あの日、私は朝倉涼子を殺してしまった。
私は彼女が苦しむ姿を見ている事が出来なかった。
あの日、古泉一樹が居ない事を会長から聞いた私はまさかと思い、朝倉さんの家に行くと、部屋の中から古泉一樹が出てきた。
古泉一樹は「彼女の事…よろしくお願いします…」と言い残して去って行った。
嫌な予感がした私は部屋に入る。すると、朝倉涼子の叫び声がしたので駆け寄る。
彼女はほとんど裸の状態で、古泉一樹が部屋から出てきた事から何があったのかは想像できた。
しかし、明らかに彼女の様子はおかしく、彼女に聞いても悲鳴を上げるだけだった。
私はもう耐えられなかった。
長門さんからの理不尽な暴力、私が彼女にした行為、そして古泉一樹から受けた暴行。
楽にさせてあげたかった。だから私は情報操作で朝倉涼子の心臓を停止させた。
私は涙を流しながら動かなくなった朝倉涼子のまぶたを閉ざして暫く間、抱きしめていた。
「ごめんなさい…」
最後に私はもう動かない彼女に言った。
そして、情報連結の解除をして彼女を消し、情報統合思念体に自らの情報連結の解除を申請した。
しかし、その申請は拒否された
彼女を殺した罪を背負えと言うことなのだろうか?彼女の分も生きろと言うことなのだろうか?
情報統合思念体は、何も答えてはくれなかった。