みくる「お母さん…行ってきます」

みくる母「…頑張ってらっしゃい」

みくる「・・・・うん」

 

 

親子別れの場面とはいつ見ても感動的なものだ。

朝比奈さんのを抱きながら優しく髪を撫でる母親の姿に、俺は何処となく悲しみを感じた

まあ気のせいかも知れないけどな

 

古泉「気のせいでは無いでしょう。夫に先立たれ、娘も旅に出てしまう。あの方は今悲しみに満ち溢れている事でしょう。僕では、術で苦しみを与える事は出来ても悲しみを癒す事は出来ません…終わらない戦いは、我々からあらゆる意味での優しさを奪っているのかもしれません…。悲しいことですね」

 

ああ、ホントにな…

なぜ人は、本当の意味で平等に在れないのだろうか…怒りさえ感じるぜ。

 

古泉「全くもって同感です。ですが、其れが人の悲しさなのでしょう。そして、【人】そのものなのでしょうね・・・」

キョン「・・・だな」

 

=城下町外=

 

 

みくる「待たせちゃってすみませんです。さあ行きましょう!」

ハルヒ「みくるちゃん・・・」

キョン「おい、ハルヒ」

ハルヒ「・・・ん。そうね!!出発よ!!!!」

 

 

 

 

山賊「おい兄弟!獲物を発見したぜ」

山賊2「どれどれ・・・ガキじゃねえか。それも金目のものを持ってそうな奴だ」

山賊3「親分!行きましょうぜ」

山賊「あたりめえだ。こりゃいいカモだぜ」

 

 

 

キョン「・・・見られてるな」

ハルヒ「・・・ええ」

古泉「へばり付くような視線ですね」

みくる「ふぇ!?どういうことですか?」

キョン「静かに!・・・おそらく山賊だな」

みくる「ふええ!?どうしてそんなことが分かるんですかあ!?怖いですう・・・」

ハルヒ「みぃ~くぅ~る~ちゃん?本当に静かにしないと怒るわよ?」

みくる「す、すみませんですぅ・・」

長門「・・・来た!」

 

 

山賊「とったあ!」

 

キィン!

 

キョン「何がとったんだ?」

山賊「なにぃ!?くっ家来ども!」

 

 

ガキッ ドゴッ バキッ

 

ハルヒ「それってたった今アタシに素手で瞬殺されたこのヘタレ共のこと?」

 

山賊「な、なんだと!?我が家来にして10人の猛者達を・・・」

 

ハルヒ「これが猛者って・・アンタねえ」

 

 

山賊「ぬ、ぬうう・・・」

 

???「どうしたんだ?山賊の大頭ともあろう者が」

 

山賊「さ、早乙女さん!」

 

キョン「誰だ?」

 

早乙女兵庫「俺の名は早乙女兵庫。見ての通り浪人だ」

 

キョン「そうか、こいつはとりあえず持って帰ってくれ」

 

ドン

 

山賊「うっ」

早乙女兵庫「確かに受け取った。さて、物は相談だが金を置いていって貰えないかな?」

 

キョン「・・・なんですと?」

ハルヒ「アンタもこいつらみたいにボコボコにのされたいの?」

 

キィン!

 

突如、早乙女の剣がキョンに切り掛かる。

 

キョン「ぐっ…」(コイツ…)

早乙女兵庫「まさか。俺も生活が掛っているんでね。無理やりでも置いてって貰おうか」(今の一太刀を止めるとは・・・)

 

 

 

キョン「仕方ない交戦だ。いくぜ早乙女兵庫!!」(こいつ・・・只者じゃない。一撃で行かないとこっちがやれらるぜ)

 

早乙女兵庫「いざっ!!」(決着は一撃にて・・・)

 

 

 

キョン「おおおおおおお!!!炎の力よ!俺に全てを委ねてくれ!!!」

 

ハルヒ(あれはまさか・・・!?)

 

 

キョン『奥義!!炎獄緋双斬!!』

早乙女兵庫『黎秋、雨鳥切り!!』

 

 

『≪キィン!!!≫』

 

 

 

早乙女兵庫(…ッ!!)

キョン「まだまだ行くぜ!!うおおおお」

早乙女「・・・・・ぐ・・・・せいッ!」

 

 

キィン!キィン!キィン!!

 

早乙女「ぐ…うう…」

 

ハルヒ「ちょ、ちょっとキョン」

 

キョン「これで止めだ!炎滅・・・」

 

 

[『陰陽道・呪縛』]

 

 

===ピシィッ===

 

キョン「ぐあっ!か、体が動かない…何をする古泉!?」

 

古泉「最初の一撃で既に勝負は付いています。これ以上は無意味でしょう」

キョン「なん、だと・・・?」

 

早乙女兵庫「・・・・・」ドサッ

 

山賊「早乙女さん!・・・なぜこの人を殺そうとまでする!?」

 

キョン「殺すだと・・・?俺はそんなつもりじゃ・・・」

古泉「貴方にしては冷静さを欠いていましたね。最初の一撃で早乙女兵庫は致命傷を負っていました」

みくる「本当に殺しちゃうのかと思いました・・・」

長門「・・・もっと冷静に」

 

キョン「……」

ハルヒ「アンタ…今必殺技使ったでしょ?確かに大した使い手だったけど、炎滅斬ぐらいの技で十分対抗できた筈よ」

キョン「そ、そうだな。少し可笑しかったみたいだ。は、ははは」

みくる「落ち着いてくださいキョンくん…今、この人の傷治しますから」

キョン「すみません朝比奈さん・・・お願いします」

 

 

 

早乙女兵庫「・・・・」

長門「起きた?」

早乙女兵庫「ここは?」

長門「道中。今日はここで野宿の予定」

早乙女兵庫「俺は一体何を・・・痛っ・・・」

長門「貴方は今まで気絶して眠っていた。傷の外傷の手当てと治療術による手当を行ったのは彼女」

みくる「大丈夫ですかぁ?」

早乙女兵庫「ああ、問題ない。世話をかけてすまなかった」

古泉「まだ行かれない方が良いのでは?傷も完全には直っていないようですし」

早乙女兵庫「そういう訳にもいかないのでな・・・」

 

 

『また別の奴から金を脅し取るようなことを繰り返すのか?』

 

早乙女兵庫「・・・・」

キョン「あんた浪人だな。失業中なんだろう?さっきは悪かった・・・もう少し休んでいけ」

 

 

早乙女兵庫「お主は素晴らしい腕を持っている」

キョン「そんなことは無いさ…まだまだ敵わない奴は沢山いる」

早乙女兵庫「謙遜なさるな。俺は大名の出す手配書を読み、色々な物の首を捉えてきた。お主は強い・・・ただ」

キョン「わかってるさ、ただ焦ってるんだ。早く腕を上げないとイケないからな」

早乙女兵庫「なにゆえ?それ程の強さを持ちながら、なにゆえ其れ以上を求める?」

キョン「倒したい奴がいるんだ・・・そいつは、とてつもなく巨大な男だ」

早乙女兵庫「…主は忍者だろう?」

キョン「そうだ」

早乙女兵庫「甲賀者とは違うな・・・もしや・・・伊賀か?」

キョン「なぜそう思う?」

早乙女兵庫「ということは、そうなんだな?」

キョン「う・・」

早乙女兵庫「・・・ふ、巨大な男というのが引っ掛かってな。俺がその言葉を聞いて思い浮かべる男と言えば・・・・織田信長だ」

キョン「!!」

早乙女兵庫「やはりか・・・信長の忍軍は執拗に伊賀を狙っていた。理由は分らんが…主はその残党ってところだろう」

キョン「ああ、その通りさ。殺された仲間の為にも、これから先の未来の為にも、俺はアイツを倒さなきゃいけないんだ」

早乙女兵庫「信長の起用する忍軍は驚異的な強さだと聞く。それこそ一介の下忍や武士では太刀打ち出来ない程の・・・」

キョン「俺は、その影の軍とやらの上忍と戦ったことがある・・・圧倒的すぎる強さだった」

早乙女兵庫「・・・そうか」

キョン「・・・今夜は月が綺麗だな」

早乙女兵庫「・・・ああ」

 

 

それから暫く、俺達二人は酒を飲みながら満月をずっと見つめていた

 

 

 

早乙女兵庫「ここから真っ直ぐ進んで行くと平泉と呼ばれる小さな町がある。その横にある洞窟は義経洞窟と呼ばれ、村民は皆誰も近づかない。だが洞窟の一番奥には、義経が生前を共にした名刀が眠っていると言われている…もし腕を磨きたいのなら修行がてら宝探しでもしてみればどうだ?」

 

早乙女は俺達に深く一礼すると北に向って歩いていった

 

 

キョン「さて、どうする?その平泉とやらに行ってみるか?」

ハルヒ「いいんじゃないの?何より面白そうだし!!」

古泉「そうですね。義経の使っていた名刀…少しばかり僕も興味があります」

長門「別にいい・・」

みくる「ど、洞窟って暗くないんですかぁ!?怖そうですう・・・」

ハルヒ「ぜんっぜん平気よみくるちゃん!出てくる化け物もおっきなネズミとかおっきなムカデとかそんなんばっかよ!全然問題ないわ!!」

みくる「ふぇえええ?大きなネズミ・・・大きなムカデ・・・・ぶくぶく」

 

キョン「あ、朝比奈さんが気絶してるぞ!」

ハルヒ「えええ!?もうみくるちゃんしっかりしなさい!!」

長門「・・・・先が少しだけ不安」

古泉「・・・ですね」

 

 

 

 

 


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