古泉「僕の名は古泉一樹と言います。もし良ければ、僕がこの街の事を色々教えて差し上げましょうか?」

 

 

俺の前で憎いほどハンサムな二ヤケ面がそう言った。

正直こういう男は余りいけすかないが、俺達はこの町に来たところでまだ何も知らない訳でだからな

 

 

キョン「そうだな。すまんが色々案内してくれるか?」

 

 

そう俺が言うとまるで予想しない答えが返ってきたかのように目を見開いたリアクションを取る古泉。

俺は何か可笑しな事を言ったか?

 

 

古泉「案内?はて、何のことでしょうか?」

 

キョン「いや、町の事を教えてくれるんだろ?とりあえず…」

 

 

言葉を全て喋り終える間も無く、キョン目の前に巨大な気功弾が襲いかかる。

紙一重でそれを交わしたキョンは戦闘の体勢を取る

 

 

キョン「ぐっ…」(これは…こいつ、気を練れるのか?)

 

ハルヒ「アンタ何すんのよ!」

 

 

目の前の男は苦笑交じりに答える

 

古泉「何…とおっしゃられましても……旅をする奴ってのは金を持ってるもんだろ?悪いが死んで貰うぜ?」

 

キョン「馬鹿な…気の使い手が町で戦うなど警察が黙っていない筈だが…」

 

古泉「警察?ハッ!そんなものはこの町に存在しない」

 

キョン「なんだと…?」

ハルヒ「だから町全体がこんなに荒れてる訳ね。治安が少しでも悪くなければ此処まで酷くはならないもの」

 

 

古泉「そういう事だ…さあ、さっさと死んで貰おうか」

 

 

左手にバレーボール程度の大きさの紅球を出した古泉は、それを上に放りあげると右手で勢いよくキョンに向って打ちこんだ

 

古泉『ふんもっふ!!!』

 

 

キョン「ぐっ!」

 

 

ハルヒは右、キョンは左にそれぞれ避け紅球を交わす。

 

 

ハルヒ「キョン行くわよ!」

キョン「ああ!」

 

 

キョン「そっちが気で来るなら…俺も気を練らして貰おう。はあああああああ・・・・」

 

青い光の粒がポツポツと出現し始める

その光を全て両手の中に収め、キョンは発出の構えを取る

 

 

古泉「ほう…気を練れるのか。どうやら雑魚ではないらしい」

 

 

ハルヒ「やあっ!!」

 

 

気をキョンに取られていた古泉は後ろから攻撃を繰り出してきたハルヒに対して一瞬反応が遅れる

 

ハルヒ『竜巻旋風脚!!』

 

回転の勢いで繰り出される飛び蹴りの連撃

古泉は全てを受けきり、反撃に転ずる 

 

ハルヒ「うそっ!?この技を受けきるなんて…」

 

古泉「この程度の技で俺に傷をつけられるとでも思ったか?」

 

 

今度は右手からバスケットボールほどの大きさがある紅球が現れる

 

 

古泉「死ね!セカンドレイ…」

 

 

キョン『波動拳!!!』

 

 

古泉「!!」

 

ハルヒに向けていた紅球を瞬時にキョンの放った波動にぶつける古泉

 

ドンッ!!!!

 

お互いの気はぶつかり合い破裂する

 

 

キョン「波動拳とあんな赤い球が同じ威力だと!?」

 

古泉「驚いたのはこっちですよ」

 

キョン「!」

 

 

ドン!!

 

 

後ろから現れた古泉の上段蹴りをキョンも上段蹴りで迎え撃つ

お互いの脚は衝撃の中央で静止する

 

キョン「せいっ!」

古泉「はぁっ!!」

 

二人は同時にとび蹴りを繰り出す

そのとび蹴りも同様にお互いの脚で静止する。

その刹那、キョンは体勢を低くし足払いに転ずる

しかし、それを読んでいた古泉は飛翔し、回転から中段蹴りを放つ

 

キョン「はっ!」

 

それを肘で防ぎ、古泉の脚に微少のダメージを与える事にキョンは成功した

 

 

 

古泉「ぐ…ふふふ…やりますね」

 

後ろにジャンプし体勢を立て直す古泉。

 

 

古泉(まさかあのレベルの気を練れるとは…そしてあの身のこなし、どうやら相当修練しているようだ…だが残念ながら俺の敵では無いな)

 

ハルヒ「あいつ結構やるわね・・・」

キョン「ああ、なかなか重い拳を放つ…だが勝てないような相手じゃない!」

ハルヒ「ええ!」

 

 

古泉「勝てないような相手じゃないだと…笑われてくれますね」

 

ハルヒ「アンタの攻撃は大体見切ったわ!気を使えるのは驚いたけどそれだけじゃないの」

 

古泉「虫ケラが…俺が本気でやっていたとでも思っているのか?」

 

 

ハルヒ「えっ…だって本気でやってたんじゃないの?」

 

古泉「本来『気』とは練ってそのまま放つものでは無い…それはあくまで凡人レベルの思考、拙い低次元の功だ」

 

キョン「面白い…俺は強い奴と巡り合う為に旅を続けている。高等技とやら、魅せれる物ならば魅せてみろ!!」

 

 

古泉「喜べ…本来お前達如きには使わない技だ…」

 

キィィィィィィィィィィン

 

そう古泉がつぶやいた瞬間、辺りから耳鳴りのような音が聞こえる

 

 

キョン(なんだ…この音は?)

ハルヒ(不気味な音ね)

 

???「その音を聞いちゃ駄目だ!!」

 

キョン(誰かの声…?一体誰の…?)

ハルヒ(あれ・・・目が霞んできた・・・)

 

 

 

古泉『紅極拳・縛纏術』

 

 

 

===ピシィッ===

 

 

キョン「…!」

 

ハルヒ「あ、あれ・・体が…」

 

キョン「…動かない」

 

 

古泉「これが真の『力』だ…理解したか?」

 

キョン「何故だ…何故ピクリとも体が動かないんだ…?」

 

 

古泉「気とはコントロールするものだ。自然の流れに調和させたり、分散させ相手の内部神経を少しずつ破壊させたり、応用による操作が数多に行える。凡人には気を集めてそのまま放つという方法でしか気を使う事が出来ないが、素晴らしい事だ。だが、俺はそれを更に数段階超えた…それだけの話だ」

 

 

キョン「なん…だと」

ハルヒ「そんなの勝てる訳ないじゃない…」

 

 

古泉「さあ…どう死にたい?」

 

キョン(拳を交えた時に何か超越した気質を感じたが…こうまで次元が違うのか…)

 

 

 

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最終更新:2008年05月12日 02:40