目次


   君誰大会


「さあ始まりました第一回
SOS団内キョン君を奪うのは誰だ大会、略して君誰大会。司会の古泉です。」
「なあ。なんだこれは。」
「いつまでも煮え切らないあなたを誰かに繋ぎ止めようという女子たちの必死の思いから生まれた企画です。発案者、森園生、企画実行古泉一樹でお願いします。」
「何の話だ? そしてなにやってんだ森さん……」
「さて、そんな女子の愛憎渦巻く争いに参加するのはこの方たちです!」
「お前、キャラ変わってないか?」
「作者の中では古泉はこんな感じらしいです。ガチホモじゃないので安心してね♪ だそうです。」
「答えになってない……以前に、誰に喋ってんだ?」
「禁則事項です。」
「お前が言ってもだめだ。それは朝比奈さんにのみ許されるのであっt「話が進まないので先行きましょう。」

「参加者一号、涼宮ハルヒです! ベタ甘なキョン、ツンデレなキョン、ハルヒラブなキョンは、あたしの所へ来なさい! 以上!」
「……参加者二号、長門有希。あなたにはこんなセルフパクリとでも言うべきことをやってる脳内花畑よりも、麗しく可憐な私の方へ来る事を推奨する。……大丈夫、ハルヒラブなキョンは元から存在しなかった。」
「参加者三号、朝比奈みくるです。二人とも、キョン君はわたしのですぅ。」

「……どうしたんですか。例えるなら全く意識していなくて友人だと思っていた女の子から告白されたような顔をして。」
「いや、ちょっと……びびった。」
「あなたは全くもって朴念仁ですね。僕はもう二ヶ月前に気付いて森さんに相談したら『なに言ってんの。まだ気付いてなかった方に驚きよ』と言われてしまったというのに」
「……そうか。」
「このSSは九割が台詞だけで構成されているためにテンションの下がることを言われると立ち行かなくなるんです。がんばって下さい。」
「だからさっきから何言ってんだよ。」
「企業秘密です。」
「いつの漫画だ。」

「………………………………………………………………………。」
「有希、いくらあの二人が口論してて続きにくいからって静かに殺気放つのはやめなさい。何事かと思うじゃない。」

「長門さん、気持ちは分かりますけど、そう怒らないで下さいよ。キョン君が鈍い……いえ、相当なフラグクラッシャーだっていうのは分かっていたはずですよ。」
「女には分かっていても、やらねばならないときがある。正に止められない止まらない。」
「ブレーキは必要よ。あたしが言うのもなんだけどね。」
「では、この荒ぶる気持ちをどこにぶつけたらいいの?」
「ぶつけるの前提にしないで。もう、有希がそんなのでキョンと古泉君が死闘を繰り広げてるからあたしまでツッコミになっちゃうじゃない。」
「ええ、分かっていましたよ。分かってましたとも。わたしは空気。空気なんです。でも夢を見たっていいじゃないですか。幸せになれるって思うくらいいいじゃないですか。」
「これって、もしかしなくても、ツッコミあたしだけ?」
「悪いのは、誰? 倒すべきは、どこにいるの? 早く、早く出てこい。」
「いやだなあそんなわけないじゃないですかわたしも幸せになれるかもって思っただけで全く信じてなんていませんでしたよ。別に幸せになりたくないわけじゃないですけど。むしろなってみたいですけど。ええ女の子からは遠巻きにされ男の子は告白するかストーカーちっくになるかの二択だったときに現れたキョン君はそれはもうありがたかったですよ。下着姿みても変なことしなかったし。」
「もういや。……あれ? ルーベンスの絵が見える……」

「ふふっ、なかなかやるな、お前も。」
「あなたこそ。まさかあの名作を引き合いに出すとはね。」
「なに、お前の『愛さえあれば多分大丈夫です!』もキタぜ。心に、ずどんってな。」
「………しかし、そろそろ止めないとあの三人はどうにかなりそうですね。」
「ああ。正直途中から気付いてたけど近寄りたくなかったからな……」
「ええ、涼宮さんはそろそろパトラッシュと御対面しそうですよ。」
「腰は重いが、止めなきゃなあ。」

「だから鶴屋さんに相談してみたら『ほほう、みくるにも春が来たかっ!』って言われて。そういうことなのかなって悩んでるうちにも、どんどん惹かれていく自分がいて。気付いたときには大好きだったんですよ。だからいいじゃないですか。夢見る乙女になってもいいじゃないですか。」
「もし私が彼の恋人ならば、彼と思いっきりいちゃいちゃするのに。」
「パトラッシュゥ、あはは、今からそっちに行くよー。……え? なんでだめなの? パトラッシュ? パトラッシューーーッ!」

「悲劇だな。」
「ええ。飼い主が自分につられて向こう側へ行ってしまわないように寂しくても拒絶する。なんて忠犬なんでしょう。あまりのことに泣きそうです。」
「ふっ、あえじぎでないでるようじゃたががじれでるな。」
「ぼろぼろじゃないですか。」

「…………そろそろ、本気でやばいですね。」
「ああ。正直俺らにはどうしようもないところまで来てしまった感が否めない。放置しすぎたな。」
「誰かの乱入を祈るしかないですかね。」
「そうだな……発案者の森さんは?」
「無理です。多分今頃深き欲求に引かれて闇の中を彷徨っていると思われます。」
「要約すると。」
「寝てます。」
「……寝起き怖そうだもんな。」
「ええ。ちょっと先に起きて頭撫でてたら三撫で目くらいで意識が飛びました。今では眺めてるだけです。」
「今の発言により大分大きい疑惑がわいたがまあいい。他の『機関』メンバーは?」
「新川さんは紛争地帯で停戦に向けて活動しています。田丸さん達は休暇中です。『ドラゴンが俺らを待っている!』とか言ってました。」
「谷口や国木田は帰っただろうしな………鶴屋さんも…無理か。」
「唯一の抑止力は生徒会長と喜緑さん辺りか。」
「メールしてみます。……返信来ました。」
「なんて言ってる?」
「『江美里が離さないから行けない。』だそうです。」
「最後の砦も崩れたか…」
「万事休す、ですね。」

「奇跡、起きねーかな。」
「そんな『新刊出てねーかな』みたいなのりで言われても。」
「お邪魔しますなのね。」
「「奇跡キターーーッ!!」」
「な、なんなのね。私の存在はそんなに奇跡だったのね?」
「阪中、頼む。奴らを止めてくれ。俺らには無理だ。」
「奴らって、涼宮さん達のことなのね?」
「そうそう。」
「やってみるのね。」


「…無理だったのね。」
「いえいえ、阪中さんはよくやってくれましたよ。」
「そうだな。ありがとう。……ただ、『愛しのキョン君が見てるのね』は、やめて欲しかったかな…」
「そのおかげで三人ともこっちに一回帰ってきてくれたんですけどねえ。衝撃というか恥ずかしさが先にたって三人とも魂抜けてますしね。」
「そういう意味では成功してるよな。」
「後は、いたこさんを呼んできて魂を入れなおしてもらうのね。」
「それはやらなくても大丈夫ですよ。経験から言うと、あの状態になった人は十分くらいで戻ってきます。」
「……誰の魂抜いたんだ。」
「いえ、ちょっと……ね。」
「なあ。なんだか硬くて重いものがほしいんだが何か無いか?」
「すいません調子乗ってました。」
「あ、そろそろ三人が戻ってくるのね。」
「ああ、本当だ。」

「……………………ここまで恥ずかしいと思ったことはないわ。」
「……ですぅ。」
「………一生の不覚。」
「よし、そろそろ皆忘れた頃だと思うし、本題に入ろうか。」
「キョンは誰を選ぶの?」
「えらい直球だな。」
「もちろんわたs「頼むからまた話をこじらせないでくれ」
「……無念。」
「さて、俺は、いわゆるへタレだ!」
「まさかのヘタレ発言。あなた、相当の勇者ですね。」
「でもそんなあなたも好き。」
「決めて欲しいけど……四人っていうのも―――――ありですね。」
「なしよなし! どんなプレイよ!」
「四人プレイですよ。」
「………推奨する。」
「「なし!」」
「いやー、現実問題、三対一はキョン君がもたないでしょうしね。」
「古泉君、その発言セクハラなのね。」
「失敬。では、どうします?」
「さっきから、無視されてるのは気のせいかな?」
「そもそも、こういうのは本人たちにしか解決できないものなのね。」
「そこがネックなんですよね。」
「へタレで悪かったな!」
「わたし的には、キョンくんが選ぶのならどんな結果でも受け入れますよ。」
「私も。……私を選んでくれるのならそれが一番だとしても。」
「あ、あたしもそう思ってたわよ!」
「なあ。これってあれか?最悪の回答は言わせなければいいとかそういうことか?」

「うーん、そう考えると難しいのね。三人はとりあえず誰か選ばれるんだったら納得して引き下がる、と。でもキョン君は選べない、と。」
「言ってしまいましたね。折角皆さんが伏せてたのに。…まあ、へタレの更正は大変ですからね。」
「やっぱりふせてたんだな。まあ俺が悪いから何も言いようがないけど。」
「しかし、このままでは展開が無い。ぐだぐだに終わってしまう可能性がある。」
「でも、キョン君が決めてくれないと何も変わらないですよ?」
「早く踏ん切りつけなさいよ。全く。」
「そうだな……よし、決めた。」
「本当ですかぁ! 奇跡が起こりましたか!?」
「私であることを祈っている。」
「は、早く言いなさいよ!」

「阪中さん、何か嫌な予感がするんですけど。」
「奇遇なのね。わたしもこの後の展開がなんとなく読めたのね。」

!!!!!!保留!!!!!!

「え………」
「まさか………」
「そんなの………」

「「「ここまで引っ張っといて逃げる!? 普通!?」」」


「いやー、いってしまいましたね。二重の意味で。」
「キョン君も涼宮さんも長門さんも、足速いのね。」
「暗に朝比奈さんは遅いって言ってるんですか?
「そういうわけでもないのね。たとえそれが事実でも。」
「先ほどと同じように、嫌な予感がしてきたんですよねー……」
「わたしは今度はしてないのね。どんな予想なのね?」
「言っちゃっていいんですかね。……まあ、いいでしょう。」
「じらさないで欲しいのね。」
「このまま、オチも無く終わってしまうんじゃないかと。」
「ははは、さすがにそれは……」

   ―――第一回君誰大会、終了。

「「マジですか!」」


     一応第二回君誰大会に続く



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