※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

 あ~~~、寒い。
 まだ9月なんだよな?
 なのに… なんだこの寒さは!!
 俺自身夏は嫌いな方だが寒いのはその上をいって嫌いだ。
 全く、いまいましい!
 ああ、こたつが恋しい。
「おやっ、キョンくん。寒くて寒くて堪らないって顔してるねえ。ホント寒いのが苦手なんだねっ、差し詰めこたつが恋しいなあ何て思ってるんじゃあないかいっ?」
 …やれやれ、こいつは何でもお見通してっか?
「仕方がないだろ。昨日まではそれなりに暑かったから薄着で寝ていたんだ。そのせいで余計に体が冷えてんだよ。それにこの9月に半纏着て毛糸の靴下履いている完全防寒を施している奴に言われたくないね。」
「あはっ、そうかもね! あたしもこの寒さにはめがっさびっくりだったよっ。だけどねえ~、キョンくん。」
「ああ、分かってる分かってる。今日は大事な日だ。」
 そう… 大事な日だ…
 
 
 
 
ハルヒが死んだ。
 …………ふざけんじゃねえよ。
 なんであいつがあんな死に方しないといけないんだ…
 古泉の野郎が言うには『ただの事故』ってことらしいが余計に気にくわねえよ。
 あのハルヒが『ただの事故』で死ぬんだなんて信じられん。
 しっかし恥ずかしいことにハルヒがいないってだけでここまで世界が色褪せて感じてしまう俺がいるんだな。
 …全く、いまいましいな。
 しかも、今なら少しはハルヒがSOS団を作った気持ちがわかるかもしれない自分がいるってのが余計にいまいましいな。
「キョンく~ん。国木田君達が来てくれたよお~。」
 ふんっ、あいつらもよくもまあ飽きずに来るよな。
「よおキョン。元気にしってか?」
「元気かいキョン? ほら、阪中さんが『これ持って行ってあげて』って言ってくれたよ。なんでもお母さんが作ったシュークリームだってさ。」
「……ああ… ありがとよ」
「おいおい、キョンお前はいつから無口な文芸少女みたいになったんだよ。」
 谷口よ、なんのエロゲか知らんが俺はそんな奴知らんぞ。
「谷口の言う通りだよキョン。らしくないよ。…ねえ、学校おいでよ。もうかれこれ1ヶ月だよ? みんな心配してるんだからさ。」
「…………ああ、そのうちな…」
 国木田には悪いがハルヒのいない学校なんてもう行こうとはちっとも思っちゃあいねえよ。
「おいっ、キョン! お前こないだと言ってること一緒じゃあねえか。」
 …くそ、面倒くせえなこいつは。
「……ああ、そうか? 安心しろ谷口、そのうち必ず行くさ。」
 バコッ
「っ~~、おいっ! 何しやがる!!」
「お前が何時までもうじうじした態度取りやがるからその腐った根性叩き直してやろうって思ったんだよ悪りいか?」
 こいつは、俺がどんな気持ちかもしらねえでよ…
「腐ってんのはお前えらだろが!! 勝手に人ん家上がり込んでそのつど『学校来いよ』だあ? ふざけんじゃあねえ!! この際だはっきり言う。もう俺は学校に行く気はない。分かったか? だからもう来るんじゃねえ! 俺に構うんじゃねええ!!」
「くっ、この野郎。」ガッ
 …おいおい、国木田。余計なことするんじゃねえよ。
「おい国木田止めるな! こいつはお前のことも言っててるんだぞ?」
「分かってるよ。だけど、もう無駄さ。だってキョン自身ああ言ってるんだよ? だから止めようよ。」
 …あ~あ、国木田も面倒な奴だな。
 いちいち泣くんじゃねえよ。
「…………そうだな。こいつが構うなっていってるんだからな。」
 そうだそうだ、とっとと帰りやがれ。
 
 
 あ~~、今日は無駄に疲れたな。
 谷口のアホが面倒なことしやがるからだ。
 全く… 人の気持ち考えやがれってんだ。
 ああ、考えるのも面倒だ。
 カチャ
 ……ああ、こいつはいつも来やがるな。
 そんなコンビニみたいな特性いらねえんだよ。
「差し詰め『また来たなこいつ』って所ですかね?」
「……ふう、そんな所だよ。だからとっと帰りやがれ。今日は機嫌が悪いんだよ。」
「谷口君と喧嘩したからですか?」
 …どいつもこいつも面倒なことばかりしやがる。
「谷口に聞いたのか?」
「はい。先程、アルバイトの帰り道で国木田君と二人でいるところを見かけたものですから声を掛けてみたら、
あなたとやりあったと。」
「…そうかい。なら話は早い、とっとと帰れ。さっきも言ったが機嫌が悪いんだ。
てめえのそのニヤケ面を見ていると余計にイライラする。」
「ふふっ、そんなこと言わないで下さいよ、僕にとってあなたとこうして話す時間はとても貴重なものなのですから。」
 この野郎…
「おいっ、てめえといい谷口といい国木田といい勝手に人ん家上がり込んでなんだ!
お前らには俺の気持ちなんか分からんくせによ。しかもてめえに至っちゃほぼ毎日上がり込みやがってなにがしたい?
ああ、俺が引き篭もってるのを見て楽しんでんのか? だったらその悪趣味は今すぐ止めたほうがいい。と言うより止めろ。」
 ……マジでぶっ殺してやろうか? なんで笑ってやがるんだよ! 図星だってか!? 誰か包丁を持って来い!!
「くっ~ ああ、失礼しました。これは決してあなたが言った事が図星すぎて笑っているわけではありません。」
「…じゃあ、なんだって言うんだ?」
「いや、久しぶりにあなたが感情を表してくれてうれしかったのですよ。」
「おいっ、おちょくってんのか?」
「いえいえ、これはホントですよ。何と言うか、先程のあなたを見ているとSOS団として4人で活動していたころを思い出しましたよ。
僕自身、涼宮さんが亡くなられてSOS団で活動しなくなってからからというもの僕なりに随分寂しい思いをしましたからね。
だから懐かしくてうれしい気持ちになったのですよ。」
「…止めろ。」
「えっ?」
分かってる。
 分かってんだよ。
「お前は俺のことが心配で、ハルヒが死んでから部屋に引き篭もってる俺が心配で毎日のように俺ん家に来てるんだろ?
マジで止めてくれ。正直俺はもう何もかも面倒なんだ。こうやって人から心配されてりするのなんか最上級の面倒くささなんだよ。
分かったか、だったらそんな御託を並べてないで今すぐ帰れ。そして二度と来るな。」
「分かりました。では、帰りません。」
…包丁とかじゃなくていい、何か鈍器はないのか? いますぐこのニヤケ面を永遠に黙らせる道具はどこかにないのか?
「ふふっ、殺意が篭った目をしてらっしゃいますね。」
「分かってるんなら今すぐ帰ったほうが身の為だ。俺はマジでてめえを殺したい。」
「死ぬのは嫌ですから釈明しましょうか。僕はあなたが心配で毎日のようにあなたの家に上がり込んでいるわけではありません。」
「じゃあなんだ、『機関』がどうこうで来てるのか? それなら尚更腹が立つ。」
「前にも言ったように『機関』は涼宮さんが亡くなってから解散しました。だから『機関』は関係ありません。」
「…だったら何なんだ?」
「僕はあなたのために来ているんじゃない。あなたに会いたいからきているのです。」
 俺に会いたい? 何でだ?? ハルヒが死んからずっと引き篭もってる俺のどこにそんな価値があるんだよ???
 ………………………ああ、俺は大馬鹿もんだ。
 こいつは、さっきなんて言ってた。『僕自身、涼宮さんが亡くなられてSOS団で活動しなくなってからからというもの
僕なりに随分寂しい思いをしましたからね』
 ハルヒが死んでから悲しかったのは俺だけじゃなかったんだ。
 こいつも悲しかったんだ。
 それだけじゃない。
『機関は涼宮さんが亡くなってから解散しました』今までの自分の居場所まで失ってしまっていたんだ…
 もしかしたら、ハルヒがいた頃より大変な目にあってたかもしれない。
 そんな状況なのにこいつは毎日のように俺に会いに来てくれている。
 それはきっと、俺が思っている以上にこいつにとっちゃ俺は大切な存在だからなのかもしれない…
 いや、こいつだけじゃあねえ。
 谷口や国木田達だって…
 それなのに、俺は自分のことしか考えずによ…
 情けなえな…………
 …何時までもこんな風にはしてられんな。
「…………ありがとよ。古泉、お前のおかげで目が覚めたぜ。」
「はて? 僕は何もした覚えはありませんが。」
「ぬかせ。全く俺は大馬鹿者だったよ、ハルヒがいなくなってからもハルヒに振り回されていたみたいなもんだ。その上、俺のことを思ってくれる人を傷つけて… ホンt「みなまで言わせませんよ。あなたにそんな弱音は似合いませんからね。」
「…ああ、そうだな。」
 …とりあえず、明日学校行くか。
 
 
 
 
 
「いやあ~ 毎年ありがとうございます。僕の為にこんな豪華な誕生会を開いて頂いて。」
「気にすることないよっ。いっちゃんにはお世話になりまくってるからねっ。」
「いえいえ、こちらこそ鶴屋さんには園生を含め僕もお世話になっていますから礼には及びません。」
「おいっ、古泉。その『鶴屋さん』ってのは止めろと何回言ったら分かるんだ。
マスオな俺としては相当な違和感を感じるんだよ。」
「ふふっ、では若旦那も一樹の事を下の名前で呼んでくださいよ? でないと私も違和感を感じてしまいます。
いっそのこと若奥様のように『いっちゃん』とお呼びになってはいかがかと思いますが?」
 ぬおっ、園生さんいつのまに?
 今日はメイド服じゃなくてドレスですか…
 全く… 殊勝ですn「おやおやキョンくん? 隣に美人な奥さんが居るってのによその奥さん見て鼻の下伸ばすとわ…
これはおやっさんに報告だねえ」
「それは止めて下さい。ごめんなさい。何でもします。お許しください。」
「はははっ、よく一瞬でそこまで謝れるねっ。ジャンピング土下座が付いていたら最高だったねっ。
安心しなさいっ、おやっさんには『なかなか度胸が付いてきた』ってだけ言っとくよっ!」
 ああ、悪魔がいる。
 笑顔の悪魔がいる。
 八重歯がチャームポイントの可愛らしい悪魔が目の前にいる。
 誰かエクソシストを連れてこい!!
 …いや、何処の馬の骨か知らん奴に嫁が退治されるなんて許せん。
 俺が直々に退治してくれよう。
 
「ところで、今回はお父様と一緒に行かなかったのですね『キョンくん』?」
「ああ、今回わな。あと古泉、『キョンくん』はやめろ何故だか知らんが悪寒が走る。」
「何故また今回は行かれなかったのですか? いつもなら『修行だ』とか言って世界中連れまわされるというのに。」
 ニヤケ面が二割増しだぞ。
 こいつは… 分かってやってるな。
 ぬっ、周りの視線が生暖かい。
 はいはい、分かってますとも。
「お前に言いたかったことがあるからなんだよ。今まで恥ずかしくて言えなかったから
今年こそはてっことでお義父さんに無理言って頼み込んだんだ。」
「まあ、結局はあたしが頼んだんだけどねっ。」
「まあそうだな… それでだな俺がお前に言いたいことってのは…」
 俺がお前に言いたいのはな…………
「今、俺がこうしているのは高校ん時のお前に言われた一言があるからなんだよ。だから、そのだな…」
「『だから』何なのですか『キョンたん』?」
「…………誕生日おめでとな。いつまでもお前らしくいてくれ。
……と言いたいが、永遠に眠れこのガチホモがあああああ!!!」
 
 
 
 
 
 ……ここに来るのも久しぶりね。
 あいつは何してるのかしら?
「悪霊退散!!」
「ちょっ、ここでそれは可笑しいでしょ!?]
[いや、可笑しくなどない。お前は男のアナルを掘る妖怪ケン○ーだ。
俺はその妖怪を退治しているのだ!」
「えええっと、取り敢えずケン○バさんに謝って下さい。彼は掘られるのが好きなだけだと思います。
後、あんまりアナルアナル言うといつも園生に勘違いされて大変なんですよ。」
「よしっ、いっちゃん。園生さんにはわたしが言っといてあげるよっ!」ダッ
「ぬああああ、鶴屋さあああん。」
 ……馬鹿がいるわね。
 古泉君の誕生会なのよね?
 それなのに、妖怪退治って… アナルって… 全くSOS団の恥さらしね。
 このままじゃ古泉君も愛想つかせちゃうわよ。
「にしても、お前はあいかわらず園生さんには頭が上がらんみたいだな。」
「仕方がないですよ『機関』が解散してから行くあての無かった僕を助けてくれた恩人でもありますからね。
後、あなただって鶴屋さんに尻に敷かれてるじゃないですか?」
「まあそうだな… だがな古泉よ、あいつも普段はあんなのだがな、…夜になると豹変するんだなこれが。」
「なんと…、実は園生もそうなのですよ。普段とのギャップにやられてしまいますよね。」
「だな。激しく同意する。」
 この下衆め!!
 何がギャップよ全く…
 まあ、仲は良さそうだから安心した。
 だけどSOS団の団長としては懲らしめてやらないといけないわね。
 
「ふふっ、一樹。そういう話はもっと小さな声で言うものですよ。」
「キョンく~ん。おやっさんはあたしの事になると豹変しちゃうんだよっ?」
「「ぬをっ………… ご、ごゆっくり~~~~」」ダッ
「「待ちなさいっ!!」」ダッ、ガシッ、ドゴッ
 ふふっ、たっぷりいじめられなさい。
 ……だけど、鶴屋さん達が羨ましいな。
 ああやって、キョン達と触れ合えるんだから。
 わたしにはもう出来ない…
 でも悲観ばかりはしないわ。
 だって、鶴屋さん達には出来なくてもわたしには出来ることもあるんだから。
 それは… あ、雪…
 ……そうね、あなたにも出来るわよね。
 一緒に見守っていきましょ。
 私のいいところも悪いところもみとめてくれた。
 私を一番安心させてくれた。
 そんな人達を見守ってあげましょ。
 一緒にね。
 ふふっ、だけどねえ… いくらなんでも9月に雪は無理があると思うわよ。
 まあ、いっか。
 いつまでも幸せにね。
 あんた達が幸せなら私達も幸せなんだから…

 


|