がいるからな。」
「涼宮も1年の頃と比べればかなり性格もよくなってきたし、そのうちAAに修正するかもな」

 

ほお、ハルヒに「-」をつけるとはいい度胸だ。納得いく理由を出してみろ。出せないなら「-」を取り消してもらおうじゃないか。
「キョン、落ち着いて」

止めるな、国木田。男には譲れないものがあるんだ。
「キョン、お前は涼宮病患者だからあいつが可愛く見えているだけだ」
「なにをいう、ハルヒのあの笑顔を見てそんな寝言をいえるならたいしたものだ。そもそも・・・(省略」
「お互い落ち着いて、冷静に話し合いないよ」

 

その後、俺と谷口とのG7並の交渉が続き、ついに次の時間の予鈴5分ほど前にして
「じゃあ涼宮はAAということで。お前には悪いが性格に対しては今はAはやれないぜ」
と結論がでて国木田仲裁のもとしぶしぶ和解の握手となったわけだ。

 

すまん、話がずれたな。
「で、だ。俺は今回このリストをより広く知ってもらおうと思ってだな」
「これを印刷して掲示板にでも貼り付けようと思ってるので手伝ってくれ」
「ん・・・やめたほうがいいよ」

国木田に賛成だな。谷口よ、それをやるリスクを考えたことあるか?
「はぁ?メリットのほうがでけーよ。俺の観察眼がいかに世間的に評価されるかを試す機会じゃん」
「しかも、この貴重なデータを『タダ』で公開するんだぜ。感謝されても恨まれることはない」
「とりあえず、お前らには先行でやるよ」

 

「そういって押し付けられたのがこの紙ってわけだ。ん?どうした?」
ハルヒに昼休みの出来事を説明をしてたのだが、なんで紙を見ずに俺を見つめているのだ?
「あ・・・えっと・・・いや・・・な、なんでもないわ。」
なぜに、顔を赤くして目をそらす必要があるのだ?

 

そうして、ハルヒに用紙を押し付け、古泉いじめを再開したのだが突然ハルヒは立ち上がり俺の前に先ほどの用紙を押し付けてきた。

 

「ねえ、あんたはこの用紙に目を通した?」


いや、谷口の妄言には付き合ったがまだ内容は見ていないぜ。ハルヒが、俺に用紙を突っ返してSOS団3人娘の項目を読むように言ってきたので見てみたが・・・

 

・スズミヤハルヒ:AA- 容姿は素晴らしいが性格に難あり、暴力女。旦那(キョン)がいれば桃色オーラ、いないときは憂鬱オーラを発する。すでに売却済みのため手出し無用

 

・ナガトユキ:A+ 文武両道の文学少女。貧乳、ロリ。クラスでは声を聞くとその日は良いとこがあるという逸話まである。無表情で人形だから観賞用にはよい。キョンには懐いている模様

 

・アサヒナミクル:AAA 学園一のヒロイン。多少ロリ系にもかかわらずかなりの巨乳。某所でメイドコスプレをしているとの情報あり。

 

同じクラスのやつもさっと目を通したが、どうも普段思うところがあるのかあいつは一言皮肉を言わんと気がすまない性格らしいな。

 

「ねぇキョン。最近運動不足だと思わない?どうせだから明日は格闘技でもどうかしら」
「ハルヒさん、カオガコワイデスヨ」
「そうだ、せっかくだしクラスのみんなも誘ってあげましょう」

 

見るものを恐怖に貶める笑みを浮かべたハルヒの視線を浴び冷や汗を掻いていると、長門が本棚から本を2冊取り出しハルヒに手渡す。


「これ、読んで」
「有希、ちょうどいいもの持ってるじゃない。あとでゆっくり読ませてもらうわ」

 

なあ、長門。その「よくわかる人体の急所」「楽しい拷問♪」って本はさっきまで本棚にはなかったと俺は思うぞ。

 

「失礼、バイトが入ったようなので今日は失礼します」
逃げるな、古泉。俺を置いていかないでくれ、頼む。

 

「キョン君、あの、その、あ、あたしは・・・あたしは悪くないですよね」
朝比奈さん、机の下でガクガク震えなくても大丈夫です。あなただけでも守って見せますよ。

 

「さあキョン。岡部からクラス連絡網を貰ってきなさい」
「さっそく、プレゼン用資料を作成する」

 

岡部から連絡網を受け取り、部室でなにやら連絡や準備をしている二人をみて逃げる準備をするかまよっていた俺の携帯にメールの着信があった。


「キョン、ファイル確認したか?ちゃんと確認しろよ。涼宮はAAに修正したぞ。なかなかいい出来だろ。明日にでも感想聞かせろよ」

 

よかったな、谷口。明日はお前の人生のフィナーレのためにクラスのみんな(しかも主に女子生徒)がイベントしてくれそうだぞ。


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