真備しい日差しが窓の隙間から差し込んでいる。
どうやら朝が来てしまったらしい――ってのはわかるんだが、半覚醒状態の体は動き出そうとしてくれない。
……眠い……あ~もうこのまま寝てしまおうか?
僅かに開きかけていた瞼を閉じ、再び眠りの中へとしていると……柔らかな感触が俺の額に触れて、俺の意識は
現実へと急浮上するのだった。
目を開いた俺を迎えてくれたのは眩しい光と、
「えへへ……お兄さん、起きてください」
真っ赤な顔で俺を見ているみよきちの顔だった。
……なんていうか最高の起床だな、これは。
おはよう、みよきち。
「おはようございます」
なあ、そろそろお兄さんって呼び方はやめないか? 夫婦なんだし。
「で、でも。そのまだ少し恥ずかしくって……」
そんなに赤くならなくても……可愛いなぁ。
自分の幸福に酔いつつも、俺は再び眠りの中へと……
「あ、あの! もうそろそろ起きないと会社の時間に間に合わなくなってしまいますから」
ん~さっきのキスじゃ起きられないなぁ。
「ええ?っ」
額じゃ目が覚めない。
俺の言わんとする事がわかったのか、みよきちは更に顔を赤くしていたが……一向に俺が起きる気配を見せないので
覚悟を決めたようだ。
「……こんなに甘える人は、もうお兄さんじゃないです」
小さなみよきちの唇が触れて、俺はわざとらしく目を開いた。
目の前にあったのは、恥ずかしそうで嬉しそうなみよきちの顔。
翌朝から、みよきちは俺が何も言わなくてもキスで起こしてくれる様になったなんて事は言う必要はないよな。