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「最初はグーッ!じゃんけんぽん!」

俺とハルヒが付き合って早2ヶ月、ハルヒは早くも普通じゃないことをしたいらしい。

「キョン、このあたしと付き合ってるんだから、こんな普通の
どこにでもいるような恋人じゃダメダメなのよ!分かる!?」

そういってハルヒはじゃんけんで負けた方が勝ったほうの言うことを何でも聞く
という、しょうもないことを提案してきた。
ちなみに俺が負けた場合は、メイド服で1日ハルヒに御奉仕せにゃならんらしい。
なんとしてでも負けられん。俺の方はというと、実は何も考えてない。
1日中ポニーテールにでもしてもらうか。

「あーいこーでしょっ!」

ハルヒは拳を突き出し、俺は手を広げていた。つまり俺の勝ちだな。

「ふ、ふん!まぁいいわ。ほらっ、さっさと言いなさいよ」

「ん~、そうだな」

ここで俺の頭の中の悪魔が囁いた。

「ハルヒ、明日はずっとこれをつけて過ごせ」

「ちょ、ちょっとキョン。ホントにこれ付けろっての?」

「あぁ、本気だが」

俺がハルヒに差し出したのは

  • ネコミミ

  • 首輪(鈴付き)

  • しっぽ

以上3点だ。なんでそんなもん持ってるかって?
まぁそんなことは非常に些細な問題であって。
お前達もネコミミのハルヒが目をうるうるさせているのを見たいだろう?
残念ながら見せることは出来なのだがな。書いてくれる絵師様大募集だ。
そんなことはどうでもいい。しかしそれだけで終わらせるつもりはない。

「ついでにだ、語尾には『にゃん』を付けてもらう」

「な、何言ってんのよ!?キョン、あんた調子乗りす──」

「敗者は勝者の言うことを聞くんじゃなかったのか?」

「む」

ハルヒはしぶしぶ承諾してくれたようだ。

今日は日曜日だ。幸いにもハルヒの両親が水曜まで帰ってこないと言うわけで俺はハルヒの家に向かっている。
ハルヒの家に来るのは今日で3回目だ。一応ハルヒの両親にも俺のことは説明済みだ。
俺は堂々と、ハルヒの彼氏としてこの家に入ることが出来るのだ。

俺はハルヒの家に着くとチャイムを鳴らす前に、携帯でメールした。
うっかり宅急便かなんかにネコミミハルヒを見られたくないからな。
数十秒後にドアが開いた。

「キョ、キョン。よく来たわね………来た…ニャン」

意識が遠のいたね。ハルヒが顔を真っ赤にさせている。
目を潤ませて上目遣いで『ニャン』と言ったのだ。
これは大事件だな。まぁ俺が命令したんだが。

「おじゃします」

俺はそう言うとハルヒの家の中に入っていく。その時チラッとハルヒのお尻にしっぽが見えた。
俺は思わず掴んでみたくなる衝動に駆られたが、なんとか抑えることが出来た。
是非褒めてもらいたいね。俺がずかずかとハルヒの家に向かうと後ろの方から、『リン』
という音が聞こえてくる。そう、首輪の鈴だ。その瞬間思わず抱きしめたね。

こればっかりはしょうがないだろ?ハルヒが余りにも可愛くてつい、な。

「ちょ、い、いきなりどうしたのよ?」

「ん?いや、お前があんまり可愛くってな」

「バ、そ、そんなこと言ったって何も出ないんだから!」

ハルヒは怒ったように言い放つとさっさと部屋に言ってしまう。やれやれ躾をしないとな。

「ハルヒ」

「なによ」

「『にゃん』を忘れてるぞ。」

ハルヒはまた顔を赤くして俺を睨みつけてくる。

「わ、分かったニャン!」

ハルヒは半ば開き直った感じで言った。それでもまぁ満足だ。

ハルヒの部屋に来たのはいいが、正直これから何するのか考えてもなかった。
とりあえず持ってきた猫じゃらしでハルヒと遊ぶか。
俺は猫じゃらしをハルヒの顔の前で揺らしてみた。

「なんのつもりよ?」

「見て分からないか?猫じゃらしだ」

「そんなのは分かるわよ!あたしが聞きたいのはなんで猫じゃらしを持ってるのかよ!?」

「あぁ、これか?これは妹がシャミセンと遊ぶように買ってきたやつを1本だな──」

「ち・が・う!」

ハルヒのやつ猫じゃらしはお気に召さないようだ。しかしまた忘れてるなこいつ。

「ハルヒ、『にゃん』」

「うっ」

どうやら相当恥ずかしいみたいだな。こんな機会たまにしかないからな。一生分言わせてやろう。

「ついでだハルヒ、今から俺のことはご主人様と呼んでくれ」

「な、何言ってるの……言ってるニャン?」

うん、いい感じだな。

「まぁ、その、なんだ。うちにはシャミセンという猫がいるのは知ってるな?
ってかお前が捕まえたんだが。そいつはどうも俺のことをご主人だとは思ってなくてな。
たまには猫にご主人様扱いしてほしいんだ。」

ハルヒは黙って俯いてしまう。いつもはあんな露出度の高いバニーなんか着れるのに。
なんでこんなことは恥ずかしいのだろうか?ハルヒにとっての羞恥の感覚はわからんね。

「ご」

ん?

「………ご主人様」

ボソッとハルヒは呟いた。その音量は微かなものではあったが
俺を沈黙させるには十分過ぎるものであった。

「こ、これでいいニャン?」

俺は本当に倒れそうになった。

そのコンボはやめてくれ。

俺は倒れたままでハルヒをじっくりと見る。まだ起き上がることは出来ない。いろんな意味で。
それにしてやけに似合ってるな。安物の『変身!3点セットシリーズ』とかいう胡散臭いものだったんだが。
素材がよかったのが勝因だろうな。いくら金を積んでも本物の勝利は得られないのさ。

いつもは気丈なハルヒなだけに、この羞恥心に震えている姿は堪えるな。
朝比奈さんのとはえらい違いだ。朝比奈さんはあれで萌えられるのだが
このギャップに勝るものはないであろう。

「キョ、………ご、ご主人様」

「え?あ、あぁ。なんだ?」

自分で言っておいてなんだが、これは慣れそうにないな。俺はご主人様って感じじゃないし。

「その、今日は何する…ニャン?」

そういや決めてなかったんだよな。さてなにしようか?
ネコミミと言えばって言われると何も思いつかんな。
とりあえずハルヒを恥ずかしがらせるには………

「ハルヒ」

「…ニャン?」

「散歩しようか?」

「な、ななな、そ、それは…嫌だ…ニャン」

もうちょっと頑張れば顔から湯気が出るな。

「なに、ちょっとそこらへんをブラブラするだけだよ」

まぁこのハルヒを他の男共に見られるのは癪だが、羞恥の点では申し分ないだろ。

「そ、それでも嫌ニャ…」

こいつ、使い方を分かってきたようだ。今のは効いたぜ。
しかし予想以上にダメージ大だな。もうちょっといじめてみるか。

「そうか、敗者は勝者の言うことを聞くって言ってたのにな」

「そ、それは………」

「もう1つ追加だ。今から自分のことをハルヒって呼べ」

「じゃあもう一度言うぞ。ハルヒ散歩しないか?」

ハルヒはもう何がなんだか分からなくなっているようだ。
それでも俺が言うことを実行してくれた。

「………ハ、ハルヒは散歩しないニャ」

ぶっ!

なんだか変な気分になってきたぞ。言っておくが俺にロリ属性は無い。
それでも今のはやばかった。驚異的な破壊力だ。

「どうしても嫌か?」

俺は倒れかけた体を何とか支えつつハルヒに聞く。

「……嫌ニャ」

もう俺としてはこれで満足だ。もう十分萌えたしな。
そろそろ許してやるか。そう考えているとハルヒが話し出した。

「………ハルヒは散歩しないニャン」

そんなに嫌だったか。いじめすぎたな。
俺が反省してもういいよ、と言おうとしたのだが、ハルヒの話は続いた。

「………ハルヒは…ご主人様だけのものニャ。だから…他の男に見られるのはいやニャン。」

「………ハルヒ」

俺は馬鹿だな。ハルヒは俺のことをこんなにも想ってくれているのに。

「ごめんな、ハルヒ」

「い、いいニャン!そ、そうだ、ご主人様お腹すいたでしょ!?
なにか作ってくるニャン!」

「あぁ、サンキュな」

そう言うとハルヒは下に降りていった。

数十分後、ハルヒはスープを持ってやってきた。

「ご主人様のことを想って作ったスープにゃん。残さず食べて!」

言われなくても食べるだろう。ハルヒが作ってくれたものならな。
それにとてつもなく美味そうだ。やっぱハルヒは料理が上手だな。

「ご主人様、アーン」

「お、おい、やめろって」

ハルヒはスープをすくったスプーンを俺の口に近づけてきた。これは恥ずかしいぞ。

「アーン」

「ア、アーン」

やめようとしないハルヒに負けて俺は食べた。

「うん、美味いぞ」

その瞬間、俺は激しい眠気に襲われた。

「ん?………おかしいな」

そして俺は意識を失った。

ん、うん。意識が戻るとそこはハルヒの部屋だった。
あれ、俺寝ちまったのか。隣にはネコミミセットを外したハルヒが眠っていた。

「おい、ハルヒ。起きろ」

俺はハルヒを起こす。何回か呼ぶとハルヒは目覚ましたようだ。

「……ん、キョン?」

「あぁ、寝ちまったようだな。スマン」

俺が謝ると同時に、ハルヒは勢い良く時計を見た。
そしてニヤリと不気味に笑い、叫んだ。

「ふふーん!キョン?時計を見てごらんなさい!」

俺は言われるがままに時計を見た。時刻はちょうど午前一時だ。かなり寝たな俺。

「そう!もう1日経ったのよ!これでもうあんたの命令からは開放されたわ!」

「ちょっとまて!なんか引っかかる点があるんだが!」

「そんな小さなこと気にしないの!さーて、今までの恨みどう晴らそうかしらね?」

ハルヒはニヤニヤと笑っている。いかん、これはまずい。

「ま、待てハルヒ。確かに俺は調子に乗ったかもしれん。
しかしだ、あれは俺がじゃんけんに勝ったからじゃないか」

ハルヒはなにやら考え事をしてから、俺に言う。

「それもそうね。じゃあここは正々堂々とじゃんけんで決めましょう!」

なんだあの自信は!?ハルヒの奴、じゃんけんで絶対に勝てるとでも言うのか!?
その瞬間俺にはハルヒの考えが分かった気がした。一か八か賭けてみるか。

「じゃあいくわよ!さーいしょ――――」

頼む!

「っからぁ!!」

ハルヒはパーを出し、俺はチョキを出していた。
そう、ハルヒはじゃんけんの卑怯技『最初っから』を使ったのだ。知らない人は誰かに聞いてくれ。

ハルヒは口をピクピクさせている。少し可哀想だが、まぁいいだろう。そして俺は言ったのだ。

「今度はどんな格好がいいかな?」


おしまい。
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