「はぁ…」

こんにちは。朝比奈みくるです。
いきなりため息から入ってごめんなさい。

…だけど。

…ぐぅ~

…お腹がすきすぎて困っているんです。

未来からの指令で涼宮さんを監視し続けること早4年半。
こっちの世界で暮らせる費用は十二分に貰っていたんですが…

「…何でお財布落としちゃったんだろう」

またため息がでてしまう。

…今度からお財布に全財産を入れるのは止めておこう。
というか冷蔵庫に買い置きしていなかったことを素直に恨みます。

みっみっみらくる!みっくるんるん!

…あ、携帯。

…そういえば今月分の料金大丈夫でしょうか?

「もしもし?」
「あ、みくるかい!?」

鶴屋さんだ。

「はい。どうしましたか?」
「いやぁ、ちょろっと暇してたものだから久しぶりにみくると買い物に行きたいなぁなんてねっ!何か今日予定あるかい?」
「え?予定は無いんですが…あの…かくかくじかじかでお金が無くて…」
「………」

沈黙。
あれ?鶴屋さんどうしたのかな?
耳を澄ますと携帯から鶴屋さんの声が聞こえてくるんですが…

「あはははははははははっ!」

…爆笑なさってました。

「はははっ…いやーみくるは本当にドジだねぇ」
「もう…私にとっては死活問題なんですよ」
「ごめんごめん…さてとっそういうことならでかけるにょろ!」
「へ?でもお金が…」
「まぁまぁ!任せるっさ!一時間後に駅前ね!」
「ち、ちょっと!」

…切れちゃいました。

どうするんでしょうか…?

一時間後

「…みくるがこない…」

一方そのころ。

…電車に乗るお金もないじゃないですか…
定期券?お財布の中ですよ…

携帯で鶴屋さんに連絡…携帯家じゃないですか。

一方みくる家

………

みっみっみらくる!みっくるんるん!

そのころ鶴屋さん

「みくる電話にでないなぁ…」

そしてみくる

どうしましょう…

あ、あの人は…

「長門さんっ!助けてください!」
「…何」

まぁいきなり叫ばれてもそうなりますよね。

「じ、実はかくかくじかじかうんたらかんたらで駅前に行けないんですよ」
「…そう」
「…厚かましいんですがとして電車に乗るお金だけ貸してもらえますか?」
「…その必要はない」

え?

「…目をつむって」
「…こ、こうですか?」

あれ?今身体が中に浮いたような…

「…もう開けていい」
「ここは…?」
「…駅の裏。人通りの無いところへ私と朝比奈みくるの空間座標軸を変更した」

…よくわからないけどワープってことですか?

「…そう」
「ありがとうございます。手間をかけてしまってごめんなさい」
「…いい。私もこちらに用事があった」

そういうと長門さんはスタスタ歩いていっちゃいました。

…長門さんって話しづらいけどとても優しい人なんですよね。
あ、そうだ。早く鶴屋さんの所にいかないと!

私は駅前の広場に向かって走り出した。


















「…それで…ぷぷっ…急いで来たせいで…派手に転んだと…」
「…もうひと思いに笑ってくださいよ」

恥ずかしい…町の人がみんな見てる中で派手に転んじゃった…

「まぁまぁ…怪我がないだけよしとするっさ!」
「それもそうですね…それで、今日は何をするんですか?」
「とりあえずみくるは食事してないみたいだからね!ちょっと知り合いの店があるからそこに行くっさ!ごちそうするよ!」
「へ?いやそんな!悪いですよ」
「いいからいいから!」

わっ!引きずらないでください!

数分後

ここは…

「…CoCo壱番屋?」
「あれ?みくる知らない?」
「…恥ずかしながら」
「まぁようするにカレーのチェーン店っさ!私の家、この系列の会社の大株主だからある程度の優遇が聞くのさ!」

…やっぱり鶴屋さんて凄い人です…

「まぁまぁ入って入って!」
「は、はい」

これがCoCo壱かぁ…

「…いらっしゃいませ」
「あれ?」

長門さん?

「有希っこじゃないかい!何やってるんだいこんなところで!」
「…アルバイト。お金も入るしカレーも食べられて一石二鳥」
「…長門さんがアルバイトしてたなんて初めて知りました…あ、さっきはありがとうございます」
「…いい。注文が決まったら読んで」

そう言ってカウンターの奥に戻っていきました。

「しかし有希っこの制服姿ってかわいいね!学生服以外のものを着てるの初めてみた気がするっさ!」
「長門さん人気あるんですよ?よく告白されてるみたいですし」
「なんか守ってあげたい感じが物凄くするんだよね!ところで注文は決まったかい?」
「えっと…このシーフードカレーにします」
「じゃあ私もそれにするっさ!」

呼び出しボタンを押すと店長らしき人が来て鶴屋さんと話し始めました。
難しくてよくわからないですが。
どうやら代金はツケにするようないやむしろ払わなくても良いよとかそんな感じの会話です。

「あの…本当にいいんですか?」
「気にしなくていいっさ!」
「大丈夫ですよ。いつも鶴屋さんのお宅にはお世話になってますし。初期のころ投資が無ければこの会社がやっていけないなんて状況もあったそうです」
「私も何気にカレー好きだからね!こういう店が消えて行くのは忍びなかったのさ!」

もう本当に鶴屋さん凄いとしか言えないです…

「少々お待ちください。すぐにお持ちいたしますので」

そういえば長門さんは…あ、レジ打ちやってる。
バイトかぁ…私もやりたいけど未来への報告で時間がないんですよね…

ほどなくしてテーブルにカレーが運ばれてきました。

「「いただきます」」

あぁ…久しぶりの食事です…

まず一口…って
…いや、長門さん…

「………」

こっち見すぎです。

「ん?どうしたのみくる?口開けて固まっちゃって」
「あ、いえ…」

…まだ見てます…気にせず食べましょうか。

うん。おいしいです。

「お、味が変わってるねぇ!凄く美味しくなってるっさ!」
「カレーってお手軽に出来ていいですよね」

カレーなら作り置きができるし、今度やってみましょうか。

3分の1くらい食べ進めてると長門さんがレジから離れてることに気付きました。

…別のお仕事になったのかな?

もう一口カレーを含んで当たりを見回してみる。

次の瞬間。

「!?」

思いっきり咽せました。

いや、だってビックリするでしょう?

「………」

いきなり真横のテーブルに長門さんが座っててこっちをガン見していたら。

「ちょっ!みくる大丈夫かい!?すいません水を」
「…はい」
「おぉ有希っこ!サンキュ!」

ゴクゴク…

やっと落ち着きました…

「…申し訳ない」
「びっくりしましたよ…」
「それにしても有希っこはなんでこっちを見てたんだい?」
「…そのカレーのルーを作ったのは私。美味しいかどうか気になった。別に食べたかったわけではない。信じて」
「こ、これ長門さんが作ったんですかぁ!?」
「凄いじゃん!格段に美味しくなってるにょろ!ほら、一口いるかい?」
「…そう。しかし食べたかったわけではないといったはず。しかしくれるものはありがたく貰う」

素っ気ない返事ですが嬉しそうにしているのは見てわかります。

















「ごちそうさまでした」

もうお腹一杯です。
鶴屋さん、ありがとうございました。

「このくらいお安いご用っさ!また困ったことがあったら言うんだよ?」
「はい。長門さんも、カレーとても美味しかったです」
「長門さんは低コストでルーを作ってくれるのは嬉しいんだけど、味見と称してカレー三杯食べるのだけは勘弁してほしいかな」

横から店長さんが会話に入ってくる。
…というか長門さんそんなことやってるんですか…

「…何のことだかわからない」
「あははははははっ!」

長門さんを除く三人で思いっきり笑っちゃいました。

その後は鶴屋さんと町をブラブラして帰りました。





















結局お金が無くて帰りの電車に乗れず立ち尽くしたのはもう忘れたい思い出です。

おわり

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