第六感というのはいきなり働くものであって。
「なーんか最近暇ねぇ…」
なんてハルヒが言いだした日には間違いなく面倒なことが起こると予想出来てしまうわけで。
そんなこんなで終えた文化祭から時過ぎること一週間。
あのころの慌ただしかった空気も一転して数週間後のテストに向け勉強モードに入っていた。
ということは否が応でも盛り上がるイベントは無くなってしまったわけで。
「ねぇキョン。何か面白いことないかしら?」
俺を筆頭としたSOS団が振り回されるわけで。
「…落ち着けハルヒ。たまにはゆっくりと過ごしてみたらどうだ?」
「嫌よ!限りある高校生活なのよ?もったいないと思わない!?」
確かにそうだが…文化祭で疲れてないのか?
「別に」
即答しやがった。
「というか他の団員はまだなのかしら?」
「そういやまだ誰も来てないな」
もう放課後になった筈なのに部室には誰もいない。
というか長門までいないのは珍しいな。
「みんな勉強してんじゃないのか?」
「だったら部室でやれば…あ、メール…有希とみくるちゃん」
「俺も…古泉?」
嫌な予感がしつつもメールを開いてみた。
『誠に勝手ながら私用により休ませてもらいます』
「…有希とみくるちゃんも休むって…」
よし
「帰るか」
「ち、ちょっと待ちなさい!結局私が暇なだけじゃない!」
そんなこと言ったってなぁ…
「せめて話し相手になるくらい良いじゃない!」
「…わかったよ。で、何話すんだ?」
「んー…」
そう言って考え込むハルヒ。
…まぁ時間あるし良いか。
「ハルヒ、お茶飲むか?」
「あ、うん。ありがと」
えっと…お茶の葉は…これか。
結構入れるの簡単なんだな…
「ほら…で、話す内容は決まったのか?」
湯のみを渡しながら聞いてみる。
ハルヒが口に含んだのを見て俺もお茶を飲む。
「あんたってポニテ萌えなの?」
「ブハッ!!!」
そして盛大に吹いた。
「きったないわね!」
「すまんすまん…ってか何でその話題?」
「…何となくよ」
…まさかまだ覚えていたとは…
どうやって返答しよう…
「で、どうなの?」
「…好き…だけど」
恥ずかしい…誰か殺してくれ…
「…じゃあさ、あたしがやっても…」
「ん?」
「な、何でもないわよ!」
いや…聞こえなかったんだが…
そのままハルヒはブツブツ言いながらお茶を飲みだした。
俺が何かしたのか?
「…そうだハルヒ」
「…何よ」
「ポニテにしてみないか?」
「!?」
今度はハルヒが蒸せる番だった。
「ちょ…いきなり何を」
「いや、入学当初から思っていたんだがもの凄く似合うんじゃないかと思ってな」
「べ、別に良いけど…ちょっとあっち向いてて…良いわよ」
おぉ。やっぱり似合うな。
「…じろじろみないでよ」
「や、普通に可愛いぞ。ハルヒ」
「…ホントに?」
なんでこんなことで嘘言わなきゃいかんのだ。
「…ありがと」
そう言って顔を真っ赤にするハルヒ。
「…気が向いたらまたしてあげる」
「…へ?」
「だから何でもないって言ってるでしょ!」
その後
ポニテ姿のハルヒに試験勉強と言うことでみっちりしごかれたのはまた別の話。
まぁ語られることはないだろうが。
屋根裏
「キョンくんと涼宮さん仲いいですねぇ…」
「ふふ、昼にかけて発生していた閉鎖空間も消滅したようです」
「…あの二人を見ていると退屈しない」
おわり