おい、そこのお前、今日はなんの日か知ってるか?
 教えて欲しいか?
 教えて欲しいだろ?
 よし、教えてやろう。
 今日はな… 俺の誕生日だ!
 …おいおい、そんな蔑んだ目で見るんじゃねえ。
 なに? いい大人が誕生日ごときで浮かれてるからだと?
 ふふ、俺の誕生日事情を知らないお前さんはそう思っても仕方がないだろうな。
 だがな、これだけは言っておこう。
 俺の誕生日はいい大人が浮かれるほどの十分すぎる要素が詰まっているんだよワトソン君。
 おっと、そうこうしているうちに我が家に到着~
 ふふ、扉を開ければエデンが待っている~
 カチャッ
「ただいま~」
 …………
 ?
 誰も居ないのか? しかし、扉は開いていたから…
 あ、リビングで驚かそうとしているんだな。
 全く、可愛い奴だな。
「今、帰ったz「静かにしてください!」
 むをっ! いきなりなんだ!?
 何かのサプライズか?
「今、やっとあの子が寝付いたのです。だから、静かにしてください」
 ああ、なんだただの勘違いか…
「そ、そうかすまなk… ビエエエエエ
「ああ、もう、キョンさんが五月蝿くするから起きちゃったじゃないですか!」
「な! 俺のせい!?」
 京子だって結構五月蝿かったz「そうです、キョンさんのせいなのです! 
んもう、お風呂入っていますから先に入っていてください!」
 …酷いぞ京子。
 今日は俺の誕生日だぞ。去年までみたいに祝ってくれないのか?
 そらよ、生まれて間もない息子の事を優先するのは当たり前だが…
 期待しまくてっただけにダメージが…
 はあ~… 風呂入るか。
 
 
 ふ~、こんな事なら谷口の誘いに乗っとけば良かったかもな…
 いや駄目だ駄目だ。
 京子は母親としての勤めを果たしているだけじゃないか。
 それなのに俺はなんて不埒なことを考えているんだ…
 さっきだって俺がもう少し静かにしてれば良かったわけだしな。
 …後で謝っておかんとな。
「…キョンさん」
「どあっ!? キョ、京子、いつのまに… しかも…」
 どんな格好しとるんだ!
 そんな… いや、勿論嫌じゃないですよ。
 寧ろバッチコイって感じです。
「さっきはキツク言っちゃってごめんなさい…」
「い、いや、俺が悪かったんだ。お前が謝るこたない… すまんかった」
「うんうん、キョンさんは悪くないのです。今日はキョンさんの誕生日でっていうのにあんな風に言っていまって… 
ごめんなさい」
 なんだ、誕生日って覚えていたのか。
 てっきり、忙しくて忘れてるんだとばっかり思っていたんだがな。
「ホントなら早い事あの子を寝かしつけてお祝いの準備をしておこうと思ったのですが… あの子中々寝てくれなくて、
そんな中、準備とか色々していたうちにイライラしちゃったのです… だからさっきキョンさんに当たってしまって… 
ほんとにごめんなさい」
「おい、京子、謝りすぎだ。俺だって悪かったんだ、おあいこだ。な? だからそんな悲しい顔しないでくれ」
「キョンさん… ふふ、そうですね、おあいこですね」
 そうだ、お前さんはそうやって笑っている顔が一番似合ってるんだよ。
「それじゃあ早速… コホンッ『キョンさん、お誕生日おめでとうございます。今日は私、京子の全てを使ってお祝いします』」
 鼻血が出る。
 いや、今なら耳血も出そうだ。
 耳鼻科に通わんといかんじゃないか。
 しかし… このセリフ、京子の笑顔、そして今のこの格好…
 石焼ビビンバ三杯いけるな。
 でわでわ… いただきます
 


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