…ここから先を未来とすれば、観測を続ける理由になるの?
 
…もし許されるのならば、一口乗ってみてもいい。
 
…この朝にはうんざりしてしまった。
 


 
 
正直疲れました。
 
いや楽しいんですよ?
 
自分としても数年間遊べ無かった分を楽しませてもらったというか。
 
花火を終えたあと、長門さんを除く4人でぐったりしていると
 
「さすがに遊び疲れたわね…よし、明日1日は休憩して、明後日からまた集合しましょう!」
 
ということになりました。
 
まぁ機関の方で召集がかかるかもしれないですがね…
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
…今日1日だけ着信拒否にしてみましょうか…
…いや、森さんに殺されますね。
 
でも今日1日は寝て過ごしてみたい…
 
 
 
 
 
 
 
ピリリリリリリリリ
 
うわっ!!携帯が鳴りだした!!
え?何?監視カメラでもあるんですか?
 
着信 「朝比奈みくる」
 
あれ…機関じゃない?
 
「もしもし、どうかなさいましたか?」
「えっと…その…そ、相談したいことがあるんですけど、時間ありますかぁ?」
 
時刻は朝9時5分前。
まぁ本音を言えば「眠りたい」となってしまいますが…
 
「えぇ、構いませんよ」
「あ、ありがとうございます。えっと、2時にいつもの場所でいいですか?」
「わかりました。では」
「はい。失礼しますね」
 
あと5時間…夏期の宿題でも片付けますか。
 


 
「お待たせしてすみません」
 
集合30分前に着くと朝比奈さんがすでに待っていました。
 
「大丈夫です。私も今来たところですから。それより急に呼び出してしまってごめんなさい」
「いえ、平気です。それよりどうかしたんですか?」
「あ、はい。そのこと何ですけど…未来と連絡がとれないんです」
 
未来というと朝比奈さんの元の世界ですか。
 
「そうです…いつも規定時期に連絡をとることになっていたのですが昨日いきなり通信が途絶えてしまって…涼宮さんと何かしら関係してるんでしょうか?」
「涼宮さんならいつもと変わらないと思うんですが…少し待ってください。機関の方に連絡をとってみますから」
「ありがとうございます」
 
えっと…森さんでいいかな。
 
ピッ
 
「はいはい森園生でございます」
何ですかその挨拶は。
 
「…古泉です。お聞きしたいことがあるのですが」
「ん、どうかした?」
「いえ、実は朝比奈さんの未来への連絡が途絶えてしまったみたいで」
「朝比奈って…あの未来人の?」
「はい、それでこの現象が涼宮さんと何らかの関係があるかどうか調べてほしいのですが」
「わかった。ちょっと待ってな…………………古泉」
「出ましたか?」
「いや、機関の方では何の変化もとらえていないようだ。単純に一時的に未来と連絡がとれないだけじゃないのか?」
「そうかもしれませんね…ありがとうございました。では失礼します」
「はいよ」
 
ピッ
 
「あ、あの…どうでしたか?」
 
電話が終わったのを見計らって朝比奈さんがおずおずと話しかけてくる。
 
「機関の方では何の変化も見られないそうです。一時的に連絡がとれないだけかと」
「そうですか…でも連絡がとれないって初めてなので不安で…」
「夏休みが終わっても変化がないようなら長門さんに聞いてみましょう」
「そうですね。あまり長門さんに負担かけるのも悪いですし…今日はありがとうございました」
「いえ、お役に立てなくてすみませんでした」
「大丈夫ですよ。凄く安心できましたし。あ、そうだ涼宮さんから伝言です」
「明日のことですか?」
「はい、地元のスーパーマーケットのお手伝いをするそうなので明日朝9時に駅前だそうです」
「わかりました。彼と長門さんにも連絡した方がいいんですか?」
「キョンくんには涼宮さんが連絡するそうです。長門さんには私が連絡をとらなきゃいけないのですが…」
「…?」
「私…まだ長門さんが苦手で…」
 
まぁ確かにお茶を出す度にビクビクしてたようなしてないような…
 
「大丈夫ですよ。あまり表情にはだしませんが朝比奈さんのことを大切な仲間だって思っているはずです」
「…そうですよね。うん、私もう少し頑張って長門さんに接してみます。じゃあ私行きますね」
「えぇ、また明日」
 
しかし…なんで未来と連絡がとれなくなったんでしょうか…
まぁ今日はゆっくり寝ることにしましょう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
日付は変わって次の日です。
 
「暑い…」
「今日は今年一番の暑さになるそうですよ」
「…百歩譲ってそれは我慢できるとしよう…だがこの格好はなんだ?」
 
一応状況を説明しましょうか。
 
今日は涼宮さんの知り合いの勤めているスーパーでアルバイトをすることになりました。
内容はビラ配り。
ただ配るだけだと思っていたのですが…このスーパーのマスコット…どこからどう見てもただのカエルなんですが…まぁその着ぐるみを着ながらビラ配りをすることになりまして。
 
「…もう少し通気性のあるもので作ってくれよな」
 
着ぐるみの中はサウナのようになっているわけでして。
っていうか店の前でカエル2匹が会話してるのって変な光景ですね…
 
「…そういやハルヒは?」
「涼宮さんならほら…あそこにいますよ」
 
僕が指差した先には店内でうちわを扇いでいる涼宮さんがいました。
 
「…ぶっ飛ばしてきていいか?」
「ご自由にどうぞ」
「…止めないのか?」
「あなたが本気でそうするとは思えませんので」
「…やれやれ」
「さぁ、仕事に戻りましょう。さぼっていると涼宮さんに起こられますよ」
「それもそうだな」
 
少し離れた所では朝比奈さんカエルと長門さんカエルが子ども達に風船を配っている。
 
「…しかしハルヒは何がしたいんだろうな」
「それは僕にもわかりません。ただ僕としてはとても楽しいので問題ないかと」
「…このくそ暑いのを除けばな」
 


 
昼過ぎの「休憩」の一声とともに4匹のカエルは店内へと入りました。
涼宮さんと長門さん意外汗ビショビショでぐったりしてます。
 
ってかよく弁当食べる元気が残ってますね長門さん…
 
「何よキョン!だらしないわね!」
「…文句言うならお前もやってみろ」
「あたしは団長としてあんたがサボんないように見張ってるの!」
「そーかい…午後も同じことやんのか?」
「そうね。まぁ客が集まるようにならある程度好きなことしても良いんじゃない?」
「…面倒だから止めておく」
「麦茶いれましたぁ」
 
朝比奈さんありがとうございます。
というか部室以外でもお茶汲みをやるんですね。
 
「うん。これが趣味みたいな所もありますから」
 
そう言ってふふふっと笑う。
 
「そういえば未来との連絡はまだ取れないですか?」
「はい…禁則事項の故障でもないみたいなんですけど…」
 
となるとやはり第三者の力が働いているんでしょうか…
 
「…とりあえず今日は頑張ってお店のお手伝いしましょう。たまには私の力で解決したいし」
「そうですか…」
「ほらほら!休憩おわり!みんな行くわよ!」
 
というわけで午後の部です。
 
太陽が余計にやる気を出してますね…
 
「………」
 
上の三点リーダは涼宮さんを除いた4人分です。
もはや喋る気力もありませんよ…
 
店先でカエル4匹が無言でビラを配っているのが相当不気味なのか誰も近寄ってきません。
 
「ちょっとキョン!真面目にやりなさい!」
「…すまん」
 
もはや反論する気力も残ってないようです。
 
「しょうがないわね…この中で一番元気なのは…有希かしら?」
「…コクン」
「悪いけどこの雑用係に仕事の手本でも見せてあげて」
「…いや…お前がやってみろよ…」
「あたしは団長として団員の勤めを見てなきゃいけないの!」
「…了解した。ラジカセの用意を」
「へ?ラジカセ?…あ、ちょっと待っててね」
 
…五分後
 
店の周りには子ども達を中心にお客さんが馬鹿みたいに集まってました。
 
僕たちですか?
隅っこで正座してぼーっ長門さんを見ています。
 
「…有希ってなんでもできるのね…」
「凄いです…」
「…ってかあれは手伝いたくてもできないよな…」
 
今店先ではハレ晴レユカイなる音楽にあわせて長門さんカエルが踊ってます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
…5分間ぶっ続けのブレイクダンスで。
 
想像してみて下さい。
人通りの多いスーパーのド真ん中でカエルの着ぐるみを身に着けた長門さんが高速で回転している様を。
 
「あ、曲が終わったみたい」
 
見ると長門さんが決めポーズを取ってます。
 
「着ぐるみ無い状態で見てみたかったな…」
 
…確かにそうですね。
 
「うわー!このカエルすげー!」
「ねぇねぇ!もっと踊ってよ!」
「…長門さん大人気ですねぇ」
「…あたし達何する?」
「微笑ましいから眺めてていいんじゃないか?」
「…それもそうですね」
 
結局閉店時間まで長門さんはずっと踊ってました。
 
日当ですか?
各自で着ていたカエルの着ぐるみでしたよ…
 
「あたしずっとこれが欲しかったのよ!部室に一着置いとくから着たいときに着ていいわ!」
 
でもまぁ、楽しかったので良しとしましょう。
 
「しっかし有希のダンスは凄かったわね!どこで覚えたのあんなの!」
「…秘密」
「あらそう…まぁいいわ!また今度見せてね!?」
「…コクン」
「で?明日はまた何かするのか?」
「ん―…明日はちょっとした用事があるから明後日ね!天体観測をするわよ!」
「ふぇ?星を見るんですか?」
「そういや天体観測なんて久しぶりだな…」
 
機関の方で望遠鏡などを持っている人がいたので、僕がいたので僕が道具を用意する事になり今日は解散になりました。
 
「なぁ古泉」
「どうしました?」
 
帰り道で彼が話しかけてくる。涼宮さんと長門さんは少し前を、朝比奈さんはついさっき別れたところだ。
 
「お前の所属している機関ってのはそんなに都合よく色んなものを所持したりしてるのか?」
「えぇ、でもほとんど偶然ですよ。強いて言うなら…」
「ハルヒがそう望んだからか?」
「ふふ、その通りです」
「やれやれ…俺達の知らないところでも不思議パワーを炸裂させているってのか…」
「それでもあなたに出会う前の時のようにマイナスの力を使っているわけではないですよ」
「…そうか…ってか俺と会うところの件は必要か?」
「ほらキョン!さっさとしないと置いていくわよ!」
「僕は事実を述べただけですがね」
「ぶん殴るぞ?」
「それは失礼しました」
 
そう言うと彼は涼宮さんと一緒に別の道へ歩いていきました。
 
「おいハルヒ、お前の家はこっちじゃないだろう?」
「いいの!こっちの道を歩いてみたいから!じゃあね、有希に古泉くん!」
「えぇ、ではまた明後日に」
「…また」
「お、おい古泉!うぉっ!首引っ張るなハルヒ!!」
 
…また物凄い勢いで連れて行かれましたね。
 
「では僕の家もこちらなので」
「…そう」
 
また明後日に、と同じセリフを長門さんに送って帰路につこうとする。
 
「…待ってほしい」
「どうかしましたか?」
 
いきなり長門さんに引き止められた。
 
「…明日もし予定が空いているのなら、ありったけの所持金を持って私の家まで着てほしい」
「…え?」
 
いきなりなにを言い出すんですか…ってかたかる気満々ですか。
 
「…罰ゲーム」
「…え?」
 
もう一回聞き直してみる。
 
「…あなたは金魚すくいにおける勝負で私に負けた。その時罰ゲームは後ほど決定すると言ったはず」
 
…あぁ…そう言えば。
 
「…確かにそうですね…罰ゲームなら仕方ないですか…」
 
まぁ明日の予定も無かったことだし。
 
「良いですよ。何時くらいに迎えに行けばよろしいでしょうか?」
「…10時?」
「質問に質問で返さないでください…僕ならいつでもいいですよ」
「…なら9時」
「ふふ、わかりました」
「…感謝する」
 
そう言って今度こそ家に向かう。
しかしなんでまた…というかもっとお金が必要ですかね…
またコンビニでお金をおろしますか…
 
家まで続く一本道を照らし続ける茜空。
夏は後少しで終わろうとしていた。
 
つづく

 


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