そーだな。今から思い出せば、アレは何年前の話になるだろうか。

今日は奴の命日だし、ゆっくりと思いだそう。

 

アレはある雨の日の部活だったな。

「あ~あ、つまらないの。あたし雨なんて大っ嫌い!ちょっとキョン!どうにかしなさいよ。」

俺と古泉が将棋で対戦していると、ハルヒが横で喚き散らしている。

「無茶言うな。俺が天気をどうこう出来るわけないだろ?」

それっきりハルヒはむぅと言って黙ってしまった。

お、古泉。王手だ。

俺は少しカッコつけて、パチンッ、と音を鳴らして角行を置いた。

「んふっ、またやられてしまいましたね。ではまた、コーヒーでもおごらせていただきます。」

古泉、お前わざとじゃないよな?

「僕は故意に負けるような事はしませんよ。仮にも相手があなたですし。」

じゃあ何か?俺以外の奴ならわざとで負けてもいいって言うのか?

「そうゆうわけではありませんよ。」

古泉と会話を交わしながら俺は部屋を見渡した。ハルヒは団長机の上からパソコンを撤去して自分が座ってうんうん唸っているし、朝比奈さんはいそいそと給仕に励んでいる。長門は定位置で本を読んでいる。

俺は、こんな平和な風景が、せめて高校生活が終わるまで眺めたかった。あんな事件が起こるともしらずに・・・

 

次の日の放課後、

「ねぇ、みんな。日曜日空いてる?」

ハルヒが日曜の予定を聞きだした。

「また不思議探索パトロールか?この頃静かだと思ったら。」

俺が気の抜けたような声で聞くと、

「違うわよ。たまには日曜にみんなで遊びにでも行こうかなって。」

ほほー。これは驚きだ。今まで休日に集まると言ったら、不思議探索パトロールしかなかったからなあ。

「で、みんなどうなの?」

「いいですね。僕は空いてますよ。」

「私も・・・」

「・・・・・・・・・・」

俺も空いてるな。家でゴロゴロ過ごすよりは、みんなで出かけて楽しんだ方が体にもいい。

「じゃあ決定!次の日曜に駅前集合ッ!出来るだけ持参金は多くね。」

さて、ここで一つ疑問が浮かぶ。

「それはいいがハルヒ。どこに行くんだ?金は多い方がいいんだろ?」

俺が聞くとハルヒは、

「それなのよねぇ。どこへ行くかはまだ決めてないのよ。そこで、今日みんなで決めたらどう?」

ハルヒが笑顔で言う。

「そうですね。では、都市部の方へ出かけてはどうでしょう。ここよりも大きくてにぎわってますし、それに・・・・。」

「私は遊園地がいいです。」

「・・・・・・特に希望は無い。」

各々の意見が聞けた。

「フムフム。諸君の意見は聞いたわ。じゃあ多数決で決めましょう。」

この人数でかよ。

「何?文句あんの?みんなも多数決でいいわよね?」

コラ三人とも(いや、正確には二人だ)。そうやすやすと首を縦に振って肯定するな。朝比奈さんはまだいいとして。古泉。お前は少し否定することを覚えろ。

「じゃあ決まり。」

その多数決の結果、古泉提案の都市部への繰り出しが決まった。

 あ、そうだ。

「古泉。そういえばお前さっき、それに、って言ったよな。何がそれに何だ?」

俺が聞くと、古泉は、待ってましたと言わんばかりの顔をして、

「その都市部から歩いてすぐの所に、いくつかの廃ビルがあるんですよ。何でもそこは夜になると幽霊が出るらしくて、」

「古泉くんっ!今の話ホント?」

ハルヒが興奮して古泉に突っかかって言った。

「えぇ、本当ですよ。何かしら条件がそろえば、昼でも数匹見られるというのは、聞いたことがあります。」

 「じゃあ決まりっ!日曜午前の部は都市部めぐり、午後の部は廃ビルで幽霊探しよ!」

 おーっ、とは言えんな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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