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しばらく互いに唖然としていたが、ふと思いついた。
「もしかして、異時間同位体か?」
しかし、もう一人の俺は未だに唖然とした様子で、
「…いじかんどういたい?なんだ…そりゃ。」
とだけ答えた。どうやら違うらしい。となると…、

だっだっだっだっだっだっだ

まずい。ドア開けっ放しだった。妹が上の様子がおかしいから
見に来たんだ。ええい、止むをえん!
「すまん。」
「ちょ、なっ…。」

ガラガラガラ

ガシャ

「キョン君。何か一人事言ってたみたいだったけど、どうしたの?」
「いや、大した事じゃない。明日の化学の小テストの暗記をしてたけだ。」
「ふ~ん。でもドアを開けっ放しでしないほうがいいと思うよ。」
「ああ、今度から気をつける。」
「勉強がんばってね。」

バタン

だっだっだっだっだっだっだ

「ふー。もういいぞ。」
俺は窓の外に放り出したやつにそう言った。
「いったい、何なんだ?」
「正直なところ俺にもよくはわからんが、それでも一応説明
したほうがいいか?」
「頼む。」
もう一人の俺はしかめっ面でそう答えた。俺ってこんな顔するんだな。
「わかったから、そんな面すんな。だだここじゃあ少し都合が悪い、
いったん外に出よう。お前が先に外に出てくれ。俺は窓から隣の
家の壁を伝って外に出る。」
「わかったよ。靴は俺がもって出ればいいんだな。」
「ああ、頼む。」

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「で、何処に行くんだ?」
「そうだな、とりあえず人のいないところだ。知り合いに見られるとまずいし。
光陽園駅前公園とかどうだ。この時間なら人いないだろ。」
「わかったよ。それじゃあまた後でな。」
俺はもう一人の俺を見送りつつ、自分もまた別のルートで
光陽園駅前公園を目指した。

やっと、自分のおかれた状況だけは理解できた。
どうやら俺は異世界に来たらしい。
今まで得た情報ともう一人の俺の様子から言ってほぼ間違いないだろう。
時空平面の改変では同じ人間は二人生じないからな。
道理でチャリが無い訳だ。もう一人の俺が乗って帰ってたんだからな。
後はこの状況の打開策だが、さてどうしたものか…。
もうひ…面倒だ、俺(異)に状況を説明しても信じてもらえんかもしれんし、
信じてくれても多分俺同様ごく普通な高校生であんまり役に立たん気がする。
でも一人で悩むよりはましだよな、多分。

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「よっ。待たせたな。」
「ああ。それより説明を早く頼む。お前は何もんだ?」
そう急かすな、お前はハルヒか。
「いいか、今から俺の言うことは信じられん事だが事実だ。」
「いいから早く言え!」
ちょっ、何かキャラが違うぞ俺(異)。
「俺は異世界人だ。」
「……」
俺(異)はまたもや唖然とした表情となった。
確かにハルヒの言うとうり間抜け面だな、悔しいが。
「マジか!?」
っ、いきなり大きな声な出すな。本当にあいつみたいだな俺(異)。
「マジだ。」
「へー。異世界人か。異世界の俺もやっぱ普通なんだな。」
うるさい。しかし、信じんの早っ。
「疑わないのか?」
「ああ。お前俺そっくりだし、制服も同じ北校のやつだ。こんな偶然早々無いだろ。」
それに、そのほうが面白そうだ。」
面白いって…。どうやら俺(異)はハルヒと同レベルらしい
「正直言ってさ。今のありふれた生活に退屈してたんだ、俺。」
まあ確かに、俺だってハルヒに出会なければ少なからありふれた日常に退屈を
感じていたかもしれんが…。まさか、こんな俺が異世界に存在していたとは。
俺を非日常に巻き込んでくれたハルヒに感謝すべきだな、こりゃ。
「聞かせてくれよ、お前はどんな人生を歩んできたのか。異世界に来れる
くらいだから、俺なんかよりよっぽど楽しい人生送ってるんだろ。」
俺(異)は昔話を親にせがむ子供みたいな顔で俺を見ている。
「わかった、わかった。話してやるから、そんな昔話を親にせがむ子供みたいな
顔で俺を見るな。」
「そんな顔になってたか。悪い悪い。」
やれやれ。
「人生と言っても、俺が非日常な体験をし始めたのは北校に入ってからのことで―」

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「―と言ったところだ。」
あんまりのんびりしている場合でもないのだが、俺(異)が余りにも興味深そうに
聞くもんでついつい調子に乗りつつ、ハルヒの例の自己紹介を皮切りに、
宇宙人、未来人、超能力者のことやSOS団の活動等など、俺が今まで
体験してきたことをほぼ全てをダイジェストで語っていた。
「まるでマンガやアニメの話みたいだな。」
かなり長い間話していたにもかかわらず俺(異)は最初の状態から変わることも無く
興味深そうに俺の話を聞いてからそう言った。
この集中力が普段からあれば俺もこいつも、もっと成績が上がるんだろうね。
「『事実は小説よりも奇なり』ってやつだ。」
「でも楽しそうだ。」
「誰かさんのおかげでね。」
「ところでお前はなんでこの世界に来たんだ?」
「さあな。俺もそれが知りたい。気付いたらこっちの世界に来てたんだ。」
俺は肩をすくめた。おっと、これは古泉の専売特許か。
「なるほどね。」
俺(異)は何か考えているようである。俺にわからんものを俺(異)に
わかるのだろうか。頭の出来は変わらんだろうが、経験の面では
俺のほうが圧倒的に上だが。
「お前がこっちに来た理由だが、ひとつ思い当たるところがある。」
「本当か。」
「ああ。かなりベタだがこんなのはどうだ。こっちの世界に困っている
人がいるとする。その人が助けを求めてお前をこっちの世界に呼んだ。
って案だ。RPGとかではお約束だが今の状況とお前の話をふまえると
まんざら外れでもなさそうだろ。」
確かにベタだが、ありえそうではある。第一向こうの世界に俺を
この世界に飛ばす必要のあるやつはいない。
ハルヒや長門は当然だし、天蓋領域や情報統合思念体の急進派にしても
雪山や朝倉のときのように自分たちで作った空間に俺を送ればいい。
この事からも俺はこっちに送られたんじゃなく招かれたと判断していいだろう。

俺が事件の核心に思いを馳せていると、さっきもモノローグしたが、
俺の携帯が着信音を発し,た。

 着信 涼宮ハルヒ

なんでこっちのハルヒが俺に電話を?
「もしもs…」
「東中のグランドに来て。いますぐ。」

プチッ

ツー ツー ツー ツー

おいおい、それだけか!
まあ、あいつらしいと言えばあいつらしいが…。
しかし俺とあいつは会ったことすらなく、あいつは俺がどこのやつか
知らないはずなんだがな。まあいいか。
「電話誰からだ?えらく短かったが。」
「ハルヒからだ。」
「さっき話してた、なんだかわからんスーパーパワーの持ち主の?」
「こっちのハルヒの力の有無はしらんが、そうだ。」
「で、用件は?」
「東中に来いだとよ。」
「行くのか?」
「ああ。今の仮説だと俺をこっちに呼んだのはハルヒである
可能性が高そうだからな。」
対抗馬で長門もいるが、こっちの世界に来てから一度も関わりを
持ってないし、あいつなら俺を自分の目の前に召喚しそうな気がするから
多分違うだろうし。
「そのほうがいいだろうな。俺もその涼宮がお前を呼んだやつの
可能性が高いと思う。お前をこっちに呼びそうなのはあと
長門ってやつもだが、そっちは自分の能力を制御できてそうだから
なんか違う気がする。」
「だよな。」
やはり俺(異)も同じ意見か。さすが同一人物。
「あっ、そうだ。」
「何だ?俺はさっさと東中に行かんといかん。」
「いや、携帯のアドレスとか交換しとこうと思ってな、
何かに役立つかもしれん。」
「はあ?俺とお前の携帯は同じやつなんじゃないか?」
「違うんだなこれが。ほれ。」
俺(異)が取り出した携帯は俺のとは違う会社の最新機種だった。
何かズルイな、おい!
「ついこないだ、妹に携帯を壊されて買い換えたんだ。
俺とお前の携帯が同じならさっき俺の携帯もなったはずだろ。」
確かに
「OK。さっさとやっちまおう。」

「赤外通信終了っと。」
「それじゃあ、何かあったら連絡する。」
「そうしてくれ。まあ、がんばれよ。」
「笑顔で言うな。何か腹が立つ。」
「悪い悪い。でもさ俺、今みたいな状態に一度いいからなって
みたかったからさ、こう言うのもなんだが嬉しかったんだよ。
勘弁してくれ。」
特殊な生立ちを持った主人公に横から適当に助言する脇役か…、
何か懐かしいいな。
「そうかい。」
俺はわざとらしく肩をすくめてから東中に向かうべく俺(異)に背を向けた。
「元の世界、返れるといいな。」
「ああ。」

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さてと、東中に到着だ。
「ちっ。やっぱり校門はしまってるな。」
まあいい、あいつみたいに校門をよじ登るか。どうせ誰も見てない。

「よっこらせっと。」

どさっ

「あいつはどこだ?」
「遅かったわね。」
げっ、いつの間にいやがった。たく、びっくりさせんな。
どうやらこっちのハルヒは髪を切っておらず、曜日ごとの
髪型変化もしていないようだ。今日は金曜なのにどこもくくってないからな。
「そうかい?これでも俺はお前の電話を受けてからすぐにここに向かったんだがな。」
多少嘘のような気もするが問題ないよな。
「あっそ。」
「で?いきなりお前に変な電話をよこした俺に何のようだ?」
「ねえ、あんた。宇宙人、いると思う?」
突然のうえ俺の話を聞いちゃいない。やれやれ。
「いるんじゃねーの。」
長門や喜緑さんついでに九曜を思い浮かべた。
「じゃあ、未来人は?」
朝比奈さんとあのいけ好かない野郎が頭をよぎる。
「超能力者なら?」
「配り歩くほどいるだろうよ。」
古泉以下機関の面々と朝比奈さん誘拐犯たちを思い出す。
「異世界人は?」
「案外目の前にいるかもな。」
俺はこっちでは異世界人だし、俺からすればこっちのやつ皆異世界人だ。
「ふーん。電話の時から思ってたけど、あんた変なやつね。」
お前だけには言われたくなかったね。
「で、話は戻るがお前は何で俺をここに呼んだんだ?」
いろんな意味でな。
「そんなの、あんたに会ってみたくなったからに決まってんじゃない。」
それは返答になってないだろ。
「そんじゃあ、何で会ってみようと思ったんだ?」
ハルヒは珍しく少し考えるそぶりをみせてから答えた。
「あんたが今の退屈な日常からあたしを助けてくれるかもしれないって、
そういう気がしたから…かな。」
この時のハルヒ(異)の表情はいつぞやの踏み切りの弁論大会の時のように
無表情だった。
こいつのこんな顔をまた見ることになるとはな…。
「そうか。」
それが俺をこの世界に読んだ理由なんだろう。
「それで?俺はお前を退屈な日常から助けてくれそうか?」
俺は何をいってんだろうね。まあ、元の世界に帰るにはハルヒを
助けてやらんといかんのだろうから別にいいか。
「わかんない。だけどあんたはあたしの質問にふざけるわけでもなく、
非難するわけでもなかった。その点で他のやつとはちがうわね。」
「そうかい。」
この様子から察するに多分ハルヒ(異)が俺をこっちに呼んだのは
間違いないだろう。しかし、ハルヒ(異)に俺は何をしてやればいいんだ?
「ねえ。あんたってひょっとして異世界人?」
「だとしたらどうする?」
「だから質問に質問で返すな!」
「悪い悪い。」
わかったから、そんなに怒るなって。
「そうだ。信じられんかもしれんが俺は実は異世界人なんだ。」
「本当!?」
うわっ。急に大声を出すな、目を輝かせるな。
「本当だが…、お前疑わないのか?」
なんせあっちの世界のハルヒは俺の言ったことを全く
信用しなかったからな。
「当たり前よ。だって、そっちのほうが断然面白いじゃないの!」
ハルヒ(異)は大輪の花を咲かすような―俺が始めて見たハルヒの
百ワットの―笑顔を浮かべていた。
やっぱそっちのほうが似合うな。
「何が似合うって?」
げっ。モノローグが声に出てた。
「な、なんでもない!」
「そう、まあいいわ。それより、話聞かせてよ。」
「話って?」
「もちろん異世界の話よ!」
そうだな、話してやるか。悪いなこっちの世界の長門、古泉、
多分いないと思うけど朝比奈さん。
「いいぜ。聞かせてやるよ。」
「早く話しなさい!」
こっちの世界の住人は皆せっかちなのかね。
「そう急かすな。まず俺が北校に入学したときの話しからいくか。
そのときにあっちの世界のお前が―」

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「―まあこんなところか。」
俺は俺(異)に話したように、ハルヒの例の自己紹介を皮切りに、
宇宙人、未来人、超能力者のことやSOS団の活動等など、俺が今まで
体験してきたことをほぼ全てをダイジェストでハルヒ(異)に語ってやった。
「SOS団か……。楽しそうね、すっごく。」
「おかげさまで。」

「あたしにも…」
しばらくして、口を開いたハルヒ(異)は何処かアンニュイな様子だった。
「少しの勇気があれば…、そっちの世界のあたしみたいに楽しそうな毎日
をおくれたのかな?」
「勇気?」
「また質問で返した。」
「あっ、すまん。」
「まあいいわ。あんた言ったわよね、あっちのあたしは4年前に七夕の日に
校庭に落書きをしたって。」
「ああ。」
「でもね、あたしはできなかった。」
「できなかった?しなかったじゃなくて?」
「うん。毎日がつまらないと思っても、いざ行動を起こそうとするときになると、
今の生活を壊すのが怖くて結局何もできなかった。退屈でうんざりしてたはずなのにね。」
まあ、誰でも今の生活を壊すのは怖いよな。きっとあいつもそうだったんだろう。
「なあ。本当に今の退屈な生活を変えたいか?」
「あたりまえでしょ!」
「そうか。ならお前の毎日を変えるきっかけ作りくらいは手伝ってやるよ。」
「きっかけ作りだけ!?けち臭いわね。」
たくっ、図々しいやつだな。だが…、それでこそハルヒか。
「そう言うな。俺はこっちの世界では単なるゲストなんだよ。
してやれることはせいぜいそれくらいだ。」
「ぶー。」

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「なにこれ?」
「見てのとうりゴムだ。髪止めるやつ。」
「それは見たらわかるわよ。」
「じゃあ聞くなよ。」
「うるさいわね。それよりゴムときっかけ作りに何の関係があるのよ。
要るものがあるとか言いながらコンビニでわざわざ買ってきたりして。」
「それはな…」
「ちょっ、何すんの!」
「わっ、暴れるな。別にやらしいことはしない。」
「本当でしょうね。」
「ああ。」

「よし。できたっと。」
「ポニー…!?」
「ああ。そうだ。」
「で?きっかけ作りは?」
ハルヒの表情が不機嫌モードにシフトしつつある。まあ、当たり前か。
「何かを変えるには、まず形から入ったほうがいいんだ。」
「どうだか。単なるあんたの趣味じゃないでしょうね。」
ギクッ、鋭い。まあ、一応それだけでもないだけどな。
「そんなことは…、無いぞ。それより形から入るついでに…」
「何よ。まだ何かあんの。」
「もっと笑ったほうがいいぞ。」
「なっ、な…何よ…それ。」
「こっちのハルヒが毎日に満足し始めたのは、あいつが笑い始めてからなんだ。」
「それって、毎日に満足してるから笑ってんじゃないの?」
「それもあるだろうな。でもな、笑うって事には人の精神状態を良くするってのは
医学的にも認められてるし、なにより笑ってるやつには人が集まる。」
「人が集まる?」
「そうだ。さっき話したが、長門や朝比奈さん古泉は最初はハルヒの監視のために
SOS団にいたわけだが、いつの間にか自分の組織よりSOS団に愛着を持っちまったわけだ。」
「その原因があたしの笑顔だと?」
「まあ、それだけじゃないだろうけどな。でも古泉はお前が笑顔ど安心すると
言ったし、他の皆も似た感じだ。」
「あんたも?」
「…まあな。」
「ふーん」
何だそのにやけ面は!別に俺だけがそうだとかいってないだろ!
「とりあえず、仲間は大事だ。たいした事じゃなくてもみんなでやると、
特別な気分になる。」
「………」
今度は物憂げな表情か切り替わり早いな。
「こっちのハルヒはきっとそう思ってる。」
「あたしにも、そんな特別な仲間作れるかな?」
「大丈夫だ。多分俺はそのためにお前に呼ばれたんだ。
それに、特別かはさておいて、お前同様今の日常に退屈
してるやつには心当たりがある。」
「本当?」
「ああ。あとでそいつを呼んでやる。」
「後でってなによ。」
「そいつが来る前に俺は帰らないといけないんだ。」
「何でよ。」
「俺はあくまでお客だからな。ここから先はお前が自分でやるべきだ。」
「そう…。色々ありがと。」
「色々ってほど何かをしたわけじゃないけどな。」
「そんなことない。あんたはあたしの質問にちゃんと答えてくれた。
なやみを聞いてくれた。それに異世界の話をしてくれたし、あたしと
同じく今の日常に退屈してるやつを紹介してくれるんでしょ?
十分すぎるくらいにあんたは色々してくれた。」
「そうかい」
「そうよ!」

----------------------------------------------------

「よし。メール送信っと。」
送先は勿論俺(異)だ。こいつ以外のこっちの世界の知り合いは
せいぜいハルヒ(異)くらいだからな。
「それで、どうすればあんたは元の世界に戻れるの?」
「多分お前が俺が元の世界に帰るように望めば戻れると思う。」
「わかった。やってみるわ。」

カッ

俺の目の前に光の渦が発生した。
「これに入れば元の世界に帰れると思うわ。」
「わかった。」
「向こうの世界のあたしによろしく言っといて。いつか会いに行くかもしれないから。」
「それは勘弁しろ。ハルヒが二人にたらますます手におえん。」
「冗談よ。第一向こうのあたしにはそういう話は厳禁なんでしょ。」
「ああ。ところでついさっき力を使わせておいてなんだが、あんまり力を使うなよ。」
「わかってるわよ。」
ハルヒ(異)は満面の笑みだった。
「じゃあな。」
俺は光の渦えと歩き出した。

ぶわっ

光の中は眩しいなやはり。
「ハルヒ…、がんばれよ。」
「言われなくてもそうするは!あんたも頑張んなさいよ!
これはあたしの感だけど、
あんた―」

----------------------------------------------------------------

どうやら元の世界に帰って来たようだ。さっきまでいたハルヒ(異)がいない。
しかし、あいつ別れ際に何てこと言いやがる。
何を言われたかって?絶対に言いたくないね。
そんなことより今何時だ?向こうの世界にいたときと時間が一緒だといいんだがな。

そんなことを考えていると俺の携帯の着信音がまた鳴り響いた。

「もしも…」
「あんた今どこにいんのよ!!」
ちょっ、声がでかい。
「どうしたんだいきなり。」
「はあ!?いきなりって何よ!何回も電話してんのあんたが電源切ってたか
圏外だっただけでしょ!」
「落ち着けって。」
俺はさっきまで異世界にいたんだから仕方が無いだろ。とは言えねえんだよな…、
ええい忌々しい。
「ふん!」
「で?どうしたんだ?」
「どうしたもこうしたも…、下校中におっきな雷が北校付近に落ちたから、
あんた運なさそうだし雷に打たれてないか確認しようと思って電話したら出ないし、
しばらくしてからあんたの家に電話しても帰ってないって言われて…」
「俺を心配してくれたのか?」
「ばっ…、何言ってんのよ。団長が団員を心配するのは当然でしょ。
ただそれだけなんだから。」
何を慌ててるんだろうね。
「心配かけて悪かったな。」
「わかればいいわよ…、わかれば。」
何故だろう。ついさっきまで異世界とはいえハルヒと話してたはずなのに、
電話越しに聞こえる声に俺は安心した。
「大体あんたは―」

ふと俺(異)とハルヒ(異)が頭によぎる。あいつらはこれからどうなるのだろう。
まあ、俺には知る由も無いことだが、…良いか悪いかはさておき、きっと今までとは
違う日常に出会っていくのだろう…。俺はそう思いたい。
頑張れよ俺(異)とハルヒ(異)。

「―ちょっと、聞いてんの!」
「ああちゃんと聞いてる。」
一応な。

異世界に行って―俺(異)やハルヒ(異)に会って―今この時がどれだけ
恵まれていたのかが少しわかった気がする。長門がいて朝比奈さんがいて
古泉がいて、鶴屋さんや谷口や国木田いて…、そしてハルヒがいる。この大切さが。
だけど…、『ひょっとすると俺は現状とは別のものも欲しいのかもしれない。』
そうも思った。それにあまり他のやつには言いたくないがハルヒ(異)のセリフもある。

「ハルヒ。」
「どうかした?キョン。」
「少し話があるんだが今から会えないか?」
「別に良いけど、何よ。電話じゃまずいことなの?」
「まずくは無いが、直接あって話したいんだ。」
「あっそう、わかったわ。でっ、あんた今どこにいるの?」

俺も一歩踏み出してみよう。あいつらみたいに。


Fin

 
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addition:parallel Haruhi's story

------------------------------------------------------------------------------------

「よし。メール送信っと。」
どうやらあたし同様に今の毎日に退屈してるやつに連絡してくれたみたい。
そいつもこいつみたいにあたしの力になってくれるといいな。
でも今はそれより他に考えることがあるわよね。
「それで、どうすればあんたは元の世界に戻れるの?」
「多分お前が俺が元の世界に帰るように望めば戻れると思う。」
こいつがそういうんならきっとそうなんだろう。
「わかった。やってみるわ。」

カッ

あたしのの目の前に光の渦が発生した。
あいつを疑ってたわけじゃないけどさすがに内心驚いた。
「これに入れば元の世界に帰れると思うわ。」
多分だけど。
「わかった。」
「向こうの世界のあたしによろしく言っといて。いつか会いに行くかもしれないから。」
「それは勘弁しろ。ハルヒが二人にたらますます手におえん。」
セリフとは裏腹にこいつの顔は笑顔だった。きっと冗談だって事がわかってるのだろう。
「冗談よ。第一向こうのあたしにはそういう話は厳禁なんでしょ。」
「ああ。ところでついさっき力を使わせておいてなんだが、あんまり力を使うなよ。」
本当ね。まあ仕方がないんだけどさ。
「わかってるわよ。」
あいつの「笑ってろ」のセリフを思い出しつつ、今あたしにできる
最高の笑顔で答えてやった。
「じゃあな。」
あいつはは光の渦えと歩き出した。

ぶわっ

「ハルヒ…、がんばれよ。」
少し聞きづらかったけどあいつは間違いなくこう言っていた。はず。
ありがとう。あたし頑張るよ。
「言われなくてもそうするわ!―」
あいつに心配かけないように元気全開で言ってやる。あっ、そうだ。
お礼ついでにあたしからもあいつにアドバイスしてやろっと。
やっぱり、してもらいっぱなしはあたしの性にあわないしね!
「―あんたも頑張んなさいよ!これはあたしの感だけど、あんた
向こうのあたしのこと好きなんでしょ!だったら、さっさと気持ちを
伝えたほうがいいわよ。高校生活は短いんだからね!」
あいつのギクッとした顔が光の隙間から一瞬だけ見えた。
バ~カ。わかり易すぎよ。

次の瞬間には光は無くなって、あたしだけになった。
そういえば、あいつの名前聞かなかったな。
「まっいいでしょ。」
なんとなく呟いてみた。
「何がいいんだ?」

へっ?

あたしは驚愕した。何故かって?
あたしに話しかけてきたその声は…。
「えらく、驚いてるみたいだな。」
「あんた…なんでここに?帰ったんじゃ。」
間違いなくついさっき帰っていったあいつのものだった。
「言いたいことはだいたいわかるが俺とお前は、初めましてだ。涼宮。」
振り返って見たけどやっぱりあいつだった。
「いったいどういうこと?」
「お前が会ったのは異世界の俺だ。」
そうか、あいつのこっちの世界バージョンがいるのは当たり前よね。
あたしのしたことが迂闊だったわ。
「なるほど、そーいうこと。でっ、何であんたがここにいるの?」
「お前が今考えてるとうりの理由だと思うぜ。」
「異世界のあんたに呼ばれたって事ね!」
「そういうことだ。俺は―だ。よろしくな。」
「よろしく!所であんたの名前どんな字?」
「何でそんなことを?」
「質問してるのはこっち!」
全く。世界が違ってもあいつはあいつなのね、やっぱり。
「悪い悪い。最初は―。」
「へー。なんかどことなく高貴そうな字ねあんたには似合わないわ。」
「ほっとけ。」
そう言いながらあいつは溜息をついた。初対面なのにちょっと言い過ぎたかしら。
「よし決めた!あたしは今からあんたのことをキョンって呼ばしてもらうわ!」
「涼宮何で俺の間抜けなあだ名知ってる。まさかあいつに聞いたのか?」
キョンはかなり驚いてるみたいだった。
「いや、聞いてないわ。さっきあんたの字聞いたときにふと思いついたよ。
でもまさかそれがあんたのニックネームだったとわね。」
思わずあたしは笑ってしまった。
「そんなに笑うなよ。」
キョンは少し不貞腐れた顔をしてた。
「ごめん、ごめん。謝るからそんな顔しないで。ねっ。」
「わっ…、わかったよ。」
声が上擦ってるけど、どうしたのかしら?
「あっ、そうそう。多分知ってると思うけど一応自己紹介しとくわっ!
あたし涼宮ハルヒ。これからよろしくキョン」
あたしはキョンに手を差し出した。
「ああ、よろしく。」
あいつはあたしの手を握った。
ふっふっふ。普通ならここで終わるけどあたしはそうは行かないわ!
「なっ。いきなり引っ張るな、歩きだすな。」
「ぐだぐだ言わない。自己紹介も終わったことだし早速探しに行くわよ!」
「さっ、探すって何を?」
「決まってるじゃない。宇宙人、未来人、超能力者、その他もろもろ。
とにかく不思議なものよ。」
「探すって…。涼宮は不思議な力があるんだろ?お前が望めば簡単に見つかるんじゃないのか?」
「そんなのつまんないわよ。いい?こういうものわね、自分たちが苦労して探して
見つけるからこそ価値があるの。簡単に見つかったら興ざめだわ。だからあたしが
望むのは『不思議なものが存在がこの世の何処かに存在すること』だけよ!
それにあんまり力を使うなってあいつに言われたしね。」
「そうかい。」
キョンはあきらめたようだ。物分りがよくてよろしい。
「そうよ!」

その後、あたし達は何処へともなく走り出した。
これまでの退屈な毎日を打ち砕くように強く、強く。

 true Fin

 

 

 

 

 

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