人物設定がやや変化した団員。
しかしなぜかSOS団の活動は当たり前の様に行われている。週末のアレもまた然り。
ここ数日の観察で、どうやら人によって変化度(ハマり度)に差がある事が分かった。
朝比奈さん>古泉>長門>ハルヒ=俺って感じだろうか。
上位2名が何やら密談を交わしている。
「…朝比奈さん。」
「…ええ、近いですね。」
何がだアホ共…。
「(ちょっとキョン…なんかみくるちゃんと古泉君変よ…。)」
「(良かったじゃないか…変なのは大好物だろう?)」
「(身近過ぎるのはちょっとキツいって事が分かったわ…。
それにあんな「不安定な年頃」みたいのを求めてる訳じゃないのよアタシは…。)」
他が異常でハルヒがまとも。これこそ真の異常事態かもしれん。
「(いいキョン?有希?絶対どっちかがアタシと同じ組分けになるのよ?
今の二人と会話を続けられる自信がないわ…!アタシを一人にしないで、泣くわよ!?)」
「(お…おう、わかった…。)」
「さ、さあ、ちゃっちゃとクジ引いて探索行くわよ!せーのっ」
ハルヒ・色なし
みくる ・色なし
長門 ・色あり
古泉 ・色なし
キョン ・色あり
「(こ、このバカキョンーっ!!!)」
スマン、耐えろハルヒ…。
――
「図書館行くか?他に希望があるならそっちでもいいぞ。」
「…図書館。」
「おう、そうしよう。」
(コクリ)
「…それでだ、歩きながらでいい。分からん事がいくつかあるんだがな。」
「…何?」
「今回の件も多分ハルヒの奴が原因なんだろうって事はなんとなく分かる。
だがちょっと中途半端な気がしないか?あいつにしてはさ。」
「……。」
「あいつが小説に影響受けて『SOS団にはバトル要素が足りなーいっ』とか言い出すならまだ分かる。でも小説もフレイムヘイズも知らないって言うんだぜ?その割にはメロンパン食ったりうるさい×3言ったりしてる。
…そこが分からない、さっぱり分からない。」
「――実に面白い。」
「…ノリがいいな長門。」
「…おそらくは、彼女が断片的な知識しか持たないからだと思われる。」
「どういうことだ?」
「例えば、アニメ。眠りに付けない彼女がテレビで暇を潰そうと考えた。
無作為にチャンネルを変更している中で、「灼眼のシャナ」の1シーンを目にした。
メロンパンを食べているシーン、照れながら坂井悠二をうるさいと罵るシーン、そして戦闘のシーン。」
「…なるほどな。それで名称は記憶に無いが印象や設定のいくつかだけ頭に入った、と。」
「そう。そしてその僅かな情報の中には、「敵の存在」、「意中の男性の重要度」も含まれると思われる。」
「…なんか怖い事言ったな今。」
「あなたの携帯電話。」
「…?」
「毎晩自動的にフル充電されている。」
「は?古泉との電話を盗聴でもしたのか?ありゃ俺の妄言で…」
「零時迷子」
…本気で…、言ってんのか…?
「彼女はおそらくこう考えた。『バトル要素はアリだ』『バトルするには敵が必要だ』
そして、『主人公が好きな相手には何かとんでもない秘密があるべきだ。』」
「…好きな相手うんぬんは置いておく。たかが携帯がフル充電される事のどこがそんなに重要なんだ?」
「今は接続されているのが携帯電話のバッテリーという小容量の物だから。
そこに別の、もっと容量の大きな物を接続させたとしたら。」
「……………。」
「各国が頭を悩ませているエネルギー問題を全て解決に導く事のできる代物。
そしてそれは、争いの種ともなり得る。」
――近々あなたを狙う輩が現れるかもしれません。――
…あれは古泉の妄想じゃないってのか…!?
「――という電波を受信した。」
「オイィッ!!」
――
「きょ、今日はなんにも見つかりそうにないしそろそろ駅前に戻ろっか。ね、…みくるちゃん?古泉君?」
「いえ、おそらく近くにいるはずなんです。でも気配が曖昧…何かの自在法なのかなぁ?」
「ええ…可能性はありますね。」
「うぅ…。孤独だわ…みんなと一緒にいるはずなのに今私は孤独…。――ん?」
古・朝「「――!!」」
――
「――来た。」
「ん?何が…」
――!?
閉鎖空間……いやこの色は…!!
「封絶。」
「…って、さっきのはお前の電波話なんだろ!?」
「それは携帯電話の話。涼宮ハルヒが目にし興味を持ってしまった以上、敵はいる。」
――
「ハハッ、この気配は『雁ヶ音』か。楽しめそうだなマリアンヌ。」
「『赤光』は私の相手です。邪魔はさせないのです。」
「―――退屈――満たす―――――私を――『万象』―――――」
「……マリアンヌって何だい?」
「何を言っている。マリアンヌならここにいるじゃないか?ねえ、マリアンヌ。」
「ハイ、ご主人様。」
「今の明らかに裏ご……いや、無粋な突っ込みはやめておこう。」
くくっ、僕が何かした覚えもないし、涼宮さんかな?
だとしたらキョン、君も一枚噛んでいるのかい?
つづく