めがっさ貯古齢糖

今日は2月11日。国民の祝日なので学校はお休みです。私と長門さん、涼宮さんと鶴屋さんでデパートへやってきました。目的はもちろん…。
「ねぇねぇみくるちゃんこれ見てよ?すごいと思わない?」
涼宮さんが指差していたのはガラスケースの中に入っていたチョコレートでした。
見てみると綺麗にラッピングされていて、中のチョコレートもまるで宝石かと見間違うよう。私はつい見とれてしまいました。
「にしてもこんなのを男にあげるなんてどれだけ本気なのかしらね。」
呟いた涼宮さんにすかさず鶴屋さんが
「いやぁ~はるにゃん、男ってのは案外こういうのが好きなもんなのかもしれないよっ?」
って言っていますが…。本当でしょうか?
「実際にその情報があっている可能性はかなり高い。男性は普段一人で買えない物に魅力を感じることはある。しかし個人的に私はもう少しシンプルなチョコレートが好み。」
長門さん、結局自分の話になっていますけど…。
でも私はこの瞬間を楽しんでいました。
未来にバレンタインデーはあります。ただ、義理は廃止されたんです。
だから、好きな人が居ない人は、バレンタインっていうイベントが楽しめないんです。

チョコレート売り場を練り歩きながら、私たちは色んな話をしていました。
男の子はどんなチョコレートが好きなのか…。
今まで誰にあげたか…。
等。

気が付くと、いつの間にか涼宮さんがその場からいなくなっていました。
「あれ?涼宮さんはどこへ行ったんですか?」
「そういえばいないにょろね~。」
「涼宮ハルヒはあるチョコレートの前で先ほどから一分四十五秒停止している。そのチョコレートに余程心が惹かれた様子。」
とにかく、それは行ってみた方が良さそうですね。
私たちは長門さんを先頭にして、涼宮さんが止まっているというところへ歩き出しました。

いました。確かに、ガラスケースごしから一つのチョコレートを熱心に見つめています。
まだ私たちには気付いていないようですが…。随分必死なようです。
「いやいやぁ、はるにゃん本気だねっ!あの目は本命にあげるかどうか選んでるよ~。」
鶴屋さんは何でも分かるんだなぁ…。
こっそり後ろから近づいてみると…。
「う~ん…。キョンはこういうの好きなのかしら…。でもチョコレートは手作りの方が良い気もするわね…。でも、これ何かキョンっぽいし…。」
やっぱり鶴屋さんの言うとおり、本命らしいですね♪
「はるにゃ~ん。どうしたんだ~い?」
鶴屋さんがとても楽しそうにニヤニヤ笑いながら涼宮さんに近づいていきます。
「つ、つ、鶴屋さんっ?!」
こんなにびっくりする涼宮さんを見るのは初めてかも知れません。
「今何かブツブツ言ってたねぇ~。どうやら本命らしいじゃないかっ。キョン君かい?応援するよっ!」
「涼宮ハルヒと彼は友達以上恋人未満に最も該当するとされる関係。本命と呼ばれるチョコレートをあげるのは彼に好意があるという証拠。そのチョコレートは彼に合っているため、手作りより推奨される。」
鶴屋さんと長門さんが涼宮さんに話しかけています。
「べ、別にキョンのためなんかじゃないわよっ。」
「じゃ誰のためなんだぃっ?!」
鶴屋さんが完全にこの状況を楽しんでいます。
「い…いや…。ねぇねぇみんな、やっぱりこのチョコレートが良いと思う?」
「もちろんですよ。涼宮さん。だいたいキョン君はあなたがくれるチョコレートに期待しているはずです。きっと何でも喜びますから。」
「本当っ?!みくるちゃん。もし違ったら針一億本飲ますわよ?」
本当です。絶対に、キョン君は涼宮さんからのチョコレート喜びますよ。
「絶対にそう。」
「そうに決まってるにょろよ~。それ買っちゃいなっ!」
「分かったわ!みんながそこまで保証してくれるなら買う!」
SOS団の活動はとても楽しいですが、たまにはこういう女の子だけでの恋の話とか、いいもんですね。
「さぁて、次は有希の本命を買いにいくわよっ!」
「私という個体は特別恋慕の情を抱く対象はいない。よって、本命と呼ばれるチョコレートは必要ない。」
「そんなことないにょろ~。いないわけないっさ!有希っちの好きな人!誰にょろ~?」
長門さんの好きな人…。誰でしょうね?気になります。
デパートにはたくさんのチョコレートが並べられています。まだまだこのショッピングは続きそうです。

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