○俺とENOZのZとのラブソング 
    エピローグ『Afterwards』
 
 
その後の事を少しだけ話そう
 
教室に戻った俺は谷口に冷やかされると思っていたが
谷口は泣きながら俺に抱きついてきた、何でもこういうのに弱いんだそうだ
ええい、俺にはそんな趣味はないぞ
 
 
それから俺はハルヒと舞さんを呼んで自分の心に正直な気持ちでこう二人に伝えた
今の俺にはどちらかを選ぶことは無理だ
二人と色々話してみてそれからどちらかを選びたいと思う
俺のわがままなのでそれまで待ってくれとは言わない
と伝えたらハルヒと舞さんは半年後の文化祭での再戦を誓っていた
俺のことよりもライブ対決の方がメインになっているような気もするが…
ハルヒからは半年待ってやるからそこでどっちか決めなさいだと
 
 
その晩に舞さんからのメールが届いた
『半年間はライブ活動と受験勉強にに力を注ぎます、時々メールを送るので返信くださいね…後、また演奏を聴いてください』
俺は『はい、よろこんで』と返信した
結局、舞って呼べなかったなと思いながら
 
 
それから何日か過ぎて授業も通常通りに戻ったある日
四限目終了後、昼飯を早々に食べ終えて俺は屋上へと向かった
屋上に到着した俺は寝そべりながら、この足早な一ヶ月間を思い返した
俺が思い出に浸っていると黄色カチューシャの女子生徒が近づいてきた
ハルヒ「ここにいたんだ」
キョン「何か用か」
ハルヒ「天気がいいんで散歩してたのよ」
キョン「そうかい」
ハルヒは俺の脇に座った
ハルヒ「あたしが半年待ってあげるんだから、次はちゃんと決めなさいよ」
俺は静かに頷いた
キョン「この前のライブ対決の曲だがちゃんとENOZに使用許可はとったのか?」
ハルヒ「とったわよ、一から曲作ってる時間がなかったからENOZにお願いして去年の文化祭で歌った曲を歌わせてくださいってね、まさか曲が被ってたなんて夢にも思わなかったけど」
キョン「そういや、なんでバニー姿だったんだ?」
ハルヒ「肩を痛めてたでしょ、包帯とサポーターでぐるぐる巻きだから制服だと演奏の時に邪魔で邪魔で」
キョン「それでバニーにしたのか」
ハルヒ「うん、ちょっとでも悔いを残したくなかったから」
呆れたやつだと思いながらもうれしかった
キョン「肩の具合はどうだ?」
ハルヒ「もう、だいぶ良くなったわ」
キョン「そっか、無理すんなよ」
ハルヒ「うん」
それからしばらく無言で春の日差しを浴びていた俺にハルヒが話しかけた
ハルヒ「…舞さんと付き合っていた時にキスした?」
俺は声を上げて起き上がった
ハルヒ「したの?教えなさいよ」
せわしく聞いてくるハルヒに負けて、顔を真っ赤にして頷いた
ハルヒ「…あのライブ対決の結果って両方勝ちってことでしょう、それならあたしともキスする権利はあるわよね」
こいつは何を言っているのかと思いながらも俺は今とてつもなく緊張している
ハルヒ「…ねぇ、目を閉じて」
俺は目を閉じて、この後の起こることを静かに待った
心臓はバクバクと音を鳴らしている
だが、待てど暮らせど次のアクションが起こらない
俺は目を開けて確認すると目の前には笑いを必死に堪えているハルヒがいた
目を開けた俺を見ると声を出して大笑いした
ハルヒ「もう駄目、なんて顔してんのよ」
俺はどうやら騙されたらしい
ハルヒはしばらく大笑いをしてから立ち上がり
ハルヒ「そんなことよりもやることはたくさんあるのよ」
キョン「何をだ」
ハルヒ「バンドの練習よ、ボーカルとギターの両立はきついからギターは有希に戻して、あんたベースを弾きなさいよ」
キョン「俺がベースか?」
ハルヒ「ええ、文化祭はあんたもSOS団として参加しなさいよ」
キョン「はいはい」
ハルヒ「じゃ今から練習場所を押えないと、文化祭は映画の第二弾も作るから忙しいわよ」
ハルヒは俺の手を掴んで走り始めた
 
 
走り始めた俺は半年後のことを考えていた
この手が別の男の手を掴んでいるのかそれとも俺がハルヒを受け止めて抱きしめているのかと
  
 
---FIN---
 


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