久しぶりに早く目が覚めた俺はせっかくだから温泉にでも入ろうかと部屋を出て廊下を歩いていたら、そこには朝から忙しそうな女将さんがせっせと仕事をしていた

 

キョン「おはようございます」

女将「あらおはよう。昨日はよく眠れました?」

キョン「ええ、おかげ様で。今から温泉でも入りに行こうかと」

女将「あの天然混浴温泉?一人でお入りになられるのかしら?」

キョン「皆まだ眠っていますし、無理に起こすのも悪いですからね」

女将「そう…じゃあ一緒に入りませんこと?」

キョン「え?いや、それは流石にまずいでしょう」

女将「そんなことないわ。背中流して欲しいもの。まだ朝の四時、誰もいないから大丈夫ですわよ」

キョン「な、何がどう大丈夫なんです」

女将「まだ私だって25よ?たまには殿方と二人っきりで温泉につかりたいわ」

 

この少し大人びた女性の香り…ま、まずい。そろそろ理性が利かなそうだ…

 

女将「ねえ…いいでしょう?(だきっ)」

 

だ、だだだだ抱きつかれたら俺はもう・・・げ、限界だ!!

 

 

 

キョン「お、おかみさああああああああん」

女将「いいわよ、きて…」

 

 

 

『こんな廊下のど真ん中で一体何をしてるのかしらキョン?』

 

 

全世界が、停止したかのように思われた

 

 

 

ハルヒ「このエロキョンバカキョンスケベキョン変態キョン変人キョン!!」

キョン「と、隣の部屋まで響くだろう?少し落ち着いてくれ、な?」

 

この怒鳴り声は間違いなく隣の部屋で宿泊している方に迷惑をお掛けしている事だろう

なんせ朝から今現在、正午までずっと続いているのだからな

 

ハルヒ「もうアンタなんか知らないわ!!」

 

 

と、言い残し部屋を飛び出して行くハルヒ

なんかつい前日にもこんな事があったようなデジャビュを感じるのは気のせいか?

 

しかしこのデジャビュが正しければ、あいつはあそこに居るだろう

 

古泉「おや、どこか行かれるのですか?」

 

今頃起床したこのイケメン面はどうやら何一つ事態を把握していないらしい

 

キョン「ああ、ちょいとお茶屋にな」

古泉「お茶屋ですか。僕も是非一緒に行きたいですね」

長門「いっくんが行くなら私も…」

 

 

=お茶屋=~朝比奈亭~

 

ハルヒ「グスン…うう…」

みくる「元気出してくださぁい…涼宮さん」

ハルヒ「あんな浮気ばっかりする奴・・・・もう知らない・・・」

みくる「あ、あの涼宮さん!」

ハルヒ「くすん・・・なによみくるちゃん」

みくる「き、昨日の涼宮さんかっこよかったです!」

ハルヒ「昨日…?くすん・・・ああ、あれのことね」

みくる「町の警護をしてる武士の人とかみんな捕まっちゃって…もう町のみんなもダメかと思ってたんですけど…でも涼宮さんのおかげで今のこの町がこうしてあります!本当に感謝してるんです!」

ハルヒ「みくるちゃん…」

みくる「キョン君のことだってきっと何かの誤解です。このよもぎ団子は御馳走しちゃいますから食べて元気出して下さい(にこっ)」

ハルヒ「うん…(もぐもぐ)」

みくる(そのお団子はちょっと特別なんですよ。ふふふ)

 

 

キョン「ハルヒの奴…機嫌直ってれば良いんだがなあ」

古泉「大丈夫でしょう。とりあえず謝るべきだとは思いますがね」

キョン「仕方ない。謝って何か奢ってやるとしよう」

 

長門「あれがそのお茶屋?」

キョン「そうだ。お茶や団子の味も絶品かつ、天使のような…」

長門「ねえ」

キョン「なんだ?」

長門「あそこ…」

古泉「おや?涼宮ですね。もう一人の方は?かなり可憐な御方ですが・・・」

 

 

 

ハルヒ「いいじゃないの!もう少し揉ませなさいよ~」

みくる「だっだめですぅ!らっらめですぅううう」

 

キョン「やれやれ・・・機嫌は直ってそうだな」

 

 

 

ハルヒ「そういうことなのね・・・はあ、わかったわ。今回だけは特別に許してあげる。でも次やったら死刑だからね!」

キョン「肝に銘じておくよ」

古泉「さて、仲直りも御済みになられたところで…お茶でも飲んで行きますか」

キョン「そうだな。三色団子を二本」

古泉「では僕は桜餅を」

長門「…いっくんと同じ物」

ハルヒ「アタシはわらびもち20個!もちろんキョンの奢りで」

 

 

代金の勘定も終了し、俺の財布がすっかり軽くなった四時頃

俺達はそろそろお茶屋を出て宿屋に戻ろうかなど話していたところだった

 

キョン「じゃあ戻るか」

みくる「…ふみぃ」

キョン「あ、どうも美味しいお茶と話し相手ありがとうございました」

みくる「…え?あ、い、いいんですぅ。私も楽しめましたし」

キョン「そうですか。それじゃあお仕事頑張ってください」

 

 

みくる「あ、あのっキョンくん!」

キョン「なんでしょう?朝比奈さん」

 

みくるちゃんと呼ぶのは多少抵抗があるので名字で呼ばせて貰う事にしている

そこ、根性無しとか言うな

 

 

みくる「わ、わたしを…」

 

キョン「はい?」

 

みくる「わ、わたしを・・・・貴方達の旅に連れてってくれませんか!?」

 

 

みくる「わたしの父はとても徳の高い羅漢でした…町の人たちにも好かれて、戦いも強く弟子の方々にも尊敬されていました。でも私は…ただのお茶屋の店員でしかなくて…この前も皆さんが闘っているのに私は只じっとしている事しか出来ませんでした」

キョン「仕方ありませんよ。それに朝比奈さんを戦いになんて赴かせたくありませんから」

みくる「そんなんじゃダメなの!・・・私の父は仏に仕える身でもこの町を外敵から守り殿様の為に仕えていたんです。皆さんが戦っている姿を見て私思ったんです!わたしだって皆さんと一緒に旅をして何時かこの町を一人で守れるぐらい強くなりたいんです!!!」

 

 

キョン「しかし朝比奈さんは…」

ハルヒ「みくるちゃん。行くわよ」

キョン「!・・・おいハルヒ」

ハルヒ「ここまで固い決意なのに、アンタがそれを止める権利があるの?」

キョン「う…」

古泉「良いじゃありませんか。彼女は本気のようですし」

長門「私は…構わない」

 

みくる「みなさん・・・」

 

 

キョン「じゃあ朝比奈さん、これだけは約束してください。何があっても絶対に無茶はしないと………守れますか?」

 

みくる「はい!」

 

キョン「わかりました。一緒に行きましょう朝比奈さん」

 

みくる「はいっ!皆さんこれからよろしくお願いしますっ!!」

 

 

 

古泉「出発は明日の朝ですか?」

キョン「ああ、この町には随分すぎる程世話になったしな。」

ハルヒ「ちょっと!みくるちゃんがこの町に別れを惜しむ時間くらい与えてあげなさいよ!」

みくる「いいんです。もうこの町とは何年も付き合ってきましたから」

ハルヒ「みくるちゃん…」

キョン「北条様とやらも合戦から帰ってきたみたいだから町が荒らされる心配も無いし、何時までもグズグズしていたら余計に別れが苦しくなる。早めに出た方がいい」

古泉「その意見には同感です。長くなれば成るほど、辛くなる。別れとはそう言うものです」

ハルヒ「それはそうだけど…」

長門「大丈夫。彼女は貴方が思っているほど弱くはない」

ハルヒ「有希…そうね。ありがと」

長門「いい…」

 

 

 

古泉「そういえば朝比奈さん、貴方の父親は徳の高い羅漢僧だと御聞きしましたが…」

みくる「そうですよぉ。それがどうかしたんですか??」

古泉「と、言う事は貴方も少なからず父の教えを受けている…違いますか?」

みくる「あ、はい。父がまだ生きてる頃に色々と習いました。筋が良いって誉められたんですよ」

キョン「ってことは朝比奈さんは治療術を使えるんですか?」

ハルヒ「アンタ知らないの?この子は医者も顔負けの治療師よ!」

キョン「なんとっ!?」

ハルヒ「アタシが何も知らずにこの子を仲間にしたと思った訳?」

キョン「いや、そんなことは無いが…なるほどね。そういう訳か」

長門「…具体的にどんな治療術を行える?」

みくる「えーとぉ。傷の基本治療は父の教えで結構強力なものが使えますぅ。あと解毒術なんかも得意ですよぉ」

キョン「頼もしいですよ朝比奈さん」

古泉「そこまでとは…素晴らしいですね」

長門「…頼りにしている」

みくる「あ、ありがとうございますぅ(てれてれ)」

 

 

 

古泉「その雷凰丸という男は雷に属する系統の術を使うと貴方は言われましたよね?」

キョン「ああ、それがどうした?」

古泉「それは単なる雷の術では無いと思われます」

キョン「どういう事だ」

長門「雷の術は非常に習得が難しい」

古泉「長門さんの言う通り、雷の系統に属する技はその術を使用する本人ですらが器ごと破壊されてしまう程、強力な術です。目に見えるレベルの稲妻を身に纏い、貴方達を翻弄する等、そんな事は一介の忍術に於いて無謀の極みなのです」

ハルヒ「そうなの?でもアイツは…」

古泉「貴方達の話を聞く限りこれはあくまで僕の推測ですが、その雷凰丸なる輩は

【雷神の力を直接的に行使出来る者】と思われます。」

キョン「雷神の力だと!?」

古泉「貴方達さえ圧倒する大変な実力者…恐らく間違いないでしょう」

ハルヒ「でもどうするの?そんな怪物が信長の下にいるなんて…」

古泉「勝算が無いとは言い切れませんよ?あの時は貴方達二人でしたが、今は五人です。」

キョン「そうだな…」

ハルヒ「雷神の力だか何だか知らないけど今度は負けないんだから!」

みくる「そ、そうですっ!」

 

 

 

=山道(越前城下町付近)=

 

 

 

国木田「任務に失敗しちゃったね。雷凰丸様になんて言おうかな」

朝倉「なんて言っても怒られそうで怖いわ・・・」

国木田「落ち込まないで朝倉さん。僕が付いてるから」

朝倉「貴方なんて付いてても結局怒られるんだから怖いじゃないの…ぐすん」

国木田「泣かないでよ。ほら、キスしてあげるからさ」

朝倉「うん、それ無理♪」

国木田「じょ、冗談だよ。目が怖いよ朝倉さん」

朝倉「はぁ…なんて言い訳すれば許して貰えるのかしら」

 

 

 

 

 

 

 


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