(※ 登場人物が死亡します。苦手な人はご注意ください)

 

 

谷口「よう、キョン」
キョン「おう」


谷口「今日も朝から寒いなあ。いっそ雪が降って積もれば、学校も休校になるのに」
キョン「県西部は雪だそうだな」
谷口「羨ましいぜ! 1cmでいいから積雪をこっちにもまわしてくれないもんかねえ」
キョン「雪なんて降ったら、余計に寒くて家から出る気にもならないぜ」
谷口「バカだな。学校が休みになれば家から出る必要もなくなるだろ」


谷口「そういやお前、こないだのテスト。どうだった?」
キョン「聞かなくてもいいことを。お前と同じだよ。自分の不勉強に苛立ちを覚えるレベルの点数だ」
谷口「へっへ~。お前は進歩がないな! いつまでもそんなんじゃ、将来苦労するぜ?」
キョン「その言い方だと、よほどいい点を採ったみたいだな」
谷口「おうよ! 前回より平均が4点もアップしたんだぜ! やっぱ俺って、やれば出来る人間なんだよな!」
キョン「4点でそこまで喜べるお前の脳みそが羨ましいよ」

 


~~~~~

 


キョン「繰り返す平凡で当たり前の日々」


キョン「生命の危険にさらされることもない、穏やかで平和な毎日」


キョン「最近はハルヒもおかしな能力でシャレにならないような事態を引き起こすこともない。SOS団の活動すらも、だんだん当たり前の日常になりつつある」


キョン「谷口や国木田たちと昼飯を食って、授業を受け、放課後になると文芸部室で朝比奈さんのお茶を飲み、本を読む長門を眺め、古泉とゲームをする」

 

キョン「何も変化しない、不変的な生活」

 

キョン「何も心配事のない人生。いや、心配事はあるか。テストの点数を見た親の反応とかな」

 

キョン「とにかく。そんなごく普通の生活を送っている常識人の俺のはずなのに。最近、何故か日常の中でふと違和感を感じることがある」

 

キョン「特に谷口を見ている時に一番それが感じられるんだ」

 

古泉「実は、僕もなんですよ」
キョン「お前もか。何故だろう。特に最近、今まで自分が過ごしてきた時間と今の時間が、微妙にずれているような感覚に気づく時があるんだ。意識するほどの誤差じゃないが、違和感としては感じられる程度」
古泉「あなたもですか。僕もまったく同じです。学園生活の中で、違和感を感じることが多いのです」

 

古泉「僕の場合はもっと顕著ですがね。谷口さん以外にも、橘京子や藤原と名乗った未来人と接触した時にもはっきりとその感覚が感じられますよ」
キョン「俺とお前が共に気づいているこの違和感。単なる気のせいってワケじゃないんだよな」
古泉「おそらくは。十中八九、あの方の仕業と考えてよいのではないかと思います」
キョン「気になるな。長門にも訊いてみよう。あいつなら、何か知っているかもしれない」

 


~~~~~

 


長門「………あなたたちの感じている違和感は、確かに涼宮ハルヒの起こした情報改変によるものに端を発している」
キョン「はやり。一体何をしたんだ、ハルヒは。谷口や橘京子が絡んでいるんじゃないかと思うが、それは合っているのか?」
長門「………そう。谷口と橘は、最たる被害者にふくまれる二人」


古泉「なるほど。そういうことですか」
キョン「お前は今の説明で、いったい何に対して納得したんだ」


古泉「涼宮さんはごく最近、おそらく谷口さんや橘京子、藤原たちに対して何らかの情報改変能力を行使したのです。僕らは、それ以前の谷口さんたちを知っているはずです。それを知っているがために、変化してしまった今の彼らを見てその変わりように無意識的に異質感を感じているのでしょう。それが僕らの違和感の正体です」
キョン「何がなにやらサッパリだ」


古泉「たとえば、あなたの目の前にプリンがあったとします。しかし少し席を外しているうちに、そのプリンがヨーグルトにすり代えられてしまった」


古泉「席に戻ってきたあなたはそれを見て、不思議に思う。ここにあったのはプリンのはずなのに、ヨーグルトがある。しかしあなたはそれを気のせいだと自分を納得させ、疑問を無視してここにあったのは最初からヨーグルトだったと思い込む」

古泉「そのプリンをヨーグルトにすり代えた犯人が、涼宮さんだったということです」
長門「………言語で説明するよりイメージを伝えた方が伝達精度は高いと思われる。これを見て」

キョン「こ、これは……! 長門が俺たちの脳内にイメージ像を送り込んでくる……」

 

キョン「この記憶……」

 

キョン「下衆谷口がやってきた!

 


~~~~~

 


キョン「はあはあはあ」


古泉「はあはあはあ」


長門「………それが私の知る全て」
キョン「思い出したぜ。谷口のこと。何故、普通の高校生男子である谷口を見るたびにその姿に違和感を感じていたのかを」
古泉「谷口さんの下衆っぷりに業を煮やした涼宮さんが、とうとう情報の改変により彼を普通の高校生に変えてしまったということなのですね」
長門「………概ね。しかし、ひとつ誤解がある。厳密には、涼宮ハルヒは彼を普通の青年に変えたのではない。涼宮ハルヒは彼を普通の青年に戻したのだ」
キョン「戻した? ってことは、谷口はもともと普通の人間だったってことか?」


キョン「そういや、この前ハルヒが、谷口は中学の時はいたって普通の男子中学生だったって言ってたな」
古泉「つまり、こういうことですか」


古泉「谷口さんはもともとお調子者ではあっても、ごく一般的な男性だった。しかし高校に入学する時、涼宮さんによってあのような下衆人間に変えられてしまった」


古泉「そして今、再び涼宮さんの力によって元の普通の人間に戻された、と」


キョン「なんて勝手な。しかし、なんでそんなことを」
長門「………涼宮ハルヒはずっと願い続けていた。宇宙人、未来人、超能力者のような存在とめぐり合えることを」


長門「………しかしそんな非現実的な願いが叶うわけがないという考えも、同時に厳然と持っていた。だが、それでも彼女は期待していた」


長門「………高校に進級すれば、それまでにはなかった新たな世界が拓けるに違いない。宇宙人や未来人、超能力者はいないまでも、おかしな人間のひとりやふたりは必ずいるに違いない、と」
古泉「そこで白羽の矢が立ったのが、谷口さんだったわけですね。超能力者に選ばれた僕たち『機関』の人間のように」
キョン「俺は自分が選ばれなくて良かったと心底思えるね」

 


~~~~~

 


キョン「なあ長門。谷口を、元の下衆野郎にもどすことはできないのか?」
長門「………方法によってはできなくもない」
古泉「ちょっと待ってください。本気ですか?」


キョン「ああ。俺は本気だぜ。俺は高校入学当時から、下衆な谷口とずっとつきあってきたんだ。今さら普通の人間に戻られったって戸惑うだけだ」
古泉「確かにあなたの知っている谷口さんと今の彼には、別人と言ってもいいくらいの差があると思いますよ。でもせっかく普通の人間に戻れた彼をまた元の下衆男に戻そうなんて」
キョン「そういう見方もあるかもしれないな。だが、古泉。谷口にとってはこんな没個性かの時代に普通な人間でいるよりも下衆として目立つ存在でいた方が幸せな人生を送れるかもしれないんだぜ。こればっかりは俺たちにも計り知れないことだ。なら、少しでも幸せな人生が送れる可能性のある方を選んでやるのが友人である俺たちの務めじゃないか」
古泉「何なんですかその無理矢理な理屈は。小学生の方がまだマシな屁理屈をこねられますよ」


キョン「じゃあどういえば俺のこの気持ちがお前に伝わるっていうんだよ」
古泉「それは僕のセリフですよ。もうちょっと展望のある意見というものを考えてくださいよ」


みくる「がたがたうるせえです。最終回だからいいんですよ」
キョン「朝比奈さんのおっしゃるとおりです」
古泉「何ですかその暴論は」
キョン「知ったこっちゃねえや」
長門「………許可を」
キョン「よし。やっちまえ」
古泉「ちょwwwwスピード解決wwwww」

 


~~~~~

 


長門「………谷口を元に戻す方法は2つある。1つは、涼宮ハルヒに再び谷口を下衆に戻したいと願わせること」
キョン「それはちょっと難しいな」
みくる「面倒くさそうですね」


長門「………もう1つは、涼宮ハルヒの神的能力を具現化させたものを呼び出し、それに直接交渉する方法」
古泉「世界を崩壊させることすら可能な力を持つ神を、ですか? それはとてもに危険な行いではないですか?」
長門「………そう。涼宮ハルヒというフィルターを通さず 『神』 と直接交渉した場合、ちょっとしたはずみでさえ世界規模の異変が起こりえる。非常に危険が伴う行いであるため、今まで情報統合思念体はそれを忌避してきた」
古泉「ならば、それは最終手段としてとっておき、他の方法を講ずる方が現実ですね」
キョン「知ったこっちゃねえや」
みくる「最終回だから世界が滅んだって問題ないです」
長門「………私という個体もスイッチを押したくてウズウズしている」
古泉「だからその極論をやめてくださいよ」

 


キョン「で、その神を具現化させるってどうやるんだ? カマドウマやサウンドウォームの時のように隔離された空間へ殴りこむのか?」
長門「………その必要はない。涼宮ハルヒと近しい情報を持つ媒介を介すれば、具現化は行える。これを使って神の情報を具現化させる」
みくる「ブラジャー? それはひょっとして、涼宮さんの?」
長門「………そう。涼宮ハルヒの肌着なら、彼女ともっとも近しい情報を持っているはず」

 

長門「………古泉一樹のロッカーから持って来た」

 

 


キョン「しかし、本当に神なんて召喚できるのか? 長門を信用しないわけじゃないが、いまいちピンとこないって言うか」
長門「ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ」
みくる「あ、長門さんが呪文を。本気ですね」


古泉「これで本当に涼宮さんの神的能力を召喚することができるのでしょうか?」
ブラ「うるせえホモっぽい顔の男」
古泉「うわっ、僕のブラジャーがしゃべった!」
長門「………見た目に惑わされてはいけない。あくまで外見は借り物の姿。肝要なのは、中身」
キョン「そうだぞ、古泉。人を見た目で判断するのは良くないな」
古泉「はあ。すいません……」


長門「………この世を統べる神よ。あなたを呼んだのは他でもない」
ブラ「みなまで言うな。私は神だ。何故お前たちが私を呼んだのか。それも承知している」
キョン「なら話は早い。早速谷口を元の下衆人間に戻してくれ!」
ブラ「それはできない」


キョン「できないだって? どうして。あんたは世界を崩壊させることだってできる神様なんだろ?」
ブラ「神であっても、事情はある」
みくる「さては。これは神様じゃなくて長門さんの情報操作による腹話術なんですね。そうでなければ、神様が 「できない」 なんて言うはずありませんもの」
ブラ「失礼な私は正真正銘の神だ。人間の分際でこの谷○を愚弄するか」


古泉「谷○?」
ブラ「そう。我が名は谷○。谷○流」
キョン「本物の神降臨wwwww」


古泉「それはヤバすぎるネタですよ!? 自重してください!」
みくる「大丈夫ですよ。あんなブラジャーが原作者なわけないじゃないですか。きっと偽名に決まってますよ」
谷○「ほほう。この私の存在を疑うか。面白い。では、神の力を見せてあげよう。そこのにやけた男を見るがいい」
古泉「え、僕ですか?」


谷○「見よ! 神の力、情報改変! とあああああ!」


男色ディーノ「え? あれ?」


男色ディーノ「え、えええええええ!? ぼぼ、僕の身体が男色ディーノに!?」


長門「………なんという情報フレア。これは間違いなく神の力」
みくる「すごい……ただのブラジャーじゃなかったんですね!」
キョン「おそれいったぜ」
男色ディーノ「なんで僕が……」


みくる「なら、何故谷口さんを元の下衆に戻せないというんですか? 古泉くんを色物プロレスラーに変身させるだけの力を持っているのなら、谷口くんを再び下衆に戻すくらいわけないはずなのに」
キョン「そうだ。そこが納得できない」
男色ディーノ「いいから早く僕を元に戻してくださいよ」


谷○「キミたちは谷口を下衆にしてくれと言っているが、彼の将来のことを考えているのかね?」
キョン「なんでいきなり説教口調」


谷○「下衆なんてキミ、あれだよ。社会性のかけらもないダメな伍落人間だよ。学生のうちはまだいいかもしれないけどね。社会に出てみなさい。もう最悪だよ。最悪」

 

谷○「赤の他人のキミたちが、谷口を勝手に下衆に変えて彼の人生を真っ暗にしてもいいと思ってるの?」


みくる「いいんだよ最終回だし」
長門「………いいからさっさと我々の言うことを聞くべき」
男爵ディーノ「原作者にむかって何という口の聞き方を」


谷○「原作者?」


谷○「我輩のこと?」


男色ディーノ「え? 違うんですか?」
谷○「いや、我輩は確かに神だけどね。原作者じゃないよ」
キョン「じゃあ、あんたは何者なんだ?」
谷○「我輩のことを本当に知らないのか、無知なる者どもめ。いいだろう。しからば、特別に教えてやろうぞ」


谷○「我輩の名は、谷山! 谷山流だ!」


キョン「………」
男色ディーノ「………」
みくる「誰だおまえ」
キョン「このタイミングでオリキャラとは」


谷山「だから神だと言っているだろう。お前たちも神罰をくらいたいのか?」
男色ディーノ「お前たちも、ということは、僕のこの姿は神罰なのですか?」
谷山「我輩はSSの神。古来より日本に住まう八百万の神の、八百万番目の神、SSの神だ!」
キョン「SSの神とな!? 八百万ってそういう意味だったのか……?」
谷山「分かったか、愚民どもめ。頭が高い! ひかえおろう!!」


みくる「古泉くんこのブラ返すね」

谷山「おいこら、いきなり何をする!」
男色ディーノ「まったく。僕の私物はボードゲーム以外は持ち出ししたりしないでくださいね」
谷山「うぉぉぉぉ、お前なに自然な流れでブラを胸に装着してるんだよ!? しかも何か手馴れてるな!? うわ、ちょ、生暖かくて気持ち悪い!!」


みくる「さあ。男体温の刑から逃れたくば、すぐに私たちの言うことを聞くのです!」
キョン「さすが強気な朝比奈さん! 一生ついていきます!」
谷山「わ、わかった! 分かったからジャストモーメントだ! ひとまず我をこの黒縄地獄から開放してくれ、話はそれからだ!」


男色ディーノ「名残惜しいですね」
谷山「いいからさっさと外せよ」

 


~~~~~

 


谷山「このネギを使うと良い」
キョン「このネギは、なんだ? ちょうどプラスチックバットのような感じだな」
谷山「それは人格変換ネギ。一発頭を殴るたびに人の人格を変えてしまうという恐るべきアイテムだ。それで谷口の性格を好きに変えるといい」
みくる「本当ですか? じゃあ、長門さんを試しに一発」
長門「………わくわく」

 

 ばしっ

長門「アイライクカリー」
キョン「あんまし変わっていないような気もするが、そのネギが本物であることに間違いはないようだな」


谷山「まったく。今日は厄日だ。神様なのに厄日だよ本当に。それじゃあ、我輩はこれで帰らせてもらうぞ」
キョン「ああ。おつかれさん」
みくる「さようなら」
長門「グッバイフォーエバー」
男色ディーノ「さようなら」

 


男色ディーノ「……あれ?」


男色ディーノ「僕の姿が元にもどらないのですが?」

 


~~~~~

 


キョン「おーい、谷口!」
谷口「どうしたんだよ、キョン。突然公園になんか呼び出して」
キョン「ちょっと用があってな」
谷口「用? なんだ、そのネギ。まさか、またSOS団の変な行事につきあえなんて言うんじゃないだろうな?」


キョン「いやいや。今回はそうじゃないんだ」
谷口「じゃあなんだよ?」
キョン「おらあ!!!」


 ばこん


みくる「いい角度ではいりましたね!」
キョン「どうだ!?」


谷口「………」


谷口「いきなり何をさらすんじゃ、ボケ! いたいやろが!」
キョン「なんだ、ちょっと言葉遣いが変わっただけか」
みくる「もう一発いっておきますか」


 ぼこ


谷口「現代の教育現場は、国を愛する心が育ちづらい環境にあるのです」


キョン「なんか教育現場おいてけぼりの政治家みたいなこと言い出したぞ」
みくる「面倒だからドンドンいっちゃいましょう」


 ばし


谷口「どんだけー」


 べし


谷口「死神は臆病者のケツにキスするんだ」


 ごす


谷口「バンドやろうZE!」


 げし


谷口「エッチなのはいけないと思います」


 げす


谷口「谷口名言劇場。『パイはパイの上にパイを作らず、パイはパイの下にパイを作らず』
 マリー・アントワネットが 「パンが無ければケーキを食べればいいじゃない」 と言ったのに反発し、下衆谷口が返した言葉。
 国外追放の刑が確定していたマリー・アントワネットだったが、谷口のこの発言を受け、刑罰が斬首刑に変更された。
 意図せず自らの発言で人の命を奪ってしまったことに深く心を痛めた谷口は、三日間ブラジャーで自分のパイを隠して過ごしたという。
 当時、谷口がノーブラ主義だったことを知る知人たちは、彼の悲しみが大変なものであると悟り涙した。


 ごす


谷口「はっ! 俺はいったい何を言ってるんだ?」


キョン「あれ、今さっき正解っぽいのがありませんでしたか?」
みくる「そうでした? ごめんなさい、いきおいで殴っちゃいました」
長門「ネクストへゴー」


 ばし


谷口「不倫は文化」


みくる「これはどうですか?」
キョン「いや、ちょっと違うような」


 べし


谷口「一発芸。鮭の産卵なみに出産する涼宮ハルヒ」


ハルヒ@谷口「1000人目が、う、うまれるぅ!」


谷口「すぽん!」


ハルヒ@谷口「うまれた!」


キョン@谷口「よくやった! お前こそ真の三国無双だ!」


 ばしばしばし!


みくる「キョンくん、そんなに何発もたたかくてもいいのよ。というか、さっきのが正解だったんじゃないですか?」
キョン「すいません。なぜか無性に腹が立ったもので」


谷口「日本でチョコレートが生まれてから今年で90年」


 ごす


谷口「ぶろろあぁ!」


 ばす


谷口「曖昧3メートル」


 げし


谷口「315円出して静電気除去腕輪を買ってきたのにまだ静電気の悪夢にさいなまれる作者」


 ごす


谷口「Yes,enter」


 びしびしばしばし


キョン「おい、やめろ長門たたきすぎだ! 谷口が谷口でなくなってしまうぞ!」
長門「………今のは谷口が口にして良いセリフではなかった。取り消せ」
キョン「取り消せってお前」

 


~~~~~

 


キョン「はあはあはあ」
みくる「はあはあはあ」
長門「………」


男色ディーノ「埒が明きませんね」


谷口「ピーピーガーガー」


キョン「さっきから谷口から変なエラー音が聞こえるのは気のせいだろうか」
みくる「気のせいでしょう」
男色ディーノ「もうかれこれ2時間近くたたきつづけていますからね」
長門「………もうこれでいいじゃないのではないだろうか」
キョン「ああ。ちょうど俺もそう思い始めていたところだ」
みくる「とりあえずお茶でも飲みましょう」


谷口「ピッピーパッパープー」


キョン「お茶はいただくとして。これどうしようか」
男色ディーノ「叩いて直るものなんでしょうか」

みくる「困りましたね」


長門「………そんな時は私にまかせて」


長門「………情報操作は得意」

 


~~~~~

 


岡部「突然のことだが、谷口が転校することになった」


岡部「いきなりのことで別れを惜しむ間もなかったが、家庭の事情ということらしい」


岡部「転居先はサウジアラビアらしい」


キョン「聞いたか、ハルヒ。谷口が突然転校したんだってよ」


キョン「不思議だとは思わないか?」
ハルヒ「別に。家庭の事情で転校する生徒のひとりやふたり、居たっておかしくないでしょ」
キョン「まったくもってそのとおりだな」
ハルヒ「それがどうかしたの?」
キョン「いや……お前が不思議だと思っていないんなら、別にいいんだ」
ハルヒ「今日も平凡な日ね。面白いことなんて何もない、普通の毎日。ああ、退屈……」
キョン「そうだな。退屈な日だな」


キョン「それでもまあ、いいじゃないか」

 

キョン「グッバイ谷口!」

 

 


  ~下衆谷口の未来 fin~

 

 

 


  ~その後・エピローグに代えて~

 

 


○涼宮ハルヒのその後


 退屈を人一倍嫌いながらも、なんだかんだで高校卒業後も平凡な日々を送り続ける。
 高学歴でなにをやらせてもそつなくこなすため、大学卒業後に就職した商社にて八面六臂の大活躍。若くして重役クラスの立場に立つ。
 しかし高学歴キャリアウーマンにありがちな仕事重視生活を送りプライベートを軽視していたため、恋愛方面にはまったく縁がなく三十路を超える。
 見かねた会社の上司がセッティングしたお見合いに嫌々参加するが、お見合い会場の料亭で働いていたキョンと十数年ぶりに再会し、いきおいで結婚することに。見合い相手涙目。
 三十四歳で男児を出産。少子高齢化に歯止めをかけることもなく、そのまま平凡だが幸せな人生を送り、94年の生涯に幕を下ろすのだった。

 

 


○キョンのその後


 高校を卒業しSOS団からも解放された後、大学試験に3回失敗し、4浪中に高校時代の友人・長門有希と再会。そして何故かいきおいで付き合うことになる。
 長門と同棲生活を送る資金を稼ぐために知り合いの紹介で料亭で働き始める。大学進学はあきらめてそのまま就職して生活に追われることになるが、静かで満ち足りた日々を送っていた。
 しかしある日、仕事先で偶然出遭った涼宮ハルヒといきおいで結婚することに。
 終生涼宮ハルヒに尻をたたかれ続ける人生だったが、本人はそれもまんざらではなく、人並みに幸せな人生を送る。
 享年92歳。

 

 

 

○長門有希のその後


 宇宙暦20XX年。暴力と権力が支配する荒れ果てた銀河系、M-7510雲星にて絶対王政を掲げるクーデター国家『ASAKURA』が誕生。国民の労力を吸い上げ、自らの私腹をこやしていく官僚たち。そしてそんな辛く苦しい生活を送る人々を救うため、長門有希は立ち上がる。
 残虐非道な国家に対抗するゲリラ集団『ギャラクシー・ホープ』と手を組み、各地に駐屯する国家軍隊を次々と撃破して行く長門有希とゲリラ部隊。その勢いは留まることをしらず、電撃的に銀河中に知れ渡る。
 やがてそのカリスマ性に惹かれる民衆たちも武器を手に立ち上がる。悲運な人生に諦めを感じ、生きる希望を失っていた民たちが大挙して義勇軍として立ち上がることにより、ASAKURA国家は徐々に追い込まれていく。そしてついにギャラクシー・ホープは威厳を失った国王を追い詰める。
 国王が負けを悟り自害することで、M-7510雲星に再び平和が訪れる。
 救世主である長門有希を新たな国王として迎えようという意見が国中から上がるが、長門はそれを固辞して地球の日本へ帰還する。
 そこで高校卒業以来会っていなかったキョンと再会し、キョンと同棲することになる。戦いに明け暮れていた日々から開放され、穏やかな生活を送る長門だったが、その平穏は長くは続かなかった。キョンが涼宮ハルヒと結婚することになったのだ。
 悲しみに暮れた長門は、行き場を失いM-7510雲星に帰ることに。舞い戻ってきた英雄を暖かく出迎えるM-7510雲星の住人たちと共に、長門は生涯をM-7510の治世に捧げることとなる。

しかしその英雄の伝説は、今もなおM-7510雲星に語り継がれている。

 

 


○朝比奈みくるのその後


 高校卒業と同時に、夢の中で神の啓示を受けたと電波なことを言いながら中国へ単身旅立つ朝比奈みくる。
 夜中の茶園でお茶の葉を盗んでいた現場を見られ、罪人として追われることに。月明かりだけを頼りに襲い掛かる茶番人たちを未来カンフーで撃退しつつ、香港まで逃げおおせる。
 しかし茶園支配人の雇った中国屈しの巨大組織『茶龍』の魔の手が再びみくるに伸びる。息もつかせぬ茶龍の猛攻に、次第にみくるは力尽きて行く。
 滝壷に落ちて意識を失ったみくるが目を覚ますと、そこはこぢんまりとした山奥の庵だった。みくるの命を救ったのは、中国が誇る秘拳『凡骨拳』の使い手である謎の老師だった。
 老師の下でひそかに隠れ住みながら、凡骨拳の修行を重ねるみくる。それは自然に囲まれた中で暮らす、実に平穏で平和な、みくるが思い描いていた幸せな生活そのものだった。やがてみくるは、この地に骨を埋めることを心に決める。
 しかし穏やかな日は長くは続かなかった。みくるが生きていることを知った茶龍が、組織のメンツをかけて庵に乗り込んできたのだ。老師と背をあわせて戦うみくる。しかしまだまだ未熟なみくるの一瞬の油断に、茶龍の戦闘員が襲い掛かる。鋭いナイフがみくるの胸につき刺さる。誰もがそう思ったその瞬間、予想を裏切る結末が訪れる。みくるを狙ったナイフは、みくるをかばった老師の背に深々とつきたてられたのだった。
 森の奥にこもり孤独に生きてきた老人の生活に輝きを取り戻してくれた存在。日本人の朝比奈みくる。短い間だったけれど、きみは私の本当の家族のようだった。ありがとう。と死の間際にみくるの腕の中で微笑む老師。
 みくるの闘志に炎が宿る。押しよせる茶龍を次々と凡骨拳で打ち倒す鬼神、朝比奈みくる。すべての茶龍の兵を倒して老師の遺体を手厚く墓に埋めるみくるの前に、茶龍の支配者が現れる。たった一人の日本人に組織をつぶされ怒り心頭の茶龍の支配人は、雄叫びを上げて装甲車でみくるに体当たりをしかける。
 老師の埋葬を終えたみくるは、迫り来る装甲車を前にゆっくりと立ち上がる。
「お前らは、私を怒らせました」
 泥を跳ね上げて疾走する装甲車。静かに、そして厳かに。朝比奈みくるの光線銃が火をふいた。
「もう誰も、不幸になりませんように……」
 朝比奈みくるはその後も、人知れず山奥で老師の墓を守りながらひっそりと暮らしていた。享年89歳。

 

 

 

○古泉一樹のその後


 男色ディーノになったままとうとう元に戻ることができなかった古泉一樹は、やむなく機関に帰ることになるが、涼宮ハルヒの神的能力が消えると同時に機関も解散することに。
 行き場を失った古泉こと男色ディーノは、元同僚の森園生、田丸兄弟、新川、そして藤原、橘京子の7名でプロレス団体を立ち上げる。
 格闘技が下火の昨今において、斬新な演出で次々とファンを増やしていくインデイーズプロレス団体『SOS』。
 森園生はフロントとしてスポンサーや他団体との交渉役として手腕を発揮。新川はリングレフェリー。田丸圭一は持ち前の体格を活かしたパワーファイター。田丸裕は甘いマスクを活かしたジャパニーズルチャのベビーフェイス(善玉)。藤原と橘はヒールレスラー(悪役)。そして男色ディーノは色物。
 旗揚げから10年が経つころには、すっかりプロレス雑誌のカラーページを飾る常連となったSOS。しかし 「最近のSOSはマンネリだな」 という意見が出始めた上、森園生の入院によりフロント責任者が不在となり、SOSの株価が急下落。
 以前から自分たちがメインでないことに不満をもっていた藤原と橘が、ここで若手レスラー数人を引き連れてSOSを脱退。元々選手数に余裕のなかったSOSに激震が走る。
 当初はフリー選手を雇って場当たり的に興行を打っていたSOSだったが、その衰退は誰の目にも明らかだった。やり手のブッカーとして有名だった森園生が復帰しても株価の下落は止められず、SOSは解散の憂き目に立たされる。
 SOSの存続をかけて立ち上がったのは、色物専門の男色ディーノだった。
 男色ディーノは森園生の人脈をフル活用し、他団体に交流戦を申し込む。SOS復活をかけた 「試練の男色10連勝負」 を開催する。
 2対1や3対1のハンディキャップマッチにも挑み、アングラ団体のトップレスラー、中河とのハードコア1本勝負を最後に、10連勝の偉業を成し遂げる。
 壮絶な戦いを終えた勇者を讃え、プロレスファンに感動と熱い魂を伝えた男色ディーノは森園生との婚約を機に、株価の高騰を記録したSOSの社長の座に就く。
 プロレス大賞を3ヵ年連続で受賞し、格闘技ブームを再燃させた男色ディーノは、後年こう語る。
「僕のライバル? そうですね。高田総統かな?」
 そんな彼は、享年78歳で激動の人生に幕を下ろしたのだった。

 

 


○鶴屋さんのその後


 自分メインのSSが少ないことに業を煮やし、無いなら自分で作ればいいのさ!と思い立ち、自分で鶴屋さんメインのSSを書き始める。しかし雑談室で自演していたところを 「自演乙www」 とIPを見破られて断筆。
 それでもあきらめきれずに別サイトでセルフメインSSを書き続けていたが、スランプに陥る。
 仕方なく気晴らしにまったく別のオリジナル小説をブログ上で書き始める。冒頭部分が 「あ~、超おなか減ってないし♪」 で始まる携帯小説をぼろくそにこき下ろした小説が2chで大ヒット。出版社数社から書籍化のオファーがくる。
 あくまでSSを書くことにしか興味がなかったのでどうでもいいや、とそれをOK。しかし鶴屋さん本人の予想を裏切り、発売と同時にランキング入りするほどの売れ筋を記録。携帯小説に反感を持つアンチスイーツ脳(笑)層や、古式ゆかしい純文学を愛する活字愛好家から絶大な支持を得る。
 SSのスランプがまだ収まらない中、気晴らしに出版社からきたオファーを受けて2作目の小説を書き始める。2作目もテーマは 「アンチ携帯小説」。本の題名は直球で 『沈み行く携帯小説』。
 またもや携帯小説の横行に腹を据えかねていた読者間に受け、大人気のうちのベストセラー。しかし根強い携帯小説愛好家たちの強い反感を買い、街で買い物中に強行派の手によって拉致監禁されてしまう。
 携帯小説愛好家たちは口々にアンチ携帯小説をやめろと脅すが、鶴屋さんはそれを拒否。怒った誘拐犯たちの手で東京湾に沈められそうになる。しかし寸手のところで、ひそかに鶴屋家が開発していた巨大人型ロボ、サクセスボンバーZが出撃し、難をのがれる。
 この事件をきっかけに、スイーツ脳(笑)一派は一気にアウトローに転落。再び文学に希望が取り戻されたのだった。
 そしてデビュー3作目にあたる 『Smoke cheese』 で直木賞受賞。それを機に文壇作家の仲間入りを果たす。
 直木賞6年後。ついに自分の納得のいくSSを書き上げる。
 今わの際までキーボードを脇に置き続けた彼女は、享年91歳でこの世を去る。

 

 


○谷口のその後


 300年後……

 

 


谷口「……ぅう」


谷口「あ~。よく寝た。もう朝か」


ルソー「へい、谷口。なにを寝ぼけたこと言ってるんだい。もう出撃の時間だぜ」
谷口「ああ、悪い悪い。ちょっと昔のことを思い出してね。久しぶりに、懐かしい面々と夢の中で再会できたよ」
ルソー「そりゃ良かったな。キミがまだ下衆だった頃の話かい? 是非とも今度、聞かせてもらいたいもんだね」
谷口「ああ、いいとも。生きて帰れたらね」


ルソー「はは。dion軍の谷口といえば、泣く子も黙る有名人じゃないか。キミが戦場で命を落とすなんてありえないことだよ」
谷口「俺じゃない。お前の話をしているんだぜ?」
ルソー「うるせぇ」

 


『我々は一人の英雄を失った。これは敗北を意味するのか?否!始まりなのだ!
地球連邦に比べ我がdionの国力は30分の1以下である。にも関わらず今日まで戦い抜いてこられたのは何故か!諸君!我がジオンの戦争目的が正しいからだ!
一握りのエリートが宇宙にまで膨れ上がった地球連邦を支配して50余年、宇宙に住む我々が自由を要求して、何度連邦に踏みにじられたかを思い起こすがいい。dion公国の掲げる、人類一人一人の自由のための戦いを、神が見捨てる訳は無い』

 


ルソー「おや、閣下の演説が始まったようだぜ」


谷口「そろそろ出撃の時間か」

 


『我々の軍備はますます復興しつつある。地球連邦軍とてこのままではあるまい。
諸君の父も兄も、連邦の無思慮な抵抗の前に死んでいったのだ。この悲しみも怒りも忘れてはならない!それをキャルマは死を以って我々に示してくれたのだ!我々は今、この怒りを結集し、連邦軍に叩きつけて初めて真の勝利を得ることが出来る。この勝利こそ、戦死者全てへの最大の慰めとなる。
国民よ立て!悲しみを怒りに変えて、立てよ国民!dionは諸君等の力を欲しているのだ』

 


谷口「ジークdion!」


ルソー「ジークdion!」


谷口「いくぜ、相棒。連邦のやつらに一泡吹かせてやろうぜ!」
ルソー「もとよりそのつもり」


谷口「おし! 出撃だ!」


谷口「谷口、いきます!」

 


 おしまい


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