暑かった夏休みもとっくの前に終わりすでに秋の陽気が真っ盛りな10月の始め
我らが団長さまは退屈をもて余しているようだ
ハルヒ「あ-、もう何か面白いことないの? キョン何か探してきて」
おいおい、いきなりすぎやしないか
そんなのは古泉あたりが適役だと思うんだが
古泉「そうですね。今のところ何も用意できませんが、僕の知り合いにあたってみますよ」
早めにお願いね
とハルヒは一言言うとまたパソコンとにらめっこし始めた
ハルヒもう少しマウスは丁寧に扱えさっきからクリック音が高橋名人みたいになってるぞ
ほぼ俺勝ちが決まっている将棋の手をとめて
古泉にだけ聞こえるような小さな声でこう言った
(頼むから絶海の孤島とか一本橋の先のペンションとかはやめてくれよ)
(大丈夫ですよ。流石にそんな大掛かりなものはすぐに用意できません。長期休暇でもありませんから、あなたの希望は来年の夏休みにでも考えておきます)
やれやれ、来年は受験生だろ
朝比奈さんだって夏休みが終わってからは週に一回くらいしか団活に参加できてないからな
そんな時間はないぞ
(そうですね、この案はしばらく封印しておきます。それより今は涼宮さんの退屈を紛らわすことを考えないと)
(早いこと頼むぜ
また、あの空間にいくのは絶対にいやなんでな)
とひそひそと男同士で今後についての予定を考えていると
普段あまり雑談に参加しない長門が本を読むのをやめて話始めた
長門「…今、コンピ研と私が作っているゲームがある。明日には完成する予定」
お、長門が作ったゲームか
なかなか面白そうだな
…けどなら長門、おまえはここにいていいのか?
長門「…いい、実際はもうすでに完成している。今しているのはコンピ研で先に楽しんでいるだけ」
なるほど作った者の特権だな
なら長門はいかなくていいのか?
長門「…いい、私ここのみんなとやりたい」
少し、いやかなり感動してしまった
長門からこんな言葉が聞けるとは、古泉も顔は笑ってはいるが目が驚いてるし
ハルヒも16連射をとめて長門の方を見ている
長門「なに?」
いや、なんでもないさ
で、それはどんなゲームなんだ?
長門「…名前はまだ決まってない。ただ魔法使いと超能力者に分かれて戦うというもの」
古泉顔がひきつってるぞ
ありがちだが長門が作ってるんだつまらないわけがない
長門「…最近私が読んだノベルをもとにしている」
と鞄から何冊か本を取り出した
え-と、何々“とある魔〇の禁書目録”か
と今まで沈黙を保っていた団長さまが机の上に立ち上がり
満面の笑みで
ハルヒ「明日は有希のゲームをするわよ! だから今日はもう解散!!」
と声高々に宣言した
まあ、それでいいかもな
とりあえず俺はこの本呼んでみたいし
長門これ借りていいか?
長門「…もともとそのつもり。みんなの分もある」
ハルヒ「みくるちゃんには私から連絡しとくわ。受験生でも息抜きは必要よ!」
それはどうかとおもうが
やっぱりみんなと楽しみたいからな
ここは何も言わないことにしよう
ハルヒ「じゃあ、明日の放課後にね。キョン遅れるんじゃないわよ」
わかってるよ
ハルヒ「じゃあ、解散!」
そして全員で戸締まりをし
少し早いめの帰宅となった
家につくやいなや俺は長門から借りた本を読み始めた
おもった以上にに面白く
夕飯を食べるのも忘れて読みふけっていた