キョンだ。この上なく憂鬱なキョンだ。ああもうさっさとはじめるぞ。ていうかみんなもう何があったか大体予想できてるだろ?
何?それでも話をしろだって?あ~もうわかったよ。
お前らよっほど俺を死なせたいらしいな。仕方ないお前らにわかるように昨日の昼辺りから話をはじめよう。
 
 
 
 
その日のハルヒは何だか様子がへんだった。なぜ朝から不機嫌オーラビンビンなんだいハルヒさん?
まあそのせいで俺の背中は昼休みになる頃にはかなりのダメージを受けていたわけだ。
 
「なぁ。ハルヒ。いい加減シャーペンで刺すのは止めろ。なんで俺の背中を刺しまくるんだ!」
「べ、別に……今日は…そういう」
「気分で人を刺すな。そんなこといってたらその内犯罪者になっちまうぜ?」
 
俺の背中をもう少し労りやがれってんだよ。んっ?いつもならこんなこと言えば反論の嵐だろうに、反論がないのはなぜだ?
 
「…なによ……………私はそこまで馬鹿な人間じゃないわ。それよりキョンみくるちゃんのことどう思ってるの?」
 
はぁ?やっと反論したと思えば唐突に何だ?朝比奈さんのこと?そうだなぁ。あの人は年上でありながら守ってあげたいって思うお人柄だし。
 
可愛いらしいというか愛らしいというか、とにかくそういう方だな。ってか何だこの質問?
 
「ふ~ん。じゃあ有希は?」
 
次は長門かよ。まあ長門は博識だし、いざという時たよりになる。あんまり喋らんがそれも慣れればそれほど気にならん。
容姿も平均よりかなり上だろうな。
 
「なかなかいうわね。じゃあ鶴屋さんは?」
「おいおい、これは何の尋問なんだ?」
「いいから続けなさい」
 
まったく早く弁当食いたいのによぅ。鶴屋さんか。あの人はいつも元気いっぱい、イベント好きなところもあるがだれかさんみたいに無茶は言わない。
常識人でリーダー役がピッタリの人だ。まあ本人はリーダー役より遠くで見ている方が好きらしいがな。
 
 
「そうね。ふ~ん鶴屋さんは……」
「んっ?どうした?」
「何でもないわ。じゃああの佐々木さんっていう自称あんたの親友のは?」
 
いや自称ではないと思うんだがなぁ。まあそれは置いといて、佐々木か。相変わらず言い回しが難しいやつだよ。
しかしそこがあいつの良いとこだ。学生時代勉強を見てもらったこともあるし、かなり世話になった。良いやつだとおもうぜ。
 
「…そう………やっぱり強敵かも」
「強敵?なんの話しだ?」
 
まあ確かに佐々木ならなにで勝負して強いだろうな。俺なんかとは頭の出来が違う。
 
「じゃあキョン。…私は…?」
 
そう聞いてきたハルヒの顔は伏せられていてよく見えなかった。本当に何がしたいんだこいつは?
 
「お前か。そうだな」
 
いつも唯我独尊で傍若無人で鶴屋さんとは違った元気のよさだ。鶴屋さんが快晴だとすればハルヒは差し詰め台風だな。いつもいつも迷惑ばかりかけやがる。
少しは俺の身にもなれ。それにだな。朝比奈さんもああみえていつもいつも我慢してるはずだぞ?
少しは周りの身になって自粛してくれよ。そうすれば俺も楽に……
 
「うるさい!!もういいわよ!!」
 
ハルヒの声は教室中に響き渡った。何大声だしてんだハルヒ。みんな驚いてるじゃないか。
嫌な空気が教室内に充満してしまったのは言うまでもないだろう。
 
「………」
「おいハルヒ。どうしったてんだ?」
 
ハルヒは俺の声を無視して教室を出ていってしまった。本当にどうしたってんだ?
しかし怒っていたはずのハルヒの顔がどこか淋しそうに見えたのは俺の気のせいだったのだろうか。
 
「またですか。こう何度も何度もよく喧嘩できますね。感服しますよ」
 
何を真剣な面で言ってやがる。お前が真剣な顔の時はかならず面倒が起きてるじゃないか。
 
「いえ別に貴方を責めている訳ではありませんよ」
「じゃあなんだっていうんだ?」
 
昼休みが終っても、授業が終わってもハルヒが教室に帰ってくることはなかった。そして部室にいけばこいつからの小言じみた語りだ。
 
「貴方達がどんな喧嘩をしたかは知りません。しかし出来るだけ早く仲直りしてください」
「だから喧嘩などしていない。ハルヒのやつが一方的にだなぁ」
「貴方にも非はあると思いますよ。貴方自身が一番わかっているはずです」
 
何も知らんくせによくそこまでハルヒのやつを弁護できるな。俺に非なんてものは………無い…よな?
 
「取り敢えず仲直りをお願いします。僕はこれよりバイトがあるので、失礼させてもらいます」
 
バイト=閉鎖空間だろう。そこは真剣な顔で言えよ。そんな微笑で言われると少なからず心が痛む。
 
「すまん」
「謝る必要はありませんよ。涼宮さんと仲直りしていただければそれで結構です」
 
それでは。っと古泉のやつはバイトに行っちまいやがった。
さてハルヒの奴を探さないといかんな。部室にいてくれよハルヒ
 
 
 
 
「キ、キョンくぅん、涼宮しゃんが涼宮しゃんがぁ」
「お、落ち着いてください。朝比奈さん、何があったんですか?」
 
ハルヒのやつ朝比奈さんに何をしたんだ?朝比奈さんが脅えきった小動物みたいじゃないか。
 
「こうドアをバーンとして、床をズーンズーンときてそれからそれから」
 
あの~朝比奈さん?身振り手ぶりで説明してくれるのはとてもかわいらしくて良いのですが、全く持って状況が理解できません
 
「しょ、しょんな~」
 
そんな泣きそうな顔をされましても……。
 
「今日の活動はお休み」
 
朝比奈さんへの対応をどおしようかと考えていると奥から長門の声がした。というかいたのか長門。しかし長門の説明もわかりづらいな
 
「えっとつまり説明を合わせると、ハルヒは機嫌悪そうにここに入ってきて活動休止を言い渡したっとこんな感じでしょうか?」
「そうですそうです」
「そう」
 
朝比奈さんは首を勢いよく長門はいつも通り小さく縦に振った。これは面倒なことになった。
 
「二人ともハルヒの言った通り帰ってください。後は俺がなんとかします」
 
「わ……わかりました…」
 
朝比奈さんは少しの間何かを考えるそぶりをしていたが最後には了承してくれた。
 
「長門も早く帰れよ?」
 
部室を出た所に長門がいた。いつも頼ってばかりだが、今回は頼るわけにもいかんからな。
 
「彼女なら教室」
「そうか。ありがとう」
 
っていきなり頼ってるじゃないか俺!まあ場所がわかるったんだ。さっさと行くか。
 
 
教室は以前朝倉に呼び出され、死にかけたあの状況と似ていた。違うのは相手が自分の席で外を眺めていたことと、俺が呼ばれていないこと。
 
「ハルヒ、ここにいたのか。何してる?SOS団の活動はどうした?」
「うるさいわね。なんの用よ」
 
突き放すようなハルヒの言葉。何をそんなに怒っている?
 
「何を怒ってるかしらんが周りに迷惑をかけるな」
「また説教」
「何?」
「キョン、あんたは私を迷惑な女だと思ってるんでしょ?なら私にかまわなければいいじゃない!」
 
何を言ってる。らしくないぞハルヒ。いつも強引なお前がそんなこというなんて。
 
「迷惑なのよ。早く帰りなさい!」
「そういうわけにもいかん。取り敢えずこっちを見て喋れよハルヒ」
「い、嫌よ。もうあっち行ってよ」
 
嫌だ。こんなにまで言われてはいはいって帰る訳無いだろう。こっちを向いて喋れ。
 
「や、止めなさい」
「な、なんだよハルヒ。なんて顔してやがる」
 
ハルヒらしくない…すごく落ち込んだ…すごく哀しそうな顔。泣いてはいないが泣きそうなそんな顔だ
 
「どうしたんだハルヒ?」
「何でもないわよ。何でもないから早く……早く帰りなさいよ…」
 
そう言ったハルヒの声はとても弱々しかった。何だよ。そんな顔で、そんな声で俺に文句をいうなよ。
涼宮ハルヒってやつは100ワットの笑顔で俺に迷惑な作業をさせる、そんなやつだろう。
そんな弱々しいお前はお前じゃ無い。
 
「ハルヒ!」
「な、何よ」
「お前が何を勘違いしたかは知らん。だが俺はお前を本気で迷惑な女だなんて思っちゃいない」
「嘘よ。そういってたじゃない」
 
違うな。説明しずらい、迷惑な女だとは思っている。思っているがそんなハルヒだからこそ俺は…
 
「もういいわ。私が帰る。そこ、どいてよ」
「待てハルヒ。俺の話しを聞け」
 
今まとめてるんだ。少し待ってくれ。つまり俺は
 
「俺は…何よ…?」
 
ええいつまりだなぁ。俺はハルヒのこんな所を見たくなくて、こんなにしたのは多分俺で…だから
 
「俺は迷惑なんて思ってない。むしろ俺はハルヒことをs「WAWAWA忘れ物~」
「……のわぁぁぁぁぁぁぁあ!」
「……ふやぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「んっ?WA…WAAaaaaaaa…」
何を言おうとしてた俺は!死にたい。今から屋上から飛び降りたい。ギリギリ谷口のおかげで正気が戻った。てか叫びに釣られるな谷口。
 
「何だよ、びっくりしたなぁ。よくみりゃ馬鹿夫婦じゃねぇか。これは失礼した。ごゆっくり~」
「待て谷口!」
 
………いややっぱり待つな谷口。ハルヒに捕まったら死ぬぞ。今のハルヒは血に飢えている。
 
「なぁハルヒ」
「何よ」
 
何と言えばいい?さっきは雰囲気で危なくあんなこと言いかけてしまったが、冷静になった今何をいう?
 
「……はぁ…もういいわ。帰るわよ。ただし私の鞄あんたが持ちなさいよね」
「え、あっああ。わかった」
 
…なぜ急に元に戻ったんだ?谷口か?いや違うな。じゃあなんだ?
 
「ついでに今日の活動分付き合いなさい。御飯も食べにいくわよ。もちろんあんたの奢りで」
「なんだと?なぜ俺が…」
「いいからついて来なさい!来なきゃ死刑よ」
 
機嫌が直ったわけでもなさそうな顔をしてるな。つまり俺に何をさせたかったんだこいつは?……まあいい。ハルヒはこうでなくっちゃな。機嫌は帰りながら直すことにしよう。
 
続く
 


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