その技の名はのその後の話です


「えぇと、このSSは作者が『ほのぼのなSOS団』をテーマにその場のノリと勢い、そしてその場の思いつきだけで淡々と描いたものです。
過度な期待はしないでください。
また、要所要所に中の人繋がりのネタや中の人繋がりのネタや中の人繋がり…
…この前書きもそうですけどみな○けばっかりじゃないですか。
まぁそういうのがちらほらあるかもしれないので、そういうのに対し不快感を覚えそうな方、または既に殺意が芽生えている方は、
パソコンならブラウザの戻る、携帯なら…ドコモしかわかりませんが左のボタンを押してページを閉じてください。」
「…最後に、SSを見る時は部屋を明るくして画面から3メートルとまではいかないけど、それなりに離れて見やがって下さい」
「長門さん…私の台詞とらないでくださいよ」
「…一度言ってみたかった」
「だけど私、こんなに長い台詞初めてでした。ちょっと嬉しいです」
「みくるはいいなぁ~…私なんて出番すらないにょろ…」
「あ、鶴屋さん。…でも鶴屋さんって前回2回くらい出てませんでしたっけ?」
「あれは私じゃないっさ…」
「にょろーん」


喜劇が繰り広げられた一方で悲劇も繰り広げられている。
例えばA国とB国で戦争が起こった場合、勝った国はハッピーエンドで終われるが、
負けた国は和解して仲良く暮らそうか的な流れにならない限り悲惨な終わり方をするわけだ。
…まぁ死んでしまった人達にとっては悲劇しか無いわけだが。
俺としては争わないと解決出来ない国なんか滅びてしまえと思うが、
もしそんなことをハルヒに話してしまったら、明日の今頃には世界地図が大幅に書き換えられてる可能性もあるので心の奥底に閉まっている。

話を戻そう。

俺はあの時ある選択に迫られていた。
俺にとっての悲劇を選ぶか喜劇を選ぶか。
しかしそれに気付くことはなかった。
そして俺は選んでいた。



悲劇を。

…まぁ悲劇とまではいかないが報われない話である。

暇な人は俺がどこで悲劇を選択したのか考えみてほしい。
タイトル?そこまで遡らなくてもいいんじゃないか?

先に言っておこう。





こんなモノローグをしといてすまないが、特にシリアスな話では無かった。


「SOS団でお泊まり会をしましょう!!」

部室へ向かう途中ハルヒはそう言った。

「お泊まり会って何歳の子供のセンスだよ」
「あら、気に入らないの?ならパジャマパーティーなんてどう?」
「…なんでもいいが、いきなり企画を立てるのは止めろ。
どうせ今日とか言い出すんだろ?」
「よくわかったわね」

大当たりですかそうですか。
まぁ明日は土曜で学校はないが…

「頼むから俺達の都合も考慮してから日取りを決めてくれ」
「キョンは何か用事でもあるっていうの?」
「……………」
「ならキョンはOKね!」

そう言うとハルヒはニッコリと笑った。
どうせ俺は暇人ですよ。

そんな会話をしている内に部室棟まで来た。

「そういやみくるちゃんと古泉くんは少し遅れるって言ってたわ、
なんでも二人とも購買の手伝いを頼まれたんだって」
「購買の?」
「えぇ、あそこ森さんがバイトしてるんだけど、ほらメイドさんの。
古泉くん知り合いだから頼まれたんだって」

や、何やってんだ森さん。

「古泉はいいとして…朝比奈さんは?」
「あそこ、コスプレ衣装も売ってるから見本として着せるみたい。
…ちょっと、どこ行く気?」
「いや、消しゴムが無くなった気がして」
「駄目よ、あんたはしばらく購買に行くの禁止。
どうせみくるちゃんのコスプレ目当てなんでしょ?」

…バレたか。
古泉が羨ましい。

「…まぁどうしてもって言うなら私の消しゴムを貸してあげなくもないけど…」
「ん?何か言ったか?」
「何でもない!気のせい!空耳!!」
「…そうか」
「そうよ!…まぁ今日はまだ有希しか来てないでしょうね」

そう言ってハルヒがドアノブに手をかける。
一応ノックを…まぁ朝比奈さんいないみたいだしいいか。

ガチャ

「ブーン==⊂( ^ω^)⊃」

……パタン

「……」
「……」

…今何かいたな。

「…ねぇキョン」
「…なんだ」
「一つ確認したいことがあるんだけどいい?」
「奇遇だな。俺もだ」
「部室には有希しかいないはずなのよね?」
「古泉と朝比奈さんがバイトの手伝いをしてるのならな。
俺も確認したいんだが…踊ってたよな…」
「…うん…い、いやきっと見間違いよ!」
「そ、そうだよな」
「そうよ!さ、入りましょ!!」

ガチャ

「………」
「………」
「………」

対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースが==⊂( ^ω^)⊃の体勢で固まっていた。

…あれ?デジャブ?

「な、長門だけk「別にハレ晴レユカイを三人で歌ったとき私だけここが歌えなかったのが悲しかったというわけではない」

「わ、私が二回歌っt「ましてや誰もいないのを良いことに振り付け付きで歌ってみたなんてことは絶対にない」

OKほとんど前回と同じノリ。
もちろん話は通じない。
ってかハルヒの一回は「ビューン」じゃないか?

「…そう」

そう言って長門は指定席に座って本を読み始めた。
俺とハルヒも詮索すると気まずくなりそうなのがわかっていたので忘れることにした。

…あれ?長門の目が潤んでる?
気にしない気にしない。

とりあえずハンカチだけ渡しといた。

「ブー!!!!!」

…無表情で鼻をかむな。

「それより二人ともまだかしら。
30分くらいですむって言ってたのに」

パソコンをいじりながらハルヒが呟く。

「結構忙しいんじゃないのか?」

ハンカチを洗いながら答える。
そういや放課後に入ってから一時間経つな。

「朝比奈みくると古泉一樹は二人きり?」

長門が顔を上げて聞いてきた。
自分から話に入ってくるなんて珍しいな。

「えぇ、森さんが風邪引いたみたいで二人で購買にいるのよ」

よくよく考えると本当に羨ましいな古泉のやつ。

「二人でおかしな事をしているの?」
「「!?」」

時が止まった。

「…ゆ、有希?何を…」

あ、動いた。

「喜緑江美里が言っていた。
男と女が一緒にいればそれはそれはおかしな事をするものだと。
しかし私の中にそのような該当事項が見当たらない。」

何吹き込んでんですか喜緑さん。

「そ、そうか…きっと楽しい事だと思うぞ」
「ちょっとキョン!!」
「大丈夫だ、言葉にモザイク入れたから」
「それはどういう風に楽しいこと?」
「ど、どうなんだハルヒ!」
「うるさい!エロキョン!!」

…キーボードで叩かれた。
物は大切に扱いなさいと親に教わらなかったのか?

「有希、いつか知ることだから今は気にしないでおきなさい」
「そう」

そう言って本に目を戻す。
こっちを睨むなハルヒ。

ガチャ

「遅れてすいませんでした」

古泉と朝比奈さんが入って来た。

「お疲れ様。どうだったの?」
「大変でしたよ。行列までできてました…」

それはきっとみんな朝比奈さん目当てだろう。
俺も行きたかったなぁ。

「それで、二人はおかしな事を「長門、その話はもうやめなさい」
「………」

そんな目でみないでくれ…
なんだこの罪悪感…

「とりあえず古泉くん座って!みくるちゃんも着替えなくていいわ!」
「ふぇ?じゃあお茶煎れますね」

うん、制服姿でお茶を煎れてくれる朝比奈さんもいいな。

「というわけで、今日明日にかけてSOS団のお泊まり会を実施するわよ!!」

だからいきなり話を始めるなと何度言えばわかるんだ。

「いちいちうるさいわね。
古泉くん、みくるちゃん、有希、何か予定でもある?」
「いえ、特にありませんね」
「お、お泊まり会ですかぁ…大丈夫ですよ」
「………」

長門は静かに首を振った。
予定は無いという意味だろう。

「決まりね!場所は…また有希の家でいいかしら?」
「コクン」
「よし!なら各自着替えを持っていつもの場所に集合ね!
有希は家でもてなしの準備をしてて!」
「…もてなし?」
「いや、ハルヒ、いきなりなんだしあんまり長門に無理強いするな」
「キョンは何もわかってないわね…本の些細な事でいいのよ。
みくるちゃん、古泉くん、もてなしとは何?」
「もてなしですかぁ?」
「そうですねぇ…」
「心憎い気配りよ!」

考える暇を与えてやれ。


「心憎い…気配り」
「そうよ有希!SOS団の団員なら私達をもてなして満足させてみなさい!!」
「…わかった」

…長門のもてなしか…ちょっと楽しみだな。

「お茶煎れましたよ」
「じゃあこれ飲んだら解散ね」

あぁ、朝比奈さんの煎れたお茶は今日も美味しいなぁ。

「では、僕は先に失礼します」
「…私も」
「じゃあ私も行くわ。
キョン、みくるちゃん、また後でね。あんまり遅いと罰金だから!」
「わかりましたぁ」

やれやれ、後片付けくらいしろってんだ。

「お椀洗うの手伝いますよ」
「ありがとうございます。
泊まりなんて久しぶりで楽しみです」
「俺もです。しかしハルヒは何が目的なんだか…」
「ふふっ、ただ楽しい日常を過ごしたいだけじゃないですか?」
「不思議大好きなあいつがそんなの望みますかね」
「それは涼宮さんになってみないとわからないです。
けど、特に深く考えなくてもいいんじゃないですか?」
「…それもそうですね」
「じゃあ行きましょうか」
「ええ」

そして冷静に考えれば朝比奈さんと二人きりという素晴らしい状況の中、まったりと帰路についた。

「わーたーしーもーいーくー!!」
「駄目だ。おとなしく家にいろ」

荷物をまとめながらお袋にこれからの一連の予定を話すと、
どうやって入ったのか知らんが食器棚から妹が飛び出してきた。
当然黙っているはずも無く俺の右腕にしがみついて数行上のセリフを吐いたわけだ。

マズい、これ以上遅れるとハルヒに怒られる。
…仕方ないか。

「わかった。部屋に行って荷物をまとめてこい」
「ホント!?わーい!シャミどこー!?有希ちゃんの家に行くよー!!」

そう言って階段をどたどた登っていった。
…さてと、

「…お袋」
「ん?」
「後は頼んだ!」
「はいはい。みんなにあんまり迷惑かけないのよ?」

さすがお袋。
わかってくれてる。
そして俺は二階にいる妹に気づかれぬよう、静かに家を出た。
許せ妹よ。
今度気が向いたら構ってやろうじゃないか。

待ち合わせ場所にはすでに古泉と朝比奈さんとハルヒがいた。

「遅い!!…まぁ今日は罰金は許してあげるわ。じゃあ行きましょう!」

罰金無しか…財布がピンチだったから助かる。

「あれって臭いわよね」
「臭いですよねぇ」
「えぇ、その通りかと」
「…そんなに臭いのか?」

そんな他愛も無い話をしながら長門の家を目指す。
…お、マンションが見えてきた。

「そういえば暗くなるのが早くなりましたねぇ」
「もう秋なのよね…そうだ!SOS団で大食い対決でもしましょうよ!食欲の秋にふさわし「ふさわしくねぇよ。却下だ」
「いいじゃないの!」
「どうせ経費は俺もちなんだろ?」
「…けち」

図星かよ。
頼むから俺の財布のキャパを買いかぶらないでくれ。
こないだのカレーパーティーでいくら吹っ飛んだと思ってんだ。

ピンポーン

「………」
「有希?みんな来たわよ!」
「…待ってて」

珍しいな。
いつもなら「入って」としか言わないのに…

ガチャ

「ゴメンゴメン、キョンが時間にルーズだから遅れちゃ……」

おいおい、俺がどんだけ急いで来たと思ってんだ。
そっちが早すぎるんじゃないのか?

って

「…ハルヒ?」

気がつくとハルヒと朝比奈さんが扉を開けたまま固まってる。

俺の後ろにいる古泉も何事かと気にしてるようだ。

恐る恐る扉の中を覗くと…

「………」

長門が立っていた…サンタクロースの姿で。
…今秋だぞ?

「…トリックオアト「何もかもが違うだろ」

どこの異文化だそれは。

長門は静かに首を傾げる…これは

「かわいいじゃないの有希!どこでそんな衣装手に入れたの!?」

そう、めちゃめちゃ可愛らしいのだ。
ハルヒは長門に抱きついて、その様子を朝比奈さんが微笑ましく見ている。
…古泉?顔が赤いぞ

「き、気のせいですよ!」
「…そうか」

…脳内の古泉一樹弱みフォルダに追加しておこう。

「ほら、キョンに古泉くん!ボーっとしてないで入りなさい」

中に入ると長門サンタが白い袋を持ってきた。

「…もてなし」

そう言って俺たちに小さめの箱を手渡した。

「これ私達にくれるの!?開けてもいい??」
「…いい」

貰ったものをその場で開けるはどうかと思うがな。
まぁ長門がいいって言ったんだからいいか。

箱を開けると

「……」
「……」
「……」
「……」

歪な形をした茶色い物体が入ってた。
…これは確か…

「…カレールー」

ですよねー
おそらく長門の自作したものだろう。
どんな味がするのか楽しみだ。
あれ?三人ともなんで気まずそうな顔してるんだ?

「や、ちょっと自己嫌悪」
「私もですぅ…」
「僕、ちょっと首吊ってきますね」

いやまて古泉!!
お前はこの手のひらサイズの歪な形をした茶色い物体を見て何を想像しt「黙れバカキョン!!!」

…俺何か悪いことしたか?
気がついたらハルヒのエルボーが顔面に突き刺さってたんだが。

「…ユニーク」
「ったく…それじゃ、夕飯の支度でもしましょう。」

そう言って立ち上がるハルヒを長門が制した。

「…今日は私があなた達をもてなす。だから料理も私が作る。」
「でも、おじゃましてるのは私達なんですし、夕飯のお手伝いくらいはさせてください」
「…そう」
「じゃあ始めましょうか。キョンと古泉くんは待ってなさい」

…長門はサンタの格好でやるのか?

「………」

…「それが何か?」みたいな顔されてもなぁ
まぁいいか。

「さて、夕飯が出来るまで何をしようか」
「トランプがありますのでポーカーでもしますか」

お、いいな。ちょうど財布の金が尽きそうだったんだ

「トランプゲームなら機関でも読心術の訓練で慣れていますからね。今日は負けませんよ」

…それってほぼそっちの世界のプロみたいなもんじゃないのか?
大丈夫か俺…

「さて、始めましょうか」
「いいだろう…勝って俺の財布を満たしてもらおうじゃないか!」

結論から言おう

「………………」
「…ふふふふふ」














俺の圧勝だった。
実際俺は大したことをしてはおらず、勝手に古泉がノーペアばっかりで自滅しただけだ。
まぁ万に一つ心を読めたとしても自分の手札が揃わないならしょうがないもんな。

古泉?
机に突っ伏していじけてるぞ。
たまに笑い出すし…怖いからやめてくれ。

古泉には悪いがこれでまた少し安定して生活できそうだ。
どうせ不思議探索の罰金で消えるんだろうが。

「…どうせ僕は機関の役立たずですよ…」

…なにも聞こえないなにも聞こえない。
ぶつぶつ呟いている古泉を見ていると長門サンタが台所から出てきた。

「…調理にはもう少し時間がかかる…だから男子は先に風呂に入ることを推奨する」
「お、そうか…古泉はしばらくそっとしといてやれ。じきに戻ると思うから」
「…そう」

しかしさっきから三人とも楽しそうに料理してるな。

「今日もまた長門特製カレーか?」
「…今日は違う。魚が安かったから別のものを作る」
「魚かぁ。どんな料理だ?」
「…それは秘密」

まぁ楽しみに待つとするか。

「有希ー、お酢はどこにあるの?」
「…今行く」

じゃあ俺も風呂には入るかな。

「風呂場は玄関の横の扉」
「おう、わかった」

服を脱いで風呂場の扉を開けると

「…凄いな」

六畳はあるのではないかという浴槽があった。

―情報操作で浴槽の大きさを変化させた。

「うぉ!?長門!?」

―私は今台所にいる。私の意思及び周りの音を暗号化してあなたに送っている。

本当だ。
耳を澄ますとハルヒと朝比奈さんの声も聞こえてくる。

「テレパシーみたいなもんか?」

―そう。

「もう本当に何でもありだな…ところで長門」

―何?

「…風呂のお湯が茶色いんだが」

―カレールーを入れた。

「いやいやいやいや」

―これももてなし。

「…もてなしと言えば何でも許されると思うなよ」

―嫌なの?

「好き好んでカレー風呂に浸かる奴がいたら盛大にけなしてやりたいよ」

―…酷い シクシク

「入ってんのかよ!?」

―あなたが入らないと言い張るのなら…
―あれ?長門さんキョン君のお皿の前で何を…って本当に何やってるんですかぁ!?

「待て待て変なことは止めろ!」

―あれ、有希?何入れようとしてんの?
―涼宮さん!長門さんを止めてくださぁい!!
―ちょっ!有希!やめなさい!作者はそれやって悶絶したのよ!?
―そうですよ!その組み合わせはやってはいけませぇん!!

「本当に何入れようとしてるんだよ!?」

―…あなたが入ってくれるならこの行為を止める。

「…どっちにしろ嫌なんだが」

まぁ長門とも入ってるみたいだし…得体の知れない料理よりこの風呂の方がマシか?

「わかった!入るから許してくれ!!」

―……早く

…ちくしょう

片足だけ入れてみる…うっわすっげぇチクチクする…
げ!今なんか踏んだ!!
…溶けきってないカレールーかよ…

また泣きたくなってきた…俺この作者のSSで何回泣きそうになってんだ?

「…ほら、全部入ったぞ…」

―……

「…長門?」

―…本当に入るとは思わなかった。

「長門ぉぉ!!騙したのかぁ!?」

―騙すも何も、私自身は入ったとは一言も言ってない。入っていたのは朝倉涼子。

「あいつこんなのに入っていたのか!?」

―…情報の伝達に齟齬が発生。「入っていた」ではなく「入れた」。

「無理矢理かよ…とりあえず出るぞ。…うわ…全身がヌルヌルする…」

―…彼女も同じことを言っていた。

「あいつが暴走したのもわかる気がするよ…それより俺の飯に変なことしてないよな?」



「長門さん?」

―あの…まぁ…その話はもう…無しにして。

「…入れたのか?」

―とりあえずあなたは一度体を洗う事を推奨する。…通信状態が悪いのであなたの心との接続を解除する。

「待て!逃げるな!!」

…とりあえず体洗うか…
ボディーソープは…無い?
あぁ、石鹸か。

「何で石鹸も茶色いんだろうな…」

精神がやられちゃってんのかな?
ってか全然泡立たねぇ。

―…間違えた。それはカレールー。

「…わざとだろ?」

―…気のせい。こっちを使って。

ボディーソープあるなら初めから置いてくれよ…

―もうすぐ食事の支度ができる。急いで。

「誰のせいでこんなに手間取ったと思っているんだ!」

全身全霊でカレー臭を落としてリビングにいくと、既にテーブルの上には食事の支度が出来ていた。

お、ちらし寿司か。

…だが…まぁ…予想はできてたよ?

プレゼントのカレールーのこともあったし。
風呂がカレー風呂にもなってたし。

だから予想はできてたんだよ。

長門がいつものように(´・ω・`)こんな顔してるのも。
古泉が訳も分からずに(´・ω・`)こんな顔してるのも。
ハルヒと朝比奈さんが申し訳なさそうに(´・ω・`)こんな顔してるのも。

…俺のちらし寿司だけ茶色い何かがかかっているのも…









「俺帰る(´・ω・`)」
「ち、ちょっと待ちなさい!キョン!」
「そうですよ!もしかしたら美味しいかもしれませんよ!?」

いくら朝比奈さんの意見とはいえこれは肯定できない。
何がかかっていたかって?
カレーだよ。
もう聞かなくていいだろ…

「案外食えるんじゃね?」

とか

「インパクト少ねぇよ」

とか

「ワンパターン」

とか思ったやつ。
今すぐ酢飯にカレーかけて生魚ぶち込んで食ってみろ。
間違いなくトイレ直行だ。

結局俺の分はお払い箱になってしまい、古泉に半分分けてもらって夕飯は終わった。

「…あれ?古泉くんは?」
「あいつなら風呂に行ったぞ」
「あ、そうなんだ」

どうやら俺があがったあと、風呂のお湯は宇宙パワーで元に戻したらしい。
特に疲れた表情もせず古泉が戻ってきた。

「いいお湯でしたよ長門さん。しかし広い湯船をお持ちなんですね。」
「情報操「それ以上は言うな」
「ん?キョン。何の話?」
「な、何でも無いですよ涼宮さん!それよりそんなに広いならみんなで入りませんかぁ?」
「お、それ良いわねみくるちゃん!」

朝比奈さんナイスフォローです。

「…うっかり」

…そうですか。

「さ、有希。行くわよ。」
「コクン」

そう頷いて長門サンタも風呂場へ行った。
やっと静かになったか。 「さて、三人を待っている間何をしましょうか?また、トランプなんかどうです?」
「断る。お前この上なくいじけるじゃねぇか」
「そうですか。いつかリベンジしたいものです」

しかしテレビもない部屋で野郎2人っきりってのもなぁ…

「よし。風呂覗くか」
「…あ、そういう流れですか」
「え?覗かないのか?」
「いや、そうは言って無いですけど…」
「だって同じ学校の女子三人が生まれたまんまの姿でいるんだぞ?」
「…人としてのモラルはどうなるんですか?」
「これで覗きに行かない男がいたらそいつはゲイかホモかマッガー「是非ともご一緒させていただきましょう」
「よし。それでこそ男だ」
「しかしバレたら殺されてしまうんじゃないですか?相手は涼宮さんに長門さんですよ?」
「朝比奈さんもキレたら怖いしなぁ…まぁ、大丈夫だろ。今日の俺に対する一連の不幸を思えば笑って許してくれるはずだ」
「…そういうものですかね」

不安がる古泉をよそ目に脱衣場の扉に手をかける…が

「…あれ?」
「どうかしましたか?」
「体が…動かない…」
「今更になって気後れしたんですか?」
「断じて違う!そう思うならお前が扉開けてみろ!!」
「…あれ…本当ですね…ってかこのままだと二人とも覗こうとしてたのがバレませんか?」
「…俺も今気づいた」

確かに男二人で脱衣場の前でコソコソしてたら覗きをしようとしてるか『禁則事項』をしようとしてるかだな。

「…禁則事項の中身が気になるんですが…」
「表記したら本スレにいられない気がするから黙ってろ…しかし、この状況…どうすりゃいいんだ?」

ふと、後ろに誰かの気配を感じた。

「…やっと帰ってこれた…あら、キョンくん久しぶり。そちらは…機関の人間かな?」

後ろを振り向けないから顔は見えないが…この声は…

「朝倉か!?」
「正解よ。私も何でいきなりこんなところに出たのかわからないんだけど…あ、長門さんから指示がでた…」
「朝倉涼子は消滅したはずじゃないんですか!?」
「知らん!全く状況が読み込めないぞ!」
「へぇ…なるほどね…二人とも、乙女の入浴を覗こうとしたんだ…」

げ!しっかり長門にバレてる!
あれ?金縛りがとけた?
ってか朝倉の服はなんでボロボロなんだよ!!

「髪もボサボサですね…」
「これから二人にはある所に来てもらうけど、その前に一回お仕置きしといてほしいみたいね」
「お、落ち着け朝倉!ってかフライパンは下手したら死ぬんじゃないのか!?」
「ちょっと落ち着いて話し合いましょう!」
「うん、それ無理☆」




ゴン!!!!!!ゴン!!!!!!








「ふぇ?今何か音がしませんでしたかぁ?」
「…覗きに来たバカ野郎二人に天罰が下った」
「ったくエロキョンが…後でお仕置きが必要なようね!」
「その必要は無い。既に別の所で罰が行われている」
「え?そうなの?」






場所は変わって長門家の隣…カレー研究所。
俺達は覗こうとした罪の償いのため、朝までここで働かなくちゃいけないらしい…
ちなみに朝倉はもう俺を襲う必要はないみたいだ。
あったらあったで困るが…

「じゃあ古泉くん。このカレー食べてみて」
「…古泉はさっきのカレーを食べた後いきなり倒れたんだが…」
「あれ?分量間違えたかな?」
「何をいれたんだ」
「それは秘密☆じゃあキョンくん、これ食べて」
「いや…その前に古泉を助けてやれよ…ってかなんでそのカレーそんなに泡立ってるんだ?」
「うーん…私、バックアップだからそういう能力あんまりないのよ…どうしてもっていうならやってみてもいいけど、下手したら植物人間になっちゃうかもよ?」
「それは困る…ほっときゃ治るのか?」
「うん。私の時もそうだったし」
「…体験済みかよ…まぁ大丈夫ならほっとくか」
「じゃあは次そこにある材料混ぜて」
「…ネズミの尻尾なんか何に使うんだ」
「気にしない気にしない。あ、さっきのカレー古泉くんの口に入れといて」
「悪ぃ、既に入れといた。…痙攣してるが大丈夫か?」
「うーん…これならK-32に移行可能ね」
「…本当に何の研究だよ…」
「このまま進めるわよ。これから言うカレールーを調合して古泉くんに食べさせてね。Nの箱のBとAの箱のCとE。それと…市販のこくまろカレーと……」
「…そんなにあるのか?」
「あ、キョンくんにも私が受けた実験のフルコースを予定しているから安心してね」
「え!?何で俺が!?」
「だって長門さんからの指示だから☆」

そう言い終わるや否や口に紫色のカレーを詰め込まれた……

俺の意識はここで途切れた。















16時間後、古泉はカレーまみれでマンションのエレベーターの中に放置されているところを保護されたという。

俺?気がついたらカレー風呂に突っ込まれてた。



「よい子のみんなは食べ物を粗末にしちゃいけないっさ!カレー風呂なんてもってのほかにょろ!!」
「ねぇねぇお姉さん。どうして涼子ちゃんの服はボロボロだったんだい?」
「それはまた別のお話しっさ!」
「にょろーん」

朝倉涼子迷走記」に続く。

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