**非常に甘い保守ネタです。**

 

☆0.ファーストXXXX

果てしなく続く空を見上げて共に笑いましょう。
手を繋ぐよりも近く抱き締め合うよりも遠い。
あなたはそんな存在でいて下さい。

ファーストキスはレモンの味って言うけど、どうだったかしら?
灰色の空の下で初めて交した唇は少しかさついていました。

 


(それが全てのはじまり)

 

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☆1.喫茶店

喫茶店を出た後にいつもの様に下らない口喧嘩。
それに終止符を打つのはいつもあんたで。

ほろ苦いコーヒーの薫りが唇に乗ってあたしまで運ばれる。
あたし、苦手なのよ。コーヒーって。なんか苦いじゃない。

でもあんたから貰うコーヒーの薫りは嫌いじゃないのよね。
何故かしら?

 


(これが恋するということ)


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☆2.指


「キョンくんの指って綺麗ですね」
オセロを指すキョンの指を見つめてみくるちゃんが言った。
まーあキョンったらデレデレしちゃって。朝比奈さんの指だって白くて可愛らしくて…だって。

あったりまえでしょ!?みくるちゃんはあたしが見つけてきたスーパー最強萌えキャラなんだから!

…まあキョンの指が綺麗なのは否定しないわね。
少し骨張ってて、薄くも厚くもない皮が何とも言えずにいいのよね。

何よ。何ニヤニヤしながらこっち見てるのよ。
何か面白い事でもあった?
顔が赤いのはちょっと上せちゃっただけなんだから!

 


(その指が唇をなぞる瞬間を思い出してしまったなんて、言えない)

 

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☆3.不毛な喧嘩

「なあ、ハルヒ」
「なによ」

いい加減こっちを向いてくれないか、と言おうとして、やめた。
そんな事を言ったって無駄だろう。
背中の紫色のオーラが目に見えるようだ。やれやれ。

「だからそれは俺が悪かったって」
素直にごめんと言えないのは俺のほんの少しの抵抗だと思ってくれ。いや本当に。
しかしこれ以上機嫌を損ねたら、明日古泉の顔を見るのが怖いな。あいつは今も赤い球になってせっせと働いているのだろうか。

仕方ない、か。
パイプ椅子に沈んでいた重い腰を持ち上げる。
そして、


「ちょっと、それずるくない?」

真っ赤にしたハルヒの顔を愛しく思うのさ。


(翌日、古泉に聞いたらバイトは入っていなかったらしい)

 


―――――――
☆4.ペットボトル

「飲む?」


と差し出されたミネラルウォーターのペットボトルの口を思わず見つめてしまう。
するとエロキョン、とハルヒに殴られた。
外から太陽がジリジリと俺達の肌を焦がす。
正直、喉は嫌って程乾いている。

しかし、その差し出されたペットボトルの口は先程までハルヒのそれとディープキスを交していたわけで、俺がこの水を飲むという行為は所謂、

「間接キス」

OK。そうだ。そういうことになるな。

「別にいいじゃない。いつも直でしてるんだし」

おい、ハルヒ。そういうことを大声で言うんじゃありません。
皆こっち見てるじゃねえか。
谷口、お前は後でシめる。

「だから、はい」


そんな5月の終わりの午後。

 


(間接キスも真っ赤な顔を背けられたら、いつもよりも緊張してしまう)

 

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☆5.自転車とあなた

「スピード!落ちてるわよ!」
「んなこと言ったってキツイんだよ!」

あたしを乗せたキョンの自転車は坂道をゆっくりゆっくり進んでいく。
口ではこう言ってるけど、これ位があたしに丁度いい。
だってその分この時間を長く楽しめるじゃない?
でも恥ずかしいから絶対言わない!絶対口には出さないの。

キョンの額に汗が光る。
ああ、今日も暑くなるわね。ご苦労様。
あたしはそのお礼に頬に一つキスを落として素直に言えない「ありがとう」を表現するの。


直後、あたしを乗せた自転車が盛大に転んだのは神様しか知らない。

 


(素直に言えないアイシテルも一緒に)


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☆6.軋むベッドの上で

ふと、目が覚めて携帯を手に取る。
午前1時。
もう、そんな時間なのか。
トイレにでも行こうと身体を起こそうとすると左腕に鈍い重みを感じた。
覚醒しきっていない頭をフル回転して思い出す。
ああ、そうか。今日はハルヒが泊まりに来ていたんだっけ。

ハルヒを起こさないように体勢をほんの少しだけ変えて、眠るハルヒの顔をまじまじと見つめる。
月明かりに照らされるそれは、まさに落書きしたくなるほど様になっていた。

流石に落書きをしてしまうと明日の朝が怖すぎるので止めておこう。朝からプロレス技をかけられるのは勘弁だ。
その代わり、起こさない程度にキスを落としてやる。
髪から耳、頬、そして首筋へと。


ハルヒが起きていたという事実を知るのは、また後日の話。

 


(これもある種の閉鎖空間)

 

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☆7. おはよう!

おはよう!

通い慣れた坂道であなたの背中を見つけて走り出す。
何故だろう。昨日は眠れなかったのに清々しい気分ね。
思いっきり背中を叩くと疲れた様に振り返る。
ちょっとその反応は無いんじゃない?

聞いて!昨日は悪夢を見たのよ。
あんたはいい夢見れたのかしら?

 

 

(いつぞやのファーストキスの相手は貴方だというのは内緒だけど)

 

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☆8.欲求不満ラプソディ

ハルヒは求め合うようなキスよりも鳥の雛のみたいに啄ばむようなキスが好きらしい。
あいつは案外少女趣味なのだろうか。部屋とか行ったら少女漫画とかがズラーッと置いてあったりしてな。
いや、無いか。

俺もどちらかと言えばそっちの方がシアワセって感じで好きなのだが、何て言うかな。うん。
そこは男のサガってやつで、でもそれをハルヒに言うとぶん殴られるから言わないけど。

正直欲求不満。
次は我慢出来そうにも無いけどいいっすか?

 


(その唇に常に恋してる)

 

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☆9.映画とポップコーン

たまには映画でも観に行くか、なんて柄にも無いこと言ってみたりして。
下心があるんじゃない?なんて眉根を寄せて睨むなよ。下心以外に何があるんだ。

何を観ようか。SFか?アクションか?それとも歴史スペクタクル?
恋愛ものとか久しぶりに観たいかもってそっぽを向いて窓の外を眺めるハルヒ。


下心があるのはお前じゃないのか?


(心のどこかで映画よりも素敵なキスを望んでる)

 

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☆10.宣誓

さあ、神に向かって誓いなさい!
あたしの手を一生振りほどかないって。
あたしの手を一生離さないって。

真剣な目と目で睨めっこ。
どちらが先に吹き出すのかしら?
絶対に負けない!あんたも案外負けず嫌いね。

でもそうね。笑う時は一緒がいいわ。
喧嘩は思いっきりしましょう。
けどあたしが泣いてる時はそっと頭を撫でて欲しいわね。

あんたのゆっくりと落ちる瞼に合わせてあたしの視界もブラックアウト。
唇が触れるまで後5センチ。

 

 

(宇宙最大の祝福の中であたしは不思議よりも大切なものを見つけた)


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