~『国木田流合気柔術道場』~

 

 

 

キョン「たのもー!」

 

 

道場の扉を叩きつけて開けて入ってきたのは一人の青年だった

 

 

門下生「何だ貴様!?」

 

 

その青年の体系は非常にガッシリとしていて、まさしくファイターと呼ぶにふさましい身体である

 

 

キョン「この道場に国木田という奴はいるか?」

 

 

その言葉と共に道場の中心、王座に座っていた男が立ちあがった

 

 

国木田「初めまして、僕が国木田だよ。この道場…国木田流合気柔術の師範代だ。君の名前は?」

 

キョン「俺の名前はキョン。貴方が有名な国木田さんか。俺と勝負してくれ!」

 

国木田「キョン…名前は良く聞くよ。確か強さを求めて世界を旅するストリートファイター…と聞いた事がある。僕も一度手合わせしてみたいと思ってた。勿論受けよう」

 

門下生「いけません師範!このような怪しい輩と立ち合うなど・・・」

 

 

その言葉が最後まで流れるまでも無く門下生に飛び蹴りが炸裂する。

 

 

門下生「ぐおっ」

 

ハルヒ「アンタ邪魔するんじゃないわよ。これは二人の問題でしょうが」

 

 

腕を組み門下生をこれでもかと言うくらい上から見下ろすその少女は淡々とした表情でそう発した

 

 

門下生「きさまっ!」

 

 

門下生の繰り出す上段突きを頭を下げて交わした少女はその状態から床に手を付き足を上に蹴り上げ、顔面にクリーンヒットさせる。

更に鼻をおさえ悶える門下生のみぞおちに正拳を三発叩き込んだ

 

 

ハルヒ「ばっかじゃないの。そんな身のこなしアタシに勝てる訳ないでしょ?」

 

キョン「おいおいハルヒ、やりすぎだぞ」

 

ハルヒ「アンタは早くやりなさいよ。こっちの弱いのは全部私が締め上げるから。どりゃあっ!」

 

 

そう言うと少女は他の門下生にも拳足を回して挑発する。

 

 

国木田「君達は道場破りにきたのかい?」

 

キョン「んな馬鹿な。俺は柔術の権化と名高い貴方と、正々堂々と立ち合いに来ただけだ。今あいつがやってる事は独断だ」

 

国木田「そう。彼女の名前はなんて言うのかな?」

 

 

苦笑交じりに国木田は問う

 

 

キョン「涼宮ハルヒ。俺と一緒に旅をしているんだ」

 

国木田「へぇ…彼女がそうなのか。とりあえず止めてくれないかな?ほら、余り道場壊されても困るし…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、キョンがハルヒを制し、国木田が門下生達の暴走を止め、双方和解しあった所で改めてキョンと国木田の立ち合いが始まった

 

 

キョン「俺は全力で行く…貴方も本気で来てくれ!」

 

国木田「勿論…全力で君の期待に答えよう」

 

 

周囲に緊張感が流れる

音が無くなり、空間が静止する

 

 

それは時計の針が8を刺した瞬間だった

 

 

キョン「せいやっ!!」

 

 

火花が散る程鋭い摺り足で国木田の制空圏に歩み寄ったキョンは勢いよく中段突きを放つ。

 

 

国木田「ぐうっ!」

 

 

とっさの十字受けにより直撃を免れる国木田。

しかし、足もとが少しよろける

 

 

そしてそのスキを狙うかのようにキョンの足払いが軸足を通り抜ける…が国木田は持ち前の姿勢を利用し、既に体制を立て直していた

足払いを目で追える余裕を持っている国木田はキョンの道着の裾を掴んだ

 

 

国木田『国木田流柔術・仙空大炎輪!!』

 

 

キョン「うおおおおおおっ!!」

 

 

国木田の技により頭から落とされかけたキョンだが、自分の肘を先に床へ激突させ脳天直撃を免れる。

自分の技の振動で刹那的に手を麻痺させた国木田の状態を即座に感じ取ったキョンはバネの要領を使い、起き上がりながら国木田の顔面を目掛けて拳を真上に、龍が閃空するように突き上げる

 

 

キョン『 昇・竜・拳 !!!』

 

 

その拳は顎に直撃し、国木田を遠い世界に連れ去った

 

 

 

 

「そこまでっ!勝負あり!!」

 

 

 

 

 

 

 

暫くして意識が戻った国木田は腰をゆっくりとあげる

 

国木田「ここは…道場の医務室……ん?これは手紙?」

 

ベッドの横にある机の上に一便の手紙が置いてあった

 

 

【ご無礼ながら先を急ぐので失礼させて頂く。立ち合って頂き感謝する。また何時か…闘おう。 キョン】

 

その手紙を読みながら国木田は自分の技を精錬すべく、他地の空気に当たる事を決意する

 

国木田「僕も旅に出るよ…そして道中で会った時は…その時は……また闘おうキョン!!」

 

 

 

 

 

 

涼宮ハルヒの

【 STREET

   FIGHTER 】

 

 

 

 

 

~『廃墟タウン』~

 

 

 

ハルヒ「ねえキョン。一つ聞いても良いかしら?」

 

キョン「なんだ?」

 

ハルヒ「ここ…どこよ?」

 

キョン「さあな」

 

ハルヒ「さあな…じゃないでしょ!?アタシ達は【キタコウ】っていう街を目指していたんでしょ?何よこの廃墟タウン!?」

 

キョン「…格闘家の感性が切り開いた街だ。だから何かある筈だ。もっと強くなる為のヒントが…」

 

ハルヒ「はいはい…あ、あそこに人がいるわ!」

 

キョン「ん?うむ…」

 

ハルヒとキョンは井戸で水を汲んでいる人らしきものを発見した

 

ハルヒ「あの…すみません」

 

「…」

 

ハルヒ「ねえ…」

 

キョン「おい、こっちを向…」

 

ガイコツ「…オオオオオ」

 

ハルヒ「…」

 

キョン「…」

 

 

『う…うわあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!』

 

 

 

 

~『街道』~

 

 

ハルヒ「はあっはあっ…し、死ぬとこだったじゃないの!このバカキョン!!」

 

キョン「ぜえっぜえっ…う、うるさい。格闘家にもたまには間違えがある」

 

ハルヒ「本当に信用できないわね。格闘家の感って」

 

 

そんなこんなで道を歩く二人

 

キョンは旅をしながら強さを求め続ける格闘家である。

【真の強さとは何なのか?】

そんな永縁の疑問の答えを求め、旅を続けている

 

昔、捨てられ子だったキョンを一人の格闘家が拾い、育てながら格闘技を教えた

キョンはその格闘家を『師』と呼び、技を磨いてきた

 

キョンが十五歳になった時、師の元に一人の男が訪れた

その男は師を殺し、去っていった

 

『もっと強くなれ。そして私を倒しに来い』

 

 

 

 

キョン「はっ!…はぁ・・・はぁ」

 

ハルヒ「ん~どうしたのよキョン…また悪い夢でも見たの?」

 

キョン「ああ…いつもと同じ夢だ…二年前のあの日の…な」

 

ハルヒ「ふ~ん・・・ねえ」

 

キョン「なんだ?」

 

ハルヒ「早く世界最強の格闘家になんなさいよ」

 

握り拳に親指を立て、エヘヘと笑うハルヒ

 

キョン「ああ…努力するさ」

 

 

~『キタコウシティ』~

 

 

ようやくキタコウに着いたアタシ達は唖然としていた。

何故かって?

だって街の至るところですごい格闘ブームなんだもの

 

 

キョン「すごい活気づいてるな」

 

活気ついてるなんてレベルじゃない

なんかこう…街全体が喧嘩しているみたい

 

 

「おや、貴方達はこの町に初めていらっしゃったのですか?」

 

キョン「誰だお前は?」

 

かなりハンサムな顔をした男が、アタシ達に向って話しかけてきた

 

 

 

 

 

第一章


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