ズシュッ

 

影の軍下忍「ぐあああああ」

 

 

鬼道丸(…!)

 

 

 

影の軍中忍「何事だ!?」

 

 

キョン「炎滅斬!!」

 

 

影の軍中忍「!?」

 

 

 

キィン!!!

 

 

影の軍中忍「貴様何者だ?」

キョン「お前達に名乗る必要はない。ただ、お前達が悪事を働こうとする前に討つだけだ」

影の軍中忍「悪事だと?我々はただ…」

キョン「何を言おうが無駄だぜ!!」

 

ギィン!!

 

 

刀ごとキョンは相手を弾き飛ばし、素早く近づき抜刀する

 

キョン「炎虎刃!!」

 

 

ズバッ!!

 

影の軍中忍「うおおおお!!…き、鬼道丸様・・・・・」

 

キョン「これで最後だ!炎術・火・・・」

 

 

 

 

 

鬼道丸『そこまでだ』

 

 

 

キョン「誰だ!?」

 

 

ハルヒ「うう…キョン」

キョン「ハルヒ!?」

 

声の方向を俺が振り返ったその先には地面に倒れ込むハルヒ、そして…

 

 

 

キョン(こいつ…)

 

 

長く紅い髪に紫の衣

その姿は微かに炎上しているようにも見える

間違いない。こいつがこの中の・・・

 

 

 

鬼道丸「答えよ。何故貴は我が部隊を襲う?」

  

キョン「そ、それはお前達が悪事を働こうとするからだ!あの民家に住む人に何をしようとしていた!?」

 

鬼道丸「…フ、その身形、貴は剣術家か?」

 

キョン「誰がそんな質問に答えると思ってるんだ?油断してたら…………………あれ?」

 

 

 

それは突然の出来事だった

何か分からない、何が起きたか分からない

だが俺の体はなぜか動こうとしなかった

 

どういう事なんだ?

抜刀の体制を取ろうにも、目の前の相手に向って切りかかろうにも、体が動かない。

 

全く体が動かないのだ

 

 

キョン(な、なんで動かないんだ…?)

 

ブルブル

 

 

急に寒気まで感じてきやがった…?なんだこりゃ?

体が動かないのに震えている…

まるで時間が止まったようだ。周りの音が聞こえない。視界までぼやけてきやがった・・・

 

これは一体、何の冗談なんだ…?

 

 

 

鬼道丸「…なまじ、半端に強いと無残だな。圧倒的な力量の差を五感で感じ取り、身体の自由さえ奪われてしまう…」

 

 

 

あいつは何を言ってるんだ?

圧倒的な力の差?

どういう意味だ?

 

くそっ…俺はなぜ動けないんだ!

 

何とかして辺りを見渡そうと目を動かす。

長門も古泉もその場に静止したまま、朝比奈さんに至っては倒れ込んでしまっている

 

俺達に何が起きているんだ?

 

 

 

鬼道丸「意識在る事すら辛かろう…今、楽にしてやる」

 

 

キョン(動け…うごけっ!!)

 

 

相手の男は抜刀の構えを取る。

その静止した姿に秘められる、構えの奥底に眠る相手の力は、平泉の洞窟で海尊と対峙した時の10倍…いや20倍…?

 

 

この時分かった

 

こいつは強い

 

 

それも、圧倒的に

 

 

前にも感じたことのある感覚…そう、雷凰丸にとどめを刺されそうになったあの時…

その次元の相手、か・・・

 

 

駄目だ・・やっぱり体が動かねえ・・・・

相手は既に身を掲げて抜刀寸前の体制まで入っている

 

動けない俺、古泉、長門

しゃがみこんでいる朝比奈さん

倒れているハルヒ

  

 

ここで終わるのか…俺は

 

俺達は…

 

 

 

 

 

 

ドキュウン!!

 

 

影の軍下忍「ぎゃああああ腕が!腕がああああ」

 

 

鬼道丸「…今度は何事だ」

 

 

 

会長「どうやら間に合ったようだな」

喜緑さん「大丈夫ですか皆さん?」

 

 

 

助かったぜ喜緑さん、会長…

あと少しで俺はミンチになっているとこだった

 

 

 

鬼道丸「…」

 

 

会長「君達が何者で、何故こんな状況になっているかは敢えて聞かない。だがそこにいる彼等は私達の友人だ。悪いが返して貰おう」

 

 

鬼道丸「それは叶わぬ望みだ。其処の男は私の部隊を意味無く傷つけた。償いは必」

 

 

会長「…誰も話し合いで解決する事を望んではいない。そして、だからこそ是があるのだ」

 

 

ドゥン!!

 

 

影の軍下忍「ぐあっ!」

 

 

会長の放つ銃の弾は、的確に相手の肩を射抜き、決して刀を持てない状態にする

 

 

会長「君もああなりたいかね?」

 

 

鬼道丸「…撃つが良い」

 

会長「何?」

 

鬼道丸「その一光の鋭さも持たない鉄の玩具で私を射抜いてみよ」

 

会長「・・・・お望みとあらば、と言いたいところだが」

 

 

 

そう言うと会長は短筒を風呂敷にしまい、新たに取り出す

 

それは先ほど短筒の倍以上ある巨大なものだった

 

 

キョン(な、なんだあの巨大な銃は?)

 

 

会長「良い短筒だろう?『魔弾』と呼ばれる南蛮の最高傑作だ」

 

 

影の軍中忍「き、貴様!まさかそれを鬼道丸様に…」

 

 

会長「当然だ。話し合いで解決しないのならば、力で押し通すのが礼儀と言うものだ」

 

 

影の軍中忍「な、なんだと?」

 

会長「おっと、動くなよ?動けば君をこの銃で撃つ。」

 

 

影の軍中忍「ぬう・・・」

 

 

会長「これは単なる鉄の塊が発射される訳では無い。『弾そのものに爆薬が仕込まれている』のだ。それが故に当たれば衝撃波でその周りの物全てが消し飛ぶ。」

 

 

キョン(すごい銃だ・・あれならあの男でも)

 

 

会長「剣の達人とも成れば、弾の速度を見極め、剣先で弾道を変えるなど容易と聞いた。だが、これならばどうだ?」

 

 

鬼道丸「フ…私に其れが通用すると思うのならば、撃つが良い」

 

 

会長「!!」

 

影の軍中忍「き、鬼道丸様!?」

 

 

鬼道丸「どうした?その短筒を私に向けて放ってみよ」

 

 

会長「望みとあれば…撃つ!」

 

 

 

身を掲げて銃口を鬼道丸に向ける会長

引き金に指を掛け、狙いを定め正確さを謀る

 

会長「ぬんっ!!」

 

『=======ズオンッ!!!!!========』

 

 

巨大な衝撃音ともに放たれる超速の火薬玉

それは音の速さで鬼道丸に襲いかかる

 

 

鬼道丸「…フ」

 

 

==ヒュン==

 

 

――――ピィン――――

 

 

会長「!?」

 

 

 

ハラッ…

 

 

 

放たれた球は鬼道丸の体に届くことなく、その前に二つになってゆっくりと落ちる

 

それは鬼道丸が抜刀を完了させた瞬間だった

 

 

 

鬼道丸「こんなものが私に当たるとでも思ったのか…?」

 

 

会長「馬鹿な…音の速さで飛ぶ弾を断殺するとは…」

喜緑さん「あらら~見事なまでに真っ二つですね」

 

会長「そんな吞気な事を言っている場合では無いぞ喜緑君。私は接近戦であんな化け物に勝つ自信はまるで無い。君の幻術でなんとかしてくれ」

喜緑さん「さっきからずっとやってるんですけど…効いてないみたいなんです」

会長「…」

喜緑さん「…」

会長「さて、逃げるとしよう」

喜緑さん「そうしましょう♪幻霊術・風鬼。」

 

 

静止したキョン、古泉を両手に抱える会長

風鬼の力を使いハルヒ、みくる、長門を運ぶ喜緑

 

 

 

鬼道丸「==【『大炎帝・素戔鳴尊』】==」

 

 

しかし、鬼道丸が作り出した巨大な人の形をした炎は大きく飛翔し、会長と喜緑の行く手を阻む

 

 

 

会長「ぐっ…」

喜緑さん「これはちょっと本格的にまずいかもしれませんね・・・」

 

 

 

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最終更新:2008年05月13日 17:09