俺たちはいつもの喫茶店に集合していた。今日は祝日だがSOS団は営業中だ。
「今年もクリパやるわよ~!」
とハルヒが突然言い出した。やるだろうとは思っていたが、なにも前日に言わなくても
「今年は休みだから部室で出来ないじゃない、だから有希の家でやろうと思ったんだけど、いい?有希」
さすがのハルヒでも休みの日に学校に不法侵入はしない様だ。
「…今年はダメ。この後、わたしは親の所に行かなくてはならないから」
「えっそうなの?」
珍しい事もあるもんだな。というか親って、情報何とかだろ?何かあるのか。
「あの~涼宮さん。わたしも両親と、なんですけど~」
「みくるちゃんもなの?」
「実は僕もなんです。バイト先のクリパにいかないと行けなくなりまして」
みんなそろって用事があるってか?何だか心配になってきた。
「古泉くん!バイトとSOS団、どっちが大事か分かってる?」
「当然SOS団です。が、バイト先のガチムチな先輩に今年は来ないと掘るぞっと言われてまして…」
古泉が神妙な顔つきで言った。
「しかたがないわね。貞操の危機じゃ」
ハルヒは残念そうに顔を暗くしている。今年はクリパはなしか。ハルヒの手料理が食べられると思っていたのだが。
「チャンスですよ?涼宮さんの手料理と言わず涼宮さんをいただく」
古泉が吐息が掛かるくらい近付いて言った。ええい寄り過ぎだ。
しかし古泉の言う通りチャンスでもあるな。ん?もしかしてお前ら…
「お気付きになられましたか。まぁ頑張ってください」
そうかい。お前らみんなか、二回目の探索の時みたいに。
「仕方ないわね、でも冬の合宿はちゃんとでるのよ」
「…大丈夫」
「ちゃんとでますぅ」
「そちらの方はぬかりなく手配しておりますので」
冬合宿の事は後でだ。作者は夏合宿すら書き掛けだからな!
「では、今日は先に失礼しますね。色々準備があるので」
「わたしも」
「わたしもですぅ。涼宮さん、キョン君、じゃぁまた」
みんなさっさと帰ってしまった。残ったのは俺とハルヒだけである。
ハルヒがコーヒーを飲み終わるのを待ってから話し掛けた。
「ハルヒ、俺は明日開いているのだが」
「じゃあ明日、あんたん家いくわ。妹ちゃんにも会いたいし」
ハルヒと過せる事にはなったはいいが、家だと色々と邪魔が入りそうだ。
妹とか親とか妹とか妹とかあと妹とか妹に。
しかたがない。先程、古泉が席を立つ時に俺に渡した物がある。それを使うとしよう。
「実はこういったものがあるのだが」
チケットの様な紙をハルヒに見せた、とたんにハルヒがその紙を俺の手から奪い取る。
「へ~!ホテルのディナー招待券ね。なんでこんなん持ってんの?」
古泉に聞けとは言えないな。商店街の福引きで当たった事にしよう。
「五人まで無料招待なのね。出来ればみんなで行きたかったな~。みくるちゃんと有希にドレス着せたりして」
それも悪くはないが、それじゃこの券をもらった意味がない。みんなで行くなら古泉が自分で出していたはずだからな。
「みんなで行くのもいいが、俺は、ハルヒと二人で行きたい」
「えっ?いま…」
ビックリした様だな。まさか俺がこんな事言うとは思ってなかったみたいだ。
「だから、お前と二人だけで行きたいって言ったんだ」
さらに言って見る。
「分かってるわよ!そうじゃなくて…その、」
みるみるハルヒの顔が赤くなっていく。上目遣いで見ないでくれ。反則なくらい可愛いぞ!
二人だけでって言葉だけで分かった様だな。だが、ちゃんと言っておいた方がいいだろう。
「ああ、俺はお前が好きだ!だからハルヒと二人で行きたいんだ」
言い切った。冷静を装ってはいるが、実はものすごいスピードで心臓が動いている。
ハルヒはうつむいて沈黙したままだ。この沈黙にはあまり長く耐えられそうにないぞ。
いきなりハルヒが立ち上がり、招待券を突きだして来た。ダメなのか?受け取らないでいると、
「何やってんのよ、バカキョン!さっさと受け取りなさいよ。いい、明日四時にあたしん家にきなさい。いいわね!」
ああ、という事は…
「あんたが持ってなさいって事よ!…二人だけで行きましょ」
よかった。心臓が止まるかと思った。はぁーっと溜息をつくと、
「そんなんでちゃんとエスコートできるの?もっとしっかりして欲しいわね。いい遅れたらキッツイ罰を与えてあげるわ」
100Wの笑顔で言ったハルヒは風の様に店からでて行った。
 
今年のクリスマスはハルヒと二人で、か。
 
―――――――――――――
12月24時19時40分長門有希宅
僕らは長門さんの部屋でささやかなパーティを開いてました。
「今頃、キョン君と涼宮さんは豪華ディナーかぁ~」
そうですね。実はあの招待券、ホテルの宿泊もなんですよ
「ええっ!そうなんですかぁ」
「聖なる夜が性なる夜になるのは時間の問題」
長門さん、女性がそんな事が言っては…
「気にしてはいけない」
と、彼らの性こ…じゃない成功を祈りつつ話をしていました。
ところで長門さん。部屋暑くないですか?
「この部屋の現在の気温は22℃、暑く感じるのはあなたの新陳代謝が活発になっているため」
なるほど、でもアルコールを摂取した訳でもないのに?
「実はあなたの飲んでいる物は赤マムシドリンク。見た目と味は普通のジュースに情報改変しておいた」
何しているんですか!どおりで情熱を持て余す感じになってきた訳ですか。あっ、鼻血が…
「はい、古泉くんティッシュ」
ありがとうございます。朝比奈さん、って密着し過ぎです!む、胸が…
「うふふっ、古泉くんいがいとかわいいね」
何だか朝比奈さん、キャラが違いますよ。なんと言うか大人の女性って感じが。…長門さん何かしましたね
「朝比奈みくるが潰れない程度に微量のアルコールを混入させておいた」
何しているんですか!まぁこういった感じの朝比奈さんも悪くないですけど。
「…ナニをするのはこれから」
えっ?
「ふふっ、古泉くんココは、りっぱね」
ちょ~!どこさわっているのですが。いやいやダメですって。朝比奈さんあまり弄らないでください。
「今年のクリスマスは性なる夜ですねぇ」
「頑張って」
いや、二人ともなにを…って、ちょ、まっ、脱がさ…あっ、うっ、このオチは…ア、アッー!
 
 
おしまい。


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