本スレの保守目的で書いているシリーズなので、不定期。

 ちなみに、本スレへのUP日の誕生花で書いてますが、本によって誕生花は違うのでご注意を。

 

  ・ 6月6日  ジギタリス

 

  ・ 6月6日 ペンステモン

 

   ・ 6月7日 ストケシア&ホワイトレースフラワー 

 

   ・ 6月8日 サンダーソニア

 

  ・ 6月15日 野薔薇(ノバラ)

 

   

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  ・ 6月6日 ジギタリス

 

 「恋なんて精神病の一種なのよ。」
 誰の言葉だったけ・・・まったく無責任よね。
 最近では精神病にもいろいろと薬ができてるっていうのに、「恋」への薬なんて誰も開発しようとしてない。
 あたしは、自分が恋なんてしないと思ってた。
 それなのに・・・気づくといつもあいつのことを考えてたりする。
 わかんない。

 「涼宮さん、どうしたんですか?」
 あたしに心配そうに声をかけてくれたのは、どう見ても先輩にはみえないSOS団マスコットのみくるちゃん。
 「なんでもない、なんでもないのよ。」
 「そうですか?」
 「そうよ!」
 断言する。そうしないと、なにかにのみ込まれてしまいそうだったから。

 「涼宮ハルヒは現在、ジギタリス状態にある。」
 へっ?ジギタリスって何よ、有希?

 「ジギタリスですか~。それは大変ですね~、がんばってください。」
 みくるちゃんには通じてるし・・・

 なんかくやしいから、ネットで検索すると、「心臓病の薬にもなる猛毒の草」ってどういう意味よ!

 「ちなみに、あなたにとってのジギタリスはもうすぐ来る。」
 もう、なにがなんだかわからない。今日の有希は謎かけでも楽しんでるみたい。表情は変わってないけど。
「遅くなってすまん、岡部に呼び出されてな。」
 あいつは普段と変わらない声で部屋に入ってきた。
 でも、顔をみただけで、あたしの心臓はトクントクンと高鳴る。
 「長門、今日はやけにうれしそうだが、どうしたんだ?」
 キョンが最初に話しかけたのは有希・・・なんか、ちょっとくやしい。
 「・・・秘密」
 有希はそういうと、本を閉じる。まだ、終了には早いのにめずらしい。 
 「・・・ちょっと、コンピ研へいってくる。」
 そういって、有希は出て行く。
 「あっ、キョンくん、お茶切らしたので買いにいってきますね。」
 「朝比奈さん、それなら俺が・・・」 
 「いえ、キョンくんは来たばかりですから、少し休んでいてください。」
 みくるちゃんまで出ていっちゃった。

 キョンと二人きり・・・
 心臓はさっきから鼓動を早めている。ジギタリスを飲んだみたいに。

 「ハルヒ、さっきから様子が変だが、どうしたんだ?」
 「なんでもないわよ。」
 「そんなことはないな。ずっとお前の傍にいるんだぞ。俺の目を誤魔化せるとでも思っているのか?」
 そういって、キョンはあたしのおでこに手を・・・
 「少し熱があるんじゃないか?」
 ちがうわよ、あんたが触れるから、
 「無理せず、今日は早めに帰宅したらどうだ?」
 う~、このにぶキョン・・・
 「じゃあ、キョン。あたしを家まで送りなさい。」
 「んっ、言われなくてもそうするつもりだったが?」
 そうして、あたしはキョンと一緒に帰宅することになった。コンピ研に寄って有希に伝言を頼んでから。
 

 『SOS団は恋愛禁止』
 

 この規則いつまで守れるかなあ・・・ちょっと不安になったある日の出来事。
 

 

 「少しは進展しましたかねえ」
 「・・・微妙」
 あたしたちが帰った後、みくるちゃんと有希がこんな会話を交わしていることをあたしは知らない。

 ジギタリス(花言葉:熱愛) 

 

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 ・ 6月6日 ペンステモン

 

 『勇気』とはどんなものなのでしょう?

 機関の先輩に聞いたことがあります。戦場では、勇敢なら生き残れるわけじゃない、戦場では臆病なくらいでちょうどいいと・・・
 しかし、この件ではそうはいかないですよね?

 例えばです。
 ここで、勇気を出さなかったら、と考えて見ましょう。
 おそらく、僕の人生は大幅な修正を余儀なくされるでしょうね。
 それが、修正なのかどうかはわかりません。未来人の朝比奈さんならどちらかは『規定事項』ってことで片付けるかもしれませんね。
 しかし、『現在』を『過去』としてみることのできない僕にとっては、これから起こることが当然『未来』であり、不確定事項ってことになるのでしょう。
 正直、困ったものですが、『規定事項』を知らないというのも幸せなのかもしれません。

 そういえば、パンドラの箱の伝説では、最後に『出てきた』のは「希望」という風に伝わっていますが、実際は、「希望」もしくは「予兆」だけが『出てこなかった』のだという説もありますね。
 「希望」が出てきていたら、すべてが必然。
 人は未来がすべて『規定事項』となってしまい、将来への期待を失い、絶望してしまう。
 だから、パンドラの箱の最後の災厄である「予兆」だけは閉じ込められたままだと・・・

 さて、僕がこれからやろうとしていることは、パンドラの箱を開けてしまうことなんでしょうか?
 多分、誰にもわからないでしょうね。
 それでも、僕は、パンドラと同じように箱を開ける。
 誘惑に負けてという風に取られるのは心外ですね。苦悩の果てにいくばくかの勇気を持って開けようと思うのです。
 
 この扉の向こうにどういう結果が待っているのかわかりません。
 でも、僕はほんの少しの勇気を持って、この扉を開け、想いを伝えようと思います。

 僕の物語を読んでいる存在がいるのなら、僕のこのほんの少しの勇気が良い方向に道を開くよう願って頂ければ幸いですね。

 さて、紳士としては、ノックをするのが、マナーでしょうか。返事をしてくれるかわかりませんが・・・

 

 ペンステモン(花言葉:勇気)

 

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 ・ 6月7日 ストケシア&ホワイトレースフラワー

 

「お前らシャイ(死語)だからなあ、じゃあ、好きな女の子を花に例えたらってことでどうだ?」
 といきなり言い出したのは、通称アホの谷口である。

「花ねえ・・・」
 そんな質問にまじめに答える気か、国木田。
「花ですか?」
 げっ、古泉まで考え込んでいやがる。これはまずいな。
「僕の好きな人は、そうですね。ストケシアのような人ですよ。」
 最初に答えたのは古泉。

 ストケシアって、どんな花だよ。
「ストケシアは、花言葉で『清楚な娘』。たしか、暑さ、寒さに強く、病害虫の発生もほとんどないとても丈夫な花だよね。花は鮮やかな紫や青紫。」

 ほう、さすがに家が花屋をやっているだけあって詳しいな国木田。
「そうです。なんというか、彼女らしい花だと思いましたので・・・」
「おいおい、それは一体どんな女の子だ?」
 矛盾していると非難の声をあげる谷口だが、俺にはそれが誰のことかなんとなくわかった。

「うまくはぐらかされたかもね、谷口。」
「ちぇ・・・さすがは古泉だな。」

「えっと、ぼくはね。ありきたりだけど、ひまわりかな。」
 俺の頭にハルヒの顔が浮かんだのは秘密だ。
「花言葉で気に入っているのは、『憧れ・崇拝・光輝』。花をいつも太陽に向けようと努力してるけど、本当は彼女の存在自体が夏を象徴するひまわりみたいに、常に周囲を明るくしてるって感じ。」
 やっぱり、ハルヒなのか?
「おっと、キョンが勘違いしそうだよね。涼宮さんじゃないから安心してよ。」
「俺が何を勘違いするというんだ?」
「さあね。じゃ、次はキョンの番だよ。」

 ひまわりだと、ハルヒって認めることに・・・って違うハルヒじゃない。
 そうだ、えっと・・・
「俺の場合は、ホワイトレースフラワーだな。」
 なんだよ、お前らその意外そうな顔は・・・
「キョンもひまわりというかと思って」
「そうそう、涼宮はひまわりのイメージだしな」
 こいつら・・・
「じゃあ、ちょっとだけ説明してやる。ホワイトレースフラワーは和名が毒芹もどき。花言葉は『可憐な心』だな。見た目には毒のある毒芹に似ていて間違われることもあるけど、実際はブーケなどに使われる、割に身近にある花だな。」
「キョン、意外と詳しいんだね。」
 田舎で教えてもらったからな。毒芹と間違えないようにってな。
「一見毒があるように見えて、実際は可憐な心の持ち主ですか。実にあなたらしい表現ですね。」
 古泉なにがいいたい。へたなことをいったらお前の方の意味もばらすぞ。

「さて、最後は谷口だね。」
「ふっ、俺の場合は、春には春の花、秋には秋の花さ。花ならすべて美しく、俺的にはすべてOKだ。」

 ・・・・・・

「おい、なんで怒ってるんだ、お前ら。」
 それが谷口がその日しゃべった最後の言葉であった。3人からたこ殴りにされたのはいうまでもあるまい。

 ハルヒの提案で行われたSOS団員+準団員合宿でのある一夜のお話。

 

 ストケシア        (花言葉:清楚な娘)

 ホワイトレースフラワー(花言葉:可憐な心)

 

 

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 ・ 6月8日 サンダーソニア

 

「そういえば、キョンは今年もGWはお祖母さんとこへ行ってたのよね。SOS団を放置するなんて許しがたい行為だわ。」
 GWが開けた後、キョンくんがいないときに多分本人は何も意識せずに涼宮さんはつぶやきました。
「そう思うわよね、みくるちゃん。」
 そう、話を振られたけど、わたしは戸惑うことしかできないです。

 わたしの親族は、たしかにここの時代にいます。でも、わたしのことは知らない人たち…
 当然、話しが通じるわけもなく、詳しく話すことは『禁則事項』。
 それに関わる話題を、わたしをそのような状態においた張本人から振られたらどう答えたらいいのでしょう?しかも、本人には悪意なんてひとかけらもないとしたら。

 こういうとき、どんな顔をしたらいいのかな。

 

「……血のつながる人。親族の存在は大切。」

 突然、長門さんがいつもの感情のない言葉をつぶやきました。
 でも、そこになにかしらの寂しさを感じたのはわたしだけじゃないはずです。

 

「有希、もしかして気にさわったなら、ごめん……」

 涼宮さんも長門さんの中にある寂しさを感じ取ったのか、そう答えてました。 
 おそらく家族を事故で失ったというような想像をしたんだと思います。わたしたちSOS団はその親密な間柄の割にはお互いの家族を知りませんから。
 ちょっと違うかもしれませんね。知らないことになっているんです、特殊な関係ですから…考えてみたら不思議ですね。涼宮さんはわたしたちの家族に興味を抱いたことがないんですよね。

 

「……違う。一般論。」

 長門さんらしくない誤魔化し……でも、涼宮さんもそれを追究しようとはしませんでした。

 

「……今日、情報統合思念体に通信する。」

「僕もひさしぶりに両親に電話してみようかと。」

「わたしも定時連絡以外最近サボってました。」

 涼宮さんを監視する義務を負うわたしたちですけど、たまには寂しさを感じることもあるんですよ?
 そんな気持ちを昔の人は『望郷』っていったのかな。

 

 ある日の朝比奈みくるの日記より
      
 6月8日 誕生花 サンダーソニア(花言葉:望郷) 

 

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 ・6月15日 野薔薇(ノバラ)

 

 中学卒業までのあたしは告白は受けるものだと思っていた…そして、高校卒業間際になって初めての自分からした告白は見事に玉砕した。
 なんで…なんで…なんで…

 あいつはあたしのことを拒絶した。
「お前のことを恋愛対象としてみられない。」って何よ!
 あたしがあんたにふさわしくない女だとでもいうの?この涼宮ハルヒ様が?

 …馬鹿キョン…

 それでも時は昔の有希の表情みたいに無表情に流れていく…
 あたしもSOS団の解散宣言&イベントなどなど自分を意図的に忙しくして、この気持ちを紛らわそうとしていた。
 そういえば、ずっと古泉くんが疲れた様子だったけどなんでだろ?
 

 卒業式の後、なんとなくキョンを探していて、偶然見かけたのは、谷口が阪中さんに告白しているところだった。正確にいうと、谷口がふられているところ。
「阪中、今は俺の気持ちに答えてくれなくていい、だからせめて、メアドくらい教えてくれよ。」
「谷口くんのそういう未練がましいところが嫌われるのね。男らしくないのね。」

 阪中さんの言葉は、谷口にもショックを与えていたみたいだったけど、むしろあたしに向けられていた気がした。
 そういえば、あたしもキョンの拒絶に、「馬鹿・・・。」といったきりだったのを思い出したから。

 「あたし」らしくなかったかな?
 「あたし」らしいってなんだろ?

 今、ただなんとなくキョンを探している自分が未練がましい存在に思えてきた。もし、会ったとき、どういえば「涼宮ハルヒ」らしい別れの言葉になるのかなあ。
 そして、文芸部室…SOS団の活動拠点だった場所。キョンと有希とみくるちゃんと古泉くんと…みんなの思い出の詰まったこの場所にやっぱりキョンはいた。

「ハルヒか?お前も最後にここに来たわけだ。さっきまで長門も来てたぞ。」

「…そう。」

 一瞬言葉に詰まる。キョンが選んだのは有希なのかな?

「まるで、長門みたいだぞ、お前。」

「キョン…」

「なんだ、ハルヒ?」

 あたしは言おうと決めた言葉を口にする。心にもない言葉だけど…たぶん、それが一番あたしらしい。

「あたしはキョンのこと嫌いになったから、卒業したら絶対にあたしのことなんか忘れなさいよ!」

「……」

 一瞬、キョンは面食らったような表情。

「ぷっ、ははは……」

 そして、笑い出していた。

「ハルヒらしい別れの言葉だな。残念だが、俺はお前みたいなやつのことを忘れるのは無理だ。たしかに恋愛対象とみることは今はできないと言ったぞ。しかし、SOS団の団長との思い出を忘れることもできるわけないさ。」

「ふん、そうやっていつも団長に逆らうからずっとSOS団の平団員だったのよ。」

 そう答えて誤魔化したけど、あたしは『高校時代』の恋の最後のページを好きな人の笑顔で埋められたことにささやかな幸せを感じていた。

 

本スレ投下時に間違えてここまでで投下しちゃったんです。でも、あとちょっとだけ続くんじゃよ?下反転にしてみました。

 

「おい、ハルヒ。引越し荷物を整理してたら、古い日記が出てきたぞ。」

「えっ、えええっ!」

 あたしは大慌てで夫からその日記を取り上げた。

「見てないわよね?」

「あ、ああ…み、見たりしてないぞ、ハルヒ。」

 あの頃から変わらずうその下手な夫を睨みながら、あたしは顔を真っ赤にして戸惑うばかりだった。

 

 6月15日誕生花 ノバラ(野薔薇) 花言葉 痛手からの回復

 


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