………。 「どう?」 ………訊かれてもなぁ。 「ねぇ、どうなの?」 光景に圧巻されてリアクションを取るに取れない俺。
「何か反応しなさいよ!」 その俺を見た彼女が俺に何らかの反応を求めている。 「ちょっと、訊いてんの?」 訊いてるけど、反応に困る。 「何で?」
いや、何でって…そらそうだろ、その格好だと…。 「やっぱ変?」 変とかそういうの以前に、サイズが大きすぎる。 「…なんでこのサイズにしたのか判る?」
さぁね。 「あんたと一緒に着るためよ」 そうかい。って、それはどういう意味だ? 「だから…その…」
あー、もう無理して言わんでもいい。面倒だ。 「サイテー」 何がだよ。察して言ってやってんのに。 「人の気持ちも知らないでよく言えるわね」
俺は人の気持ちをすぐ理解できるような人間じゃない。 「そのぐらいできるようになりなさい」 よく言うよ。 「じゃ、これにするから」
おいおい、ちょっと待て。そんなのでいいのかよ。 「いいのよ。あんたとこれ着てればずっと…」 ああ、そうかい。 「判ってんのなら訊くな」
誰も訊いちゃいねえよ。で、幾らだ? 「5000円」 は? 高っ。 「高って、あんたが買ってくれるからこれにしたんじゃないの」
にしても高い。痛いよこれは。 「彼女の誕生日プレゼントが安くてどうすんのよ!」 どうするも何も無い。 「…もういいわ。自分で払うから」
それはプレゼントになっていない! 俺が払うから大丈夫だ! 「ならさっさとサイフ出しなさいよ」 ちっ、やられた。まんまと嵌められた。 「甘いわよ♪」
………。これだから反応に困るんだよ。 the end
最終更新:2007年12月28日 15:30