『台風一過のハレの日に』

 

 

○ 第三章:願望

 

「さて、じゃあ話を聞こうか」

結局、また長門のマンションに来ている。鶴屋さんのところからの帰り道、いつもの公園でこゆきによる驚きの結婚報告があった。込み入った話になりそうだし、そのまま公園で話し込むこともできないのでここに来たわけだ。

「別に、あの、内緒にしておこうとか、そう言うわけではなかったので……」

こゆきはちょっと恐縮するようにうつむいていた。

「いや、別に責めている訳でもなんでもなくて、ちょっとこっちも驚いたのさ。な、長門……」

小さくうなずいた長門はじっと目の前のこゆきを見つめていた。

今は普段どおりの無表情に戻ったが、さっき公園でこゆきから『結婚するんです』と聞かされた時は、おそらく朝比奈さんが見てもわかるぐらいに、はっきりとした驚きの表情を浮かべていた。

こゆきは顔を上げると、長門と俺を交互に見つめながらゆっくりと話し出した。

「キョンくんやハルヒさんたち地球の人たちの『結婚』とわたしたち生命体の『結婚』とは少し異なるところもあるんですが、概念としては同じなので……」

「『結婚』とは、成人男女が夫婦になること、また、『結婚すること』とは、夫婦間の継続的な性的結合を基礎とした社会的経済的結合で、その間に生まれた子が嫡出子として認められる関係となること」

ううむ、長門辞書が小難しく定義してくれているが、

「まぁ、要は、ずっと一緒にいたいと思える大切な人ができた、と」

「そういうことです」

こゆきは少しほっとしたように微笑んだ。

「とにかく、おめでとう。よかったな、こゆき」

「おめでとう」

「ありがとうございます」

「で、相手は? 今回の騒動で新しい故郷の星に集合した仲間たちの中に気に入った人がいたわけか」

こゆきたち液状化分散集合生命体に対して『人』という言い方がいいのかどうかいまだによくわからないが、とりあえずそう言うしかないな。

「いえ、あの、実はですね……」

こゆきは長門の方を横目でチラッと見ながら、

「情報統合思念体から私たちのために派遣されているコンタクト用インターフェースの方なんです」

「え?」

「…………!」

連続する三点リーダに感嘆符までつけているのは当然長門だ。長門がまた驚愕の表情を浮かべている。今日はいったい何度こゆきに驚かされればいいんだ!?

「ど、どういうことだ?」

思わず口をあんぐりとあけている俺を前にして、こゆきは少し照れながら肩をすくめた。

「ええっと、正式には、液状化分散集合生命体コンタクト用アクアノイド・インターフェースの方です」

「コンタクト用のアクアノイド・インターフェースっても、長門みたいなアンドロイドなんだろ?」

そういいながら、俺は長門の方に振り向いた。長門はただじっとこゆきを見つめているだけだった。いやまて、人型をしているのかどうかわからないのでアンドロイドという言い方は適さないのかも知れない。

「とにかくだ、失礼な言い方かもしれないが情報統合思念体による作り物ってわけだ。だよな? で、そんな人と結婚、できるのか?」

俺の隣で珍しく唖然として座っているヒューマノイド・インターフェースである長門に問いかけると、長門は気分を落ち着けるかのように身じろぎ一つせず淡々と答えた。

「そのような事例は聞いたことが無い。今度統合思念体に確認してみる」

「一応、統合思念体さんにも今回の結婚は認められていますから」

と、こゆきは答えた。まるで、相手のご両親にも認められている、とでも言うような感じだな。確かに間違ってはいないが。

俺は少しばかり考えをめぐらせた後、再び話し始めた。

「ということは、まぁ、たとえるなら俺が長門と結婚するようなもんか……」

その時、一瞬、隣に座っている長門が、体をぴくっとさせたような気がした。

「そういうことになりますね」

こゆきはにこやかな視線で俺のことを見つめていた。

そうか、こゆきが結婚か……。俺は目の前で微笑んでいるこゆきを見つめながら妙な気分に浸っていた。

こゆきは俺にとって、妹のような、いや、娘のような存在かもしれない。遠い将来、本当の自分の娘を嫁に出すときにもこんな気分になるんだろうか。

 

「最後にひとつだけ聞いていいか」

「はい?」

「子供、できるのか?」

さっきの長門による結婚の定義にもあった。結婚の目的には子孫を残すことも含まれているはずだ。だが、相手は情報統合思念体によって作られた専用のインターフェースである。果たして生命の神秘に挑戦できるのだろうか。

「それは、正直言ってわかりません。できるかできないかも含めてある意味、神のみぞ知る、っていう感じでしょうか」

こゆきは長門そっくりのショートカットの髪を少し揺らしながら小さく左右に首を振った。

「神、ねぇ……」

その時、ふと俺の脳裏にハルヒの笑顔が浮かんだ。何でも自分の思いをかなえる本人的には無自覚の神様的存在が俺たちの身近にいる。ひょっとしてハルヒが願えばアンドロイドとの間で子供を授かることも可能になるのか、と考えたところで、脳裏のハルヒがアッカンベーをして消えていった。ふん、勝手なやつだ……。

 

俺が長門のマンションを後にしたのは、もう十一時近かった。

とりあえずこゆきが結婚することは、俺と長門の間だけに閉じておくことにした。朝比奈さんと古泉にはオープンにしてもいいのだが、少し様子を見てから判断することにした。

エントランスを出てしばらく行ったところで、振り返って長門の部屋のある辺りを見上げると、わずかにカーテンがゆれているような気がした。

それにしてもだ、あのこゆきが結婚とは、しかも相手は情報統合思念体製のアンドロイドとは、まったくの予想外の出来事だ。これは喜ぶべきことなんだろうか。俺自身が結婚どころか、彼女さえいない状況なのに。

まぁいいか、そうだな、やはり素直に喜ぶべきことだな。こゆきの幸せは俺たちの幸せだ。

少し肌寒く感じられる秋の夜を俺は家路を急いだ。

 

 

SOS団に関わるようになってから、週末を落ち着いて過ごすことができたのは数えるほどになったかもしれない。いや、どたばたが続くのは何も週末だけではないのも確かだな。

 

とにかく、いつもどおりの大騒ぎの週末をなんとかクリアし、また月曜日だ。

秋になって過ごしやすい気温になったおかげで、この坂道を登るのも少しは楽になったかもしれない。それでもけだるく歩いている生徒連中に混じって、俺は学校に向かっている。

そういえば、こゆきはまた学校に来ているはずだ。

週末の宴の時、ハルヒはこゆきに、

「また部室に来てもいいわよ、待ってるから」と言っていた。こゆきは少し長門の表情を確認してから、

「そうですね、何日かはお邪魔させていただきます。以前着ていた制服も有希さんがきちんと保管していてくれていますし」

「クリーニングにも出している。問題ない」

「毎日来ていいわよ、遠慮なんかいらないわ、誰が何と言おうとあたしが認めてあげるから」

「はい!」

というやり取りがあったことを思い出しながら、俺は坂道を登りきって校門へと入っていった。

あの講堂での大騒ぎのことを覚えている連中がこゆきの姿を見かけると、またなにか騒ぎを期待するかもしれないが、できれば平穏無事に過ごしたいもんだ。

 

「ねぇ、キョン、こゆきちゃんのプレゼント何がいいかしら」

「な、なんだって?」

俺が席に座ったとたんにハルヒが話しかけてきた。前フリもなしかよ。

「プレゼントよ」

「もう少し、文脈をはっきりさせてくれ。まぁ、言いたいことは大体わかるが」

「だったら、ごちゃごちゃ言わないの。単刀直入、阿吽の呼吸よ!」

俺は別にハルヒと阿吽の仲になろうとは思っちゃいない。が、ハルヒが今週いっぱいで日本を去ることになっているこゆきのために、何か餞別の品を考えてくれようとしていることぐらいはわかる。

「そうだな……」

俺は視線を斜め上四十五度ぐらいにしてこゆきの笑顔を思い浮かべた。

これでこゆきが普通の地球人ならいろいろとプレゼントにふさわしい品も思い浮かぶところなのだが、液体宇宙人でしかも遠く離れた惑星に行ってしまうんだから、さてと、どうしたものか。

「何かないの?」

「本人に直接聞けばどうだ? その方が効率的だろ」

ジャングルの原住民が使う呪術用の仮面のようなアイテムを押し付けられるより、希望の品をリクエストする方がいいに決まっている。

「ううーん、そうねぇ。でも何かサプライズな要素も欲しいんだけど」

サプライズなものがいいことはわかるが、ハルヒのそれは一般人とは一線を画している。素直に受けいれると何が起こるかわからない。サプライズのレベルが違うわけだ。

「とにかく一度、本人に聞いてみろよ、それからでも遅くは無いさ」

「わかったわ」

 

さて、放課後だ。

教室の掃除を済ませた後、俺は部室へと向かった。

いつものように扉をノックすると、

「いいわよー」

と、ハルヒの声。

「よお、遅くなっ……た、ぁあぁ?」

扉を開けた中の世界を目の当たりにして、俺は固まってしまった。

珍しく薄いピンクのナース服に愛らしいお体を包んだ朝比奈さんは、ある意味当然として、そのすぐ隣には例の『どんぐり』のメイド衣装を身に纏ったこゆきがにっこり笑って立っていた。

さらに、長いウサ耳を揺らして団長席で網タイツの足を組んでいるバニー姿のハルヒがニヤニヤ笑っている。

「ほらほら、いつまでもそんなところに突っ立ってないで」

「お、おまえ……なんのマネだ……」

やっとの思いで部屋に足を踏み入れた俺は、いつもの窓辺の席で、メイド姿のままハードカバーを読んでいる長門の姿が視線に入ったところで、もはや言葉を発することができなかった。

「いいでしょ? せっかくこゆきちゃんも来てくれているんだから、こゆきちゃんへの歓迎の意を込めてこれぐらいのことはしないとね」

ここは学校だよな、んで、この部屋は本来文芸部の部室だ。なんだかまったく別の世界に足を踏み入れたみたいだ。いつか古泉が言っていた。「ここはいろんなものが渦巻いて飽和状態だ」、と。

それに、歓迎される立場のこゆき自らメイド衣装を着ているんだから、誰が誰に歓迎の意を込めているのか良くわからない状況だ。もっともこんな歓迎をしてくれるなら俺は別に困らないけどね。

 

「どうですか? キョンくん」

力なく椅子に座って大きく溜息をついたところでこゆきがお茶を出してくれた。

「うん、相変わらず似合ってるよ」

俺は、隣の席に座り膝の上に両手を置いて俺のことを見つめてくれているこゆきに笑いかけた。

クスっと小さく微笑んだこゆきは、

「有希さんまで着替えるとは思いませんでしたけど」

と小さな声で言った。

俺は相変わらずページをめくり続けるメイド姿のアンドロイドを視線の端にとらえつつ、あいつ実はこの衣装のこと結構気に入っているんじゃないのか、なんて思いが頭の中をよぎっていった。

その時、かちゃと音がして扉が開いた。

「どうも、遅くなりました……って、な、なんですか、もうハロウィンの仮装なんですか?」

古泉が少し引きつったスマイルを携えつつ長テーブルの定位置に向かってきた。

「ハロウィンの仮装と目の前にいるコスプレは少し違うと思うぜ」

頭の後ろに両手を組んでパイプ椅子で少しのけぞりながら俺は古泉に突っ込んだ。

「ハロウィンはハロウィンとしてイベントするわよ。今日はこゆきちゃんの歓迎」

液晶ディスプレイの向こうでウサ耳が揺れている。ハロウィンに何をたくらんでいるのか知らないが、今年一年もこのまま無事に終わらせて欲しいものだな。

「いやー、なんだか歓迎されているのはわれわれ男性陣のような気がしますね。あ、ありがとうございます」

腰を下ろした古泉の前に、こゆきが湯飲みを置いている。

「おかえりなさいませ、ご主人様」

そう言ってぺこっと頭を下げたこゆきは、いたずらっぽく微笑んでいた。

 

 

「ねぇ、こゆきちゃん、何か欲しいものある?」

古泉がお茶を飲み終えて、そろそろひと勝負しようかと動き始めたときだった。ディスプレイの横からひょいと顔を出したウサ耳ハルヒがこゆきに問いかけた。

「え、欲しいもの、ですか?」

突然の問いに少し戸惑い加減のこゆき。

「今週末には出発でしょ? お餞別、何がいい? 日本から遠く離れるわけだし、向こうでは絶対に手に入らないものとかさ」

椅子から立ち上がったハルヒは、両手を頭の上に伸ばして軽く背伸びをしながら、こゆきの隣にやってきた。

そろそろあんな格好だと寒そうな季節になってきていると思うんだが、鳥肌なんか無縁だと言わんばかりの艶やかな肩口がまぶしすぎる。

「それとも現地で役立ちそうなものとか。そうね、呪術用の被り物なんかいいんじゃない?」

はぁ? お前、そんなもの持っているのか? とにかく、そんなわけのわからんものは間違っても持ってくるなよ。

「そうですねー……」

両手の指を胸の前で組んだこゆきは、少しの間わずかに首を傾けて窓の方を眺めていたが、

「やってみたいことがあるんですけど、それでもいいですか」

といって、ハルヒのほうに振り返った。

「なに? 遠慮は無用よ、何でも言って」

「ウェディングドレスを着てみたいんですけど」

「えっ、ウェディング?」

少し虚をつかれたハルヒが目をぱちくりさせている。窓際の長門も顔を上げてこっちを見つめていた。ショートヘアの頭のカチューシャが窓から入る風で少しだけ揺れている。

「はい。ウェディングドレスです」

「いいわね、それ。もちろんオッケーよ」

普通ならここで、どうして? とか、なぜ? という問いが出るもんだが、ハルヒはそんなまどろっこしいことはしない。もちろん俺はなぜこゆきがこんな願いを持っているのかは知っている。長門もそうだ。

液体宇宙人のこゆきも、やはりウェディングドレスに憧れがあるんだろうか。いや、人間の姿をしているほんのわずかの間だからこそ、着てみたいんだろう。

確かに俺もできることならぜひこゆきの晴れ姿を見てみたい。

 

二つ返事でOKを出したハルヒは、すぐさま古泉に向き直って、

「ねぇ、古泉くん、ウェディングドレス、なんとかならないかしら」

なんだよ、いきなり古泉を頼るなよ。

「あははは、いいですよ、お任せください。これも副団長の務めですから」

そういった古泉は、右手の人差し指をこめかみに当てて少し考えながら、

「僕の知り合いに、婚礼用の衣装のレンタルもやっているものがいますので、一度話をして見ましょう。少しだけお時間をいただけますか」

「いいわよ、週末までになんとかなればいいから」

「わかりました。たぶん大丈夫と思います」

にっこり笑った古泉は、そのままこゆきの方をながめていた。こゆきはその古泉に向かって小さく頭を下げた。

「当然、あたしたちも着るからね、みくるちゃん、有希、いいわね」

「えっ?」

「……」

両手をキュッとくびれた腰の辺りにあてたハルヒの発した言葉を聞いて、ナース姿の朝比奈さんが驚いている。

「わ、わたしたちもウェディングドレス着るんですかぁ?」

「そうよ。またみんなで着るの。そうそう、鶴屋さんにも声をかけておかないとね。みくるちゃん、よろしくね」

「え、えぇ……。わかりました」

なんとなく、途中からこうなるだろうという感じはしていた。ウェディングドレスを着るなんて話をハルヒが黙って見ているだけのはずがない。普段は朝比奈さんにいろんな衣装を着せているが、ここ一番には自ら先頭に立っていくようなやつだから。

 

俺は、団長席でパソコンを触りだしたハルヒの姿と、その少し横で読書に励むメイド姿の有機アンドロイドの姿をぼんやりと眺めていた。

「どうされました? お二人の花嫁姿を思い描いているのですか?」

俺の前で将棋の駒を並べて直している古泉が意味ありげなスマイルを送ってきている。すでに俺が二勝あげているのはいつものことだ。

「ん、まぁな」

そういって少し振り返ると、ポットのところでなにやらお茶っぱの話をしているらしい朝比奈さんとこゆきの後姿があった。

「彼女たちが一堂に会したウェディングドレス姿は壮観でしょうね。楽しみです」

SOS団の三人に鶴屋さんとこゆきを加えた五人のメイド姿も壮観だったが、こんどはウェディングドレスだ。パリコレのフィナーレを飾ってもおかしくないぐらいの五人の個性的な美女の鮮やかな晴れ姿が見られるに違いない。

 

「それにしてもなんでも揃うんだな、お前の知り合い。キャッチフレーズはゆりかごから墓場までか?」

「あははは、そうかもしれません。僕も全てを把握しているわけではありませんが、何かあった時はとにかく一声かけてください」

ふん、それもこれもハルヒを退屈させないためでもあるんだろ。表向きは「知り合い」と称している機関の底力とやらがどこまであるのかは知らないが、せいぜい利用させてもらうさ。さもないとひどい目にあうのは俺だからな。

「頼りにしてるぜ、副団長殿」

 

 

その日の帰り道。

先頭はハルヒと朝比奈さん、少し遅れて俺と古泉が続き、すぐ後ろに長門とこゆきが歩いている。相変わらず朝比奈さんのことをおもちゃにしているらしいハルヒの後姿を眺めながら、すっかり日が短くなった秋の夕暮れの坂道を下っていた。

「古泉さん、ご迷惑をかけるようですみません」

後ろからこゆきの声がする。

「いえいえ、何も気になさることは無いですよ」

振り返った古泉が答える。

「そうさ、気にすることは無い。機関に任せると何でもOKなんだ、よくわからんが」

俺は体を回して五、六歩後ろ歩きをしながら、こゆきに返答した。

「それにしても、『ウェディングドレスが着たい』なんてわがままを言ってしまって、すみません」

やはりこゆきは礼儀正しいね。俺の妹も見習って欲しいもんだ。

「どうせこの時期はありきたりの学校行事ばかりでハルヒも退屈していたからな、ちょうど良かったんだ。わがままでもなんでもないさ、な、古泉」

「確かにそうですね。よろしければ定期的に訪問していただけばもっと助かります」

さらに古泉は続けた。

「それにしてもなぜウェディングドレスなんですか?」

ここにきて、やっと『なぜ』という疑問が会話の中に登場したな。

こいつには世話になるし、ホントのところを話しておいたほうがよいだろう。

「実はな……」

俺は先日聞いたこゆきの結婚のことを、ハルヒには聞かれないよう注意しながら説明した。さすがに古泉でも少し驚いていたようだったが、

「わかりました。そのような事情でしたらなおのこと機関の総力を挙げて取り組みましょう」

と言って最後には大きく肯いていた。

まぁ総力を挙げるかどうかは機関の勝手にしてくれればいいが、あんまり大騒ぎにならない様に頼むぜ。

「よろしくお願いします」

あくまでも謙虚に頭を下げるこゆきの笑顔が、夕焼けで少し赤く染まっていた。

 

 

第四章に続きます

 

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最終更新:2020年10月14日 03:39