「トリック・オア・トリート!」
部室に入ってくる瞬間これである。
何のマネだ、ハルヒ?
「何言ってるの、今日はハロウィンでしょ!ね、みんな!」
コクッ、とうなずく長門、「そうですねぇ」と微笑む朝比奈さん、
「涼宮さん、どうぞ」と言いながらお菓子を差し出す古泉。
古泉、お前準備が良いな。
「機嫌を損ねられると大変ですから」
すまん、古泉。
「ちょっと、二人で何話してるの?
それにしてもお菓子をくれた古泉君や有希やみくるちゃんはともかく、
キョンはお菓子は?」
なぜ朝比奈さんと長門はともかくなんだ?と思いつつ
・・・すまん、持ってない
「えぇーなんで」
明らかに不機嫌そうになるハルヒ。
「今すぐ買ってきなさい!五分以内よ!遅れたら死刑だから!」
はいはい、わかりましたよ。
ということで今俺は学校の前の坂を猛ダッシュで下っている。
確か坂の下に可愛い、おしゃれなお菓子屋があったはずだ。
「いらっしゃいませ~」
店内はハロウィン一色で、色々な飾りが施されている。
俺は色々な商品を見たあと、あるお菓子を手に取った。
 
「遅い、死刑よ!」
あのなぁ、これでも頑張ったんだぞ。
肩で息をしながら何とかそれだけ言う。
「まぁいいわ。で、お菓子は?」
ほれ、わざわざ買ってきてやったんだから感謝しろよ。
「最初から持ってくれば問題なかったのよ。」
そういいながらハルヒが包みを開ける。
「なにこれっ?全然ハロウィンらしくないじゃない!もっとジャコランタンの形の奴とかなかったの?」
ハルヒが俺の買ってきたハートの砂糖菓子の小さな袋を掲げながら言う。
ま、文句を言いながらも食べているんだがな。
そして、俺は坂を上って必死で考えた台詞を言う。
ハロウィンらしくなくてすまなかったな。だけどそのお菓子は俺のお前への気持ちを表してんだよ。
「え、それって・・・」
好きだ、ハルヒ。
そして俺はハルヒにキスをした。
ハートのお菓子の味がする、甘い、甘い、キスだった。
~終~


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