「すまん古泉。」
「いえ、廊下から見てもすごい騒ぎになってるのが見えましたよ。」
翌日、涼宮さんはクラス中どころか学年中の生徒に囲まれていました。
僕のクラスの女子まで5組に突入してましたから。
涼宮さんもまんざらでない様子で語っていたとのことですから、いよいよ尋常ではありません。
今までの涼宮さんなら一喝して周りを帰すはずです。
「で、その他大勢として聞いてきた話なんだが、」
内容は昨日部室で聞いた話と大差がないとのこと。
「まあ、そんなに込み入った内容を公開するとは思わんが。」
「そうですね。一応機関では盗聴データがあるそうですが。」
「そんな胸糞悪いものはいらん! おい古泉、お前まさか、」
「僕も聞いていませんよ。そういうドロドロした話は僕の知らないところでやってもらいます。」
「ああ、それがいい。せめて俺たちは普通の高校生として生活していきたい。」
「すでに普通の高校生活から外れてますけどね。」
「まったくだ。」
こんな時でもメイドな朝比奈さんからお茶を頂きます。
「あたし達のクラスでも話題になってましたよ。」
「マジですか?」
「ええ。今日涼宮さんが部室に来ないと知って鶴屋さんはがっかりしてましたよ。」
学校全体での騒ぎに発展していますね。さすが涼宮さんといったところでしょうか。
さて、そろそろ……
「今日はバイトがあるのでそろそろ失礼します。いえ、神人が発生したわけじゃないですよ。」
「あの様子じゃ発生しないだろ。今のあいつは面白くて仕方ないはずだ。」
「そのようです。僕としては複雑な気分なんですが。今日は対策会議です。」
「何を対策するのかいまいち想像つかんが大変だな。」
「まったくです。僕としてはあなたが……失礼。では行きます。」
彼が何か言いたそうでしたが、そのまま失礼します。

今日は涼宮さんと人物Aを監視する業務です。嫌な仕事ですが、世界の安定のためには仕方ありません。
それに僕個人としても知っておきたい気持ちがありましたし。

結果として僕の気持はますます沈むこととなりました。
涼宮さんと人物Aは終始楽しそうな会話をしていました。
しかし喫茶店の会話だけで4日目、よくネタがもちますね。

それより驚いたのは彼と長門さんがまた一緒に駅前を買い物をしていたことです。
長門さんが何度か彼と手をつなごうとするたびに手を引っ込め、例によって彼は全く気付かず。
傍から見ると微笑ましい限りの光景なんですが、よく涼宮さんに見つかりませんでしたね。大胆すぎです。
まあ、今回このお二人はもう当てにできないことがわかりました。
特に長門さんがこんなになるとは予想外です。任務をほっておいて恋愛にうつつを抜かすとは。


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