平泉は中々遠く、俺達は小さな町に寄ったり野宿をしたりして、漸く目的地に辿り着いた。

平泉に若者は少なく、どちらかと言えば老人たちがひっそりとこの村で暮らしている…そんなイメージが俺の頭の中に生まれた

 

 

キョン「ここが平泉か」

ハルヒ「なんていうか・・・本当に村ね。でもかなり古くからあるそうね」

古泉「かつては奥州藤原氏が権力を振るった土地でもありますからね」

キョン「とりあえず洞窟とやらは何処にあるんだ?」

ハルヒ「聞き込みでもしてみましょう」

 

みくる「あ、あのぅ…すみません」

村民「ん・・・?なにかのう?」

みくる「この村の付近に洞窟ってありませんかぁ?」

村民「洞窟じゃと・・?ぬしら盗賊か!?」

長門「違う…私達はただの旅人」

村民「ふん。どうせ盗賊じゃろうがなんじゃろうがあの洞窟に入っては二度と出てこれん」

キョン「何故だ?」

村民「簡単なことじゃ。財宝目当てにあの洞窟に入っていった盗賊どもで、生きて返って来たものは一人もおらん」

古泉「なるほど…確かに腕磨きには丁度良い場所かも知れません」

村民「わしは知らんぞ。入るなら勝手に行くがよい。この村を出て北の森を探せば入口が見つかるじゃろうて」

 

 

 

キョン「…とりあえず大体の場所は分った。今日はこの宿屋で一泊して、明日に備えよう」

ハルヒ「そうね。それにしても全くあのおじいさん、盗賊と私達を一緒にしないで貰いたいわ」

キョン「財宝を取って返って見せつけてやれば良い。とにかく今日は早く寝るぞ」

古泉「了解しました」

長門「・・・いっくんと一緒に寝る(ぎゅう)」

ハルヒ「古泉君が寝れないだろうから今日は我慢してあげなさい」

長門「・・・わかった」

みくる「じゃあ涼宮さんと長門さんと私はこっちの部屋で寝ますね」

キョン「わかりました。俺と古泉は向こうの部屋で寝ます。おやすみなさい」

みくる「はい、おやすみなさい」

ハルヒ「なによキョン・・・あたしにもオヤスミぐらい言いなさいよ」

 

 

 

宿屋の主人「本当に行くのかい?」

キョン「ええ」

主人「あの洞窟に行って帰って来た者はいない…知っているだろう?」

ハルヒ「大丈夫よ!私達は盗賊なんかよりずっと強いんだから!!」

主人「しかし君達は若い・・・もしかしたら命を落とすかもしれないんだよ?」

古泉「危ないと感じたら引き返しますよ。心配は御無用です。」

主人「そうかい・・それなら良いのだけど」

キョン「生きて、帰ってきますから」

主人「・・・よし、わかった!僕が洞窟まで君たちを案内しよう」

 

 

俺達五人は宿屋の主人案内の元、義経の財宝が眠っているといわれる洞窟まで辿り着いた

 

主人「健闘を祈るよ。それじゃあ・・・」

みくる「案内ありがとうございましたぁ」

 

 

キョン「さて、行くか・・・」

ハルヒ「面白くなってきたわね!」

 

 

 

洞窟の中自体は普通の洞窟より少し暗く、朝比奈さんは入った瞬間から幾らか気分悪そうにしている。

 

キョン「しかし薄暗い洞窟だな」

ハルヒ「そうね。そろそろ大ムカデやネズミの一匹ぐらい出てきても良さそうなんだけど」

 

みくる「どっひゃああああああああああああああああああああ!!!」

 

天使が叫びをあげたような、あらゆる意味で神々しい声が洞窟中に響きわたる。

一体どうしたんですか朝比奈さん?

 

 

みくる「は、ははははは白骨ぅ・・・はっこつですぅうううううう」

 

キョン「それは何処の洞窟でも白骨ぐらいありま・・・・なっ!?」

ハルヒ「なにこれ・・・」

古泉「これは・・・」

長門「・・・・・」

 

目の前に広がる白骨の山

白骨の一つや二つなら少なからず見かける機会は在るだろうが、この量は・・・

 

古泉「異常…ですね。流石は財宝の眠る洞窟です」

みくる「ふ・・・ふええ・・・」

古泉「おっと!大丈夫ですか?」

みくる「ちょ、ちょっとだけダメかもです・・・」

古泉「気をしっかり持ってください。貴方が気絶したら誰が僕達を治療するんですか?」

みくる「は、はいい・・」

長門「・・・わざと気絶したフリをしていっくんに近づいた?」

みくる「ふえ?」

長門「・・・そうなんだ?」

みくる「ち、ちがいますぅ!」

長門「無駄な乳には渡さない」

みくる「む、無駄な乳ってなんですかあ!!」

 

 

以外にも長門は嫉妬深いらしく、古泉に支えられている朝比奈さんを敵視している。

おいおい朝比奈さんは敵じゃないぜ。術とか間違っても使うなよ

 

・・・あれ?朝比奈さん?後ろにある火はなんです?

 

みくる「火・・?」

 

キョン「・・・っ魂火だ!!」

ハルヒ「魂火ですって!?なんでそんなものが?」

キョン「わからん!だが間違いなく倒すべきだ」

古泉「同感です。魂火は怨念を宿していると言われます」

 

宙にふわふわと浮いているそれは突如、マイエンジェル朝比奈さんに向って炎を吐いてきた

 

みくる「ひ、ひゃああああ!?」

キョン「この魂火やりやがったな!乱闘だ!乱闘パーティだ!!」

 

古泉「陰陽道・火鬼」

 

ゴオオオオオオ

 

火の鬼はみるみる内に魂火を覆い、そのまま消えてしまった

 

 

キョン「・・・ォイ古泉」

古泉「なんでしょう?」

キョン「俺があの魂火を斬りたかったんだけどな」

古泉「とりあえず早めに始末をと思いまして、申し訳御座いません」

キョン「・・・・まあいいさ。同じようなのが沢山出てきたからな」

 

ハルヒ「これはちょっと大変そうね」

 

目の前には魂火の大群が見える

白骨の次は魂火の大群かよ。勘弁してくれ

 

みくる「お、おおきなムカデやネズミなんて出てこないじゃないですかああああああ」

ハルヒ「うっさいわね!何時もはそれしか出てこないのよ!!」

長門「とりあえず全掃・・・氷術・水竜」

ハルヒ「そうね!久しぶりにアタシの双剣を使う時が来たようね!!どりゃあああああ」

古泉「長門さんに同感です。とりあえず倒してしまいましょう。陰陽道・幽軍」

 

 

長門の放った水の竜と、古泉の放ったぽい変な怨気の大群が瞬く間に大量の魂火を消していく。

ハルヒは双剣を駆使して、俺も俺なりに剣を振るってちょこちょこ敵を倒していく

もちろん俺は朝比奈さんの前に立って戦っている。当たり前だ

 

 

キョン「こんなもんか?」

ハルヒ「そのようね」

みくる「お、驚きましたぁ・・・」

 

キョン「・・・で前に見える青い霧は一体何なんだ?」

古泉「何やら髑髏にも見えますね」

みくる「た、ただの霧・・・ですよねー?」

 

霧「・・・・・」

 

みくる「た、ただの霧っぽいです!さ、さささささ先に進みましょう!!」

 

霧「・・・ォォ」

 

キョン「今、何か声がしたような・・・」

みくる「き、きのせいであって欲しいですううううう」

 

霧「ォオオオオオオオオオオオオ!!!」

 

キョン「ちょ、見るからに霧ドクロだ!!」

古泉「怨霧、ですね。なるほど、これは盗賊等では生きて帰れない訳です」

 

ハルヒ「そんなこと言ってないで戦うわよ!双剣・覇鬼蛇切り!!」

 

スカッスカッ

 

霧「オオオオオオオオオオオオ」

 

ハルヒ「当たらない!?」

古泉「霧状ですからね。術しか役にたたないでしょう」

 

長門「・・・・氷術・水突乱舞」

 

ドシュッドシュツ!!

 

怨霧「オオオオオオオ!!」

 

キョン「聞いてるみたいだな!行くぜ!炎術・火走!!」

 

ゴオオオオオ

 

怨霧「アオオオオオ・・・・ォォォォ」

 

キョン「ラスト頼むぜハルヒ!」

ハルヒ「まっかせなさい!この忍具でどう?伝火はっしゃー!!」

キョン「もったいない!」

ハルヒ「いいのよ!」

 

怨霧「ォォォォ・・・・・・・ォ・・・・」

 

キョン「まあ、倒せたようだし良しとするか。」

ハルヒ「伝火、切れちゃったから新しいの買っといてね」

キョン「なんですとっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???『「盗賊…まだ懲りずに入り込んで来るか…。我が主の財宝を狙いし愚かな輩共よ…与えよう、貴様等に鮮血の死を……与えよう、死しても尚、永遠の苦しみを…」』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達がしばらく洞窟を歩くと、まるで下に降りろと言わんばかりに階段が用意されていた。

 

 

 

キョン「誘っているな」

古泉「でしょうね。降りるしかないでしょう」

みくる「なんかこの下、不気味ですぅ・・」

ハルヒ「洞窟入った時も同じようなこと言ってなかった?さっさと行くわよ!!」

長門「・・・確かに何か威圧感はある」

 

 

下へ降りると再び白骨の山が御丁寧に俺達を迎えてくれた

 

キョン「白骨の山、再びだな・・・」

ハルヒ「この格好は剣術家ね・・・ここまで来れるなんて結構な使い手だったんだわ」

 

キョン「って事はこの先にかなりの脅威が待ち受けてるってことか・・・」

 

 

みくる「あ、あのうみなさぁん・・・」

ハルヒ「何よみくるちゃん」

みくる「疲れましたぁ・・・」

ハルヒ「だらしないわねえ全く」

古泉「確かにもう何時間か歩きづめですね。少し休みましょう。それにしても広い洞窟です」

 

確かに広い・・・こんな広い洞窟を歩くのは初めてだな

 

長門「・・・やっぱり」

キョン「どうした?」

長門「・・・・休息を取ってから説明する」

 

 

 

 

 

 

 

しばし休息を取った俺達は立ち上がると、長門先頭の元再び歩き出した

 

キョン「それでどうしたんだ?」

 

少しばかり小走りで何やら赤い印が地面に描いてあるところまで行く長門

もしやあれに何かヒントが隠されているのか?

 

長門「下を見て・・・」

古泉「・・・これは!?」

キョン「どうしたんだ古泉?」

古泉「これは移動の呪印です。この上に乗ると体ごと別の場所に移動してしまいます」

キョン「じゃあ…」

古泉「この先にとてつもない何かが待ち受けているか…もしくは財宝が在るか、と言ったところでしょう」

長門「さっき見た白骨の山も謎が解けるかも・・・」

ハルヒ「面白いわ!早く五人で乗りましょう!!」

キョン「待て!ハルっ・・・」

 

ハルヒ「もう乗っちゃったわよ!みんなも早く~」

 

キョン「あの馬鹿・・・」

古泉「覚悟を決めるしか無いようですね?」

キョン「・・・だな。いくぞ皆!」

 

 

 

 

 

俺達五人は一斉に移動の呪印に乗り込んだ

 

 

 

 

 

 


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