ある日俺は友人の国木田に相談を持ちかけた。
「あのさ、実はこないだ阪中をデートに誘ったんだよ。そしたら二人で行くより大勢で行く方が楽しいのね。だから私の友達を一人連れてくからそっちも国木田くんとか適当に呼ぶのね。って言われてさ。頼む、協力してくれ!」
「そういう訳なら仕方ないね。要はデートの手伝いをすればいいんでしょ?親友の頼みだ、協力するよ」
と言って国木田は快く協力してくれた。やっぱ持つべきものは親友だね。

デート当日、国木田と二人で女の子達を待つ。数分すると阪中とビー子を連れてやってきた。

これはかなりの問題だった。阪中の連れて来たビー子は学校でもトップクラスのブスなのだ。しかも性格まで悪いときてる指折りの不細工、付いたあだ名がB(不細工)子。通称ビー子。
俺はその瞬間に国木田に謝った。
「すまん!まさか阪中がビー子を連れて来るとは予想だにしなかった!しょうがない…今日は普通にみんなで楽しもうぜ?」
「でも阪中さんと二人切りになりたいんでしょ?だったらビー子は僕が引受けるよ」
国木田は嫌な顔ひとつせずに笑って言ってくれた。なんて良い奴なんだ。

俺達は電車に乗り祭会場へ向かった。祭会場に着くと当然ながらとても混んでいて俺達ははぐれてしまいそうだった。
最初は四人で歩いていたのだが阪中がどんどん先に行って見失ってしまった。気が付けば国木田もいない。当然俺はビー子と二人切りになってしまった訳で…ビー子の肉感溢れ過ぎてる着物姿が目に痛い訳で……最悪の事態である。
急いで阪中と国木田の携帯に電話をするが出ない、メールをしても返ってこない。そしてビー子は何故か嬉しそうだ。
「ハハ、はぐれちゃったな…」
「こんな人混みの中だから見つからないよ。とりあえず楽しもうよ」
そう言ってビー子は俺の腕をグイグイ引っ張った。

阪中とデートしにきたはずがビー子に連れらて俺は超憂鬱。実は後で知ることになるのだがその頃阪中と国木田はかなりイチャイチャしてたらしい。
結局最後の最後に合流してその日は終わった。俺は最悪の一日だと思った。しかしさらなる悲劇が俺を待ち受けていた。

翌日。俺が学校に行くと教室の角で多くのクラスメイトが集まって何やら話しかけていた。俺がうぃーす、と言うと皆はすぐさま散った。
いったいなんなのか疑問に思っているとクラスメイトのキョンが俺に
「お前やるな、ストライクゾーンが広いぜw」
そう言った。クラス中が大爆笑である。俺はなんなのかわからずに。
「意味がわかんねーっての、なんなんだよコラ」少しキレ気味で叫ぶ。
「お前ビー子とデートとかやることが違うぜ。マジ尊敬するよ。もう付き合ってるの?あんだけ引っ張っられてんなら尻に敷かれてんのは間違いなしだな」
そう言い放った。つまりキョンも昨日祭りに来ていて俺達のことを全て見られた訳だ。そしてそれを面白おかしくクラスメイトに言いふらした訳だ。
くそっ、日頃涼宮のことをからかってる仕返しか?それともただの嫌がらせか?どっちにしても嫌な奴だぜ。

「付き合ってるわけねぇだろ。ふざけんなっ」
「でもよ、ビー子今朝早くお前の机に何か入れてたのをハルヒが見たって言うからよ。てっきり付き合ってんのかと思った」
その言葉を聞き、俺は自分の机の中を見た。手紙が入ってる。内容はこんな感じだ。
『昨日は楽しかった。またどこかに遊びに行こうね。今度は二人きりで(はぁと)』
ちなみにギャル文字という奴で書かれていた。ウザイ…
いつの間にかクラス全員が俺の周りに集まり手紙に注目していた。
俺はさっきから傍観を決め込んでいる国木田を引っ張っりその場を逃げ出した。

人気のないところまで国木田を引っ張っり一部始終の説明を求めた。すると突然国木田は謝った。
「ごめん。実はビー子は君のことが好きで阪中はそのお膳立てをしていたんだ。だからメールが来たときも返事返さなかったんだ」
「お前親友の恋路に協力してくれるんじゃなかったのか?」
「いや、そのあの、実は本当に謝らなきゃならないのはここからで…」
「はぁ?うじうじしてねぇでさっさと言え」
「いや…実は昨日から阪中と付き合いはじめてさ…」

いやー、やられたね。とんでめない親切な良い奴だと信用していた国木田にしてやられた訳だ。しかも、
「いや、実はビー子ってメガネ外すと案外いけるかもよ?付き合ってみなよ谷口」
など根拠のない説得をしビー子の肩を持ちだす始末。なんて野郎だ。ちなみに自己紹介が俺の名前は谷口だ。途中から気付いてた人がいるかもしれないけど…
とにかくその後ヤケになっていた俺は一週間ビー子と付き合うことなったぜ。見事にファーストキスも奪われてしまった。ビー子相手に甘く切ない恋物語が成立するはずもなく。今でも思い出すと涙が出てくるよ。


そんな高2の夏の思い出…      完

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