涼宮ハルヒの呪縛-MEGASSA_MIMIKAKI+冥&天蓋こんにゃく百合カレーmix-Relinquished
 
掃除で遅れた俺は、既に全員揃っているであろう部室へ向かっていた。
扉を開けるとハルヒが怒鳴る。
「遅いわよミョン! …あれ?」

「ちょっとミョン! …あああれ?」
部室の空気が北極並に凍りついた。ハルヒのエターナル(以下略)が炸裂した!
俺はミョンじゃないんだが。どうした、滑舌が悪くなったか?
「よく分からないけど、ミョンって言ってもミョンになっちゃ…ああーーーーーっ!!」
ハルヒはぐしゃぐしゃ髪を掻きむしり悶絶している。意味が分かりません。
「つまり、『キョ』の発音が『ミョ』になっちまうということか?」
「そうなのよ! なんとかしなさいよ!」
「じゃあ試してみるか。Repeat after me. 教科書」
「教科書」
「京都」
「京都」
普通の単語には影響ないのか。
「巨乳」
「……」ガシッボカッ
痛い痛い、無言で殴るな!
「このエロミョン!!」
「「……」」
長門「……変態」
駄目か。
長門「無視しないで…」
「駄目みたいね。ああもうなんとかしなさいよ!」
そう言われても、俺に何が出来る…。
長門(涙目)「無視しないで…お願い…」
「あああああああああああぁぁぁぁあぁぁぁあぁあこんにゃくぅぅぅぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅ!」
混乱したハルヒは髪を掻き回しながら廊下へと疾走していった。
「馬鹿! 廊下へ飛び出すな! もしかしてもしなくてもナイスタイミングでパイプ椅子を運ぶ会長が…!」
バッシャーンガラガラガラガラ
「ハルヒー!」
「きゅーん…」
「あーあ言わんこっちゃない」
「す、涼宮さぁん! あ、あの、私、保健室に連れていきます!」タタタ…
因みに共に気絶した会長は廊下放置されたが、後にボンテージ姿の喜緑さんに回収されていった。何するつもりなんだろうあの人…。
 
 
「古泉一樹…、私が勇気を振り絞ってツッコミを放ったのに無視された…」グスン
「それは可哀想に」ナデナデ
「ううっ…」ポロポロ
「僕も空気ですから…」
「古泉一樹…泣かないで」
「長門さん…」
 
 
しばらくして朝比奈さんが戻って来た。頭を打ったのか、ハルヒの頭上に星が4つ程「ピヨピヨ」という効果音を伴いながら輪になって回転していたが命に別状はないとのこと。
「あ、あの、ミョン君…ふぇぇぇぇぇ?」
朝比奈さんもですか…。
「ごめんなさいミョンく…」
「……」
「…ぅぅぅ…」
伝染している、まさかハルヒの仕業か…?
「ずみまぜん…」
な、泣かないで下さい。ときに古泉に抱かれている長門よ、どうなってんだこれ。
「(重要な出番ktkr!!)涼宮ハルヒは自分だけが『ミョン』と呼んでしまうことが恥ずかしく、それならばいっそ皆が『ミョン』と呼んでしまうようなればいいという改変を行なった模様」
なんで元に戻るように改変しなかったんだよ…。
つまり、
「今日から貴方の名前はミョン」
「マジか」
「マジ(ざまあwwwwwwwwww)」
「勘弁してくれよ」
「無駄(メシウマwwwwwwwww)」
「はぁ…」
(はっ、いけないいけない。私の愛しのキョン様が…)
 
「ふ、ふっかーつ!」ピヨピヨ
威勢良く扉を開けて保健室から戻って来たたハルヒであったが、ふらふらしているし、何やら効果音が聞こえる。
「大丈夫かハルヒ、星が回ってるぞ」
「だだだだだだだだ大丈夫!」ピヨピヨ
長門(涼宮ハルヒは思考力が低下している、キョン様に接近するチャンス!)
「ふらふらじゃないか、家まで送ってやるよ」
「え? あ、う、うん、ありがと!」ピヨピヨ
「という訳だから先に帰るよ、じゃあな」
バタン
長門(涙目)「うぅっ……」
古泉「……」
「彼は無意識に人を傷つける…間違い無く女性の敵…」ポロポロ
「そう言われましても……」
 
 
意気揚々と学校へ向かう妹「翌日っ!」
なのね「阪中」
妹「逆になってるよー」
あれ? どうなってるの?「阪中」
妹「…」
 
 
教室へ向かう。ハルヒはまだ来ていないようだ。重たい足取りで自分の席へ。
「ハァ、参ったなぁ。今日から俺は『ミョン』なんだよな…。なんだよ『ミョン』って、力の抜ける擬音だなぁ、…みょん」
「ミョン君、落ち込まないの」
「朝倉…」
朝倉は長門からの連絡を受けたのか、俺が『ミョン』になったことに驚いていない。
「いくら抵抗しても無駄だからね。仕方ないわよ、ミョン君」
「ああ、相手がハルヒじゃ仕方あるまい…だが俺を『ミョン』と呼ぶ奴は許さん!」ガバッ
「え、ちょ…」
俺は怒りに任せて朝倉を机に押さえつけ、「アレ」を取り出した。
「痛いのが嫌なら大人しくしてろよお嬢ちゃん…」
「…ん、うう…///」
 
just a moment...
 
「はぁ……」
「いけないコだ…、俺をここまで本気にさせるとはな」
満足感と達成感に溢れた俺の目の前に、呆れた様子の谷口と国木田が現れた。
「何でお前が朝倉の耳掃除してんだ? (う、羨ましくなんかない! 決してない!)」
悪いか? だが俺の綿棒の手さばきは半端無いぞ? 既に俺の手に「墜ちた」朝倉はすやすやと穏やかな寝息を立てて眠っている。
「しかも綿棒って、耳かきじゃないのかよ」
綿棒なめるなよ。
「なぁミョン…あれ?」
当然のことながら、谷口もハルヒの呪縛に囚われているのである。
「何故だぁぁぁぁぁ! ミョンがミョンになっちまう!」
谷口が頭を抱えている。
「意味が分からないよ谷口君」
ここでようやく国木田が喋った。
こいつがハルヒと同じことを言うのが忌々しく感じられたので、立ち上がると悶絶している谷口に接近し、指先に渾身の力を込めて脇腹を突いた。
「ぅぼぁ」
倒れて床を転がる谷口。俺はそれを見届けて席に座る。
「容赦ないね…」
「俺だってこういう時もあるさ」
「でも、谷口君が悶える姿って本当に愉快だよね」
「国木田!?」
黒い…、国木田の笑顔が、黒い。
「ついでに僕も追撃しちゃお。『冥闇符:チャックアイ=テルーゾ』」
ズガァァァァァァァァァァァァァン
謎の呪文によって放たれた紫炎は龍の如く谷口へと突っ込んだ!
「国木田ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!(断末魔)」
ピチューン
某魔女「弾幕はパワーだ…」
 
「国木田、お前の方が容赦無さすぎる」
「ん? そうかなぁ」
「そうかなって…」
「先に謝るよ。ごめん、どうやら僕も『ミョン』としか言えないみたいなんだ」
国木田は申し訳なさそうな表情をしている。この正直者め。
「はははそうかそうかミョンか…ならば貴様も生かしてはおけん!」グサッ
「な…んで…」ドサッ
「まさかこのナイフ(提供朝倉)を汚す時が来るとはな…残念だよ。ラ=ヨダソウ=スティアーナ…」
だが谷口と国木田はまだ残機が残っていたので、3分後には何事も無かったかのように復活した。
 
チャイムが鳴ると同時にハルヒがやって来た、珍しく遅刻寸前だった。
「おはよ」
「おう。ケガは大丈夫なのか?」
「勿論よ。なーんかミョンって違和感あるわね…」
「ミョンなぁ…あんまりミョンミョン言われるとゲシュタルト崩壊を起こしそうだ」
岡部「朝倉ー、起きろー」
朝倉がまだ眠っている。残念だが、俺の超絶テクニックに墜ちると1時間はぐっすりなんだぜ。
山根(あの男…何をした…!)
岡部「そういえばミョン…ん、ミョン?」
「おんどぅるあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいとこんにゃくぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
「ミョン!?」
なぁハルヒ、言い間違えるのも恥ずかしいが、言い間違えられるのも恥ずかしいんだぜ…。
「rrrrrrrrrrrrrrr!!!(裏声)」
遂に耐えきれなくなった俺はホームルーム最中の教室を飛び出した。
 
手ぶらで来た為に行くあてもなく、自分でもどこか分からない程に徘徊していた。
石を蹴って歩く。あそこの電柱まで行ったら100点…側溝に落ちた。ゲームオーバー。
「くそぅ…どいつもこいつもミョンミョン言いやがって…」
カラスが「アホー」と鳴く中、俺は夕焼けを眺めながらとぼとぼ歩いていた。
ふとポケットから綿棒のケースを取り出す。
「綿棒の残りが少ないな…補充しないと」
綿棒「なんで耳掃除を究めようと思ったんだ?」
「なんかこう…至福の時じゃないか」
綿棒「確かにな。だがいきなり襲うのはどうかと思うぞ、誤解を招く」
「耳掃除を耳かきで簡単に済ませようとする人を見ると勿体無いと思ってしまうんだ」
(見たことあるのか…)
「そういう人達に耳掃除の素晴らしさを伝えるには、少々力ずくになっても仕方ない」
(そうか…?)
 
カオス擬人化保守。じゃないよ、嘘だよ、全然違うよ。
 
「ところで綿棒よ」
綿棒「ん?」
「お前も『ミョン』としか呼べないのか?」
綿棒「どれどれ…ミョ、ミョン、ミョン…」
「……」
綿棒「……ミョン」
「そうか」
綿棒「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ……」
「だが綿棒は俺の人生だからな、許す」
綿棒「ほっ…」
 
そうして綿棒ケースをポケットに戻したその時だった。
救いの手がさしのべられた。
「どうしたんだいキョン、えらく落ち込んでいるじゃないか」
佐々木がいた。
「佐々木…お前、今…!」
「キョン? 何かあったのかい?」
当の本人は不思議そうな表情だが、俺にとってはまさに救世主(メシア)! 彼女の背後にある夕日はまさに後光!
「佐々木ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」ガシッ
「うわっ、何だい、いきなり路上で抱きつくなんて…苦しいじゃないか…///」
「佐々木ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!! 有り難う佐々木! お前は…お前はこんな時でも俺の味方なんだな! うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ佐々木ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
「どうして泣いているんだい…。ま、先ずは落ち着いてくれないかな…///」
 
電柱の影から見守る九曜「───計画──通り──」
画面の向こうのみくる「今私のことを空気って言った奴、体育館裏に顔貸しな」
顔だけの谷口「はい」
みくる「ピギィィィィィィィィィ!! 本当に顔を貸してきたでしゅ…! ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん怖いよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
鶴屋侍「現れたな妖怪カヲダケ! 今日こそあっしが成敗してくれるっさ!」
空中を漂うカヲダケ「ウケケケケケケ…朝比奈たんの(゜ρ゜)ハァハァ…」
鶴屋侍「喰らうが良いっさ、月夜の静寂をも乱さぬ斬撃…。鶴屋流剣術奥義・蒼月静風斬!!」ザシュッ
カヲダケ「ギャアアアアアアアアアアアア!!」
鶴屋侍「妖怪、討ち取ったりぃ!!」
 
カヲダケ「残像だ」
鶴屋侍「!? そんな…馬鹿なっ!」
カヲダケ「クケケケケケケケケケ…無駄無駄無駄ぁ!」
鶴屋侍「な、なんだって…あたいの奥義が…効かない…?」ガクッ
カヲダケ「ほっほっほっ、キミの攻撃パターンは全て学習済みなのサ!」
鶴屋侍「くっ…」
みくる「つ、鶴屋さぁん…」
カヲダケ「ヒャッハー! 命が惜しけりゃその娘を…げふぅっ」
SP「………」
カヲダケ「な、何だこのごつい体格の人達…」
SP「………」
カヲダケ「いぎぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ドゴォォォォォォォォンバキガスドキャグルォメチャイヒャアルデヒドケトンナンプラァァァァァァ…
 
鶴屋さん「いやぁ…情けないねっ…結局護衛の助けを借りちゃったさ…」
みくる「でも…鶴屋がいなかったら、もう駄目かと思いました…」
鶴屋さん「みくる…」
みくる「鶴屋さん…」
「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」」
人々を震撼させた妖怪カヲダケの恐怖から解放された二人は抱き合い、大きな声で泣きました。そして二人が流した涙は雨となって乾いた大地を潤し、やがてそれが全ての生命の源である母なる海となり(以下略)
終われ
 
 
古泉「だがそう簡単には終わらないのだよアンダーソン君」
「おい古泉一樹」
「ただ言ってみたかっただけですよ長門さん…」
「貴方の言動は時折理解出来ない。まだ話は続く、『ミョン』問題は解決していないから」
 
 
俺は佐々木の部屋にいた。
そして愛を育んでいた。
「佐々木…」
「キョン…」
※注 耳掃除です
 
屋根裏の九曜「──全て──順調───」
天蓋「くーちゃん、ちょっといらっしゃい」
九曜「───!!!」
天蓋「さっきからなにしてるのかなー?」
九曜「──────」フルフル
天蓋「おかーさん、みーんな知ってるんだからねー…」ゴゴゴゴゴゴ
九曜「───ぁ─ぁぁ───」ガクガクブルブル
 
穏健派「天蓋さんが何やら騒がしいですね」
主流派「どうしたの?」
天蓋「聞いてよ! またくーちゃんがイタズラしちゃったのよ!」
急進派「あー、さっきからのてんやわんやの原因は天蓋さん家の娘さんだったのか…」
天蓋「言ったでしょ!? 情報操作でイタズラはしちゃいけないって!」
九曜「─────」
天蓋「くーちゃん!!」
九曜「──ごめん───なさい…─」グスン
 
 
佐々木の部屋で談話していた時だ。携帯に着信が、ハルヒからであった。
「キョン! 遂に治ったわよ!」
「おお! ホントだ! やっぱり馴染みのあるのじゃないとな」
「疲れたわよ、もうあの苦しみから解放されたからもう安心! ってことで、また明日! じゃね!」
 
電話を切ると、佐々木が寂しげな笑みを見せた。
「佐々木…」
「いいさ、キョンが元の生活に戻ることが出来るなら」
「だが…」
俺は真っ直ぐ佐々木を見つめた。
「な、何だい」
「まだもう片方が終わっていない、やらせてくれ」
「キョンは相変わらずみたいだね、仕方ないな…」
そして俺は佐々木をベッドに寝かせると、綿棒を取り出した。
 
 
長門「貴方のお陰で、出番が減った。責任をとって欲しい」バシッ
古泉「キモティー☆」
「しかし、あの時貴方が構ってくれたことは…嬉しい…」
「長門さん…」
「古泉一樹…」
(嗚呼ぷにぷにで滑らかな白い肌…それに長門さんは僕の理想とするょぅι゛ょ体型に近い…。やはりこれは触ってこそ分かる…。見た目以上の破壊力…!)
「ここここ古泉一樹…」
「はい…、なんでしょうかぁ…」
「あああ貴方の様子がおかしい…。しし心拍数が上昇している。ぃぃ言わば『興奮状態』…ななななななな何故…」
「どうして、震えて、いるんですか? おかしくなんか、ありませんよ、あはは」ガシッ
「いいい嫌…やややめて…はははは放して…」
 
新ジャンル「ロリコン古泉」
 
バアン!
「私の長門さんに何してるのよ!」
「朝倉涼子…」
「もう大丈夫よ長門さん」
「こ、これは…! 朝倉さんはょぅι゛ょ体型とは異なるタイプ、しかしスカートから覗く紅色に染まったムチムチ太股もまた威力抜群…!」
「ひ、ひひ非常事態…、ここここここ古泉一樹がかかかかか覚醒している…」ガタガタ
「うわぁ…」
「にににににににに逃げ…」ガタガタ
「下品ですが…不覚にもbokkiしてしまいました…」
「ひぃぃっ…」
「そうと決まれば朝倉さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 
新ジャンル「変態ヒート古泉」
 
ズドォォォォォォォン
「だ、誰ですか! 僕のおにゃんにゃんタイムを邪魔するのは!」
「ミョン君(当時)に言われてね、古泉君が暴走する危険性があると」
「国木田君!!」
「な、何故気付いた…」
 
新ジャンル「冥王国木田」
 
「「「それはない」」」
「…やっぱり?」
 
 
九曜「──うぐっ───ひっく───」
喜緑「ほら、もう泣かないの、ね?」
「──お姉ちゃん───」
(涙で潤んだ目で私を見つめている…あぁ駄目よ私、理性を保って…)クラクラ
「───?」
(く、首を傾げないでぇぇぇぇ! もうらめぇぇぇぇ! お姉さんおかしくなっちゃうぅぅぅぅぅぅ!)
「──お姉ちゃん──どうしたの─?」
(あああああああああああっ…!)ビクンビクン
 
主流派「喜緑江美里が周防九曜に萌え死にしたそうだ」
穏健派「えみりぃぃぃぃぃん!」
天蓋「くーちゃんがまた一人癒しちゃったわね☆」
 
喜緑(く、悔しいっ! でも萌えちゃうっ!)ビクッビクッ
 
 
佐々木に別れを告げ、その後学校に鞄を取りに行ったので帰宅した頃にはすっかり夜になっておった。いやぁ今日は疲れた…。
「ただい…ふぉ!」
ハルヒ「キョーンキョンキョンキョーン♪ やっぱり『キョン』が一番よね!」
妹「ねー!」
「なんでハルヒがいるんだ、しかもパジャマ姿で!」
「泊めさせて貰うわよ!」
「ハルにゃんお泊まりー!」
俺は突然のことに困惑しながらも、笑みが溢れてしまった。今夜も俺のハイパー綿棒が炸裂するのか、大活躍だな。
 
 
月明かりが照らす部屋には俺とハルヒ、二人きりである。妹? 既にお休みさ、俺の超絶技巧でな。今日は俺の綿棒さばきで3人も幸せにしちまったぜ。
ハルヒは窓から見える星空を眺めていた。
「Beautiful...」
「Yeah.」
「Hey,KYON!! Let's go catching stars!」
流石団長様、今日も考えがぶっ飛んでます、絶好調です。
「How?」
「hmm...えーっと」
「『えーっと』なんて英語はないぞ、ハルヒの負けだな」
「うっさいわね…」
何故か知らんが「英語しか話せない」ゲームをしていたのである。途中、冗談半分にパンツの色を訊いたら「SHINE!!」という返事を頂いた。何で「輝け」なんだ?
 
カヲダケの亡霊「ローマ字読みしてみろよ…」
 
ん? さっきの声は何だ? まぁいいか。
「そうだ、あたし達が行けないなら星を呼べばいいのよ!」
「まだその話題は続いてたのか、って星を呼ぶ?」
もしそうなるとしたら…星が接近してきて恒星の熱で地球どろどろで人類滅亡で地球温暖化もアルマゲドンもビックリの…
「待て待て待て待て待て待て待て待て」
「ダメ?」
そんな甘えたような声でもダメなものはダメ。
「じゃあ、隕石を手に入れればいいのよ!」
「星から離れてないか? ほい、反対側も」
ああそうさ、耳掃除の真っ最中だ。膝枕してんだぜ? 羨ましいだろ。
「じゃあ隕石を呼べばいいのよ!」
「だーかーらー」
 
カヲダケの亡霊「畜生ー! 羨ましくなんかNEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!」
 
「はぁ…」
ハルヒが眠っている。そう、ハルヒも俺の耳掃除テクニックに墜ちたのだ。起こさないようにそっとベッドに寝かせる。また一人、幸せにしちまったぜ。
 
 
鶴屋侍は、苦戦していた。突如として現れたそいつに、手も足も出なかった。
「はぁ…はぁ…」
「貴方の剣術はなかなかのもの。しかし…」
ぼろぼろの鶴屋侍に対し、相手は呼吸すら乱れていない。
「速さが足りない!」
「も、もう一回いくっさ…!」
鶴屋侍が地面を蹴る。
「……」
「はあああああああああああ!!」
「残念でなりません、貴方ともあろう方がこの程度なんて」シュッ
「うっ……」
相手の攻撃をまともに喰らい、地面に倒れた。
「これが峰打ちじゃなかったら、今頃胴体が真っ二つですよ」
「く……」
峰打ちは実力が無い者への手加減、屈辱である。鶴屋侍は砂利を掴んだ。
「出直して来なさい」
そう言い残して立ち去ってゆく。
「待って下さい!」
「なんでしょうか」
「あ、貴方は…一体…」
彼女は振り返ると、微笑んで答えた。
森「ただのメイドですよ」
 
アクション時代劇、SAMURAI-CRANE カミングスーン…
 
「なぁハルヒ、何だこの予告編」
「次回の映画よ!」
「いつの間にこんなの撮影してたのか。やけにクオリティ高いなぁ」
「なんてったって今回は鶴屋さんの全面バックアップだからね! そうだ、アンタもミョンって名前で出しちゃおうかしら!」
妙「え、俺こんな名前なの?」
「そうよ! それで『ミョン』って読むの!」
妙「まてこら悪夢再燃させるな」
「結構しっくりくるわね…」
妙「おいおい、あの時言ってたことと違うじゃねぇか」
「あの時はあの時よ。うん、妙(ミョン)に決定!」
妙「うわあああああああああああああああああああああさしみこんにゃくぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
 
そう、悲劇は繰り返される。
 
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最終更新:2009年02月06日 23:16