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中3の冬

 

 

受験勉強の息抜きにふと書店に寄ってみた。そこで一冊の本をみつけた

 

「『涼宮ハルヒの憂鬱』・・・?」

 

なぜこの本が気になったのかというと、この本の主人公と俺は同じあだ名だったからだ。妙な近親感ってやつ?しかも国木田って苗字のヤツも出てるし・・・

 

感想はというとなかなかおもしろかった。そしてこの本は気晴らしに読んだ一冊で終わるはずだった。
 

おめでたいことに高校に合格した。国木田も合格した。これからどんな高校生活が始まるのかという期待と不安に俺も例外なく襲われる。

 

入学式が終わってクラスでのホームルーム、担任の岡部は顧問をつとめるハンドボール部について語った。そして出席番号順に自己紹介。俺はあたりさわりのないことを言ってすぐに自己紹介を終えた。そして俺の後ろの女子の番。

 

ハルヒ「東中出身、涼宮ハルヒ。ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未   

来人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」

 
なんだと!?涼宮ハルヒ?そして自己紹介の内容はおぼろげな記憶だがあの本と同じ。どうなっているんだ?
 
 
さっきしまったクラス名簿を引っ張り出す。朝倉涼子、国木田、俺、涼宮ハルヒ、谷口、これは偶然なのか?
 
クラス中がハルヒの自己紹介にあっけにとられている、俺はあっけにとられるどころでは済まされなかった
 
「なぁ、あの自己紹介すごかったな」
 
俺はいろいろ探りをいれるためにハルヒに話しかけた。
 
ハルヒ「あんた宇宙人なの?」
 
「違うけどさ・・・」
 
ハルヒ「だったら話かけないで」
 
そうはいかないさ、あの本は俺が小さいころに忘れてしまったサンタクロースからのプレゼントかもしれないんだからな
 
「もしかして中学の校庭に奇妙な絵かいた?」
 
ハルヒ「誰からきいたの?」
 
「中学のときウワサできいた」
 
ハルヒ「本当よ」
 
ビンゴ、ということは・・・
 
「教室の机全部廊下にだしたのもお前か?校舎の屋上に星マークをペンキで描いたのもお前か?学校中に変なお札を貼ったのもお前か?」
 
ハルヒ「そ、そうよ・・・だからそんなに迫らないで!」
 
そうはいかねぇ、まだまだ聞きたいことがあんだよ
 
「付き合う男はみんな振ったんだろ?普通の人間だからって理由で」
 
ハルヒ「あ~もうそうよそうよ!わかったならこれ以上質問しないで!」
 
その時教室に岡部が入ってきた。あとはあとで聞こう。
 
俺は確信した。おそらくあの本は俺の高校生活を著したものだと。すげぇよ、あれが全部本当なら俺は高校生活は薔薇色じゃねぇか。
 
休み時間もハルヒを捕まえていろんなことを聞いた
 
「髪型毎日変えてんだろ?」
 
ハルヒ「・・・・・・、あんた以前どっかであったことある?」
 
「いや、今日がはじめてだ。あと着替えは場所をきにしろよ」
 
ハルヒ「もう!なんなのよ!アンタってストーカーなの?気持ち悪い!」
 
ハルヒは走ってどっかいっちまった、不思議探索か・・・?
 
ハルヒはすごく驚いていた。俺はやりすぎたと思ってはいるが、まるで人の心が見える能力を手に入れたようで興奮がとまらない。
 
今日はあれっきりハルヒは戻ってこない。そして昼休みの時間
 
谷口「おい、キョン。お前どんな魔法を使ったんだ?」
 
「魔法って何だ?てかもうあだ名で呼んでんのかよ」
 
谷口もあの本のまま、そういえば俺は思いっきりあの本のシナリオを無視しちまっている。
まぁ大丈夫だろ、こんなにも共通点が多いんだからちょっとくらい・・・
 
谷口「俺、あんなに怖気づいたハルヒなんて初めて見たぞ。お前なんていったんだ?」
 
傍から見たら変態な質問を浴びせていたなんていえねぇよな。
 
谷口「驚天動地だ」
 
国木田「昔からキョンは変な性癖があるからねぇ」
 
ずいぶんな言い様だな
朝倉「あたしも聞きたいな」
 
でた、殺人宇宙メカ。ちょっと遊んでみるか
 
朝倉「入学初日からいざこざがあるのは気持ちよくないわよ」
 
「それより宇宙人っていると思うか?もしかしたら身近にいるかもしれない」
 
朝倉「・・・・、なんの話?」
 
この反応おそらく・・・
 
「いや、あの自己紹介聞いちゃったからさ」
 
朝倉「そう、まぁとにかくみんな仲良くいきましょうね」
 
そういうと朝倉は笑顔で向こうにいった
 
 
次の日からハルヒは休み時間になるとすぐ教室から出て行き、放課後もすぐ教室を出るようになった。予定通り。
 
 
GWが終わって少し経ったある日、席替えをした。ハルヒは俺の後ろの席ではない。さすがにあの本どおりにはいかないか。仕方ないこっちから行こうか。
 
「部活作んないのか?」
 
ハルヒ「・・・・なんでよ?」
 
「全部の部活に仮入部してもしっくり来るものがないんだろ?だったら自分で作っちまえよ」
 
ハルヒ「・・・・、それもそうね」
 

「俺も手伝うからさ」

ハルヒ「別にあんたの手伝いなんていらないわ」
 
「一人で部員集めから書類提出までやれんのか?」
 
ハルヒ「・・・・・、わかったわよ」
 
「じゃ~俺は書類やるから、部員集めと部室確保よろしくな」
 
ハルヒ「なんで勝手に役割決めるのよ?」
 
「部員と部室は当てがあるんだろ?」
 
ハルヒ「・・・・・・・」
 
よし、とりあえず順調だ
 
 
 
終業のチャイムがなる。ハルヒが俺の前にやってきた
 
ハルヒ「ちょっと来なさい・・・」
 
「部室に行くんだろ?」
 
ハルヒ「そうよ・・・」
 
そして文芸部の前にやってきた。ハルヒはノックもせずに入った。そして予定通り窓際にはパイプ椅子に腰掛けて分厚いハードカバーを読む少女。
 
ハルヒ「ここが部室よ、あの子は唯一の文芸部員だけど本さえ読めれば別にいいって」
 
長門「長門有希」
 
窓際の少女はわずかに顔をあげ、表情なくそう言った。
 
「長門さんとやらよろしくな」
長門「よろしく」
 
俺はハルヒを振り返って
 
「部員はあと2人は必要だな、心当たりあるんだろ?」
 
ハルヒ「・・・・・」
 
 
 
次の日、部室にいくと長門だけがいて昨日と同じ姿勢で本を読んでいた。
 
「何を読んでいるんだ?」
 
長門は返事のかわりにハードカバーの背表紙をみせた。SFの小説らしい
 
「面白い?」
 
長門「ユニーク」
 
「どこらへんが?」
 
長門「ぜんぶ」
 
「本が好きなんだな」
 
長門「わりと」
 
「そうか・・・」
 
長門「・・・・」
 
「長門は宇宙人なんだろ?」
 
長門「・・・・・・、いきなり何をいっているの?」
 
「対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース」
 
長門「!!あなたは何者?まったくのノーマークだったはず」
 
ビンゴ
 
「俺は普通の高校生さ、ハルヒとその周辺の状況は結構知っているけどな」
 
すげぇ、俺は今宇宙人の一枚上手にいる。これが幼いころに捨てちまった非日常か
 
長門「・・・・・」
 
 
ハルヒ「ごめん、少し遅れちゃった。ちょっと捕まえるのに手間取っちゃって」
 
予定通りハルヒの後ろには可憐な美少女がいた、朝比奈さんだな
 
みくる「なんなんですかー?ここどこですか、どうしてあたし連れてこられたんですか?」
 
実物もかなりかわいいな
 
ハルヒ「静かにして」
 
みくる「・・・はい」
 
ハルヒ「紹介すr「朝比奈みくるさんだろ?」
 
みくる「ふぇ?どうして名前を・・・」
 
ハルヒ「そうよ、連れてきた理由とかはもう知ってんでしょ?」
 
「ああ、確かに年上なのにロリっぽくかわいくて胸が大きい。萌えが重要なんだろ?」
 
みくる「な、なんでそんなことまで・・・・」
 
 
ハルヒ「みくるちゃんゴメンね、あいつすごく変なヤツなの。あんなのと一緒にいたくななら無理に入らなくてもいいわ」
 
みくる「・・・・・」
 
視線の先には長門がいた
 
みくる「そっか・・・私この部活に入ります」
 
ハルヒ「そ、そう?みくるちゃんなら殺伐とした雰囲気を和らげてくれるわ、よろしくね」
 
みくる「よろしくお願いします」
 
ハルヒ「あと部活名考えてきたわ」
 
「・・・・・・」
 
ハルヒ「今回は先に言わないのね」
 
「団長に花をもたせてやってるのさ」
 
ハルヒ「SOS団よ。世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団」
 
みくる「ほ~」パチパチパチ
 
長門「・・・・・・」
 
ハルヒ「じゃ~明日からちゃんときてよね。今日は解散」
 
そう言ってハルヒは帰った
 
部室にはまだ俺と朝比奈さんと長門がいる
 
「朝比奈さん」
 
みくる「は、はいっ」ビクッ
「朝比奈さんは未来人ですよね?」
 
みくる「ふぇ!?い、いきなり何を・・・」
 
「ハルヒの監視のためにこの時代に派遣されているんですよね?」
 
みくる「あ、いやそのぉ・・・」
 
「あと胸に星型のほくろがあるはずです。確かめてみてください」
 
みくる「ふぇぇぇぇ!!!私、男の人に体見せたことないのに!!!」
 
「質問の答えは話したくなったらでいいですよ、それではさようなら」
 
そして俺は部室を出た。
 
 
 
<キョンが帰ったあとの部室>
 
長門「朝比奈みくる、これは予定された未来?」
 
みくる「いえ、しかし涼宮さんによる改変と考えれば納得がいくと思います」
 
長門「これは涼宮ハルヒが望んでいない事象、あの不確定要素が存在は涼宮ハルヒによるものではない」
 
みくる「でも、私たちのことを知っていましたよ?私たちと同じ異能力者と考えるのが適切かと・・・」
 
長門「涼宮ハルヒはあの不確定要素を快く思っていない、それでも存在している」
 
みくる「・・・・・、情報統合思念体はどう解釈しているのですか?」
 
長門「不確定要素はまったく因果関係がなく発生した。時間軸が異なる世界からの干渉の可能性も視野にいれている。情報統合思念体は今は様子をみるにとどまっている」
 
みくる「私たちも今は待機なようです」
 
長門「私と朝比奈みくるは不確定要素と接触して情報を引き出すべき」
 
 
 
 
そして部活は本格的に始まった。一応筋書き通りに進んでいる。パソコンを奪い取ったり、サイトを立ち上げたり・・・・そういえばサイト立ち上げのとき長門から本貸してもらってないな
 
「長門、俺に話さなければならないこととかないか?」
 
長門「あなたはすべて知っているはず。何も話すことはない」
 
なるほど・・・
 
ハルヒと朝比奈さんはちゃんとバニーガールでビラ配りもした。やっぱ実物は目にいい。
 
朝比奈さんはビラ配りの次の日学校を休んだ。
 
ハルヒ「みくるちゃんは?」
 
「今日は休みだ」
 
ハルヒ「そう・・・」
 
「新しい衣装か?」
 
ハルヒ「そうよ、みくるちゃんは本当にかわいいからね」
 
そういえばハルヒは朝比奈さんがいないとすごくつまんなそうだ
 
ハルヒ「謎の転校生とか来ればいいのに・・・」

 

 
 
 
待望の転校生が来た
 
朝の教室はその話題で持ちきりだった
 
 
「今の時期にくる転校生なんて謎だな」
 
ハルヒ「そうね、同じクラスじゃないけど」
 
「もう転校生見たか?1年9組で古泉一樹って男子らしいぞ」
 
ハルヒ「へぇ~、あとで見にいくわ」
 
ついに超能力者が入部か・・・
 
 
その日の部活、朝比奈さんは復活した。今は俺が持ってきたオセロで俺と対戦している。
長門は相変わらず読書。
 
みくる「涼宮さん遅いですね。」
 
「転校生でも連れてくるのでしょう」
 
みくる「転校生ですか?」
 
「1年9組に来たようです、時期が時期ですしハルヒが興味を示したようで・・・」
 
みくる「へぇ、そういえばキョン君はどうして人の心とかいろいろ知っているんですか?」
 
「俺は一回この日々を見たんですよ。多少のズレはありますけどね」
 
今の俺かっこよくきまってたよな?
 
みくる「どこで見たんですか?」
 
「禁則事項です」
 
みくる「そうですか・・・あ、また負けちゃいました・・・」
 
「オセロはとりあえずはさむだけでは勝てませんよ、二手三手先も読まないと」
 
みくる「ふぇ~奥が深いんですね」
 
「慣れればきっと勝てるようになりますよ」
 
視線を感じて振り返ると長門が盤をじっと見ていた
 
「長門もやるか?」
 
長門は首をわずかに縦にふった。
 
「ルールはわかるか?」
 
長門は首をわずかに横にふった
 
「じゃ~教えてやるぞ」
 
 
 
3人でオセロをしているとハルヒが転校生を連れてやってきた
 
ハルヒ「転校生連れてきたわよ。1年9組に今日やってきたの、名前は・・・」
 
「古泉一樹くんだね?」
 
古泉「おや?もうご存知でしたか」
 
ハルヒ「古泉くん、アイツはめっちゃ変なヤツだから気をつけてね」
 
古泉「はぁ・・・ところでこの部活に入るのはいいのですが何をやる部活なんですか?」
 
ハルヒ「宇宙人や未来人や超能力者を見つけ出して一緒にあそぶのよ」
 
みくる「!!」
 
長門「!」
 
おもしろい光景だ
 
古泉「はぁ、なるほど。いいでしょう、僕も入部します」
 
ハルヒ「あの変なヤツがキョンで、あのかわいい子がみくるちゃん、あの眼鏡っこが有希」
 
古泉「みなさんよろしくお願いします。」
 
ハルヒは学校を案内してあげるといって古泉を連れ出し、朝比奈さんは用事があるといって先に帰ってしまった。部室には俺と長門だけ
 
長門はずっと本を読んでいて一緒にオセロをやる雰囲気ではない。俺も帰ることにした。
 
「じゃあな、長門」
 
長門「あなたに一つ忠告する。」
 
「なんだ?」
 
長門「涼宮ハルヒと出会ったばかりの頃のあなたは涼宮ハルヒに対してとてもしつこかった。そのことを涼宮ハルヒは快く思っていなかった。そこで涼宮ハルヒはあなたを予知能力者としてみることであなたの存在を合理化した。涼宮ハルヒはあなたの能力に惹かれているが、あなたの存在そのものには好意的ではない。これはあなたの未来に対する解釈と現実とに大きなズレを生むかもしれない。気をつけて」
 
これではますますあの本のことなんて言えないな、予知能力者を演じつつハルヒのご機嫌をとらないと楽しい高校生活とは決別か・・・でも俺にはあの本があるんだ、大丈夫だ
 
「わかったよ、創造神さまにこれ以上嫌われたら大変だもんな、ありがとな」
 
長門(そして涼宮ハルヒがいくらあなた自身を改変しようとしても改変できない・・・)
 
 
 
 
 
土曜日、朝9時北口駅前集合
 
金曜日の部活中の第1回ミーティングにて
 
ハルヒ「果報は寝て待ってもやってこないわ。果報は探し出すもの。だから探しに行きましょう」
 
「不思議を探すんだろ?」
 
ハルヒ「そうよ、市内をくまなくさがすの。明日朝9時に北口駅前に集合。遅れちゃだめよ」
 
そして急遽決まった不思議探索、これも予定通り。
 
俺は突如決まるはずの罰金が嫌だから一番最初に集合場所につくようにした。
 
古泉「いや~みなさん早いですね」
 
一番最後は古泉、でも罰金はなかった
 
ハルヒ「二手に分かれて街を探索して、何か見つかりしだいケイタイで連絡しつつ時間まで探索継続。あとで反省と考察をするわ。じゃ~くじでグループを決めるわよ」
 
俺は朝比奈さんと二人組になった。ハルヒは朝比奈さんをじっと見つめていた。
 
ハルヒ「キョン、これはデートじゃないんだからみくるちゃんに変なことしたら許さないからね」
 
「わかったよ」
 
 
 
 
不思議ったって簡単にみつかるもんじゃない。
 
「朝比奈さん、そこらへんをふらふら歩きましょう」
みくる「あの・・・ちょっとお話が・・・」
 
「どうぞ」
 
みくる「お分かりのとおり、私は未来人です。」
 
「ああ、はい。そのことに関しては全部知っていますよ」
 
みくる「では、お聞きします。去年の冬あなたは何をしていましたか?」
 
「していたことといえば受験勉強ですが」
 
みくる「かわったことはありませんでしたか?」
 
「・・・・・とくにありません」
 
みくる「そうですか・・・」
 
「去年の冬になにかあったんですか?」
 
みくる「はい、私たち未来人は私が今ここにいるように時間をさかのぼることができます。でも去年の12月3日から約1週間だけはどうしても侵入できないんです。」
 
俺があの本を購入して読み終えるまでの間か・・・
 
みくる「キョン君はいろいろなことを知っています。なら、この期間についても何かご存知なのかと思って・・・」
 
「残念ながら力にはなれません。」
 
そしてしばらくブラブラしているとハルヒから電話があった
 
『12時にいったん駅前に集合』
 
 
 
集合後、昼飯をファミレスで食べ、午後の部のくじ引きをした。
 
俺は長門とだ
 
ハルヒ「じゃ~4時集合ね」
 
 
「行くか」
 
長門「・・・・」
 
「この前の話なんだが」
 
長門「なに?」
 
「俺は最近でしゃばらないでいるつもりなんだが、ハルヒはまだ俺を嫌ってるのか?」
 
長門「前よりは改善された、しかしあなたは一人の人間というあなたよりは予知能力者としてのあなたのほうが大きい」
 
「そうか・・・、でもどうして同じようなことされた長門や朝比奈さんは俺を避けないんだ?」
 
長門「あなたと決別するのは私と朝比奈みくるが所属する派にとって得策ではない。それにあなたは悪い人間ではない」
 
「そっか、ありがとな。そういえば長門は図書館って知ってるか?」
 
長門「?」
 
お礼と言ってはなんだが、俺は本好きな長門を図書館に連れて行った
 
長門「ここが図書館?」
 
「そうだ」
 
それからしばらく長門は本にかじりついて離れなかった、気がついたらもう3時だ
 
「長門そろそろいくぞ」
 
長門「・・・・・」
 
長門は名残惜しそうに本を眺めている
 
「じゃ~図書カード作ってやるよ」
 
長門「図書カード・・・?」
 
「それがあればここの本ならなんでも借りれるんだ」
 
俺はカウンターで図書カードを作った
 
「ほら」
 
長門「・・・・ありがと」
 
長門はさっそくデカルトとゲーリングスの哲学書を借りた
 
長門「最後にひとつ聞いていい?」
 
「なんだ?」
 
長門「あなたの未来に対する解釈ではこの先どうなる?」
 
「ハッピーエンドだな」
 
長門「そう」
 
そして駅前に戻ることにした
 
 
 
どうやら向こうのグループも収穫はなかったらしい
 
ハルヒ「次回は絶対に不思議を見つけてやるわ、今日はもう解散。月曜日は反省会よ」
 
ハルヒは真っ先に帰ってしまった
 
古泉「じゃ~僕も帰ります。話によるとあなたは僕の正体をもう見抜いているのでしょう?今日はゆっくり話す時間がなくて残念です。」
 
「ああ、じゃあな」
 
みくる「今日はありがとうございました。また月曜日にあいましょう」
 
「さようなら、朝比奈さん」
 
長門「さようなら」
 
「おう、じゃあな」
 
 
 
 
週明けの部室
 
長門と古泉はもう来ていた。ちょうどいい、古泉と話をしよう
 
「古泉、今ならハルヒもいないし話ができるだろ?」
 
古泉「そうですね、念には念をということで場所を変えましょう。」
 
俺たちは食堂まで行き、テーブルについた
 
古泉「といってもあなたは僕の全部を知っているのでしょう?」
 
「ああ、だから俺からの質問はない。お前から俺に聞きたいことはあるか?」
 
古泉「そうですねぇ・・・あなたの予知はどれくらい当たりますか?」
 
「俺の行動を含まなければ7割はあたると思うぞ」
 
古泉「そうですか、ん?あなたは自分の予知と同じようには行動しないんですか?」
 
「ああ、俺がみたのと同じように行動するのは不可能だ。環境は同じでも俺本人は言うことを聞いてくれないらしい」
 
古泉「予知の中でのあなたと現実のあなたの行動のズレで何か問題はおきないんですか?」
 
「そうだなぁ・・・今のところは大丈夫だ」
 
古泉「そうですか・・・では、部室に戻りましょう」
 
部室のドアをあけると予定通り朝比奈さんが下着姿で立っていた、エプロンドレスを持ったまま固まっている。ほら、俺の予知はすばらしい。
 
「失礼しました」
 
俺たちは廊下で待っていた
 
古泉「さっきのも予知していたんですか?」
 
「ああ、まったく同じだ」
 
古泉「んふっ、罪な人です」
 
しばらくして中から「どうぞ」という朝比奈さんの声が聞こえた。
 
「すみません」
 
みくる「いいえ、見苦しい姿をみせたこっちこそすみません」
 
朝比奈さんはハルヒの注文を守っているらしい。やっぱメイド服を着込んだ朝比奈さん(実物)はすげぇかわいい。
 
みくる「どうぞ」
 
朝比奈さんはみんなにお茶を注いだ、笑顔で湯のみをわたされると本物のメイドさんにお茶をくんでもらっているようだ。とてもすばらしい。
 
結局その日、ハルヒはこなかった
 
 
<次の日の教室>
 
「昨日もう一回歩ってなんか見つけたか?」
 
ハルヒ「うるさいわねぇ、知ってんならわざわざ聞かないでよ」
 
やっちまった・・・また機嫌損ねちまったか?
 
ハルヒ「日常がつまんないから変なヤツに言われた通りにSOS団作ったのに。萌えキャラとか謎の転校生も入団させたのに。何も起こらないのはどうしてよ?なんか大事件でも起きなさいよ」
 
弱気なハルヒってのもいいな・・・やっぱり・・・
 
 
 
体育で外に出ようと下駄箱を開けると一通のかわいらしい手紙が入っていた
 
「きたか・・・」

 

 
体育終了後に回収しよう。
 
もちろん内容はわかっている。差出人は朝倉だろ?
 
俺は無視する。殺されかけるなんてごめんだからな。あと長門に報告だ、バックアップがもうすぐ暴走するってな
 
 
 
長門「パタン」
 
ハルヒ「今日は解散」
 
いつもの長門の合図で今日の部活は終わった
 
ハルヒは真っ先に帰り、古泉と朝比奈さんも帰った
 
残るのは俺と長門だけ、よし作戦決行だ
 
「長門、これを見てくれ」
 
長門「放課後誰もいなくなったら、1年5組の教室にきて・・・?」
 
「俺の下駄箱にはいっていた手紙だ。俺の予知では手紙はお前のバックアップである朝倉からのもので、俺が教室に入るなり暴走する。」
 
長門「・・・・・」
 
「だからちょっと叱ってやってくれ」
 
長門「わかった、いってくる」
 
まぁこれで大丈夫だろ、朝倉は明日からカナダだ
 
俺は長門が帰ってくるまで部室で待つことにした
 
 
 
1年5組教室
 
朝倉「どうして長門さんが?」
 
長門「あなたがここで暴走すると彼から聞いたから」
 
朝倉「長門さんはあの不確定要素の言うことを信じるの?」
 
長門「そうすることで今まで上手くいった、これからも上手くいくはず」
 
朝倉「私は彼に正体がバレているわ、彼相手に目立った行動なんてできるわけないじゃない。ただ私は最近の涼宮さんの教室での様子について話を聞こうとしただけよ。涼宮さん、最近いつにも増して不機嫌だから・・・。涼宮さんがいないときをはかってね。それに今彼の身に危険が及ぶことは情報統合思念体にとってなんの利益もないわ」
 
長門「ではなぜ彼はこんなことを?」
 
朝倉「徐々に予知と現実にズレが生じている証拠じゃない。」
 
長門「たしかに」
 
朝倉「長門さん、冷静になって。私はあなたのバックアップであなたに歯向かうことはできないのよ?そして私たちが頼れるものは最終的には情報統合思念体だけじゃない」
 
長門「そう、わかった。それでは帰る」
 
朝倉「さようなら」
 
 
 
 
部室
 
「よう、長門お帰り。朝倉はもう消えたか?」
 
長門「どういうこと?」
 
「なにが?」
 
長門「朝倉涼子はあなたから最近の涼宮ハルヒの様子を聞きたかっただけ」
 
「そんなはずはない、朝倉は俺を殺そうとするはずだったんだ!」
 
長門「あなたは朝倉涼子が私のバックアップだと知っている、朝倉涼子もあなたに知られていることに気づいている」
 
「ああ、初日ちょっとからかっちまったからな」
 
長門「正体が知られている相手に釣り針を落とすの?」
 
「・・・・・・・」
 
長門「あなたの予知にもズレが生じ始めている。これからはあなたを信頼しきるのはできない」
 
「・・・・・・」
 
長門「帰る」
 
長門は部室を出て行った。ちくしょう、どうなってんだ?俺は確かにシナリオに従わないときもある、しかし今まで上手くいったじゃないか。朝倉が明日からも学校にいるなんてあの本には書いていなかった。どうすればいいんだ・・・
 
 
 
家に帰るとすぐにベッドに入った。あの本なんて手に入れなければよかった。そうすれば俺は予知とか関係なしにあの本のシナリオにそって行動したかもしれないじゃないか。
 
いつまでたっても眠れない、もう1時半だ
 
その時携帯が鳴った、誰だよこんな時間に・・・古泉!?
 
古泉『大変です!涼宮さんが閉鎖空間に閉じ込められました!』
 
おい、うそだろ?まだそれは早いはず、さらに俺も一緒にそこにいるはずだろ?
 
長門“そこで涼宮ハルヒはあなたを予知能力者としてみることであなたの存在を合理化した。涼宮ハルヒはあなたの能力に惹かれているが、あなたの存在そのものには好意的ではない。”
 
まさか!おいおい冗談だろ・・・、俺はアイツに願われてアイツと一緒にいくはずだろ!
 
古泉『ちゃんと聞いているんですか!!??』
 
「悪い、もう一回言ってくれ」
 
古泉『ですから、あなたの見解を聞きたいのです。あなたの予知ではこの状況で何がおきるんですか?』
 
「俺はハルヒと閉鎖空間に閉じ込められて、校舎を探索して・・・」
 
古泉『それで?』
 
「すげぇでかい神人がでてきて・・・ハルヒと一緒に校庭にいって・・・おびえるハルヒを庇って・・・・日常に嫌気をさしてるハルヒを説得して・・・」
 
古泉『それで?』
 
「き、キスして世界は救われる・・・」
 
古泉『あなたには失望しました・・・今回の閉鎖空間は我々でも姿をとどめることも、長時間いることもできないんです。生身のあなたでは到底そのシナリオは達成できるわけありません。我々は全力をつくしますが、明日また会えるかはわかりません。それでは・・・』
 
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ、絶対そうなるはずだ!だってあの本に書いてあったんだから・・・
 
?「それはないわ」
 
「誰だぁ!?なぜそんなことがいえる!!??」
 
ここは俺の部屋だ、俺のほかに誰もいないはず・・・
 
身を起すと信じられないものを見た
 
朝倉がベッドのすぐ横に立っていたのだ
 
「お前、どうやってはいったんだぁ!?」
 
朝倉「私は対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースよ、情報操作ができるに決まってるじゃない」
 
「何しにきたんだよ!?」
 
朝倉「昨日のお礼よ。あなたは私の読みどおりに私を救ってくれたじゃない」
 
いつの話だ?いつの話だ?いつの話だ?思い出せないぞ!!
 
朝倉「あなた、予知能力なんてないんでしょ?」
 
「!!!なんでだぁ・・・なんでしってるんだぁ・・・?」
 
朝倉「これ」
 
朝倉はあの本を持っていた
 
朝倉「本棚に置いておくなんて無用心ね、涼宮さんとかが家にくるときとかどうしていたの?」
 
言葉もでないし、頭は朝倉の言葉を理解できない
 
朝倉「この本、私たち急進派が去年の12月3日にあなたの視線が特定の本棚を向く瞬間に発生させた情報なの。そしてあなたはこの本を買った。」
 
朝倉「この本は私たち急進派が作戦を失敗した時のあなたの周辺の世界をあなたの視点で綴ったものなの」
 
意味がわからない意味がわからない意味がわからない・・・・
 
朝倉「人は一回できあがったシナリオを完全に再現することはできないでしょ?台本を読んだあなたはおもしろいくらいにシナリオをずらしたの」
 
朝倉「急進派はタブーとされる限度以上の情報操作をしたわ、涼宮さんにもね・・・。そして長門さんも情報統合思念体ですら見抜けなかったわ」
 
「なんで俺が世界を壊さないとなんだぁぁぁ!!!なんで俺なんだぁぁぁ!?」
 
朝倉「それはあなたは急進派が失敗した世界でのキーパーソンだったからよ、そしてあなたを少しずらせばあっという間にすべてが崩れた」
 
「俺はぁ・・・・俺はぁ・・・!!」
 
朝倉「あなたはとてもおろかだわ、この本の世界のあなたは普通を愛せた人間だったのにこの世界のあなたは欲にまみれている・・・」
 
もう力がはいらない・・・
 
朝倉「私たちは少しだけ涼宮さんに変化があれば満足したのに、あなたはすべてを壊した。まぁいいわ、お礼を言っておかなくちゃ。ありがと」
 
 
「やめろぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」
 
そしてこの世界は消失した。俺はとても馬鹿な人間だった。
 
 
おわり
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