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ハルヒ「あいつ、遅いな」
ハルヒ「うぅ、なんだか緊張するな……」


ハルヒ「今日はキョンのやつ、野暮用でデパートに行くって言ってたし」
ハルヒ「私もデパートに行く用があるという名目で、偶然を装って交差点でバッタリ出くわせば一緒にデパートに買い物に行けるはず」

 

ハルヒ「違う違う、ちがうのよ! これはデートなんかじゃないの。一人で買い物できるかどうかもわからないキョンのために、私もお目付け役として同行してやろうという団長の優しい心遣いなんだから!」
ハルヒ「そうよ。私がキョンとデパートに行きたいんじゃないのよ。あいつに私が仕方なく、休日返上でついて行ってやるだけのことなんだから。そうよ!」

 

ハルヒ「……遅いな、キョンのヤツ」

 

ハルヒ「あ、きた!」

 


~~~~~

 


キョン「妹がランドセルを壊しちまってな。創立記念日で学校休みの俺が、デパートまで買い物に行くはめになっちまったのさ」
国木田「へえ。それは災難だったね。でも、どうせ家に居てもすることなくて暇だったんでしょ? なら、気分転換になっていいじゃないか」
キョン「まあ、そう言われれば返す言葉もないわけだが。それでもシャクだろ? せっかくの休日を、妹のランドセル購入のために費やさなければいけないって」
国木田「ははは。キョンは口では何だかんだ言っても、妹思いの優しいお兄さんだからね。まんざらでもないと思ってるんじゃない?」
キョン「そんなわけないだろう。妹が帰ってきたら、新品のランドセルを渡す前に物を大切にする心構えをみっちり説教してやるつもりだ」

 

キョン「で、国木田はデパートに何の用事なんだ?」
国木田「僕は参考書を買いに行くところだったんだよ。僕の欲しい本は、近所の本屋には置いてなくてね」
キョン「相変わらず勉強熱心だな。羨ましいよ」
国木田「羨ましいのなら、キミも全力を挙げて勉学に打ち込めばいいじゃないか」
キョン「それができないから、お前を羨やんでいるんだよ」
国木田「他人を羨んだって成績は上がらないよ」

 

ハルヒ「あ、あ、キョ、キョンじゃない。こんなところで会うなんて奇遇ね」
キョン「よう、ハルヒじゃないか。休日だってのに国木田だけじゃなくてお前にまで会うとは。この町も意外に狭いんだな」
国木田「こんにちは、涼宮さん」
ハルヒ「く、国木田じゃない。こんにちは」

 

国木田「ん?」

 

ハルヒ(なんで国木田がいるのよ!? 聞いてないわよ。キョンは今日、一人でデパートに行くはずじゃなかったの!? 想定外の出来事だわ……!)

 

国木田(あれ、涼宮さんどうしたんだろう。なんだか僕の方を一瞥して困ったような顔を………)

 


 ぴきーん

 


国木田(そういうことか! 謎は全て解けた!!)

 

国木田「キョン、ごめん。デパートに一緒に行くって話だったけど、僕はちょっと所用を思い出したんで帰らせてもらうよ」
キョン「参考書を買いに来たんじゃなかったのか? 本を買うくらいすぐ済むだろう。デパートもすぐそこなんだから、買ってから帰ればいいじゃないか」
国木田「いやあ、それがね。一分一秒を争う火急の用事があったのを不覚にもすっかり失念していたんだよ。まいったなあ。今から走って間に合うかな」
キョン「そうなのか。じゃあ、気をつけて帰れよ。車に気をつけてな」
国木田「うん。じゃあ、また明日ね。さよなら、キョン」
キョン「ああ。じゃあな」

 

国木田「涼宮さんも、さようなら」
ハルヒ「え、ええ。さようなら」

国木田「がんばりなよ」
ハルヒ「え?」

 

国木田「あはは。なんでもないよ」

 

国木田「それじゃ、ばいばい!」

 

 

 

国木田「ふぅ。やれやれ。せっかく参考書を買って帰って予習しておこうと思ってたんだけどな」
国木田「でも、仕方ないよね。こんなこともあるさ」

 

国木田「よくやったぞ、僕!」

 


~~~~~

 


みくる「残念でしたね。もう少し早く着いていれば、2個買えたんですけど」
鶴屋「くぅ~、私が家を出る時に携帯を忘れて取りに戻ったばっかりにぃ! ごめんね、みくる。おかげで限定30個販売のシュークリームを買い損ねちゃったよ」
みくる「仕方ないですよ。運が悪かったと思って、あきらめましょう。いつかまた、チャンスはありますよ」
鶴屋「う~ん……。でもあのシュークリームったら、めがっさおいしいんだよね。みくるにも食べさせてあげたかったなあ。ざんねんざんねん!」

 

国木田「鶴屋さんに朝比奈さんじゃないですか。こんにちは」
鶴屋「おお、キョンくんのクラスメイトの、確か国木田くんだったね」
みくる「こんにちは」

国木田「どうしたんですか? さっきからしきりに残念残念と呟かれていたようですが」
鶴屋「あっははは。聞こえてた? まいったなあ。いやはや、実はね。ここの話題の限定品シュークリームを買いに来たんだけどさ。ちょろっと間に合わなくてね」
みくる「売り切れた後だったんですよ。それで、残念だと言ってたんです」
国木田「そうだったんですか」

 

みくる「さあ、帰りましょう鶴屋さん。帰りにパフェでも食べて行きましょうよ」
鶴屋「うぅ~。今日はぜったいにあのシューを買うんだって決めてたのに!」
みくる「私も残念ですけど、ないものは仕方ないですよ。ね?」

 

国木田「………」

 

国木田「あ、あの。もしよかったら、これ、食べませんか?」
みくる「え? え? 国木田さん、それって?」
国木田「ええ。さっき買ったばかりの限定シュークリームです。今日親戚がうちに来ることになっていたから2つ買ってたんですけど、実は急に親戚が来られなくなってしまいまして。必要なくなってしまったんですよ」
鶴屋「でも、キミが買ったシュークリームなんだからキミが食べればいいじゃない」
国木田「実は僕、あまり甘い物が好きじゃないんですよ」

 

国木田「だから、はい。甘い物がダメな僕が食べるより、シュークリームを食べたがっていたお二人が食べた方がいいですよ。きっと」
みくる「でも。それなら持って帰って家族n
鶴屋「ホントに!? ありがとう国木田くんっ!!」

みくる「鶴屋さん、悪いですよぅ……」
鶴屋「そんなことないって。彼だっていいって言ってくれてるじゃない。もらっとこうよ」
国木田「そうですよ。遠慮せずにもらってくれた方が、僕も気が楽です」
みくる「国木田くんがそう言うなら……ありがたくいただきます」
鶴屋「悪いね、ありがとう国木田くんっ!」
国木田「いえいえ。どうしようか迷っていたところだったんで。こちらこそ助かりました」

鶴屋「それじゃ、ありがとね! この借りはいつか必ず返すからさっ!」

 


みくる「あ、このクリームおいしい」
鶴屋「でっしょ!? あの店のシューは最高なのだよみくるくん!」

 

みくる「鶴屋さんったら。うふふふふ」
鶴屋「あはははは!}

 

 

 

国木田「………」

 

国木田「大好きなシュークリームを食べながら、部屋でのんびり勉強するつもりだったんだけどな」
国木田「ああ、シュークリーム食べたかったな……」

 

国木田「……いいじゃないか、別に。鶴屋さんも朝比奈さんも喜んでくれたんだら。それだけで十分じゃないか」
国木田「点数に換算したら、あれは100点満点の行動だったぞ、僕!」

 

国木田「よくやったよ、僕は! ファイト!」

 


~~~~~

 


国木田「はあ……」
国木田「憂鬱だな」

 

国木田「どうしてこうも、僕は周囲の空気を読んでしまうんだろう」
国木田「何にも気づかないくらい鈍感だったなら。他人の窮地も見て見ぬふりができるくらい肝が太ければ。こんなに落ち込むこともないのに」
国木田「性分だから仕方ないとはいえ、もうちょっと大雑把に生きたいよ。そうすればストレスを感じることも少ないだろうし」

 

 


谷口「へいそこのラーメンみたいな髪した彼女! 俺と一緒にお茶しない!?」
女「いやよ、このできそこないオールバック。しっしっ」
谷口「そんなつれないこと言わないでさあ」
女「いやよ! とっとと消えてよね!」

 

国木田「あ、そいつ大金持ちの家の御曹司ですよ」
女「マジで!?」

 

女「行きましょう! お茶でもカラオケでも、どこへでも行きましょう! そして私にブランド物のバッグを買ってちょうだい!」
谷口「国木田GJ」

 

 

 

国木田「はっ!? 僕は一体なにを!?」
国木田「……そうか。またやってしまったのか」

 

国木田「もう、空気なんて読みたくないよ……」

 


~~~~~

 


岡部「そうか。それで今日は朝から浮かない顔をしていたのか」
国木田「そうなんです。昨日なんて特に酷くて、方程式を解いていて、xとyにまで気を遣ってしまう始末」
岡部「それは辛いな」
国木田「先生。なんとかならないでしょうか」

 

岡部「そうだな。難しい問題だな」

国木田「困っているんです。こんな性格のせいで、気苦労ばかりしてしまって」

 

 

国木田「街角でマッチを売っている少女を見かけると、家にはチャッカマンがあるのについついマッチを買ってしまうんです」

 

国木田「隣町に行ってる時にほしい本を見かけても、ここで買ったら地元の税収にはならないなという思いが頭をよぎってしまうんです」

 

国木田「ニコニコ動画で園崎姉妹が登場すると無意識のうちに、『(・3・)<あるぇ~』って書き込んでしまうんです」

 

国木田「接触事故を起こして警察に取調べを受けても、事故した相手の証言に矛盾の出ないよう頼まれてもないのに口裏を合わせてしまうんです」

 

国木田「新聞の勧誘を断れないんです」

 

国木田「間違いメールかスパムメールか区別のつきづらい新着メールに、いちいち返信してしまうんです」

 

国木田「大して面白いと思わないバラエティ番組に愛想笑いを浮かべてしまうのです。自分一人しか見ていなくても」

 

国木田「携帯小説って21世紀の新しいジャンルだよね、と心にも無いことをネットに書き込んでしまうのです」

 

国木田「新着SSを読んでコメントに困った時でも、雑談室にGJと書き込んでしまうのです」

 

国木田「不倫は文化だと聞いたときにも、斬新ですねと答えてしまったのです」

 

国木田「おっぱっぴーと聞いて、面白い面白いと手を叩いて笑ってしまったのです」

 

国木田「DVDを返却する際には必ず両面をウェットティッシュできれいに拭かないと気がすまないのです」

 

国木田「こないだキーボードのwキーが押しすぎでつぶれてしまいました」

 

国木田「今からでも遅くないから、裁判員制度は中止するべきだ」

 


岡部「ふむ。これは重症だな」
国木田「はあはあはあ。自分でもそう思います」
岡部「早急に処置しなければ大変なことになってしまうぞ」
国木田「やっぱりそうでしょうか。僕は、一体どうすれば良いのでしょうか」

岡部「うむ。とるべき手段は一つだけだ」
国木田「そ、それは一体!?」


岡部「ハンドボールで汗を流すんだ。さすれば、そんな心の内のもやもやも晴れるに違いない」

国木田「……そんなものでしょうか?」
岡部「そうだって。絶対うまくいくって、これ。マジで。疑うんなら、ためしにやってみ?」
国木田「いや、そんな……」

 

国木田「……」

 

国木田「………」

 

国木田「そうですよね。ハンドボールやればたいていの心の悩みは解消されちゃいますよね!」
岡部「そうだぞ、国木田。よく言った! よし、そうと決まれば善は急げ。今すぐハンドボール部にご招待だ!」
国木田「わー、嬉しいなあ」

 

 


国木田「………」

 

国木田「…………」

 

国木田「……またやってしまった……lllorz」

 


 ~おしまい~

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