私は猫である。
それ以上でもそれ以下でも無い。

私は面倒臭がり屋であり気分屋だ。

それ故、日常のほとんどを主人の部屋で惰眠を貪る事に費やす。
時たま、主人とその妹と共にのらりくらり散歩を楽しむ。
ごく稀に、1人で窓から抜け出すなんて行動を起こす事もある。

基本的に私は面倒臭がり屋であり気分屋だ。

ただごく稀にふらと外に1人で出掛ける事もあるが、それはまた何もしないという一興である。

今回はそんな一興のお話である。



太陽の光が焼ける様に熱くて暑い。

私は日差しから逃げるかの如く、家や木の影の上を歩き、行く。
最近の私の1人旅はそうゆう怠慢の中にある。主人達との散歩では味わえない快楽の1つだ。

だが、今日は少し場合が違う。

やがて私は開けた場所に出る。
ここはこの界隈の中でも一際栄えている場所、人間世界で言うところの「エキマエ」に当たる。
中々の人の多さに驚嘆する。祝日ということも遭いまって、この「エキマエ」でも人通りも多い時分なのであろう。

さて何故私がこんなところにやってきたのかだが・・・

いつもならばこんな混み合った所に来たくも無いのだが、今日は社会見学、
もとい主人の祝日の行動についていささかの興味が沸いたので、という理由でここまでついてきたのだ。

なにやら主人は急がないと我が身が滅ぶとでも言わんばかりに駆け足をしている。
(私の説明では疾走感が無かったのは致仕方の無い事だ、私にとってのこの速度は児戯に等しい。)

やがて、主人が走りこんだ先に私にも見覚えのある集団が現れた。

彼は走りこんだ先は察するに「ふぁみりーれすとらん」と思われる。
九時過ぎという半端な時間帯のせいで家族連れは少ないが恐らくそうではなかろうか?

その中の窓際の席で彼は、何故か激昂したその集団の統率者と思われる少女と対峙している。
主人はやれやれというスタンスで、彼女は今にも胸倉でも掴もうかという姿勢で。

さて、何で是程までに彼女が激昂していうのかだが・・・
浅はかな私の想像で言わせてもらうが、彼は約束の時間に遅刻してしまったのではないだろうか?

九時過ぎ、というのが肝だ。
普通人間が野外で集団で行動を起こすならば食事というのが1つのサイクルの基準となる。
まぁあくまで物陰から主人を眺める私の唯の推測に過ぎないのだが。

ともあれ彼女の怒りは若干落ち着きを持ったようで、どうやら場所を変えるらしい。
私は彼女達の後を追った。

(割愛)

ともあれ彼女達の祝日の行動は終焉を迎える。
話に聞いた「ブカツ」とやらの活動を抜きに遊んでいた様な印象も受けるが、
少女の方も、主人の方も、その他多勢の方も、楽しんでいた様なので良きかな良きかな。

もう私も帰るとしよう・・・

私は楽しんでいた彼女達を見ていただけで何故かは分からないが満たされた気分にさせてもらった。
主人と彼女が微笑む、ただそれだけで微笑ましい思いを抱いた。

ふっとその身を翻せ家路につこうとした、だがそこで私はふとちょっとした疑問が沸いた。
不思議に思ったのは彼女の存在である。

端から見れば単なる可愛い女子にしかすぎない。
だが1時期、私が主人と意志を共有しまった時の様に、この世界の法則を捻じ曲げる力があるとは思えない。

…しかしながら彼女が常人を超越した人間であるのは事実。
私はこころの中で思った。



                貴方はいつまでこの祝日を繰り返せば気が済むんだい?

                                                        終わる



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