MGS4とのクロス(のつもり)です。
 
 
俺は夢を見ていた。授業が終わりのんびりと旧館に向かい、文芸部室の扉をノックする。すると中から魅惑の朝比奈さんボイスが聞こえ、扉を開けるとそこにはいつもの席で本を読んでいる長門、メイド服でお茶を入れている朝比奈さん、ボードゲームの準備を整えている古泉、そして…入り口の正面のパソコンの陰には団長席にふんぞり返っているハルヒがいた。そして―
 
“おい、起きろ”
俺は粗末な2段ベッドの下段で目を覚まし、声の主を見やった。
“交代の時間だ”
男はアラビア語で俺に呼びかけていた。
“ああ、わかった。今何時だ?”
寝ぼけ眼で俺も片言のアラビア語で答える。少し寒いな。
“午前3時ぐらいだ。それよりお前、夢でも見てたのか?”
アラビア語は日常会話程度しか知らない俺がぽかんとしていると、後半の意味をつかみ損ねているとわかった男はこう聞いてきた。
「Ah……What―――you―see――dream?」
ただ単語を並べただけの英語だが、身振り手振りで大体言いたいことはわかった。言葉がわからないときはどこの国の人もやることは大して変わらないんだな。
「yeah, I just remembered my old days.」(ああ、ちょうど昔のことを思い出していたんだ。)
少々意地悪かもしれないが、俺も英語で答えた。昔ハルヒにみっちり教えられてからはわりと得意なんだ。だがどうやら意味は通じたらしい。納得した様子で
“よくあることだ。さあ、早く交代してくれ。”

と言ってきたので、俺がベッドから這い出ると男はそのまま俺が寝ていたベッドにもぐりこんだ。…別にこいつが妙な性癖を持っているわけではない。ここではほかに寝る場所が無いため必然的にそうなるのだ。おかげで次に誰かと交代して俺がベッドに戻るときもその誰かの体温で暖かいままだ。ベッドの柱にかけてあった装備を身につける。手にはAK47を持ち、胸に着けたチェストリグにはマガジンを5個入れ、腰には無線機とグレネードが2個固定されていることを確認する。外に出るとき、ひとつ気になったので男に聞いてみた。

“なあ、どうして俺が夢を見ているとわかったんだ?”
“…幸せそうな顔をしていた。ここじゃ普段そんな顔はしないからな。”
幸せな過去、か。やれやれ。俺は苦笑いしながら宿舎を出て行った。しばらく歩き、有刺鉄線で囲まれた敷地の終わりのあるゲートに着く。そこにいた仲間に歩く手を挙げ、『2時間経ったら交代だ。そしたらまた眠れる』ということを考えながらそこから敷地の外周に沿って警戒しながら歩いていく。
 

 

俺は今、中東で民兵になっていた。


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