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あたしとキョンしかいない部室。

「……ねぇキョン」
あたしはモヤモヤしてた気持ちに嫌気が差してキョンに話しかけた。

「なんだ憂鬱そうな顔して」

「……あんた好きな人いる?」
そう。
認めたくないけどあたしはコイツに恋してるらしい。

「な、なんだよいきなり…」
「いいから答えなさい」

ちょっと前に気付いたのよね。
それからはずっと頭の中がモヤモヤしてた。
でもそんなの気持ち悪いじゃない?少なくともあたしはそう。
だからあたしは今日この気持ちに蹴りを着けてやるつもり。

「…いたらどうだっていうんだ?
お前には関係ないだろ?」
なによ?その言い方。
腹立つわね!関係あるから訊いてんのよバカキョン!

「関係あるわよ。団長として団員の恋愛関係は把握しなきゃいけないの!文句はいわせないわ!」

「はぁ…」
「溜め息つくな!」

あたしは顔を思いっ切り近付けて言ってやったわ。

「お、お前はどうなんだよ!?」

キョンは慌てた様子で言ってきた。

でもあたしは胸を張って言い返してやったわ!

「あたしはいるわよ」
それも目の前にね。

…………沈黙。
なによ!なんか喋りなさいよ!

あたしの文句が聞こえたのかわからないけどキョンが口を開いた。

「ヒント1。女だ」

何よヒント1って。
…はぁん……なるほどね。
なに?あたしの相手も聞き出そうっての?
「…上等じゃないの。キョンのクセに。
ヒント1。男よ!」
ふん!絶対先に吐かせてやるんだから!

「この学年だ」
「あたしも」

「このクラスだな」
「あら偶然ね」

「背は俺より低い」
「あたしより高いわね」

こんな感じで目が二つあるとか鼻が一つとかで平行線状態が続いた……

「じれったいわね!!
全然進まないじゃないの!」
あたしが文句を言うとキョンは一息ついてから話し始めた。

「ヒント14。そいつは怒りっぽい」

そうそう。そういう性格的なヒントが欲しいのよね。
でも『怒りっぽい』んじゃあたしじゃないかも……。いや、まだわかんないわ!
仮に違っても絶対にキョンを手中に収めてやるんだから!

「じゃあヒント14。その人はヘタレよ!」
確かにキョンはヘタレよね?

「…頑固でいじっぱりだ」
「…いつもシカメ面してる」

「……超ワガママ」
「……かなり変態よ」

………って、ちょっと待ちなさいよ!
怒りっぽくて頑固でいじっぱりで超わがまま!?
どんな趣味してんのよ、キョンの奴!!

あたしがせっかく好きになってあげたのに!!
なんかムカついてきた!!
なに下なんか向いてんのよキョンの奴!!

「ちょっとキョン!!
あんたどんな趣味してんのよ!?そんな女のどこがいいのよ!!
頭おかしいんじゃないの!?」

……なによ?なに睨んでんのよキョンのクセに!?

「変な趣味とはなんだ!!お前こそなんなんだその男は!?
趣味を疑うね!!」

は?なに言ってんのよあんたのことじゃないの。
自覚症状ないの!?
ていうか変な趣味ってなによ!?
好きになったあたしがバカみたいじゃないの!!

「うるさいわね!好きになっちゃったんだから仕方ないじゃない!!」

「俺だってそうだ!
気付いたら好きになってたんだから仕方ないだろうが!!」

マジでムカつくわね!!
あたしがどれだけあんたのこと好きだと思ってんのよ!!
もう知らないわ!こんな奴!!

「そんなに好きなら告白でもなんでもしなさいよ!!
どうせキョンみたいなヘタレじゃ出来ないでしょうけどね!」

「うるさい!俺はヘタレじゃない!」

「うるさいわよ、このヘタレキョン!」

「俺はヘタレじゃな……い?」

……ん?
なに黙ってんのかしら?

なんてあたしが疑問に思ってたらキョンがいきなり言いだした…

「ヒント17。素直じゃない」

「は?」
なに言い出したのよいきなり?

「ヒント18。カチューシャしてる」
キョンってば、何言ってんのかしら…?

「ヒント19。ずっと俺の後ろの席で」

……え?それって…?

「ラストヒント。SOS団の団長様だ」

あたし………よね?

「…ヒントはここまでだ。今度はハルヒの好きな奴のヒントをくれよ」

なによ…。キョンの奴あたしが好きなら最初から言いなさいよ…。
ヤバい……。うれしくて泣きそうかも……

でも泣く前にヒントをあげないとね?
そうじゃないと不公平だから。
あたしの好きな人のことをキョンに……。

「ヒント17。ひねくれててる」
ほんとにキョンはそうよね。

「ヒント18。鈍感で」
全然自分だってわかってなかったし。
まぁ、これはあたしもかしらね?

「ヒント19。ずっとあたしの前の席」
ウザったいくらい変わらない位置関係。

「じゃあ最後のヒント。
SOS団の団員第一号」


あたしが言い終わるとキョンがあたしの目を見て言ったわ…。

「俺はハルヒの好きな人がわかったぞ」
あたしもよ……。
っていうか二人してどれだけアホなことしてたのかしらね?

「もしはずしたら死刑だからね?」
「自信あるから平気だ。
それよりハルヒはわかったのか?」

「もちろん!」
あたしは自信満々で言ってやったわ!

「じゃあお互い正解発表でもするか?」

キョンがどこかうれしそうに言う。

「じゃあ、『せーの』でいくわよ?
自分だけ言わないとかは反則よ?」

……言わなくても答えはわかってるけどね。

「「せーの」」





「ハルヒが好きだ!!」
「キョンが好き!!」



え?そのあと?
決まってるじゃない!
恋人同士で甘い一時をすごし………

たかったんだけどね。


「なによ、バカキョン!あんたあたしのこと超ワガママとか思ってたの!?」

「お前だって俺のことヘタレとか思ってたんだろ!?」

「過去形にしないでよ!今も思ってるんだから!」

「なんだと!?」
キョンがあたしを睨んできた。

「なによ」
あたしも負けじと睨み返してやったわ。

ガタッ
キョンが席を立った。
不機嫌そうにあたしに近付いてくる。

え?なに?
どうしたのよキョン!?
怒ったの?

キョンはあたしの前に来ると怖い顔のまま腕を振り上げた……。

ヤバい、叩かれる!

あたしはとっさにガードを固めた………

結果………
間に合わなかったわ。
あたしのガードより早くキョンの手が………



あたしを抱き締めてた…。
「ふぇ?」

ついマヌケな声が出ちゃった。
完璧予想外だったからね。仕方ないじゃない。

「な、なにしてんのよ」
なんか体が熱い。

キョンはあたしを抱き締めたまま話しだす。

「そんな俺のことが好きなんだろ?」

「な!?」
なに恥ずかしいこと言ってんのよ、コイツ!

「……違うのか?」
なんでそんな悲しそうな声出すのよ。
このままじゃあたしが悪いみたいじゃない!!

「違くない………///」

違くないけど……
図星だけど……
悔しいから……

「あんたこそ、超ワガママなあたしが好きなんでしょ!?」

これで違うとか言ったら死刑よ、死刑!!

「……それは違う」

……死刑決定よ。
日時は今日。場所はここ。内容は………

「超ワガママで素直じゃなくて、だけど優しくてひたすら真っ直ぐなお前が好きなんだ」
真顔で言ったわよ、キョンの奴。

ヤバい。絶対顔赤い!
なんでこんなクサイ台詞平気で言えるのよ、コイツは!?

て、ていうかなんか言わなきゃ!

「バ、バカ!」

うわぁ~、バカはあたしよ!!
なんでとっさに思い付くのが『バカ』なのよ!?
もうちょっと他にあるじゃない!
一応褒めてくれたんだから、
『ありがとう』とか!
恋人になってもこんな性格してたら
いくらキョンでも………

「…なぁハルヒ」
「は、はい!」
いきなり話しかけられたから変な返事しちゃった。

「まだヒント残ってた」
「今更なんのヒントよ?」

もう好きな人当てるのは終わったんじゃないの…?
今のでやっぱ好きじゃなくなったとか……?

「本当のラストヒントな」
ゴクッ
真剣なキョンの表情と口調にあたしは息を飲んだ。

「……俺はそいつにキスしたい」

…びっくりした。
でもこんなあたしに腹も立てないキョンの優しさが、それ以上にうれしくて。

「あら偶然ね。あたしもよ…」

そっと唇を重ねた………


キョン……
あたし、あんたのこと大好き。愛してる。

そして………
こんなあたしを好きでいてくれて、ありがとう。

今は言えないけどいつか素直に言うから………

素直になったあたしも好きでいてくれるよね?




長門「⊃ヒント バカップル」


終わり!
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