恐ろしくだるく体があちこち痛い。そんないつもより不快でだるい眠りから覚めた俺が始めに見たのは…………ハルヒの顔のドアップだった………
 
 
 
「うおぉ!!」
 
起きた瞬間それは驚く。てか布団同じかよ、なんだこの状況は!?
よしまずはここから離れよう。そして何があったか思い出そう。
まず俺達はポッケ村に行く途中ティガレックスにあった。そして一応戦うが突進に当たって…それから…崖から落ちた。ならここは?
 
「やっと起きたか」
「誰だ?」
 
後ろからの声に振り向くとあきらかに不機嫌そうな顔をした男が立っていた。
 
「誰だだと?この家の主だ」
「そうか。お前が助けてくれたのか?」
「勘違いするな。屋根の上に死体を二つ転がすのが嫌だっただけだ」
 
なんとも合理的な考えだ。確かに俺だってそうなったらこいつと同じことをする。まあ俺の場合その前に心情的なものが来るがな。
そいつは俺達と同年代くらいで、いけ好かない顔だが助けてもらった手前、そんなことを考えるのは悪い気がする。
 
「俺達は何時間寝ていた?」
「時間?そうだな。時間に置き換えればざっと76時間と言うところだ」
 
何!?3日も寝ていたのか?その間ずっとハルヒの横?先に起きてよかったぜ。
 
「なんでこいつと同じ布団に寝かせた?」
「その方が面白そうだったからだ」
「なっ!?」
「冗談だ。この家に布団は一つしかない」
 
一回ぶん殴りたくなったが、男の答えにそんな考えも吹っ飛んだ。つまりこいつは三日間布団で寝られなかったということだからな。
 
「なぜ他の家に助けを求めなかったんだ?」
「僕は他人と馴れ合うのが嫌いだ。だからわざわざこんな場所に家を建てている」
「こんな場所?」
「外を見ればわかる」
 
小窓から外をみればそこは一面雪。そこに人の気配はない。ここは村から離れた一軒家か。いくら他人と馴れ合うのが嫌いでもこれはやりすぎだ。
まあそのおかげで俺達は助かったわけだが
 
「そいつが起きたら出ていってくれ。少し前に馬鹿へ手紙を送っていた」
「馬鹿?」
「ああ、女っ垂らしの糞馬鹿だ。少し可愛い女がいると教えたら飛んでくる」
 
なるほど、女っ垂らしの糞馬鹿か。なんか聞いたことある気がするのは気のせいか?
 
「うぃ~っす。藤原かわいい子がいるってのは本当…うわ~キョンかよ…」
「なんだ知り合いか。なら話しは早い。そいつが起きたら村に案内してやれ馬鹿の谷口」
 
うむ。やはり馬鹿の称号は持つ谷口の物か。てか久しぶりにあった友人にうわ~はひどいじゃねぇか。わかると思うがかわいい子ってのは俺じゃないぞ。
 
「キョンってことはかわいい子ってのは涼宮だろ。たしかに可愛いのは認めるが性格が完全にアウトだ」
 
うむ。やはり谷口のやつも理解していたか。しかし俺がいればハルヒがいるってのは変じゃないか?
 
「知らんな。嘘は書いていない」
「そうだな。たしかに性格は最悪だ」
 
まあこん~なことハルヒに聞かれたら何をされるか。ティガレックスより怖いな。
 
「ふ~ん私ってそんなに性格最悪なの?」
「そりゃあもうひどいってもんじゃないぜ」
「悪魔のような性格だ。いや悪魔の方がまだましだな」
 
あれ?俺達今すごいベタなことした気がする。谷口、顔が青いぞ。まさか
 
「あんた達そんなに死にたいの…いいわ…私自ら刑を執行してあげる。死刑をね!」
 
そこには極上の笑みを浮かべ完全復活したハルヒの姿があった。それは人を殺せる笑み…恐ろしい。
 
「逃げるぞ谷口!」
「お、おう」
「逃がすかぁ!」
 
こうして俺はハルヒの死刑から逃れるべく藤原の家を後にした。
 
「まったく礼くらい言っても罰はあたらんのに。しかし…男の方が先に起きたか…女の下敷きになっていたのにタフなやつだ。………いや…両方タフだな」
 
もちろんこんなことを藤原が言っていたとは露知らず、ティガレックス並のハルヒの突進をうまくかわしながら俺達は逃げ続けていた。
まあこの後すぐ捕まって恐ろしい目にあったのは言うまでもないことだろう。とにかく死ぬかと思った。
雪に埋もれた谷口と俺。やばいな。そろそろ本気で凍死する。
 
「あんた達いつまで遊んでんのよ?」
「なんだと!?」
「誰のせいでこんなことになったと思ってる!?」
「さぁ知らないわねぇ。そういえばここどこなの?」
 
なんてやつだ。雪から抜け出し、ハルヒに状況を説明ながら重々思った。こいつについて行ったらそのうち本気で死ぬんじゃないかと…。
 
「だから村にいたころから注意してやってたろ?涼宮に着いて行ったら命がいくつあっても足りないってな」
 
まあ確かにしていたな。しかし馬鹿の言うことを聞くのは癪だったし。何よりこいつを見捨てて野垂れ死にされたらそれはそれで気分が悪い。
取り敢えずなぜ谷口がここにいる?ついでに今どこに向かってる?
 
「それはだな。俺がポッケ村で武器屋をやってるからだ」
「へぇ~」
「ふぅん」
「なんだてめぇら!聞いといてその態度はおかしいだろ!」
 
だってそんなに興味なかったし。てかお前ハンターやってなかったのか。でかいこと行ってた気もするんだが
 
「けっ。金より命だ。あんなでかいの倒せるかってんだ」
 
なるほど一回行ってボコボコにされて悟ったってきたわけか。ハルヒも悟ってくれたら嬉しいんだがなぁ。
そんなこんなでポッケ村にたどり着いた俺達。さてまずはどこに行けばいいのだろう。
 
「そうだな~。集会場にでも行ったらどうだ?」
「そうね。馬鹿もたまには良いこというわね」
 
余計なことを言うなこの馬鹿。行ったら直行で狩りに出掛けなならんだろう。止めてほしい。断じて俺は行かんぞ
 
「ふっ。そういいながら行くのがキョンだ」
 
何を悟ったんだこいつは。気持ち悪い喋り方をするな。寒気がしたぞ。
 
「それじゃあ行くわよキョン」
「わかったよ」
「じゃあ俺は仕事があるからお前らで勝手に行ってくれ」
 
一応馬鹿に礼くらい言おうと思ったんだが、ハルヒに引っ張られて結局言えなかったぜ。そういえば藤原にも言ってなかったな。今度会ったら言うか。
 
「てかまず村長の所に行くのが基本じゃないか?」
「基本なんて知ったこっちゃないわ。後で適当にあいさつしとけばいいでしょ?」
 
そんなわけにもいかんような気もするんだが
まあ面倒なのは俺にもわかる。ハルヒだから仕方ないということにしよう。
というわけで集会場に着いた。なかなかに人が多い。
しかし…見たことあるようなやつがいっぱいいるのは気のせいなのだろうか…。
そんなこともあるんだろうと思いながらハルヒに着いて行く俺。まずは受付だな。
 
「あのぉ新人さんですかぁ?」
 
受付にはなんともかわいらしい天使のようなお方がいた。
 
「違うわ。ベテランよ。取り敢えず今行ける一番難しいクエストを見せて頂戴」
 
そんな天使に大嘘をつく悪魔ハルヒ。いかんな。何となくこの人だと簡単にだまされそうだ。頼みますよ嘘を見破ってください。
 
「あっ、そうなんですかぁ。すいません。今探してきますね」
「ちゃっちゃっとお願いね」
 
俺の願い虚しく、やはりというかなんというか彼女はせっせと難しいクエストを探していらっしゃる。
 
「以外と簡単に騙せたわね」
「死んでも知らんぞ俺は」
 
こいつは小声でなんて事いってきやがる。しかし騙してるということはハルヒでも自覚していたんだな。
 
「有りましたぁ。これが」
「ストップだよみくる~」
 
明らかにラージャン討伐のクエストを持ってきた彼女に隣からストップが入った。セーフだギリギリセーフ。
声がした方を見ると、目の前でオロオロしている可愛らしいお方と比べても遜色ない美人さんで、かなりのロングヘアー、そして笑顔を全開にしたお方が現れた。
おそらく彼女も受付だと思う。服装が統一されているからな。
 
「君達君達。嘘はいけないよ~。君達はまだまだこんな危ないクエストに行くレベルじゃないっさ」
「なんでそんなことがわかるのよ!」
「受付なめちゃいけないよ。これでも何百何千ってハンターを見てきたんだからさ」
 
この人が一体何歳か俺はかなり疑問に思った。口には出さない。出したらハルヒ並に恐ろしい結果になりそうだからな。
 
「えっえ~鶴屋さんこの人達新人さんなんですか~?」
「そうだよみくる。簡単に人の言うこと信じちゃだめだよ」
「ふ~ん。この嘘を見破ったのはあなたが初めてよ」
 
嘘を付け。前の村の村長にも見破られてただろう。それを無理矢理突破したのがお前だ。
 
「あれはあの村に住んでたんだからばれるのは当たり前でしょ」
「確かにそうだが、つまり今回始めてやって始めっから見破られたって事だろ?」
「細かいことは気にしないの」
 
まあ確かに見ただけでわかる、このお方がすごいのもわからんでもない。
 
「まあまあ言い争いはそのくらいにして、自己紹介しないかい?」
「そうね。貴方は鶴屋さんでしょ?あっちの子はみくるちゃん」
「あ、朝比奈みくるです。よろしくお願いします」
 
朝比奈さんと鶴屋さんか。聞いたことあるような気がするのは俺の気のせいか?
 
「私は涼宮ハルヒ、このマヌケ面はキョンよ」
「ふ~んへ~え、君達があの有名な新人特攻隊かい?いや~一度会ってみたかったのさ」
 
俺はマヌケ面のキョンかよ。有名な新人特攻隊って……たしかに特攻しまくったが
 
「それじゃあ君達に調度良いクエストを探してあげるっさ」
 
鶴屋さんはハルヒとしてはとても迷惑で俺としてはとてもありがたい申し出をしてきて下さった。いや~ありがたやありがたや
 
「コンガ討伐の依頼が来ているねぇ。それでいいかい?」
「ハルヒ。これが今の俺達に妥当な所だ。これでいいだろ?」
 
ハルヒのやつは俺の話しをまるで聞かず、クエストボードを凝視しながらうんうん唸っている。何を考えているんだいハルヒさん?
 
「仕方ないわね。それでいいわ。それに鶴屋さんの申し出を断るのは、なんか私のポリシーに反する気がするのよねぇ」
「そうっさそうっさハルにゃんいい心掛けだよ」
「それじゃあ私が気球班に話しを付けてきますね」
 
よしよし。ピンクの猿数体程度なら楽なもんだろう。それにしても依頼者の名前にどっか心あたりがある気がする。気のせいだよな?
 
ちなみに依頼内容は『密林で、ピンクの可愛らしい牙獣をみたのね。でもアレってコンガだと思うのね。私の犬が近づかない内に何とかしてほしいの。だって犬猿の仲だし』だった。
いや前半はわかるが後半おかしいだろ。たしかに犬猿の仲っていうのは有名だが
 
「あの~気球班の人OKらしいで~す」
「ねぇ。気になってたんだけど気球って何?」
 
今更だなハルヒ。まあ俺も気になっていたのは認める、しかし俺が気になっていたのは気球の方ではなく、気球班というものの方だ。
 
「そうっさねぇ。簡単にいえばハンター宅配便みたいな物っさ」
「ハンター宅配便?」
「ええっとハンターさん達は依頼を受けますよね?」
 
朝比奈さんが可愛らしく説明してくれるのはいいのだが、ハンター…まあ狩人ともいうが…は依頼を受けるからハンターであって、ああもういいや。
 
「そのハンターさん達を目的の場所に連れていくのが気球班の仕事なんです」
 
なるほどたしかに目的の場所に歩いていったんじゃあ日が暮れちまう。前の村にはなかった設備だな。
 
「ふ~んそうなの。わかったわ。確かに高いところにいれば大きい獲物も見つけやすいものね」
 
ハルヒもこれには納得したようだ、しかし考え方が少し違う気がするぞ。
 
「じゃあ行ってくるといいっさ。めがっさ楽しんでおいで」
 
鶴屋さんはさも楽しげに、朝比奈さんはエンジェルスマイルで俺達を見送ってくれた。何をどう楽しむのかよくわからなかった俺達だが、数分後にはすぐ鶴屋さんの言ったことを理解できた。
 
「高いわね~。絶景とはこういうことをいうんだわ」
「雪山も遠くからみれば綺麗なもんだな」
 
気球からの眺めはハルヒの言った通り絶景。高すぎて少し怖いが、ティガレックスに崖から落とされた時に比べれば蚊に刺されたようなもんだ。
怖さよりも絶景を眺める楽しみの方が強い
んっ?何をキョロキョロしてるんだハルヒ?
 
「大物探してるのよ。いたら速攻で降りてもらうんだから!」
「それはできないのですよ。依頼を完遂して貰わないとこちらとしても困りますぅ」
 
今の声は気球班だ。気球の定員は5人。必然的に狩りに行く人数は4人ということになる。確か4人というのにはもっと意味が合ったはずなんだが…覚えてねぇや。
 
「ちょっと私の紹介はどうしたんですか!?」
「勝手に思考を読むな。え~っとどなた様でしたっけ?」
「橘です。橘京子!」
 
へぇ~そうらしいですよ皆さん。覚えてやってください。俺は興味ないです。
 
「くぅ~ちなみに私の外見はとっても可愛い女の子で……」
 
あ~あ。ついにはわけわからん事まで言い出した。こいつはほっといて絶景を楽しむとしよう。俺の本能がそう叫ぶ。ハルヒは完全に無視してるしな
 
「え~間もなく目的につきま~す。お忘れ物しないように降りてくださ~い。帰りも此処にいます」
 
何となくお決まりの台詞を言っている橘はスルーしておこう。
さて密林か。虫とかいっぱいいるから森は嫌いなんだよなぁ。ちゃっちゃっと終わらせて帰るか。
 
「行くわよキョン!」
「おう!」
 
さて意気揚々と飛び出したはいいがピンクのアイツがなかなか見つからない。群れだから一匹見つければ、他のやつもすぐ近くにいるはずなんだがなぁ。
 
「たくめんどくさいわねぇ。キョン2手に別れる?」
「まあ待てハルヒ。4人で来たならまだしも俺達は2人。それに経験も浅いんだ。戦力を分散させるのは得策じゃあない」
「それもそうねぇ。仕方ないわ。もう少し探して見ましょう」
 
そうそう。それに歩いていればそのうち見つかるさ。依頼がきてるんだからな。
こうして俺達は少しの間歩き続けた。途中でかなりでかい虫、名前はたしかランゴスタにカンタロスだったか。とりあえず馬鹿でかい虫だ。
あんなのに刺されたら痛いどころじゃすまないな。倒そうか、とも思ったがハルヒいわく
 
「でかいだけの虫なんかに用はないわ」
 
だそうだ。まったくあいつらかなり邪魔なんだけどなぁ。
 
「ねぇキョン。なんか聞こえない?」
「虫がブーンブーン五月蝿いな」
「違うわよ。そうじゃなくてもっとこう大きな動物の………」
 
ハルヒに言われて耳を澄ます、なんだ?急に周りが騒がしくなってきた感じだ。ガサガサガサガサと……そうか。
 
「目当ての相手じゃない。めんどくさいのが来たようだぜハルヒ」
「ええ、そうみたいね」
 
ハルヒは大剣、俺は片剣を構える。群れる習性は同じだがコンガではなく……
 
「来たわね。青い鳥モドキ」
「馬鹿いうんじゃない。あいつらに翼なんてねぇ。それにあれが幸せを運んでくる訳無かろう」
 
このやり取りでわかる人もすごいと思うが、相手はランポスだ。しかも中央にでかいトサカのやつがいる。
しかしどういうことだ?コンガがいっぱいいるんじゃなかったのか?
 
「囲まれたわよキョン」
「何を今更。始めからあいつらはこの陣形だったさ」
左4、右3、後ろ3、前2にでかいが+1だ。まったく沢山ですぎじゃないか?
こんだけ集まると本当にギャアギャア五月蝿いな。
 
「キョン、でかいのは私に任せなさい。左側と後ろ任せたわ」
「おいおい俺の方が一匹多いぜ?」
 
俺達は背中合わせで武器を構え、相談しているところだ。その間にもジリジリランポス共は近寄ってくる。
 
「でかいのやるんだからいいでしょ?」
「仕方ないな。それでいい。そろそろ来るぞ」
「抜かるんじゃないわよ!」
 
ハルヒがそう言ったのを合図にでもしたのか、ランポス共は一斉に飛び掛かってきやがった。
もちろんそれくらいは予想していた俺達は斜めに飛んで逃げた。
ハルヒが右斜め上、俺が左斜め下だ。7匹相手にするのは骨だがやるしかないな。
その辺にあった石ころを投げまくりうまいこと7匹をこちらに向かせた。
やつらはジリジリ近寄るのが好きらしい、そんなことしている間に1番近い1匹を切り倒す。
 
伊達にハルヒに連れていかれて無茶ばかりやって来たわけじゃない。飛竜の威圧感に比べればこんなやつら何の恐怖も感じない。
とはいえ数が多い。相手をよく見て1匹になった所を攻める。
簡単に言ってるが、1匹なるまで避けたり、防いだりで大変なんだぜ?いつの間にか残りの5匹に囲まれちまってるしな。
 
「ハルヒーーそっちはどうだ!」
「いまんとこ楽勝よ。あとでかいの合わせて3匹!」
 
さすがに早いな。ならこっちも急いでいくか。1匹1匹確実に、潰していけば………
 
 
 
 
「キョン!ごめん、そっちに1匹行っちゃったわ!」
「なんだと!?やっと2匹までに減らしたんだぞ?」
「でかいのが邪魔なのよ。小さいのが1匹、2匹増えたところでかわらないわ!やっちゃいなさい」
 
まったく簡単にいいやがって…まあいいだろう…やってやろうじゃないか
意気込んではいるが作戦はさっきとかわらない。1匹になったやつを切り刻むだけだ。まあ実際は急所に一撃いれてるだけだが
 
「ラストだ!」
 
そんなことなでラスト1匹。ハルヒの逃がしたやつだろう。そいつに重いっきり片剣を振り下ろした。
勢いよく振った片剣はランポスに当たり………………ガキン…っと嫌な音がした。
 
「ちっ切れ味か。血糊がつきすぎだ!」
「ああもう、やっぱりキョンは詰めが甘いわね!」
 
俺が止めを刺し損ねたランポスはハルヒの大剣によって真っ二つになった。何を言うか。お前が逃がした1匹だろう。
 
「馬鹿言ってんじゃないわよ。ボスだけあってあのでかいかなり強かったんだから」
 
そう言ったハルヒの後ろにはでかいランポスの死体が転がっていた。確か名前はドスランポスだったかな。
 
「沢山いて面倒だったわね」
「確かにな。ランポスごときと侮っていたが、沢山出ると面倒だ。ボスもいたしな」
 
さっきの場所から少し離れたところでハルヒは大剣を地面に突き刺し、それを背もたれにして休憩している。俺は俺で近くにあった石に腰掛けているわけだ。
 
「でもおかしいわね。なんでランポスがいるわけ?コンガじゃなかったの?」
「さぁな。とりあえずコンガを探してみたらどうだ?」
「そうね。依頼果たさなきゃ鶴屋さんに悪いものね」
 
それに金も貰えんしな。片剣を研いだら探しに行こう。
 
「ねぇキョン。私達の依頼内容ってコンガ狩りよね?」
「ああそうだが、どうした?」
 
嫌な予感がする。なぜって?ハルヒが目を輝かせてある一点を見ているからさ。そこに何がある?
 
「でもその群れのボスを倒しちゃいけないわけじゃないわよね?」
 
ハルヒの言葉と視線の先。これだけで今から何が起きるのか、嫌でもわかってしまう。
つまりだ。目の前にババコンガが現れちゃったわけなんだよ。でかいな畜生。もうちょい休憩させてくれよ。
そんな俺の願いなど踏み倒し、ババコンガはこちらに突進してくるのだった。
たまには俺の願いを叶えてくれ。馬鹿神様。
それともあんたはハルヒ贔屓なのか?冗談きついぜ。まったく
 
「やれやれだ」
 
続く
 


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