「ただの人間でも構いません!この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者に興味のある人がいたらあたしのところに来なさい!以上!」
これはハルヒの新学期の自己紹介の台詞だ
それを俺が聞くことができたのはハルヒと同じクラスになれたからに他ならない
ハルヒが泣いてまで危惧していたクラス替えだったが俺は相変わらずハルヒの席の前でハルヒにシャーペンでつつかれたり、その太陽のような笑顔を眺めたりしている
どうやら理系と文系は丁度いい数字で分かれるようなことはなく、クラス替えであぶれた奴らがこの2年5組に半々ぐらいで所属していた
教室移動で離れることもあるが、大半の時間をハルヒと過ごすことができる
これもハルヒの力によるところなのか定かではないが、この状況が幸せなのでそんなことはどちらでもよかった
「キョン!部室にいくわよ!」
放課後俺はハルヒと手を繋いで部室に向かう
やれやれ、こんな幸せでいいのかね


「いやはや、やっと肩の荷が降りましたよ、これで涼宮さんの精神も安定するでしょう」
放課後の文芸部室で囲碁の真っ最中、見事なウッテガエシを決めた俺に対し、にやけ面が盤面の状況など興味ないと言いたげに口を開く
認めたくはないが、今回の出来事の発端としての発言をしたのはこいつだ
図らずともこいつの言ったようにことが動いていて癪に触る
ちなみにハルヒは長門、朝比奈さんを連れて新入生に勧誘のビラ配りをしている
長門と朝比奈さんはそれぞれ、去年の文化祭で着たウェイトレスと魔法使いの格好でだ
また問題にならなければいいが
「末長くお幸せに」
古泉の含み笑い3割、いつもの微笑1割、谷口が今朝俺に対して見せたニヤニヤが6割のムカツク面にどんな嫌味や皮肉を言ってやろうかと考えているといつかのデジャヴのようにドアが勢い良く開いた
「いやぁー!ビラ全部はけたわよ!やっぱりSOS団の一年間の活動は無駄じゃなかったわね!!」
相乗効果で100万Wにも1億Wにもなりそうな笑顔でハルヒが部室に戻ってきた
無駄じゃなかった…か、そうだな、俺もそう思うよ…もちろんいろんな意味でな
「ハルヒ」
俺の呼び掛けにその笑顔のまま俺の方を向く
この笑顔がずっと俺のものだなんてまだ実感がわかないな
「これからもよろしくな」
その俺の一言に笑顔に少し赤みがかる
そして最高にうれしそうな笑顔で
「当ったり前じゃないの!あたしを幸せにしなかったら死刑なんだからね!!」
びしっと差した指は真っすぐ俺に向けられている
いつか俺とハルヒが結婚した時にでも俺はジョン・スミスの正体とSOS団の連中の肩書きでも話してやろうかな、と思った
FIN

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最終更新:2020年03月12日 14:26