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「……寒い」
冬真っ只中の2月、俺は日付も変わろうかとしている時間に、あの地獄の坂道を上っていた。
なぜそんなバカみたいなことをしているかって?
そんなことはあのバカな団長様に聞いてもらいたいね。
「あ、キョン?その…、今から学校の屋上に来れる?む、無理ならいいんだけどね。」
今からって、何時だと思ってんだ?とも思ったが、いつもと違って控えめに頼まれると断れなかった。
まぁいつも調子でも俺は断らなかっただろうがな。
それにしてもこんな時間に学校の屋上って、一体何の用だ?

学校に着くと、俺はハルヒがあらかじめ用意していた抜け道から学校へ入った。
こんな時間に正面から堂々と進入する気にはなれないしな。
さて、さっさと屋上に行くか。
俺は、ハルヒが開けておいた窓から校舎に入ろうとした、その時だった。
「キョンの彼女になれますように!キョンの彼女になれますように!キョンの彼女になれますようにっ!」
耳をつんざくような声が聞こえた。
今のって……ハルヒか?
それにしてもものすごい恥ずかしいセリフを聞いたぞ!一体なんだってんだ!?
冷静に考えるふりをしていても俺はかなり動揺していた。
早く屋上に行かないとな。

ガチャ
屋上のドアを開けると、そこには可愛らしいビニールシートの上にちょこんとハルヒが座っていた。
なんとか冷静でいようしていたが、ハルヒを見ると心臓の鼓動も早くなってしまっていた。
「よう、ハルヒ。」
俺は限りなく落ち着いて声をかける。
「あ」
一言だけぽつりとつぶやいた後、ハルヒは顔を紅潮させながら
「キョン、……早かったわね」
やはりいつもとだ大分違うな。いつもこんなおしとやかな調子ならクラスのアイドル間違いなしだぜ。
「んで、一体何の用だ?」
なんとなく予想はついているがな。もし俺の予想が正しかったら、俺はまともな返事が出来る自信がないね。
「そ、それは……」
ハルヒはモジモジと俯いて黙ってしまった。
か、可愛いじゃねーか。ハルヒのそんな仕草にクラッときたのもつかの間。
急にハルヒは何か重大なことに気づいたかのように声を荒げて言った。

「キョ、キョン!あんたいつ学校に来たの!?」
「ん?そうだな、10分くらい前かな?」
何をこいつは慌ててるんだ?なんて疑問は持たなかった。
おそらくハルヒは、さっきの声を聞かれたかどうかが気になってるんだろ。
「な、何か聞こえたかしら?」
「いや、風の音くらいかな」
俺は嘘をついた。ハルヒの口から直接聞きたかったしな。
「そ、そう!ならいいわ!気にしないでちょうだい!」
おーおー、慌てとる慌てとる。
俺は日ごろ恨みもあってか、ハルヒをいじめたくなったが、それはやめておく。後が怖い。

「それで、どうしたんだ?何かあるから俺を呼んだんじゃないのか?」
「そ、それは…その……」
やっぱり言えないみたいだ。
その時、ハルヒは何かを見つけたように顔を勢いよく上げ叫んだ。
「キョンの彼女になれますように!キョンの彼女になれますように!キョンの彼女になれますようにっ!」
あー、ハルヒさん。そんな告白の仕方は聞いたことが無いよ。
ハルヒも言い終わってから自分がしてしまったことに気づいたみたいだ。
「あ、……うぅ。ふぇぇ……」
な、なにぃ!?今にも泣き出しそうだ!?こんなハルヒ見たこと無いぞ!?
か、かわいい……って、そんなこと考えてる場合じゃないぞ!
どうする、俺!?どうすんのよ!?

ハルヒと同じく俺も動揺していた。
ハルヒに告られたのは嬉しいが、この状況はマズい。
神に助けを請うように俺は空を見上げた。その時俺の目に一筋の流れ星が映った。
「ハルヒの彼氏になれますように!ハルヒの彼氏になれますように!ハルヒの彼氏になれますようにっ!」
とっさに出た言葉がこれだった。反省はしていない。気づいたときには言い終わっていたしな。
「キョ………キョン?」
目に涙を浮かべ俺を見つめるハルヒ。ハルヒ、これが俺の答えだ。
「キョン!」
そう言って抱きついてくるハルヒ。俺は優しく抱きしめ返した。
「あ~、ハルヒ。最初のあれなんだが、実は聞こえてたんだ」
「っ!?……何で言わなかったのよ、バカキョン。……罰として私の言うことなんでも聞きなさいよ。」
「はいはい」
「あ、後、浮気とかは絶対に許してあげないんだからねっ!」

流れ星を見たら願い事を3回、それも大声で叫ぶことを強くお勧めする。
結構願い事も叶うもんだぞ。


おしまい。






おまけ

古泉「長門さん、もう結構です」
長門「……分かった」
古泉「いやぁ、まさか三回も空からダイブするなんて思いませんでしたよ。おかげでいい経験になりました」
長門「……おもしろい人」
古泉「どうやら涼宮さんと彼は上手くいったみたいですね」
長門「みたい」
古泉「流れ星役も悪くないですね!」


おしまい。
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