「はいキョンくん、今日はお疲れ様」
「おう、ありがとさん」
 ゴクッ ゴクッ ゴクッ
 ん~、身に染みるね~
「今日はいきなりだったから驚いたでしょ?」
「ゲプッ、んあ? …まあな」
 仕事から帰ってきたら我が家が修羅場と化してたからな…
 しかも、内容が内容なだけに驚くなって方が無理あるぜ。
「上の子達が絶対反対って言ってからあの娘ムキになっちゃってね…
 ゴメンね、ホントならキョンくんが帰ってくるまでにある程度意見まとめておきたかったんだけど…」
「なあに、涼子はいつも良くやってくれてるさ。だから、謝るこたない」
「…ありがと。…にしても今日は流石の私も驚いたわ。あの娘ったら帰ってきて第一声が『私、結婚する』だもん」
 そらそうだわな。
 そんなこと言われたら普通の親でも驚かずにはいられんさ。
「他の子たちだって驚いたみたいで何年かぶりに家の中が沈黙したのよ」
 なんと!?
 なら、惜しいことをしたもんだな。
 静かな我が家ってのを久しぶりに味わってみたかったな。
「…でも、これからあの娘のことどうする?」
「ん~… 分からんね」
「ちょ、わからんねじゃ無いわよ! 娘の一生に関わることなのよ、もう少し真剣に考えてよ」
 いや、分かってはいるが…
 いかんせん今日は疲れた。
 それに…
「まあ、俺達が反対してもあいつは結婚するだろうよ」
「え… どうしてそんなことが言えるの?」
「だって身篭ってるんだろ?」
「…………」
 お、いい表情だ。
 ポカーンって音が聞えてきそうだよ。
「…なんで分かったの?」
「ん? いや、あいつがその時々の気持ちで結婚とか言うような娘じゃないってのは知ってるからな。
どうせ、そんなとこだろうって思ってたんだよ」
「…もう、呆れた。気付いてるなら早く言ってよ」
「それはお前もだろ涼子?」
 まあ、お前さんが黙ってた理由もわかるがな
「まあ、あいつから言わしたかったんだろ? あいつ自身の口からさ」
「…うん、こういうのは自分で言わないと駄目でって思ったのよ」
 同感だ。
「でもホント、キョンくんあなた何者? 勘にしては鋭すぎよ。
私嫌よ今更『実は俺も宇宙人なんだ』なんて聞きたくないわ」
「安心しろ、俺はホントに普通の人間だ」
 もっとも普通の人生は歩んでないがな。
「ふふ、そうよね。キョンくんはごくごく普通の平凡な人間よね」
 なんか含みのある言い方だな。
「でも私や子供達にとっては特別な人間よ」
 ……ありがとさん。
「しっかし… これからは一層金がかかるだろな… 全く、ただでさえ普通の家と違うってのによ」
「お望みなら情報操作でちょちょいとしてあげるわよ?」
 こいつ… 不敵な笑みだなおいっ。
 ナイフが無いのが幸いだ。
「あのnドンガラガッシャーン
「「!!」」
 びえええええええええ
 ぎゃーすか びーすか
「「……やれやれ」」
 あいつらこんな日でも関係無いってか?
 仕方ねえな、ここは親父の威厳を…
「あ、私が叱ってくるからキョンくんはもう休んでて。今日は疲れたんでしょ?」
「ああ… すまんな」
「いいのいいの。じゃあお布団ひいてあるからね、お休みなさい」
「おう、お休みさん」
 …………
『あんた達、何してんの! ご近所様に迷惑でしょ!! さっさと寝なさい!!!』
 りょ、涼子さん?
 あなたの声も十分近所迷惑な気が…
 …まあ8人も子供がいたらこうもなるか。
 お前さん達はしっかり幸せな家族計画使えよ。


 


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