涼宮ハルヒのOCG③  (2008/9/1の制限改訂です)

「やっほー! みんな、新しい制限改訂が出たわよーーー」

団員全員が机に座って向かい合ってるという、いつもと少し違う日常を過ごしていた俺たちだが、その日常を変えるのが、ドアを蹴破るようにして部室に入ってきた我らが団長涼宮ハルヒ。まったく、もう少し静かに入ってきてくれ。ドアが壊れても俺は知らんぞ。

「さっきコンビニ行ってVJ買ってきたわ、みんな見ていいわよ?」

なんかえらくハルヒが上機嫌だな。とはいえ制限改訂となれば俺も気になる。前回は死者蘇生が戻ってくるなんていうハプニングもあったしな、どれどれ・・・。

新禁止が・・・早埋、混黒、次元融合とかか、まあ妥当だな。インスタントワンキルはもうこりごりだ。サイドラも制限か、世界大会での採用率が高かったらしいしこれも普通かな? 準制限と制限解除が・・・・

「裁きの龍はライトロードというファンデッキのエースカードのはず、準制限は疑問。」

長門、それは流石に無理があるぞ。制限にならなかっただけでも喜ぶべきだ。

「・・・そう」

「ダムドが準制限でよかったあ。それに増援とディアボリックガイが解除です。これは私の時代が・・」

朝比奈さんがいつものメイド服のままはしゃいでいる。というか朝比奈さん、未来人ならこの制限改訂の結果も知ってたんじゃないですか?

「ふふ、禁則事項です☆」

朝比奈さんはいたずらっぽくウインクしながら、ハルヒのお茶を淹れる為に食器棚に向かっていった。今回の制限改訂、うーんまあ風帝が緩和されなかったのが俺としては残念だ。邪帝が無制限なら風帝ももう少し緩和を・・・、んっ、ちょっと待て、ダムドビートはダムドが準制限、ライトロードは裁きの龍が準制限。剣闘獣はどうしたんだ?

「どうやら○ナミも剣闘獣の規制に関してはお手上げだったようですね。」

頼んでもいないのに古泉がしゃべりだした。お手上げなんてことはないだろ、ガイザレスなりベストロウリィなりチャリオットなりを規制することはできたはずだ。

「そうは言われましても、もう発表されてしまったものはしょうがないです。僕としては、これで今日は閉鎖空間へ行かなくて済みそうなので大歓迎ですが。」

といいつつハルヒを見ると満面の笑みを浮かべている。やれやれ、この改訂もハルヒが願ったからなんて言わないでくれよ。

「さあみんな!デッキを新制限にむけて組みなおすわよ!キョン、あんたは大してデッキ変わんないんだから、有希やみくるちゃんが組みなおしてる間にあたしと勝負しなさい!」

よーし受けてたってやる。環境最前線ばかりが強いわけじゃないてことを教えてやるぜ。

「キョンのくせに生意気ね、マッチで勝ったほうがジュースおごりよ。ジャンケン、ポン!あたしの先攻!」

こうしてやたら白熱した放課後は過ぎていった。正直に言おう、けっこう楽しい。




カバンをとって部室をでようとすると誰かに袖をつかまれた。こういうことをやるやつは1人しかいない。

「どうした?長門。」

振り返ると黒曜石のような目をして俺をみているヒューマノイドインターフェイスがいた。何かいいたそうだな。

「今日、7時にいつもの公園に」

長門は透き通るような声でそれだけをいうと、すたすた歩いていった。またなんか事件か?ハルヒは今日終始ご機嫌なように見えたのだが。もしかしたら長門自身のことかも知れない。まあいずれにせよ、長門の頼みを断る理由なんてあるわけない。俺でも長門の役にたてるなら、なんだってやるさ。

家族には適当な言い訳をして俺はいつもの公園へとチャリをとばしていた。あの公園もいろいろあったものだ。まだ眼鏡だったころの長門との待ち合わせ、朝比奈さんとのタイムトラベル、さて今度はなんだろうか。とまあいろいろ考えてるうちに公園に着いた。だが、珍しいことに長門はまだ来ていなかった。まさか時間か場所を間違えたか?だが、まだ時間前だったのでベンチに座って待っていると、

「久しぶり」

背後から聞き覚えのある声がかけられた。と、同時に俺は身震いして声のした方へ身構えた。この声は・・・

「5月以来?それとも冬以来かな?」

クラスの元委員長にして情報統合思念体急進派のインターフェース、消えたはずの朝倉涼子が立っていた。


「どういうことだ、なんでお前がまたここに?」

俺は少しずつ後ずさりながら言った。くそっ、部室にいた長門は偽者だったのか?いや表情を見る限りそんなことはなかったはずだが・・・

「あれ、長門さんから聞いてないの?」

朝倉は微笑みながらゆっくりこっちへ近づいてきた。その手にはいつのまにかナイフが握られている。そして周りの風景はいつかの情報封鎖空間と化していた。やばい、マジでやばい。長門、来れるなら来てくれ・・・・

「彼に説明するのを忘れていた。・・・うかつ。」

長門が俺のすぐ横にいた。長門、頼むからどういうことか分かりやすく説明してくれ、俺では理解できん。

「今目の前にいる朝倉涼子はあなたに害意をもっていない。彼女は一度情報連結を解除された後、思念体に回帰し派閥を変えて穏健派となった。穏健派になって以降の彼女とは私は定期的に連絡をとっていた。最近の活動内容を話したところ、彼女も興味をもち、今日はあなたとデュエルするためにここに私が呼んだ。だが彼女はまだインターフェースを持たない為、通常空間では長く存在することが難しい。よってこの空間を生成し、現在に至る」

長門にしては分かりやすい説明だ。だがなんで朝倉はナイフをもっているんだ?

「それは・・・」
「演出、そうよね?長門さん」
「そう。」

まったく勘弁してくれ。こっちは寿命が3年ほど縮まったような気がするぞ。

「驚かせてごめんね。で、さっそくデュエル始めない?」

朝倉は悪びれた様子も無く笑い、ナイフを捨てて(ナイフはすぐに消えた)言った。いや、別にやるのは構わないんだが、机も椅子も無いこの空間でどうやってやるんだ?というか俺はデッキをもってきてないぞ。

「私が今作成した。こっちがエキストラ。」

長門がデッキを俺に向かって差し出していた。スリーブの色までまったく同じだ。ちなみに茶色だ。朝倉は濃紺のようだ。

「方法は・・・せっかく情報封鎖空間にいるんだし、ちょっとリアルにやってみない?」

朝倉はそういうと例の高速詠唱を始めた。3メートルほど離れて対峙していた俺と朝倉それぞれの前に、半透明で空中に静止しているデュエルフィールドが現れた(なんかスペースがいつもより1つ多いと思ったら除外ゾーンだった。○ナミより気がきくんだな)

「やり方はいつもあなたたちがやってるのと全く同じ。ただ、モンスターや魔法・罠がCGで私たちの間に実体化されるだけ。それじゃ、準備はいい?」

こうなったら俺も男だ。売られた勝負は買ってやるぜ。それに今回は命の危険があるわけでもないしな。いざとなったら長門がいる。どうにでもなるさ。よし、いつでもいいぞ朝倉。

「ただ決闘普通に決闘やっても面白くないから、何か賭けをしない?」

賭けだと?別に構わないが、互いの命を賭けるとかは無しだぞ。

「もう、そんなこと言わないって。信用無いなあ、私」

とはいっても俺は二回もお前に殺されそうになってるんだ、そのくらいは警戒して普通だろ?

「二回目はここにいる私の意志と関係ないんだけどな・・・。まあいっか。負けたほうが勝ったほうの言うことを一つだけ有機生命体ができる範囲でなんでも聞く。これでいい?」

了承だ。ならジャンケンだ朝倉、先攻後攻を決めないとな。

「先攻はあなたにあげる。5月のおわびも兼ねて。」

少々詫びる観点がずれてる気もするが、くれるものはありがたくもらっとくぞ。俺の先攻、ドロー! ハーピイ・クイーンを攻撃表示で召喚。カードを一枚伏せてターンエンドだ。

「私のターン、ドロー。豊穣のアルテミスを攻撃表示で召喚。カードを3枚伏せてターンエンドよ。」

俺のターン、ドロー。やたら伏せカードが多いのが気になるな・・召喚権は残しておこう。バトルフェイズ、ハーピイ・クイーンで敵モンスターに攻撃だ。

「攻撃宣言時に伏せカードを発動するわ、次元幽閉。」

そうはいくか、こっちも伏せカードオープン、ゴッドバードアタックの効果でハーピイ・クイーンをコストに・・・

「うん、それ無理。チェーンして魔宮の賄賂を発動。ゴッドバードアタックは無効ね。」

くっ・・・魔宮の賄賂の効果で1ドロー。逆順処理終了か。しかしこのCGシステムはリアルだな、本当に次元の裂け目にハーピイ・クイーンが吸い込まれていきそうになりやがった。ダイレクトアタックの時はどうなるのか、考えたくも無いね。

「魔宮の賄賂で罠カードをカウンターしたことにより、手札より冥王竜ヴァンダルギオンを特殊召喚するわ。残念ながらあなたのフィールド上にカードがないから効果は不発だけどね。」

なんだって、これは予想してなかったぜ。というか朝倉のデッキはパーミッションか。けっこう頭使うんだよな、このデッキは。

「さらに豊穣のアルテミスの効果で1ドロー。あ、安心して。このデュエル中、私は一切の情報操作は使えないわ。普段なら読もうと思えばいつでも読める有機生命体の情報をあえて読めなくすることによって駆け引きがうまれる。こんなに面白いことはないわね」

朝倉はニコリと微笑んだ。1学期当初に見ていた笑みとは違って、心から楽しんでいるような笑みだった。こいつもこんな笑い方するんだな。メイン2、裏守でモンスターをセット、カードを一枚伏せてターンエンドだ。

「私のターン、ドロー。ねえキョン君、私は派閥を移して長門さんと定期的に連絡をとるようになってから、昔はわからなかった感情とかがいろいろと理解できるようになったわ。パーミッションのデッキを組んだのも、相手との駆け引きがしたかったから。ただ単純にモンスター効果で攻めて倒すのは私にとってつまらないの。」

今日はよくしゃべるんだな、朝倉。別にしゃべるのは自由だがお前のターンだぞ。

「普段は長門さんとしかしゃべらないからね・・。少し嬉しくて。バトルフェイズ、ヴァンダルギオンで裏守に攻撃よ」

裏守は魂を削る死霊だ。こいつは戦闘では破壊されない。どうする朝倉?

「どうしようもないわね。1枚伏せてターンエンドよ」

俺のターン、一枚ドローして、メイン入るぞ。霞の谷の戦士を召喚。7シンクロで呼び出すのは、ブラック・ローズ・ドラゴン。誘発効果で全体除去を・・

「モンスター効果にチェーンしてコストを払い天罰を発動。効果は無効に・・」
あまいぜ朝倉、こっちも天罰にチェーンして伏せカード発動!神の宣告だ。ライフを半分払って天罰を無効にする。

「そんな・・・。」

ブラック・ローズ・ドラゴンの効果は有効。よってフィールド上のカードは全て破壊だ(全体除去は爆発するんだな・・。これもなんかリアルだ)。俺はこのままターンエンドだ。

「アルテミスの永続効果でドローするわ。全体除去をした後にフィールドに何も伏せないの?こっちがモンスター召喚したらダイレクトアタックをうけるわよ?」

ああ、かまわん。これしかなかったんだ。パーミッションならモンスターもそう多くはないだろう。大丈夫だ、多分。

「私のターン、ドロー。残念、いいモンスターはひけなかったみたい。裏守をセット、カードを2枚伏せてターンエンドよ。」

正直助かった。ライオウとかでてきたらどうしようかと思ったぜ。やれやれ。俺のターン、ドロー、よしいいカードを引いたぜ。手札から(今ドローした)死者蘇生を発動、墓地のハーピイ・クイーンを蘇生させる、ハーピイ・クイーンをリリースして邪帝ガイウスを召喚、効果で裏守を除外するぜ。裏守は・・・・おっと危ねえ、マシュマロンだ。さらに墓地の風闇2体を除外してダーク・シムルグを特殊召喚!2体で攻撃だ。

「両方とも通すわ。けっこう痛いわね」

これで朝倉のライフは2800.俺は4000.どうなるかはまだ微妙なところだな。ターンエンドだ。

「ドロー、豊穣のアルテミスを攻撃表示で召喚、ターンエンドよ。」

俺のターン、朝倉の場には伏せカードが2枚。1枚はさっきの召喚・攻撃のときなにも発動しなかったからおそらくブラフだろう。問題はもう一枚だが・・・。あれが何かのモンスター破壊だったとしても、もう1体の攻撃は通る。伏せが少ない時にパーミッションは叩いとかないとまずいからな。ちなみに聖バリはさっきブラックローズの除去のときに墓地へ行ったのを確認してあるぜ。よし行くか、邪帝でアルテミスを攻撃!

「ダメージステップに速効魔法、収縮を発動するわ」

くっ・・・400のダメージか、だがこれは想定内だ。ダルシムで豊穣のアルテミスに攻撃だ!

「それも無理、ダメージ計算時、手札からオネストを墓地に捨てて効果発動よ」

うおっ・・これはやばい、やばすぎる。俺のライフは残り2000。オネストめ・・ああ忌々しいカードだ。だがまだ召喚権が残っていたのが幸いだったな。裏守を一枚セット、カードを一枚伏せてターンエンドだ。

「オネストは忌々しいカードではない。非常に有用。」

今まで黙っていた長門が急にしゃべりだした。どうやら俺が忌々しいって言ったのが耳に入ったようだ。まあそりゃ長門もライトロード使ってるんだし有用なのは分かるが・・・こっちとしては嫌なもんなんだぜ。

「・・・そう。でも環境を破壊するカードではない。」

そうだな。仕方ないなオネストは。分かったからこっちを微妙に睨まないでくれ長門。

「えーっと私のターンに入っていいかしら?」

ああすまん朝倉、デュエル中だったな。どうぞやってくれ。

「アルテミスで裏守に攻撃よ」

攻撃宣言時に聖なるバリアミラーフォースを発動だ。チェーンは・・

「あるわ。罠にチェーンして神の宣告を発動。聖バリは無効にするね」

マジでくたばる5秒前、ずっと伏せてあったカードはブラフじゃないかったのか。やられたぜ朝倉。だがまだ俺のライフポイントは残るはすだ。

「罠カードをカウンターしたことにより、手札からヴァンダルギオンを特殊召喚。これで終わりね、キョン君。ヴァンダルギオンの攻撃!死になさい。」
まだだぞ朝倉、さっき破壊された裏守モンスターはネクロ・ガードナー。こいつを墓地から除外してヴァンダルギオンの攻撃は無効だ。間一髪、助かったぜ。

「惜しかったわね。ターンエンドよ。」

朝倉のライフは1400、俺のライフは400。朝倉のフィールドに伏せカードはない。だが、今の俺の手札では次のターン確実に終わりだ。朝倉の言うことを何か一つ聞かなくちゃいけなくなる。・・・長門がいるからそう無茶は言えないはずだが、そんなことより俺は負けたくないね。なんとかして勝ちたい。いくぜ、俺のラストターン、ドロー!

    • きた。悪いな朝倉、この勝負俺の勝ちだ。

「手札にオネストがあるっていっても?」

朝倉はニコリとわざとらしく笑って言ったが、今の俺には関係ないね。オネストがあろうがなかろうが俺の取るべき方法は1つしかない。手札から魔法カード、地割れを発動。アルテミスを破壊するぜ。そしてハーピイ・クイーンとデスカリバーナイトを手札から除外して、ダーク・シムルグを墓地から特殊召喚!

「ヴァンダルギオンの攻撃力は2800。ダルシムじゃ勝てないわよ。」

ああ、わかってる。だが俺はまだバトルフェイズに入ってないんだな。ダーク・シムルグをリリースして、風帝ライザーをアドヴァンス召喚!起動効果でヴァンダルギオンをデッキトップに戻す。バトルフェイズ、風帝ライザーでプレイヤーにダイレクトアタック!


朝倉のライフが0になった瞬間、俺らの前に展開していたデュエルフィールドが消滅した。

「あ~あ残念。まさかあの状況から負けるとは思わなかったな。」

俺だって風帝を引かなかったら負けだったさ。まあデュエルの勝負はこういう逆転劇があるからこそ楽しいんだ。

「私の負けね。キョン君、何か1つ私に命令していいよ。賭けだからね。」

朝倉は柔らかく微笑んで言った。谷口がAAランク+をつけただけのことはある。心から笑ってる朝倉は朝比奈さんやハルヒにも劣らないほど可愛いね。さて、朝倉に何か命令・・・か。まあ言うことは決まっているんだが、どう伝えるか。

「あなたの思うことを言えばいい。私も賛同する。」

長門がそういってくれると心強いな。よし、なら言うぞ・・・

「朝倉、命令だ。俺とまたデュエルしてくれ。」

朝倉はキョトンとして首をかしげた後、言った。

「今日はもう無理だけど、長門さんに頼んで情報封鎖空間をつくってもらえば私はいつでも・・・・」

そうじゃない。俺はこんな妙な空間でお前とデュエルしたいわけじゃないんだ。お前がまた北高に戻り、俺たちと一緒に普通の生活をしてほしい。ハルヒが世界改変を行ったとき、俺はみんなに会いたいと思った。そのみんなの中に、朝倉、お前も入ってたのさ。まあ教室でやるわけにもいかないだろうが、SOS団の部室に来ればいつでもできるさ。ハルヒには俺と長門から言っておけばなんとかなる。もしかしたらお前をSOS団に勧誘するかもしれない。これが俺の命令だが、どうだ?朝倉。

「私はそうしたいんだけど・・・統合思念体は・・・」
「今許可が下りた。一両日中に以前使用していたインターフェースを用意するとのこと。ただし能力は非常時を除いて制限される。」

決まりだな。長門、北高に転入してくるときはお前のクラスにしとけよ。

「なぜ?」

長門は黒曜石のような目でこっちを見てきた。何故かって?お前もSOS団にいる時だけじゃなく、クラスにも友達がいたほうがいいだろ?

「・・・・そう。」

長門は僅かにうなずいた。俺の目の錯覚じゃなければ、少し嬉しそうにみえた。

「この空間はあと33秒で崩壊する。」

長門は視線を朝倉へと移すと、淡々と告げた。周りを見ると、よくわからん幾何学模様が渦巻いてた空間が、徐々にいつもの公園の風景になっていく。

「今日はいろいろありがとう。キョン君、長門さん。私は楽しかった。」

見ると朝倉も徐々に光の砂になって消えていた。もう上半身しかない。

「じゃあね。それと・・・・・また明日。」

消える直前に朝倉は微笑み、消滅した。同時に空間も消えて、いつもの公園とベンチがそこにあった。

「・・・あなたのおかげ、感謝する。」

長門はそれだけ言うと、俺に背をむけて歩き出した。感謝するのはこっちの方だぜ、長門。お前が会わせてくれなかったら、朝倉は戻って来なかった。それにな、気を許せる同姓の友達ってのはどんなやつにもいた方がいいんだ。改変世界での朝倉は、お前のことをいろいろと気づかってた。最後に俺を殺そうとしたのも、長門を守る為だったんだろう。今となってはそう思う。

「パーミッションか・・・。やれやれ、明日も部室は決闘祭りだな。」

そう呟いて、俺は自転車にまたがって帰路へついた。


END

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