【谷口サイド】
キョンが部室に行くのを見送って、ミジンコ並みの男の俺は晩飯まで別段やることがないので
ゲーセンにでも寄ろうかと考えていたら北高史上最悪女に出くわした
谷口「涼宮?」
その女はスコップを片手に雑木林の前にいた
ハルヒ「あんた、いいとこであったわね」
涼宮は俺の襟首を掴んで引きずりやがる
谷口「何するんだよ!」
ハルヒ「どうせ暇でしょ?手伝いなさいよ」
谷口「何をだよ」
俺は襟首を引きずられながら雑木林に連れていかれた…



俺は涼宮が指示した場所をスコップでひたすら掘り返している
谷口「どんだけ掘るんだよ」
ハルヒ「うるさいわね、私がいいって言うまでよ」
涼宮は薄汚れた地図と辺りを交互に見合わせている
谷口「何だよ、その薄汚れた地図は?」
ハルヒ「薄汚れたとは失礼ね!いいわ、特別にあんたにだけ教えてあげるわ、この地図はね!」
涼宮曰くこの地図は家の物置を掃除していたら出てきた物でどうやらあいつのじい様が
この雑木林に何かを埋めたと印した地図だとさ
ハルヒ「きっとおじいちゃんのことだけら宇宙からの謎の鉱物もしく古代のオーパーツを埋めたのよ」
谷口「何を言ってんだよ、もう掘り返されてるんじゃないのかよ」
ハルヒ「全く夢がないわね」
谷口「こうゆうことはキョンとかお前のSOS団の奴らとやれよ」
ハルヒ「…あんな奴のことはいいの」
どうしたんだ?急にしおらしくなって?
ハルヒ「もうそこはいいわ、今度はこっちを掘りなさい」
谷口「人使いが荒い奴だな、へいへい」




【キョンサイド】
旧校舎のSOS団室(文芸室)、いつも通り未来人が出して頂いたお茶をすすり、
超能力者とボードゲームで対戦して、宇宙人が窓際で読書している
唯一違うことは神聖にして不可侵な団長様が不在なことだけだ
みくる「涼宮さん、一人で大丈夫ですかねぇ」
古泉「確かに今日で3日目ですね」
キョン「いいんですよ、どうせこの前みたいにアイツは指示だけだして、
何にもしないだけで結局は俺達に全部やらすだけなんですから」
古泉がいつもニヤケ面でこっちを見やがる
古泉「心配じゃないんですか?」
キョン「そんなに心配ならお前が行ってやれ」
古泉「あの剣幕で出て行かれたので行きそびれました」
みくる「私もあの時はオロオロしているだけでした」
古泉「それにアルバイトが発生したらそちらに行かねばなりませんので」
キョン「最近、閉鎖空間は発生しているのか?」
古泉「この3日間は閉鎖空間は発生しておりませんよ、宝探しに集中されているのかと」
キョン「そうかい」
長門に目をやると相変わらず無表情で読書中か
アイツから頭を下げるまでは手伝わんが様子だけでも見に行ってやるか




【谷口サイド】
ハルヒ「それでバカキョンがー」
さっきからUFO・UMAの話やSOS団のこと(主にキョンの話)を永遠と思えるぐらい喋り続けている
よく喋るな、そういやコイツがこんなに喋るところ初めて見たな
中学から考えてコイツがこんなに喋るなんて想像がつかんな(しかも笑顔付きとは)
こんな笑顔見せるんなら別れた後にもう一度ぐらいはアタックしたかもな
そもそも俺を5分で振ったことは覚えてるのか?
ハルヒ「ちょっと、聞いてるの?」
谷口「ああ、それよりもう足元真っ暗だから今日もう終わりにしないか?」
ハルヒ「もうこんな時間、じゃ続きは明日ね」




【キョンサイド】
俺はいつものハイキングコースを下り、それらしき雑木林の前に着いた。
キョン「ここかな?ハルヒの今回の宝探しスポットは」
雑木林から人が出てきた北高の制服と黄色リボンが見えたのでハルヒと思い近寄ろうとしたが
もう一人いるのに気づいた、もう一人は俺とハルヒのクラスメイトの谷口であった…
キョン「なんでアイツが?」
おれは思わず身を隠した
ありえない組み合わせが俺の頭を混乱させた…


その晩はよく眠れなかった…



翌日、俺は流行る気持ちで教室に駆け込んだ
そして、既に席にいたハルヒへ3日振りに話しかけた
キョン「よお、宝探しは順調か?」
ハルヒ「…順調よ、もう少しで世界の歴史がくつがえるところよ」
キョン「そうか楽しそうだな…俺も手伝いにいこうか?」
ハルヒ「…平気、大丈夫よ」
キョン「…そっか」



俺は午前の授業をもやもやした気持ちで受けていた
昼休みに俺は弁当を口に運んびながら、気になるもう一人に話しかけるタイミングをうかがっていた。
谷口「でさぁ、その女がさぁ」
キョン「…谷口…今日ゲーセンでもどうだ?」
谷口「ゲーセンか?今日はやめとくわ」
キョン「…そうか」
国木田「最近忙しそうだね?学校終わるとすぐ帰るし」
谷口「おう、ちょっと野暮用があってな」



俺は午後の授業が全く頭に入らかった。
重い足取りのままSOS団室(文芸室)に向かっていた。
みくる「キョン君、具合悪いの?」
キョン「え?」
古泉「顔が真っ青ですよ?」
キョン「…そうか」
長門「…帰った方がいい」
キョン「…じゃ今日は上がらせてもらうよ」
みくる「お大事に」
古泉「お気をつけて」



俺は気づくと昨日の雑木林に足を踏み入れていた

俺は離れたところからハルヒと谷口を眺めていた
時折、ハルヒは谷口に笑顔で話しかけている
その笑顔を見るたびに俺は心が痛くなった
ハルヒを見ていられずに俺はその場を離れた




【谷口サイド】
俺は今日も元気よく地面と格闘中だ
谷口「出ねえな」
顔を上げると遠巻きに北高の制服を着た奴がこっちを見てやがる
何だか毎日顔を合わせてる奴に似てるな
谷口「あれはキョンか?」
ハルヒ「どうしたの?」
谷口「なんでもね」
ハルヒ「そう、じゃ今度はこっちを掘って」
谷口「おう」
俺がもう一度振り返った時にはそいつは既に消えていた




【キョンサイド】
家に着いた俺は重い足取りで階段をあがっていた。
キョン妹「キョン君元気がないけど、どうしたの?」
キョン「具合が悪い、そっとしといてくれ」
キョン妹「大丈夫?」
妹に適当に返事を返して、俺はベッドに横になった。



ハルヒがSOS団以外にあんな顔を見せるなんてな
アイツもやっとクラスに溶け込めて随分変わったと思っていたが
まさか谷口と二人で宝探しとはな…阪中と仲良く話すのとは違うんだぞ
今日は金曜日で明日からは休みというテンションの上がる日なのに何にも考えられん
俺はベットに顔を埋めた




【谷口サイド】
谷口「もう、誰かに掘り起こされたんじゃねのか」
ハルヒ「文句言わないでチャッチャッと掘りなさい」
谷口「本当に人使いが荒いな」
スコップで地面をつくと金属音が響いた
慌てて地面を掘り返すと金属製の箱が出てきた。
箱の土を取り除ていくと
谷口「おい、涼宮って書いてあるぞ」
ハルヒ「見せて、あーおじいちゃんの名前だ」
谷口「じゃ!まさか!」
ハルヒ「宝物よ!」
谷口「やった!早く空けろよ!」
ハルヒ「うん!それにしてもやけに軽いわね」
ハルヒが箱を空けると中から油紙に包まれた用紙が出てきた
ハルヒ「もしかしたら死海文書のオリジナルかしら」
包みを開くと中からら【5年3組 涼宮OOO 100点】と書かれたテスト用紙が出てきた
谷口「お前のじい様の宝って100点の答案だったのか…」
ハルヒ「そうみたい…」
俺とハルヒは顔を見合わせて馬鹿笑いした。


ひととおり、大笑い後にハルヒはテスト用紙を再び箱に入れて埋め直した。
谷口「また埋めるのか?」
ハルヒ「私に子供できたら、子供に地図を渡して曾おじいちゃんの宝を探しなさいって言うの」
谷口「子供にしてみれば、そんなもんもらってもいい迷惑だな」
ハルヒ「私の子供よ、絶対に地図を渡した瞬間に目を輝かすわ」
笑顔で撃ちぬかれた感じだった
谷口「…そうかい」
ハルヒ「じゃ、帰りましょう」


俺は雑木林から出るまでに少しの勇気を出して話しかけた
谷口「涼宮…明日映画でも見にいかねえか?」
ほんの少し沈黙になり、雑木林を出る直前に涼宮が口を開いた
ハルヒ「…遠慮しとくわ、明日は不思議探索の日でキョン、ううんSOS団のみんなが待っているから」
谷口「…そっか、じゃまた月曜日な」
ハルヒ「じゃあね」



今日の風は冷てえな




【キョンサイド】
携帯がけたたましく鳴った。
俺はどうやら寝ていたらしく、びっくりして携帯を手に取った。
ディスプレイにテンションの上がる名前が表示されていた。
俺はすぐに電話に出た。
ハルヒ「キョン、明日は九時から不思議探索の日だから遅刻しないでね」
俺が返事をする前に切りやがった。
電話を置いた俺は今日は眠れるか少し心配になった。



翌日は俺ははやる気持ちを抑えられずに30分前に待ち合わせ場所に着いたが既に4人は集合していた
ハルヒ「キョン遅い、おごりだからね」
今日はおごりでも悪い気がしなかった

喫茶店でのくじ引きの結果、俺とハルヒの組み合わせになった


俺は朝比奈さんと長門と古泉と別れて北口を探索することになった

みくる「キョン君、昨日と大違いですね」
古泉「わかり易いですね」
みくる「涼宮さんも楽しそうですね」
古泉「さて我々もそろそろ移動しますか、どこに行きます?」
長門「…図書館」



俺は北口を探索してる最中にハルヒから昨日までの宝探しの話を聞かされた
俺はハルヒの話を相槌打ちながら聞いている、若干の幸せを感じながら

 

週明けの教室、休み時間に谷口が近寄ってきた
谷口「キョン、ジュース奢れ」
キョン「なんでだよ?」
谷口「なんでもだ」
キョン「…」
谷口「…」
キョン「わかった」



屋外の自販機からジュースを取り出して谷口に渡した
キョン「ほら」
谷口「おう」
俺もジュースを買って口をつけた
谷口「いい天気だな」
キョン「ああ」
谷口「これでチャラだな」
キョン「何のことだ?」
谷口「バイト代だよ」
キョン「何のだよ?」
谷口「気にするな」
キョン「そうかい」
谷口「そろそろ戻るか」
キョン「ああ」




END

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最終更新:2008年01月27日 21:26